✜ 鳥山求 氏
──新キャラクターのファングは、どのような人物なのでしょうか?
鳥山 刻印らしきものがありますので、ルシであろう謎の女性です。ルシなのに政府側の“ある組織”とともに登場します。ライトニングよりも強い女性という設定で、性格的にはワイルドでホットな男勝りタイプ。スノウにも負けていませんね。ストーリー的にはミステリアスな女性なんですが、本人はまったく自覚がないという・・・・・・。
──主要なキャラクターが次々と公開されていますが、まだほかにも?
鳥山 『FF』シリーズおなじみの、あの人がまだ残っているかもしれません(笑)。
──バハムートは、ほかの召喚獣のように特定の属性を持つのでしょうか?
鳥山 バハムートは特定の属性は持っていません。本作の召喚獣は属性というよりも、それぞれが戦闘のコンセプトを持っているんです。バハムートは“エアリアルレイバー”というコンセプトで、圧倒的な機動力と豪快な攻撃スタイルで、打ち上げた敵を空中コマンドで吊るし上げたまま、大暴れします。
──ブリュンヒルデという名前は女性形ですが・・・・・・サッズの召喚獣は女性なのでしょうか。
鳥山 デザインした塚本哲によると、女性らしいです。アフロに似合うアブノーマルな女性ですね。武器はサッズに合わせた大型の銃で、ノリノリで撃つ姿が怖いです(笑)。なお、ドライビングモードはすべての召喚獣に共通のルールですが、乗り物と言っていいものかというすごいのが、まだ控えています。
──ライトニングが「飼われている」と言うシーンの中心で回っている物体はなんですか?
鳥山 パルムポルムの地下にある食糧生産施設を管理しているファルシです。地下水田の光を調整したり、培養プラントを適切に動かしたりする能力があります。ファルシは複数あり、それぞれに名前がついていますので、製品版で捜してみてください。
──パルムポルムの水が結晶化したような場所は、なぜこういった景観に?
鳥山 召喚獣シヴァが、スノウと、ある人物とともにド派手に登場した結果、ああなってしまいました。クリスタルの結晶になったビルジ湖のようにストーリー的な意味合いを持つというよりは、氷の花道みたいな。
──公式サイトでは、製品版よりひと足さきに本作の小説が公開されていますね。
鳥山 物語のプロローグとなる13日間のエピソードを公開しています。ライトニングやセラやスノウたちが、平和に過ごしていたころの日常を知ることができ、ゲームの中の情景としっかりリンクするように作家の映島(巡氏、小説家)さんにがんばってもらっています。また、『FFXIII』のプレイまえだけでなく、プレイ後に読むと、さらに深みが増すような仕組みで構成しています。今後も、続々とキャラクターが登場しますので、お楽しみに。
──では、最後にメッセージをお願いします。
鳥山 現在、ファンの皆様の声を、製品版に活かすようにギリギリまで最終調整をしている真っ最中です。楽しみにしてください!
✜ 野村哲也 氏
──まず新キャラクターであるファングのデザインのポイントについて教えてください。
野村哲也(以下、野村) ポイントは、毛先だけ赤くしているところです。もともとは黒一色だったのですが、できあがったCGモデルをチェックしているときに、全体的な色味が寂しかったので、赤を足してみました。
──野村さんへデザイン依頼があった際は、どのような説明があったのでしょうか?
野村 正式なシナリオが上がるまえは、男性という設定だったんです。それが、正式な依頼になったときは女性になっていて、強い女性という意味でライトニングとの差別化に悩みました。いろいろと違うポイントは作ったのですが、大きな特徴としてはライトニングは色気を消して、ファングは色気を出したところでしょうか。
──鳥山さんからデザインの指示は具体的にありましたか?
野村 スパニッシュ系に近い人種で、褐色の肌がいいと言っていましたね。あと、エキゾチックな熱い国というイメージも合わせて言っていましたので、なんとなく黒髪がいいなと考えました。
──民族衣装のような服を着ていますが?
野村 詳細は言えないのですが、ヴァニラと同じヲルバ姓の人物ということで、彼女同様に民族衣装風にしました。ただ、ヴァニラとまったくいっしょではおもしろくないので、インドのサリーをイメージしています。サリーの下は、黒いショートパンツを履いていますね。アクセサリーは、ヴァニラとよく似たものになっています。
──肩にはタトゥーが入っていますが?
野村 ファングは戦士なので、そういう意味合いで入れています。肩などに見られる傷も、それを象徴しています。タトゥーのデザインはトライバル模様なのですが、名前にもなっている“牙”をイメージしました。ちなみに、ライトニングと似て、気が強いせいか、イベントではふたりでしょっちゅうぶつかり合って、ケンカをしています(笑)。
──武器はふつうの槍ではないようですが。
野村 自分は、今回武器には関わっていないんです。ただ、『XIII』は召喚獣だけでなく、武器も変形するのがコンセプトのようですね。
──声優は、野村さんの意見も反映されて決まっているのでしょうか?
野村 声優さんは鳥山や自分を入れた4~5人でオーデションを行い、持ち寄った意見で決まります。最終ジャッジは、ディレクターである鳥山が行いますね。あとは声質が、ライトニングとファング、ナバートで似ないようにしたり、セラとヴァニラが違うイメージになるようにしたりと、全体のバランスも考えています。
──では続いて、これまでお聞きしていなかったサッズのポイントをお伺いします。
野村 サッズ、いいでしょう? 自分でも描き上げたときに「いいキャラができた!」とニヤニヤでしたから(笑)。最初は、スキンヘッドのカッコいいキャラというリクエストが来たんです。ですが、資料として黒人の方の画像をいろいろと見ていたら、どうしてもアフロがやりたいなあと思い始めて、これはやったもん勝ちだと。『FF』のキャラでアフロというのは、いませんでしたからね。
──衣装は制服のようなイメージで?
野村 現在は飛空艇の運転士ですが、当初は列車の運転士という設定でした。そこで、いろいろと運転士に関する資料を調べたのですが、何を見てもスーツのような制服が主流で・・・・・・。ふつうのジャケットとスラックスで戦うのもどうかと思い、いっそのこともっと運転士のイメージに近づけてみようと帽子を被せてみたりもしたのですが、昔あった某警官コントのようになったのでやめました(笑)。最終的には、軍服のイメージを取り入れて仕上げています。
──中にはTシャツを着ているのでしょうか?
野村 ランニングです。ちょっとだけかっこつけて黒のランニング。白のランニングを着せようと思ったのですが、さすがに生活感が出過ぎてしまうので黒にしました(笑)。
──制服の腕にあるマークは?
野村 サッズが所属している飛空艇会社のものですね。こういうものはデザイン時には空けておいて、設定ができてからスタッフに入れてもらっています。逆に、ひなチョコボはデザイン時に落書きをしていたものを、「これ使ってね」とお願いして出したものです。サッズに相棒のようなものが欲しくて描いたのですが、想像以上に使われて驚きました。
──セラのネックレスなど、アクセサリー類もあとから描かれるそうですね。
野村 自分の原画はだいたいA4の紙などに細部まで描き込むため非常に小さくて、アクセサリーなどの詳細は別途描き起こすんです。モーションアクターのオーディションに立ち会って、そこで鳥山が役者さんに指示している言葉を聞いて、デザインのイメージを膨らませていくこともありますね。
※ 週刊ファミ通 「No. 1090」2009年11月05日号 より一部抜粋。