ゼロの保管庫 別館

21-313

最終更新:

familiar

- view
だれでも歓迎! 編集

313 :上手なわんこの手なずけ方 ◆mQKcT9WQPM :2007/09/30(日) 23:26:26 ID:U1Psq7Q8 「おーい、準備できたかー?」

まだ朝靄に煙るトリステイン魔法学院に、才人の声が響く。 正門前に、水精霊騎士団の面々が集まっていた。 今日は、王都で水精霊騎士団の定期天覧行軍演習を行うのだ。 たとえ学徒だけで構成される名ばかりの騎士団とはいえ、トリステイン王家直轄の騎士団である。 定期的な天覧行軍演習の義務を課せられるのは、当然といえた。 まだ眠気の残る顔を擦りながら、ギーシュは点呼を開始する。

「じゃ、ばんごー」

いち、にー、さん、ごー、ろく、ななな…ふぁぁーあ…。

完全に気が抜けている。

「こらぁ!君たち気が抜けてるぞぉ!今日は天覧演習だぞ!  王都でもそんなユルんだ態度だと、後悔することになるぞ!」

しかし、誰もそんな話は聞いていない。 欠伸をしたり私語をしたりと、まるでまとまりが見られない。

「こぉらぁ!君たちぃ!」 「ほっとけよギーシュ」

才人は怒鳴るギーシュを手で制する。 そして、続ける。

「今から気ぃ張ってたらもたねえぞ?  アイツらも本番になったら気合い入れるって、心配すんなよ」

その才人に、騎士団の面々も同意する。 「その通りー」「本番はちゃんとやるってー」

「…僕のいう事は聞かなくてもサイトのいう事は聞くんだな君ら」

肩を落としながら、ギーシュはうなだれる。 団長の面目丸つぶれなギーシュであった。

314 :上手なわんこの手なずけ方 ◆mQKcT9WQPM :2007/09/30(日) 23:27:33 ID:U1Psq7Q8 騎士団の面々が王都に着いたのは、その日の昼過ぎ。 王城に到着した一行を出迎えたのは、アニエスだった。

「道中ご苦労。演習は2時間後に行う予定になっている」

すぐ演習に移れ、とか言われたら正直グダグダになりそうだっただけに、この2時間は非常にありがたかった。 騎士団の面々は地面に腰を下ろし、思い思いに休息を取り始める。 王都までの道のりを馬で飛ばしてきただけに、全員クタクタだったのだ。 才人もまた、手近な縁石に腰を下ろす。

「あ、サイトは一緒に来て貰うぞ」 「はい?」

アニエスは突然そう言い、才人の襟首を引っつかんだ。

「個別召集だ。他の騎士団員は休んでいていい。  行くぞ、サイト」 「え、あの、アニエスさんっ?」

反論も許さず、アニエスはずりずりと才人を引きずっていく。 水精霊騎士団の面々は、それを黙って見送った。 誰しも、余計な厄介ごとは抱え込みたくないものだからだ。

才人が引きずりこまれたのは、王城にある、銃士隊の控え所。 今、銃士隊の隊員は全員職務中だから、ここには誰も居ない。 …今日はここでっすか…。 才人はちょっとゲンナリしながら、まあ今日は刻限付きだし、と変な安心の仕方をする。 当のアニエスはといえば、案の定控え所の扉の錠を下ろし、人が入ってこれないようにする。

「…で、用ってなんすかアニエスさん?」

半分呆れたように言う才人だったが。 振り向いたアニエスは、何がおかしいのか、口許に手を当てて、笑い出す。 …あれ?アニエスさんってこんな風に笑うっけ?

「…ふふ。私の演技も、捨てたものではありませんね」

どこかで聞いた、上品なしゃべり方。 そして、今になって見せた、柔らかい物腰。 …まさか…。

「姫さまっ!?」 「あ・た・り♪」

そう言うと同時に、『アニエス』の姿が揺らぎ、その姿を変えていく。 短く切りそろえられた真っ直ぐな金髪が薄紫の柔らかい髪に変わる。 鋭い眼光を湛えた騎士の瞳が、優しくも高貴さに溢れた、女王の瞳になる。 アンリエッタを『アニエス』に変えていた光は、女王の右手の中指に嵌められた指輪に収束し、消えた。 そして才人の目の前に、騎士装束に身を包んだ、アンリエッタが現れた。

315 :上手なわんこの手なずけ方 ◆mQKcT9WQPM :2007/09/30(日) 23:28:11 ID:U1Psq7Q8 「姫さま、何やってんすか!」

今日は、水精霊騎士団の天覧演習だ。 その主賓たる女王がいなくては、始まる物も始まらない。 しかし当の女王は、悪びれた風もなく。

「あら、そのために2時間も取りましたのよ。  …ご主人様のために」

アンリエッタは才人を『ご主人様』と呼び、しなだれかかってきた。 …あ。やべ、気付くの遅すぎた! 才人は後悔したが遅かった。 すでにアンリエッタの思考は、メス奴隷モードに切り替わっているようだった。 でも、一応抵抗するだけしてみるかぁ。 無駄と知りつつ、才人は、自分にしなだれかかる『女王』に呼びかけた。

「あの、姫さま?」 「今は、『姫さま』じゃありません。  …二人っきりのときは、私はサイト様のメス奴隷だって言ったじゃないですか…」

ほら、やっぱり無駄だった。 こうなったらもう。 目の前のメス奴隷が満足するまで、付き合うしかないと、諦めた才人だった。 453 :上手なわんこの手なずけ方 ◆mQKcT9WQPM :2007/10/03(水) 04:41:10 ID:QsX+COGk さてと。 タイムリミットは2時間。 その間にこの変態女王を満足させないと、二人そろって天覧演習に遅刻などという、なんていうか一番やっちゃいけない類のミスをしでかしそうだ。 それに。 この際だ、この変態女王に一回きっついお灸をすえておく必要がある。 …ていうか、色狂いで国政傾かせたら、洒落にならんってーの。 まあ原因の一端は俺にあるわけですがーッ! そこはキニシナイことにしておく。キニシナイったらキニシナイんだい。 やっぱアレだ、こーいうことするととんでもない目に逢うって教え込ませないといかんわけだし。 心身ともに大ダメージなプレイでいかんと。 でも俺痛くするの嫌いだから、主に精神ダメージの方で。 …なんかいいもんないかなー。 なんて考えてると。

「ご主人様ぁ…」

ぽよんぽよんと揺れるおっぱいが、俺の前に突き出される。 って!もうマッパだし! いつの間に脱いだ! …ってここ銃士隊の控え所デスヨ?誰か来たらどうすんですか?

「…その時は、この指輪でなんとかします…」

言いながらアンは、俺に抱きつきながら右手の中指に嵌めた指輪を見る。 そーいやあの指輪で、化けたりできるんだよな。 …まてよ?

「姫さま?」 「…今はひめさまじゃありません…」 「…じゃあアン。ひょっとしてその指輪で化けると、たとえば俺以外にはアニエスさんに見えて、俺にはアンに見えるとかできるの?」 「できます。ですから、安心して、アンをいっぱい、いじめてください…」

言いながら、アンは発情した牝犬みたいに俺の身体に自分の身体を擦りつけ始める。 ダメだ、早くこいつなんとかしないと。 …でも、いい事聞いた。 おかげでナイスなこと思いついた。

「じゃあアン。ちょっと、俺以外には犬に見えるように、化けてもらえる?」 「…?はい、わかりました」

アンは最初妙な顔をしていたけど、素直に従って、ルーンを唱える。 俺から見た目は変わらないけど。 すぐ近くにある姿見には、アンのいる場所に、ふさふさの白い毛に覆われた大型犬が、直立して尻尾を振っている姿が映っている。 …なるほど、俺以外には今のアンはグレートピレネーもどきに見えるわけだ。 んじゃ、本番行こうか。

「じゃあアン。犬みたいに四つんばいになってみせて」

それを聞いた瞬間、アンの顔が一瞬で真っ赤に染まり、そして嬉しそうな顔になる。 …このへんたいさんめ、きっとアタマん中で『いやだ、犬みたいに後ろから犯されるんだわ、どうしましょう』なんて考えてるんだぞきっと。 …その思考が読める俺も、どんだけー。 しかしここで終わらないのが平賀流サイトイズム。 こっからが本番でございますよー?

「それじゃあ、そのまま四つんばいで、外にお散歩に行こうか?」 「…えっ…」

今度こそ、アンの目が点になった。

454 :上手なわんこの手なずけ方 ◆mQKcT9WQPM :2007/10/03(水) 04:41:44 ID:QsX+COGk 「ほら、早くしないと置いてくぞ?」

才人はアンリエッタの化けた犬の少し前を、才人は早足で歩く。 そこは王宮の中庭。 この時間は人通りはほとんどなく、すれ違う者もいない。 才人の後を、アンリエッタは四つんばいで続く。 立って続けば楽なのかもしれないが、それでは世にも奇妙な二足歩行する犬になってしまう。

「待って、サイトさまぁ…」

思わずそう漏らしたアンリエッタに近寄り、才人はその白い臀部をぴしゃん、と叩いた。

「きゃんっ!」

思わぬ折檻に、アンリエッタの喉から仔犬の鳴き声のような声が漏れる。

「違うでしょ?今アンは犬なんだから、犬みたいに鳴かなきゃ。  それに、膝が地面に着いてると、変な歩き方してるように見えるんじゃない?」

それはつまり。 膝を伸ばし、高くお尻を突き上げた状態で歩いて、なおかつ、犬のように鳴け、ということだ。

「で、でも」 「はい、違うでしょ?」

ぴしゃん!

「きゃんっ!?…く、くぅ〜ん…」

主人の暴虐にしかし、アンリエッタは犬の鳴き声で応えた。 そして、膝を伸ばしてお尻を高く突き上げる。

「はい、よくできました」

そんなアンリエッタの背中を、才人はまるで愛犬にそうするように、優しく撫ぜる。 アンリエッタの背筋を、ぞくぞくと奇妙な快感が駆け抜ける。 それは、隷属と背徳の快感。 女王でいる間はけして得られない、禁断の果実。

「じゃ、中庭ぐるっと回ってこようか?」

え。 アンリエッタは我が耳を疑う。 つまり、才人の言っている事の意味は。 全裸のまま、この姿勢で、中庭を連れまわされる、ということだ。 …誰かに、見られるかもしれないのにっ…。

「大丈夫、アンは今犬だからね。全裸でうろついてても誰もおかしいなんて思わないよ」

でも。…でも。 必死に訴えかけようとするアンリエッタだったが。

「じゃ、行くよ」

すたすたと歩き出した主人の後を、アンリエッタは大人しく着いていくしかなかった。

455 :上手なわんこの手なずけ方 ◆mQKcT9WQPM :2007/10/03(水) 04:42:44 ID:QsX+COGk しばらく行くと、二人は正門の前の広場に着く。 そこには、水精霊騎士団の面々が、思う様休息を取っていた。 才人は渡り廊下の柱の影でアンリエッタを休ませていた。 アンリエッタの手と足はすでに砂埃にまみれ、小さな疵ができていた。 無理な姿勢で連れまわされたために、息も荒くなっている。 …ちょっとやりすぎたかな。 と、才人が反省していると。

「あれ?サイトどうしたんだいその犬」

背後から声をかけられた。 振り向くとそこには、ギーシュがいた。 アンリエッタは思わず声を上げ、身体を隠したい衝動に駆られたが、自分の今の状態を思い出し、その場に犬がそうするように、膝を立ててしゃがみこむ。 …これなら、犬がお座りしてるように、見えますわよね…。 立てた膝のせいで臀部が容赦なく割られ、晒された肛門を中庭の芝生が撫でる。 さらに、第三者の前で裸体を晒しているという事実が、アンリエッタの中の悪魔を刺激する。 アンリエッタの喉から、はぁはぁと艶かしい荒い息が漏れる。

「ま、まさか飛びついてこないだろうね」

ギーシュにはその息遣いが、犬の吐息に聞こえたらしく、彼は一歩後ずさる。 才人は取りあえず、怯えるギーシュに説明する。

「この犬、王宮で飼ってるらしいんだ。で、天覧演習までの間、こいつの面倒見ろってアニエスさんが」 「さ、サイトも大変だな、そんな猛犬の面倒を見させられるなんて」

才人の説明を聞いても、なお怯えの色の消えないギーシュ。 人サイズの大型犬を目の前にしているのだから当然といえば当然だが。 もし、ここで魔法が解けたら、ギーシュ卒倒だけじゃすまんな、などと才人は思う。 そしてその後、とんでもないことを思いつく。

「…こいつ、案外大人しいんだぜ?なでてみる?」

…え…! アンリエッタの瞳が驚愕に見開かれる。 そんな、サイト様以外の男性に、肌を直接撫でられるなんて…! そんなおぞましい想像のせいで、アンリエッタは震える。 しかし、それは懸念に終わった。

「じょ、冗談はよしてくれ!噛まれたらどう責任取るんだサイト!」

ギーシュは怯えたように後ずさる。 そ、そうだ、怯えさせれば撫でられる事も…! アンリエッタはそう思い、ぐるぐると犬が威嚇するように唸ってみせる。

「ほ、ほら怒ってるじゃないか!」

ギーシュはそう指摘する。 しかし才人は。

「おかしいなぁ。機嫌悪いのかな?  …そうだ、お腹撫でてやれば機嫌よくなるかもな」

言って、アンリエッタを見る。

456 :上手なわんこの手なずけ方 ◆mQKcT9WQPM :2007/10/03(水) 04:43:36 ID:QsX+COGk …え? 思わず呆けるアンリエッタに、才人は続ける。

「ほら、ころん、てしてみな。ほら、ころん、だ」

才人はジェスチャーで、転がる仕草をアンリエッタに指示する。 …え、でも…。 アンリエッタは必死に視線で否定するが、才人は聞き入れそうにない。 あくまでジェスチャーを繰り返し、アンリエッタに行為を強要する。 そして、メス奴隷のアンリエッタに、それを跳ね除ける権利などなく。

…ころん…。

アンリエッタは芝生の上で、お腹を上に向けて寝転がる。

「さ、サイトの言う事は聞くんだな?」

ギーシュはその様子にまだ怯えたまま、それでも感心する。 才人はそのまま、アンリエッタの腹部に手を伸ばし、円を描くようにアンリエッタの臍の周りを撫で始めた。 …あっ…サイトさまの、手…あったかいぃ…! 誰かに見られながらだというのに、アンリエッタは才人の愛撫で感じていた。 その喉から、甘い喘ぎが漏れそうになる。 しかし、今、自分は犬。だから。

「くぅっ…くぅ〜ん、くぅ〜ん……」

犬の鳴き声を真似て、甘い啼き声を漏らす。

「よーしよし、いい子だ」

言って才人は、ご褒美といわんばかりに、撫でる範囲を、胸の下から、アンリエッタの茂みの上までに広げる。 微細な快感の電流が、アンリエッタを容赦なく刺激する。

「ふぅっ…くぅん、くぅぅんっ…」 「すごいなサイト、完全に手なずけてるじゃないか」

ギーシュは言いながら、しゃがみこんで撫でている部分をまじまじと見つめる。 あっ…!見られてるっ…!サイト様以外の殿方に、こんな近くでぇっ…!

「くぅん、くぅぅんっ…」

アンリエッタの啼き声がどんどん甘く蕩け、理性のタガが完全に外れそうになったとき。

きゅるるるっ…!

アンリエッタの下腹部で、異変が起きた。 長い間秋の外気にさらされたせいで冷えたのか。 アンリエッタは、突然の猛烈な尿意に襲われたのだった。 アンリエッタは勢いよくがばっ!と起き上がると、そのまま才人を押し倒す。

「ちょっ、いきなり何っ…!」

才人の抗議をしかしアンリエッタは無視し、顔を才人の耳に寄せる。 ギーシュからは、大型犬が才人を引き倒し、じゃれついてるように見えた。

「サイト、なつかれてるなあ」

しかし、アンリエッタはそれどころではない。 下腹部を襲う焦燥感は、既に限界に達していた。

457 :上手なわんこの手なずけ方 ◆mQKcT9WQPM :2007/10/03(水) 04:44:41 ID:QsX+COGk アンリエッタは、ギーシュに聞こえないよう小声で、才人に囁く。

「さ、サイト様、お、お小水に、行かせてくださいまし…」 「え、漏れそうなの?」 「は、はい、さっきのでガマンできなく…」

しかし、アンリエッタはこの直後、自分の行動を後悔することになる。

「しょうがないなあ、もう」

言って才人はアンリエッタを元通りお座りの姿勢にさせ、立ち上がる。

「ほら、そこの柱にしちゃいなよ」 「へ、何をだいサイト?」

アンリエッタの顔から血の気が引く。 才人は、指示した柱に犬のように放尿しろ、と言っているのだ。

「いや、コイツに言ってるんだ。オシッコしたいみたいでさ」 「…すごいなサイト、おしっこまで躾けているのか」

ギーシュはしきりに感心する。才人はそんなギーシュの言葉を受け、視線をアンリエッタに向ける。 …できるよね。アンは俺の、なんだったっけ? 視線だけでそう語りかけ、才人はアンリエッタを見つめる。 もう、答えは出ている。 アンリエッタは柱の前まで四つんばいで歩いていくと、ぺたん、と腰を下ろす。 …見ていてください…。アンリエッタは、サイトさまの…。 そして、軽く腰を浮かせて。

しゃぁぁぁぁぁーっ…。

その股間から卑猥な音を立てて噴出す天上の小水が、びしゃびしゃと芝生を濡らす。 そして二人の男の視線を感じながら、アンリエッタは悪寒とともに、心で応える。 …サイトさまの、へんたいマゾどれいです…。サイトさまの、サイトさまだけの、ドレイですぅ…。 その股間からは、小水以外の粘液が、すでにあふれ出していた。 472 :上手な犬の手なずけ方 ◆mQKcT9WQPM :2007/10/03(水) 19:06:28 ID:QsX+COGk 天覧行軍演習は、つつがなく行われている。

「回れェーっ、右!」

ギーシュの号令とともに、馬上の才人を先頭とした水精霊騎士団の編隊は、綺麗に反転し、今度は才人を殿に、行軍を始める。 それを、中庭を見下ろせるバルコニーの上から、アンリエッタとマザリーニ、そしてアニエスが見下ろす。

「なんとか、様になってきましたな」

行軍の様子を見て、マザリーニはそう呟く。 アニエスはその言葉を受け、反論する。

「しかし、まだまだです。この程度の行軍なら、そこらの傭兵どもでもできる」

アニエスは冷徹な目で行軍を繰り返す水精霊騎士団を見下ろし、そして、号令を下す。

「全軍停止っ!3時方向に構えぇっ!」

その号令に反応できたのは、才人をはじめとする、一部の騎士団員のみであった。 半分以上の団員が踏鞴を踏み、隊列が乱れる。

「ほら言わんこっちゃない。突然の号令にも対応できてない」

呆れたようにそう言うアニエスだったが、アンリエッタがそれに異を唱える。

「いえ、アニエス。彼らは正式な軍属ではありません。  これから、慣れていけばよいのです」

女王の言葉に、銃士隊隊長は渋い顔をする。

「…甘いですな、陛下」 「はじめから何でもできる人間などいません。  あなたも、そして私も。違いますか?」

にっこり笑ってそう言う笑顔には、強い力が篭っていた。 …さすが、わが陛下。王たる威厳を、身につけ始めておられる…。 ちょっと色ボケ気味なところがアレだけど…。 などと不謹慎なことを考えるアニエスの隣で、アンリエッタは立ち上がり、バルコニーの縁に立つ。

「さあ、続けてください。我が騎士たちよ!」

アンリエッタの号令に、水精霊騎士団は、剣を振り上げ、応えたのだった。 474 :上手なわんこの手なずけ方 ◆mQKcT9WQPM :2007/10/03(水) 19:07:26 ID:QsX+COGk 一方その頃、本来なら無人のはずの、アンリエッタの寝室。

ぎしっ、ぎしっ、ぎしっ

誰も寝ていないはずのアンリエッタのベッドが、リズミカルに軋む。 そして、その上で。 天覧演習で騎士団に号令を下した声が、淫らに囀っていた。 アンリエッタは両腕を後ろ手に縛られ、才人に下から貫かれていた。

「あっあっあっあっ、おくまでっ、きてますぅっ!」

獣欲に曇った瞳で、才人に跨り、己が主人の肉棒を牝の本能の命ずるまま、濡れた女陰で貪る。 才人の牡が女王の肉襞を容赦なく削り、メス奴隷の欲望を限りなく駆り立てる。 女王の蜜が溢れ出し、淫らに動くアンリエッタの腰が、才人にそれを塗りこむ。 才人はアンリエッタの動きにあわせ、下からメス奴隷の奥を突き上げる。

「やぁっ!だめぇっ!またいくのぉっ!」

きゅっ、きゅうぅぅっ…!

アンリエッタはこの部屋に来てから五度目の絶頂を迎える。 才人はアンリエッタの締め付けに堪え、さらに続けて上に乗ったメス奴隷を責める。

「やぁ、もうやぁ…ゆるひてくらは…ひぃっ!」

許しを請うメス奴隷の勃起した乳首を、才人は容赦なくつねり上げる。 そして言った。

「ダメ。アン、さっき感じてたでしょ?」 「へぁ…らめ…れすぅ…」

才人の言葉は、下から突き上げられ、乳首を虐められているメス奴隷には届いていない。 しかし、才人は構わず続ける。

「俺以外の男に、おしっこ見られて、感じてたでしょ?」 「ひ!か、かんじてましたぁ!ゆるひっ、もう、ゆるひてぇ!」 「だからお仕置き。俺が満足するまで…許してあげない」 「やらぁ!もうっ…いきたくっ…ひぁぁぁあぁぁ!」

仰け反って天を仰ぎ、アンリエッタの口がぱくぱくと空気を求めて動く。

475 :上手なわんこの手なずけ方 ◆mQKcT9WQPM :2007/10/03(水) 19:08:02 ID:QsX+COGk そして。

どくどくどくどくっ!

限界に達した才人が、アンリエッタの中を灼く。

「ひ!あっあっあっあっ!あつい、あついのぉ…!」

才人の絶頂を子宮で感じ、アンリエッタは開放された、と思った。 そのままくたん、と才人の胸板に倒れこむ。 才人はアンリエッタから己を引き抜き。 そして、ベッドの上にだらしなく伸びるメス奴隷の腰を抱え上げ、再び濡れそぼった女陰を貫いた。

「やぁ!もう…いやですぅっ!」 「満足するまで…許さないって言ったろ?」 「やだぁ…ほんとにもうだめなのぉ…!ゆるひ、てぇ…っ」

しかし、そんな懇願を聞き入れるほど才人は甘くなく。

ぐちゅぅ!ぶちゅぅっ!ずぶぅっ!

とろとろに蕩けたアンリエッタを、容赦なく犯したのだった。

「…ひぐ、えぐっ…ひ、ひどいです、さいとさまぁ」

才人が満足し、アンリエッタが開放されたのは、才人が三回放出し、アンリエッタが10回以上逝かされた後だった。 泣きじゃくるアンリエッタを、才人は悪びれた風もなく、抱き締めた。

「…あのさ、アン」

才人の呼びかけに、アンリエッタは泣き顔のまま、愛しい主人の顔を見る。 その才人の顔は、何故か厳しい表情をしていた。

「…なんですか?」 「…メス奴隷は、今日で禁止な」 「…えっ…」

才人のその言葉に、アンリエッタは、自分が嫌われたのだと思った。

「あ、あのっ、至らない所があるなら直しますっ!お気に召さない所があるのなら、言ってくださいましっ!」

必死にそう告げるが、才人はそう言うことを言っているのではなかった。

「アン、一応この国の女王様だろ?  …それがさ、スキルニル代理に立ててこんなことしてちゃいけないと思うんだ」

そう、今天覧演習に出ている才人とアンリエッタはスキルニルである。 アンリエッタは才人とスルことを優先させ、スキルニルに公式の行事をまかせてしまったのである。

476 :上手なわんこの手なずけ方 ◆mQKcT9WQPM :2007/10/03(水) 19:09:14 ID:QsX+COGk 「そういうの、よくないと思う」

才人の言う事は正しい。 アンリエッタも、いけないこととは知っていても、欲望に勝てなかったのである。 そして、その原因は。

「…たぶん、アンは『俺のドレイ』になることを、逃げ道にしてたんじゃない?」

アンリエッタは才人の腕の中ではっとなる。 才人の言うとおりだった。 貴族たちからの突き上げや、各国の使者から伝えられる、ムチャな要求。才人の『ドレイ』となる事で、それらのストレスのはけ口にしていたのだ。

「…だからもう、やめよう」

そして、才人の言葉に、彼の腕の中でアンリエッタは頷いた。

「…そう、ですわね。私、サイト様に甘えていたのかもしれません…」

その顔は、メス奴隷のそれではなく、女王アンリエッタのそれだった。 才人はほっとする。 …ようやくこのへんたい女王、自分が何者か思い出したみたいだな。 しかし、才人は直後、自分の考えが甘かった事を知る。 アンリエッタは才人の胸に顔を埋め、胸板にのの字など書きながら、言った。

「じゃあ、女王の職務を全うしたら…。  また、サイト様のドレイにしてくださいましね…」

…この女王サマは…。 才人は呆れたが、その程度ならいいかぁ、と認めることにした。

「…だからって、トリステイン売ったりしちゃダメですからね」 「大丈夫です、しませんわそんな事」

その言葉に才人はほっとしたが。しかし。 アンリエッタは、ぽん、と手を打った。何かを思いついたらしい。 そして、言う。

「どこかの誰かさんが私を娶っていただければ、女王はいらなくなりますわよね…?」

アンリエッタの瞳が、黒く光った、気がした。 …マテ。チョットマテ。

「あ、あの、ヒメサマ?」 「ふふ。サイト様、がんばって女王に相応しくなるまで出世してくださいね?」

言ってアンリエッタは、才人に抱きつく。 慌てて才人は否定するが。

「ちょ、姫さま俺出世する気なんてないですって!」 「ダメです。これはもう決定事項です。頑張ってくださいましね。未来の国王様♪」

以降、シュヴァリエ・サイトと水精霊騎士団には、妙に政治的意図の絡む任務や、王家周りの任務が増えていくのだが。 その理由を深く知る者は、トリステインにはいなかったという。〜fin

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

人気記事ランキング
目安箱バナー