ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

ゼロの来訪者-18

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匿名ユーザー

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「ああ…ッ!!」
少年、ド・ロレーヌは震えていた。
悪魔と噂される、ゼロのルイズの使い魔を退治しよう!
夕食時、誰とも無くそんな話をし始め、その意見に自分を含め7人の生徒が賛同した。
噂とはいえ、悪魔等と呼ばれる存在が、この学院に居る事が許せない者、ギーシュの仇を
とらねば貴族の沽券に関わると憤る者、中にはキュルケがたぶらかされたと勘違いする、
彼女の数多い恋人の一人まで居た。
その結果、2年、3年の生徒で全員ライン以上、トライアングルも二人いるという、
彼らの頭の中では、これ以上ないという面子となった。
勝利を確信し、ゼロのルイズの使い魔をヴェストリ広場に呼び出したのだが…
まず最年長で、リーダー格だったぺリッソンが、何も出来ずに変身した使い魔の一撃で
吹っ飛ばされた。次の瞬間、ぺリッソンの傍にいた2人の生徒の杖が断ち切られる。
「俺なら空から攻めるね!」そう自信満々に言って、友人に抱えてもらい7、8メイル
の高さに浮いていた3年生が、その場所まで飛び上がった使い魔に杖を破壊された。
吹き飛ばされたぺリッソンが、なんとか起き上がり着地の瞬間を狙えと叫んだ事により、
呆然としていたド・ロレーヌともう一人の生徒が、慌てて呪文を唱え、使い魔に向けて
エア・カッターとウィンディ・アイシクルを放つ。そしてその呪文は見事に命中した。
しかしそれだけだった。
「こ、来ないでくれぇ……」
腰が抜け、尻餅をついた格好のド・ロレーヌが氷柱が突き刺さったまま、平気でこちらに
歩みよってくる使い魔に、震える杖を向ける。もう一人の、ウィンディ・アイシクルを
放った生徒と、空を飛んでいた生徒達は既に逃げている。
ルイズの使い魔が、杖をその手につかみ、ドロドロに溶かして行く様を見ながら、
彼は失神し、失禁した。


「以上が昨夜の事件の顛末ですが…どうします?」
「どうしますと言うわれてもの。規定通り罰を与えればいいじゃろう」
ミス・ロングビルからの報告を受け取りったオスマン氏が、めんどくさそうに
指示を出す。
「その…生徒の一人が随分とショックを受けたようで、今も医務室で…」

「あ、悪魔が!蒼い悪魔が僕を殺しに!」
「大丈夫、大丈夫ですから落ち着いてください!」
「あの、すいません…ロレーヌという人はここに」
「GYAAAAAAAAAAAAAA!!!」

「とまあ、イクロー君がお見舞いに行った後さらに…」
「そ、そうか…まあ、あんまり酷いようなら実家に送り返しなさい」
「はい…あの、イクロー君は悪気があったわけじゃ…」
「まぁ、そうなんじゃろうがのう……
 おお、そういえば彼との授業はどうなっておるかな?進んどるかね?」
なんだか気まずい雰囲気になったので、オスマン氏が話題を変える。
「ええ、使い魔の特性なのか、覚えが早くて」
「そうでなくて…もう、わかっとるくせに」
このこの!っと、肘でつつくジェスチャーをするオスマン氏。

「気を引くためにいろいろやっとるんじゃろう?彼の反応はどうかね?」
頬を赤らめるミス・ロングビル。
「私はイクロー君とそんな…」
「そう言いながら、少し上着をはだけるぐらいやっとるじゃろう?
 『最近温かくなってきましたわね、暑いぐらい』とかなんとか言って!」
その言葉にミス・ロングビルの眉がピクリと動いた。
「…そうですわね、下着が見えるかも?というような感じで足を少し開いてみたり」
「な、ウソじゃろ!?ワシはそんな素敵な瞬間拝んでおらんぞ!?」
「ええ、嘘ですわ。ですがマヌケは見つかったみたいですわね」
部屋が静寂に包まれる。
「………シブイのぅ、君はまったくシブイの」
「やはりあの時見かけたネズミはモートソグニルだったんですね?」
にっこり笑って机の上の文鎮を持ち上げるミス・ロングビルに、オスマン氏が
震える声で告げる。
「ど、道具を使うのはかんべんしてくれんか?」
しばらく考えた後、ミス・ロングビルは文鎮を机の上に戻し、オスマン氏を
パワーボムで机にたたきつけた。


「あら、タバサじゃない。風邪ひいたって言ってたけど、もう治ったのね」
自分の部屋に戻ろうと歩いてたキュルケが、廊下を走るタバサを見つける。
先日部屋を尋ねたところ、風邪をひいたから少しの間休むと言われたキュルケは
気にはなったものの、うつるといけないと言われたので、気を使わせるのも悪いと思い、
毎朝様子を見に行くぐらいだったのであるが。
「それにしても、あの子が廊下を走るなんて珍しいわね」
そう考えていると、タバサが角を曲がり姿が見えなくなる。
少し考えた後、キュルケは後を追ってみる事にした。
「う、ウソ…!」
そこで彼女が信じられない光景を見た。
なんとタバサが、育郎に手紙を渡していたのだ、しかも渡した後、タバサは
逃げるように立ち去っている。

          ラ ブ レ タ ー !

その様子から、キュルケはその手紙がそれ以外にあり得ないと確信した。
「そんな…確かに恋をするように進めた事はあるけど…彼なんて…」


「タバサ、こっちにおいで…」
育郎の言葉に従い、ベッドの横にちょこんと座るタバサ。
「本当に良いんだね?」
「………」
頬を染め、小さく頷き育郎を見つめる。その瞳には、普段の彼女からは決して
うかがうことの出来ない熱が、かすかだが存在した。
「じゃあ…」
育郎がタバサの服を脱がしていく。
「目を閉じて…」
生まれたままの姿になったタバサは、その言葉に素直に従い目をつぶる。
「タバサ…僕の全てを受け入れて欲しい…」
何処からとも無く現れた無数の触手がタバサの柔肌に…


「おお…なんて事なの…あの子の小さな身体じゃ…」
ヨヨヨとその場に泣き崩れるキュルケ。
「全部受け入れたら………きっと壊れてしまう!」
今日も彼女は絶好調であった。

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