睨みつける。
ひたすら睨みつける。
自分の全ての負の感情を込めて睨みつける。
口には何も出さない。ただ死ねと思いながら睨みつける。
人が睨み殺せるなら百人は確実に殺せるだろうというぐらい睨んでいた。
勿論睨んでいる相手はヨシカゲだ。わたしが買った剣ではなくツェルプストーの買った剣を選んだヨシカゲだ。ご主人様の意思を裏切った悪き使い魔だ。
これほどまでに睨むのは当たり前だろう。なにせわたしを裏切ってツェルプストーに尻尾を振ったのだから。
衣食住をちゃんと保障してさらに剣まで買い与えているのにこの仕打ち、許せるわけが無い!
ヨシカゲはこっちが睨んでいるのはわかっているはずなのだが何の反応もしない。それがさらに目に力を込める原因になる。
もしかしたら今私の顔は世にも恐ろしい人相になっているかもしれない。
「選んだのはヨシカゲよ。文句は無いわよね?ゼロのルイズ」
ツェルプストーが勝ち誇ったように言ってくる。いや、感じではない。まさに勝ち誇っているのだ。
わたしはツェルプストーの言葉に何も返さなかった。
ただ屈辱を受ける原因になったヨシカゲを睨むだけだった。
ヨシカゲはやはりわたしの視線など気にせずツェルプストーの剣をわたしが買ってあげた剣の横に置くと部屋を出て行こうとする。
ふん!どことなりと行ってしまえ!
「あら、ダーリン。何処に行くの?」
ツェルプストーは早速ヨシカゲに馴れ馴れしく話しかける。
「用が済んだから行かしてもらおうと思ってね」
「じゃあ、一緒にどこかへ行きましょうよ」
ツェルプストーがわたしに見せ付けるかのようにヨシカゲを誘う。
きっとあの犬はツェルプストーにホイホイついていってしまうのだ。
ツェルプストーに負けただけならまだしも、使い魔にまで裏切られるなんて屈辱だ!
屈辱だ!屈辱だ!屈辱だ!屈辱だ!屈辱だ!屈辱だ!屈辱だ!屈辱だ!屈辱だ!屈辱だ!屈辱だ!屈辱だ!屈辱だ!屈辱だ!屈辱だ!屈辱だ!屈辱だ!屈辱だ!屈辱だ!
「いや、断らせてもらおう」
「えっ?」
屈辱だ!屈辱……え?
ヨシカゲがツェルプストーの誘いを断った?
ツェルプストーも信じられないといった感じでヨシカゲを見詰めている。
それを見ると突然心に余裕が戻ってくるのが感じられた。
へっへーん!ざまあみろ!
顔がにやけているのが自分でもわかる。
ヨシカゲはわたしがニヤついている間、ツェルプストーが呆然としている間にどこかへ行ってしまった。
「どうしたのキュルケ?そんなへんな顔をしちゃって?」
ツェルプストーに馴れ慣れしく話しかける。ニヤつく顔は止められない。
さっきまで勝ち誇っていたものが突然転落するのは面白いものだ。それが自分の嫌いな奴ならなおさらだ。
ツェルプストーはそういわれて慌てて体裁を整える。
もう遅いけどね。
「ヨシカゲとどこかに行く予定が崩れちゃったわね。せっかく剣までプレゼントしたのに」
「あんたもさっきまで酷い顔だったわよ。まるでオーク鬼みたいな」
なんですって……
「色情魔が言ってくれるじゃない」
「あら。オーク鬼よりはマシじゃなくて?」
わたしとツェルプストーの視線がぶつかり合う。そして……罵りあいが始まった。
数時間に及ぶ罵りあいは今夜本塔の中庭で決闘をするということで決着がついた。なぜそうなったかは覚えていない。
罵りることで一杯一杯だったからだ。きっと売り言葉に買い言葉が原因だと思う。
それにしても疲れた。
ベッドにそのまま倒れこむ。
あんなに言い合ったのは初めてだ。こんなにも疲れるとは思ってもいなかったが。
それにしてもまさかあのツェルプストーがあんなこと言うなんて……。
それにつられてわたしも貴族としてあるまじき発言までしてしまったし。今後気をつけないといけないわね。
さっきまでのことを思い出し自分を戒めながら眠りへと落ちていった。
ドアが開く音が聞こえて目が覚める。どうやら眠っていたらしい。顔を上げドアのほうを見るとヨシカゲがドアを開けた姿が見えた。
わたしを裏切っておいてよくえらく平然と入ってくるものだ。
わたしを裏切った罰を与えなければならない。
「1ヶ月ご飯抜きね」
そういうとヨシカゲの片眉が少しだけピクリと跳ね上がる。
「あんたってご飯食べなくても生きていけそうだし」
実際4日間食事を抜いても顔色一つ変わらなかったし、なんだか1ヶ月も無茶じゃない気がする。
それにしてもヨシカゲがやっとわたしの言葉に反応した。
それに満足しながら夜まで眠りにつくことにした。
ひたすら睨みつける。
自分の全ての負の感情を込めて睨みつける。
口には何も出さない。ただ死ねと思いながら睨みつける。
人が睨み殺せるなら百人は確実に殺せるだろうというぐらい睨んでいた。
勿論睨んでいる相手はヨシカゲだ。わたしが買った剣ではなくツェルプストーの買った剣を選んだヨシカゲだ。ご主人様の意思を裏切った悪き使い魔だ。
これほどまでに睨むのは当たり前だろう。なにせわたしを裏切ってツェルプストーに尻尾を振ったのだから。
衣食住をちゃんと保障してさらに剣まで買い与えているのにこの仕打ち、許せるわけが無い!
ヨシカゲはこっちが睨んでいるのはわかっているはずなのだが何の反応もしない。それがさらに目に力を込める原因になる。
もしかしたら今私の顔は世にも恐ろしい人相になっているかもしれない。
「選んだのはヨシカゲよ。文句は無いわよね?ゼロのルイズ」
ツェルプストーが勝ち誇ったように言ってくる。いや、感じではない。まさに勝ち誇っているのだ。
わたしはツェルプストーの言葉に何も返さなかった。
ただ屈辱を受ける原因になったヨシカゲを睨むだけだった。
ヨシカゲはやはりわたしの視線など気にせずツェルプストーの剣をわたしが買ってあげた剣の横に置くと部屋を出て行こうとする。
ふん!どことなりと行ってしまえ!
「あら、ダーリン。何処に行くの?」
ツェルプストーは早速ヨシカゲに馴れ馴れしく話しかける。
「用が済んだから行かしてもらおうと思ってね」
「じゃあ、一緒にどこかへ行きましょうよ」
ツェルプストーがわたしに見せ付けるかのようにヨシカゲを誘う。
きっとあの犬はツェルプストーにホイホイついていってしまうのだ。
ツェルプストーに負けただけならまだしも、使い魔にまで裏切られるなんて屈辱だ!
屈辱だ!屈辱だ!屈辱だ!屈辱だ!屈辱だ!屈辱だ!屈辱だ!屈辱だ!屈辱だ!屈辱だ!屈辱だ!屈辱だ!屈辱だ!屈辱だ!屈辱だ!屈辱だ!屈辱だ!屈辱だ!屈辱だ!
「いや、断らせてもらおう」
「えっ?」
屈辱だ!屈辱……え?
ヨシカゲがツェルプストーの誘いを断った?
ツェルプストーも信じられないといった感じでヨシカゲを見詰めている。
それを見ると突然心に余裕が戻ってくるのが感じられた。
へっへーん!ざまあみろ!
顔がにやけているのが自分でもわかる。
ヨシカゲはわたしがニヤついている間、ツェルプストーが呆然としている間にどこかへ行ってしまった。
「どうしたのキュルケ?そんなへんな顔をしちゃって?」
ツェルプストーに馴れ慣れしく話しかける。ニヤつく顔は止められない。
さっきまで勝ち誇っていたものが突然転落するのは面白いものだ。それが自分の嫌いな奴ならなおさらだ。
ツェルプストーはそういわれて慌てて体裁を整える。
もう遅いけどね。
「ヨシカゲとどこかに行く予定が崩れちゃったわね。せっかく剣までプレゼントしたのに」
「あんたもさっきまで酷い顔だったわよ。まるでオーク鬼みたいな」
なんですって……
「色情魔が言ってくれるじゃない」
「あら。オーク鬼よりはマシじゃなくて?」
わたしとツェルプストーの視線がぶつかり合う。そして……罵りあいが始まった。
数時間に及ぶ罵りあいは今夜本塔の中庭で決闘をするということで決着がついた。なぜそうなったかは覚えていない。
罵りることで一杯一杯だったからだ。きっと売り言葉に買い言葉が原因だと思う。
それにしても疲れた。
ベッドにそのまま倒れこむ。
あんなに言い合ったのは初めてだ。こんなにも疲れるとは思ってもいなかったが。
それにしてもまさかあのツェルプストーがあんなこと言うなんて……。
それにつられてわたしも貴族としてあるまじき発言までしてしまったし。今後気をつけないといけないわね。
さっきまでのことを思い出し自分を戒めながら眠りへと落ちていった。
ドアが開く音が聞こえて目が覚める。どうやら眠っていたらしい。顔を上げドアのほうを見るとヨシカゲがドアを開けた姿が見えた。
わたしを裏切っておいてよくえらく平然と入ってくるものだ。
わたしを裏切った罰を与えなければならない。
「1ヶ月ご飯抜きね」
そういうとヨシカゲの片眉が少しだけピクリと跳ね上がる。
「あんたってご飯食べなくても生きていけそうだし」
実際4日間食事を抜いても顔色一つ変わらなかったし、なんだか1ヶ月も無茶じゃない気がする。
それにしてもヨシカゲがやっとわたしの言葉に反応した。
それに満足しながら夜まで眠りにつくことにした。