ルイズの部屋に隠していた本をとり、厨房へと向かう。
そこにシエスタがいると思ってだ。というより厨房以外にいる心当たりが無い。
食事のとき以外シエスタに会ったことが無いので(勿論例外はある)いる心当たりがあるのは厨房だけなのだ。食事のときはいつも厨房にいたからな。
厨房にたどりつくと肩から猫を持ち上げそこらへんに投げておく。
「ミーーーーー!?」
厨房は料理をする所だ。動物を入れるわけにもいかないだろう。
しかしあまり中には入りたくないものだ。
何故ならマルトーがいるはずだからだ。あいつ五月蠅いし近寄ってくるし食いたくもない物勧めてくるしでうんざりだからな。
だからとって遠ざけては嫌われて疎まれうまい料理が食べられなくなる。
本当に人付き合いってのも本当に大変なものだ。
よし、ここはドアから覗くだけにしよう。それだけでもいるかいないかは確認できる。
ドアを少しだけ開き顔だけ覗かせる。
……シエスタはいないようだ。そりゃあ厨房だけにいるわけが無いか。給仕だけやっているわけでもないだろうし。
下女だからいろんな雑用もするだろう。
ドアを閉め厨房から離れる。
文字を教えてもらうのはまた今度だな。シエスタならどうせ教えてくれと頼めば断らないだろ。
そういえば猫はどうしただろうか?さっき投げたっきりだ。
また後ろにいるのか?
そう思い向くが猫はいない。さすがに投げたからどこかへ逃げたのかもしれないな。
……まあ猫なんてどうでもいいことだ。今まで私についてきていたのも猫特有の気まぐれだろう。
そう思い歩こうとしたとき、ふと視界の下に一瞬だけだが茶色が見えた。
ゆっくりと下を向くと子猫が足元にいた。私が下を向いて子猫を見ているように、子猫も上を向いて私を見ている。
「というか何時の間に足元に?」
私は別に答えを求めて言ったわけじゃない。いつの間にか口に出ていただけだ。
当たり前だが子猫は答えない。何も答えず私の足元に寝転んだ。
私は無言のまま子猫を抱き上げるとまた肩の上に乗せた。そんなに私に付きまとうなら暇つぶしの材料になってもらおう。
そこにシエスタがいると思ってだ。というより厨房以外にいる心当たりが無い。
食事のとき以外シエスタに会ったことが無いので(勿論例外はある)いる心当たりがあるのは厨房だけなのだ。食事のときはいつも厨房にいたからな。
厨房にたどりつくと肩から猫を持ち上げそこらへんに投げておく。
「ミーーーーー!?」
厨房は料理をする所だ。動物を入れるわけにもいかないだろう。
しかしあまり中には入りたくないものだ。
何故ならマルトーがいるはずだからだ。あいつ五月蠅いし近寄ってくるし食いたくもない物勧めてくるしでうんざりだからな。
だからとって遠ざけては嫌われて疎まれうまい料理が食べられなくなる。
本当に人付き合いってのも本当に大変なものだ。
よし、ここはドアから覗くだけにしよう。それだけでもいるかいないかは確認できる。
ドアを少しだけ開き顔だけ覗かせる。
……シエスタはいないようだ。そりゃあ厨房だけにいるわけが無いか。給仕だけやっているわけでもないだろうし。
下女だからいろんな雑用もするだろう。
ドアを閉め厨房から離れる。
文字を教えてもらうのはまた今度だな。シエスタならどうせ教えてくれと頼めば断らないだろ。
そういえば猫はどうしただろうか?さっき投げたっきりだ。
また後ろにいるのか?
そう思い向くが猫はいない。さすがに投げたからどこかへ逃げたのかもしれないな。
……まあ猫なんてどうでもいいことだ。今まで私についてきていたのも猫特有の気まぐれだろう。
そう思い歩こうとしたとき、ふと視界の下に一瞬だけだが茶色が見えた。
ゆっくりと下を向くと子猫が足元にいた。私が下を向いて子猫を見ているように、子猫も上を向いて私を見ている。
「というか何時の間に足元に?」
私は別に答えを求めて言ったわけじゃない。いつの間にか口に出ていただけだ。
当たり前だが子猫は答えない。何も答えず私の足元に寝転んだ。
私は無言のまま子猫を抱き上げるとまた肩の上に乗せた。そんなに私に付きまとうなら暇つぶしの材料になってもらおう。
「……カ…さん」
体を揺さぶられる感覚がする。
一体なんだ?
「…きて………い、ヨシ……さん」
だんだん声が大きくなっていく。
「ヨシカゲさん」
目を開けると目の前は薄暗かった。どうしてだ?
そう思うと同時に顔と腹に何かが乗っている感触がある。
顔に手をやり顔に乗っているものをとる。顔に乗っていたものは帽子だった。
そして帽子をとった視界に映ったものはシエスタの顔だった。
よく見るとシエスタが私の頭のすぐ横に座り込んでいる。
「おはようございます」
「……おはよう」
何がどうなってるんだ?
「もう夕方ですよ。こんなところで寝てたら風邪を引いちゃいますよ」
シエスタが苦笑しながら私にそう言ってくる。
寝てたら?そうか、寝てたのか。
猫弄くって遊ぶのにも飽きて、帽子を顔に被せて寝転んでたからな。そりゃ寝てしまうのも無理は無い。
しかしなんでシエスタがここに?この腹になんか乗っかている感触は?
体を起こそうとするとシエスタが肩を押さえとめる。
「シ、シエスタ?」
「起きちゃダメですよ。目が覚めちゃうじゃないですか」
目が覚める?誰の?
シエスタの視線は私の腹に向けられている。シエスタの視線の先を見るとそこには子猫がいた。
私の腹の上で丸まってクースカいびきを掻きながら眠っている。
「かわいい子猫ですね」
シエスタはそう言いながらにこにこと笑っている。しかし、
「じゃあ私は何時まで寝ていればいいんだ?このままだと風邪引くんじゃなかったのか?」
「少しぐらい平気ですよ」
いや、そんなこと笑顔で言われてもな。
「それにしても貴重な光景が見れました」
「貴重な光景?」
「ええ。いつもはクールなヨシカゲさんがお腹に子猫乗せて一緒に眠ってる光景です」
シエスタはにこにこ笑いながらそういった。
「そんなにおかしいか?」
「そんなこと無いですよ。ただいつも違う光景が見れて面白いなって」
「ふーん」
なんだかシエスタに主導権をとられているような気がする。
はじめてあった時より押しが強い感じがする。
この前のあやとりのときも主導権をとらたしな。他人に主導権を握られているのはあまりよくないことだ。
シエスタが何か言う前に体を起こす。
体を起こすと腹の上で眠っていた猫が転がり足の間にすっぽり納まる。
「なんで起きちゃうんですか」
「それで、私に何か用事か?わざわざ起こして」
「そうでした!とても珍しいものが手に入ったので、ヨシカゲさんにご馳走しようと思って。今日厨房で飲ませてあげようと思ったんですけどおいでにならないから。
それで明日にしようと思ってたんですけど偶然見かけまして」
ご馳走ねえ。飲ませるってこと飲み物か。
興味はあるな。
「それなんていう飲み物?」
「東方、ロバ・アル・カリイエから運ばれた珍しい品で、『お茶』っていうんです」
「『お茶』?」
「そうです」
この世界じゃお茶は珍しいものなのか。私は飲んだことはないけどな。
しかし興味はある。お茶といえば広く普及している嗜好品だ。興味が出ないはずが無い。
「ここに持ってきましょうか?」
「持ってきてくれるのか?」
「外で飲んだほうがおいしい時があるんですよ」
「じゃあよろしく頼む」
「はい、少し待ってってくださいね」
そう言うとシエスタは立ち上がり厨房へ向かっていった。
それを見送り、足の間にいる猫を見る。ぐっすり眠っていた。
寝すぎだろ。三年寝太郎かよ。
そんなことを思いながら帽子を被った。
体を揺さぶられる感覚がする。
一体なんだ?
「…きて………い、ヨシ……さん」
だんだん声が大きくなっていく。
「ヨシカゲさん」
目を開けると目の前は薄暗かった。どうしてだ?
そう思うと同時に顔と腹に何かが乗っている感触がある。
顔に手をやり顔に乗っているものをとる。顔に乗っていたものは帽子だった。
そして帽子をとった視界に映ったものはシエスタの顔だった。
よく見るとシエスタが私の頭のすぐ横に座り込んでいる。
「おはようございます」
「……おはよう」
何がどうなってるんだ?
「もう夕方ですよ。こんなところで寝てたら風邪を引いちゃいますよ」
シエスタが苦笑しながら私にそう言ってくる。
寝てたら?そうか、寝てたのか。
猫弄くって遊ぶのにも飽きて、帽子を顔に被せて寝転んでたからな。そりゃ寝てしまうのも無理は無い。
しかしなんでシエスタがここに?この腹になんか乗っかている感触は?
体を起こそうとするとシエスタが肩を押さえとめる。
「シ、シエスタ?」
「起きちゃダメですよ。目が覚めちゃうじゃないですか」
目が覚める?誰の?
シエスタの視線は私の腹に向けられている。シエスタの視線の先を見るとそこには子猫がいた。
私の腹の上で丸まってクースカいびきを掻きながら眠っている。
「かわいい子猫ですね」
シエスタはそう言いながらにこにこと笑っている。しかし、
「じゃあ私は何時まで寝ていればいいんだ?このままだと風邪引くんじゃなかったのか?」
「少しぐらい平気ですよ」
いや、そんなこと笑顔で言われてもな。
「それにしても貴重な光景が見れました」
「貴重な光景?」
「ええ。いつもはクールなヨシカゲさんがお腹に子猫乗せて一緒に眠ってる光景です」
シエスタはにこにこ笑いながらそういった。
「そんなにおかしいか?」
「そんなこと無いですよ。ただいつも違う光景が見れて面白いなって」
「ふーん」
なんだかシエスタに主導権をとられているような気がする。
はじめてあった時より押しが強い感じがする。
この前のあやとりのときも主導権をとらたしな。他人に主導権を握られているのはあまりよくないことだ。
シエスタが何か言う前に体を起こす。
体を起こすと腹の上で眠っていた猫が転がり足の間にすっぽり納まる。
「なんで起きちゃうんですか」
「それで、私に何か用事か?わざわざ起こして」
「そうでした!とても珍しいものが手に入ったので、ヨシカゲさんにご馳走しようと思って。今日厨房で飲ませてあげようと思ったんですけどおいでにならないから。
それで明日にしようと思ってたんですけど偶然見かけまして」
ご馳走ねえ。飲ませるってこと飲み物か。
興味はあるな。
「それなんていう飲み物?」
「東方、ロバ・アル・カリイエから運ばれた珍しい品で、『お茶』っていうんです」
「『お茶』?」
「そうです」
この世界じゃお茶は珍しいものなのか。私は飲んだことはないけどな。
しかし興味はある。お茶といえば広く普及している嗜好品だ。興味が出ないはずが無い。
「ここに持ってきましょうか?」
「持ってきてくれるのか?」
「外で飲んだほうがおいしい時があるんですよ」
「じゃあよろしく頼む」
「はい、少し待ってってくださいね」
そう言うとシエスタは立ち上がり厨房へ向かっていった。
それを見送り、足の間にいる猫を見る。ぐっすり眠っていた。
寝すぎだろ。三年寝太郎かよ。
そんなことを思いながら帽子を被った。