ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

才人の女性遍歴日記

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だれでも歓迎! 編集
6月8日

 俺、ヒラガサイトにははっきり言って日記を書く習慣なんて全く無い。夏休みの宿題の
日記はいつも31日に纏めてやっていたし、親に押し付けられた日記も三日坊主にすらな
らななかった。
 その俺が今こうしてペンを握って日記を書いている。何故か!?
 すごく、すごーく簡単な理由だ! 嬉しすぎる事が今日起きて、それを書かずにはいら
れないからだ!!

 俺は……今日、漢になった! チェリーボーイを卒業したのだ!
 細かい事は書かない……もしこれがご主人様に見つかろうものなら、俺はぬっ殺されて
しまうだろうから。いや、日本語で書いてるんだから見つかってもなんて事は無いだろう
けど、万が一のためにね。
 ただ一つだけ、迸るパッションをここに記そう!

 ……ルイズ、ごっつー可愛かったとです!!


 6月9日

 今日求めたら、『調子に乗るな』とか言ってベッドから蹴りだされました。
 久しぶりの床毛布は冷たかった……モグラ泣いちゃう。


 6月10日

 今日は蹴飛ばされても大丈夫なように、予めベッドにもぐりこんでおいた! ……その代わり吹っ飛ばされたけどな!
 部屋からたたき出すことないじゃないか……廊下は冷たいんだぞッ。



 6月11日

 今日の目覚めはルイズのエクスプロージュンだったよ。
 なんでも、俺の寝言が『最中』そのままだったみたいで、それを道行く人全員に聞かれ
た事にお冠。『ご主人様の肖像権を侵害してんじゃないわよこの馬鹿犬―!』だってさ。
 それで俺、思わず言い返したわけだ。

 お前、あの時気持ちよさそうだったじゃねえか! って。

 自分のうかつな発言に気が付いたときには、切ないところに衝撃が走ってました。、
 シエスタ達の目がキュピーンと光ったのは、気のせいだろう。そういう事にしておこう。
 その日の寝床は昔懐かしの広場のテントだったよ。
 もう今日は酒飲んで寝てやる!!


 6月12日

 あ……ありのまま 今日起こった事を記すぜ!
『俺がルイズとにゃんにゃんする夢を見て、目が冷めたらとタバサとベッドインしていた!』
 な……何を言っているのかわからねーと思うがおれも何をしたのかわからなかった……
 頭がどうにかなりそうだった……ロリドだとか酔った弾みだとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。
 もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……


 6月12日

 今日は、いつタバサとの一件がばれるのかと言う恐怖で、ルイズの顔をマトモに見れなかった。

 その不審な言動を咎められて、今日もテントに追いやられた。んで、シエスタの差し入
れたワインで一杯やってから不貞寝だい。


6月13日

 あ……ありのまま 今日起こった事を記すぜ!
『俺がルイズとにゃんにゃんする夢を見て、今度はシエスタとベッドインしていた!』
 な……何を言っているのかわからねーと思うがおれも何をされたのかわからなかった……
 頭がどうにかなりそうだった……脱いだらすごいんですだとかメイドさんだとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ
 もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……

 これまでルイズにばれたら恐ろしすぎる……その日は、テファの差し入れてくれたワイン飲んで寝た。


6月14日

 あ……ありのまま 今日起こった事を記すぜ!
『俺がルイズとにゃんにゃんする夢を見て、今度はテファとベッドインしていた!』
 な……何を言っているのかわからねーと思うがおれも何をされたのかわからなかった……
 頭がどうにかなりそうだった……胸革命だとか天然だとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ
 もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……

 お、俺は恐ろしいッ!
 何が恐ろしいって、俺のご主人様はテファと会話してるのを見るだけでも不機嫌になるんだぜぇーッ!
 こんな事がばれたら、俺は一体どうなる!
 酒! 飲まずして眠れない!
 ……幸い、丁度いいタイミングで姫様が差し入れてくれたワインがあったので、早速呑んで眠ろうか。


6月15日

 いい加減しつこいと思うかもしれないが。
 あ……ありのまま 今日起こった事を記すぜ!
『俺がルイズとにゃんにゃんする夢を見て、目が冷めたら姫様とベッドインしていた!』
 な……何を言っているのかわからねーと思うがおれも何をされたのかわからなかった……
 頭がどうにかなりそうだった……姫さまなのに胸凄いぜだとかお城の仕事はどーしただとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ
 もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……


6月16日

 今日は、キュルケ主催のお茶会に、ご主人様のお供で参加した。
 ……空気が痛かったとです。
 なんせ、参加者はタバサにテファ、姫様……そしてモンモン

 半分以上俺のお手つきなんですよ。
 しかも俺、彼女達を酔った弾みで襲っちゃったんですよ
 鬼畜ですよ。下種野郎ですよ。まさに『こいつはくせえッー! ゲロ以下のにおいが
プンプンするぜッーーーーッ!! こんな悪(ワル)には出会ったことがねえほどなァーーー
ッ 環境で悪人になっただと? ちがうねッ!! こいつは産まれついての悪だッ!』って奴ですよ。
 会話の内容とか、彼女達の表情とか全く覚えてないです。


6月17日

 どうしよう。
 最近の俺の思考はそれに尽きる。
 だって、ここ一週間で立て続けに5人も傷物にしちゃったわけで。
 連れ込まれたベッドの名残からして、言い逃れは不可能なわけでして。
 ……幸せだから始めたはずの日記が、いつの間にか俺の鬼畜振りを示す閻魔帳になってらっしゃいますよあーた。
 泣きたい。


 6月18日

 ギーシュの奴がモンモンとのことで、真に初々しい質問をしてくるので、泣いてしまった。
 だって、だってあいつ! 初体験は結婚してからだなんて抜かしてやがるんですよ! 
ピュアすぎるよギーシュ! ってか、お前多分俺の知り合いの仲で、一番全うな恋愛してるぞ!!
 それに比べて俺は……

 おかげで腹が決まった……
 彼女たちから恨まれようと、人でなしと蔑まれようと、俺はルイズと添い遂げようと思
う。自分勝手なのかもしれないが、俺は自分に嘘はつけない。
 何より、こんな気持ちのまま、『責任』なんて義務感で彼女達を選ぶのは、彼女たちにた
する侮辱でもある、そう感じたから。


 6月19日
 今日、何故かシエスタの親父さんが面会に着たので、会って話をした。
 何故にシエスタじゃなくて俺? と思ったのだが……

「才人君。君はスタンドというものを知っているかね?
 先住魔法みたいなものさ。
 私は先日、不思議な円盤を手に入れてね……引力と言うのかな? 見えない何かに引き
寄せられるように、それを使ってみたんだよ。
 そうしたら、不思議な事にスタンドと言う奴に目覚めたんだ。アレはきっと、始祖ブリ
ミルが私に授けてくれたんだろうね。
 ……何が言いたいかって? 何、実に簡単なことさ。以前にも言った事の念押しだよ。
大体のことはシエスタから聞いたからね。
 君は村の恩人だし、あの戦いの英雄でもあるだろう……でも。
 娘 を 泣 か せ た ら 殺 す よ ? 」

 そう言ったお父様は、ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴと空気を重いもにしていらっしゃいました。
 追伸・引き連れていたスタンドは、パープルヘイズと言うそうです。いかにも凶暴そう
な見た目とふしゅるふしゅる漏れる吐息がチャーミングな人型です。
 そして、能力は殺人ウィルスだとか何とか。

 ( ゚∀゚)アハハハ八八八ノ ヽノ ヽノ ヽ/ \/ \/ \


 6月20日

 今日も罪悪感から寝付けずに、夜の散歩をしていると、今度はフーケに合った。

「やぁ……久しぶりだねぇ。
 うちのテファが世話になってるみたいだから、様子見に来たんだけどさぁ……
 大体はあの子から聞いたよ。
 何腰抜かして震えてんだい。別にあんたをどうこうしようなんて思っちゃいないさ。あ
の子が悲しむからね。
 私にとって、あの子は妹みたいなもんだから、さ……
 ああ、話は変わるけど、あんたスタンドっていうのは知ってるかい?
 そうかい、知ってるのかい……なら話は早いね。
 私も最近、魔法の円盤の力でそのスタンドに目覚めたんだよ。
 ふふふっ……結構凶悪な能力で、扱うのに苦労したけどねえ。
 単刀直入に言うよガンダールヴ。
 テファ傷ものにしておいて、責任取らずにトンズラなんてしようもんなら……
 わ か っ て ん だ ろ う ね ? 」

 そう言い放つ彼女は、ゴーレムの方の上から能力発動させて、手にした鼠を殺して見せましたよ。
 ええ、なんでも殺人カビを発生させるスタンドで、『グリーンデイ』って名前らしいです。
カビて粉々になった鼠を一瞥して、『こうなりたくなかったら責任とんな』って言い捨ててお帰りになられました。

 ( ゚∀゚)アハハハ八八八ノ ヽノ ヽノ ヽ/ \/ \/ \


 6月21日

 昨日は不思議な夢を見た。
 殺人カビの恐怖から逃げようとする、俺の現実逃避なんだろうか。
 ウェールズ皇太子と、ニューカッスル城のベランダで語らう、そんな夢だった。

「やあ、使い魔君。アンリエッタが世話になっているね。
 ん? 何を震えているんだい?
 僕は別に、アンリエッタを奪うなとか言うつもりはないよ。僕は死人で彼女は生きてい
るんだから……死人に縛られることを強要するほど、僕は愚かじゃないさ。
 むしろ僕は嬉しいんだ。彼女が立ち直って、新しい恋をして、新しい人生を歩いていく。
 さびしいけど、死者から見た生者っていうのは、そういうものなんだろうね。
 ……じゃあ何で怒っているのかって?
 あははは、察しがいいな君は。
 ……ねえ使い魔君。僕は別に君がアンリエッタと一晩を共にしたのをどうこう言うつも
りはない。それが彼女の幸福ならば喜ばしい事だし、彼女はそれを望んでいたんだしね。
 だけどねぇ……その他大勢の一人って言うのはどういうことかな?
 ……君に、今更これの事を説明するまでもないだろう。そう、スタンド使いを生み出す
DISCだ。某神父からカツア……ゲフンゲフン! 譲り受けたモノでね。
 『ノートリアスB・I・G』っていうんだ。なんでも、死人の怨念を起点に発動する珍
しいスタンドだとか。
 僕は今、君に取り憑いている状態なんだ……その僕がこいつを使ったら。
 ど う な る ん だ ろ う ね 」

 青筋おったてても笑顔でいらっしゃる皇太子殿下は立派でした。ええ、思わず顔を背けたくなるほど。
 ノートリアスなんとかは、差し込んだ瞬間に発動し、『動く者』に反応してそいつに襲い
掛かる不死身のスタンドだそうな。

 ( ゚∀゚)アハハハ八八八ノ ヽノ ヽノ ヽ/ \/ \/ \


 6月22日

 連日に及ぶ脅迫で生きた心地がしない俺の元に、タバサの所の執事のペルスランさんが
話があるとやってきた。
 強烈な日差しの下、嫌な予感に襲われる俺に彼はおもむろに告げた。

「私は、シャルロット様が幼い頃からオルレアン家に仕えてまいりました。
 オルレアン公の暗殺、奥様の悲劇……全ての歴史を、私はこの目で見つめてきたのです。
私にとって、シャルロット様方親子に仕え、その将来を幸福に満ちた者にすることこそ全てにございます。
 ここは、いい場所ですな才人様。奥様は過去を悲しむのをやめて未来に眼を向け、お嬢
様は幼い頃のような感情を取り戻しつつある。
 私が今日、アナタ様にしたい話と言うのはその点なのです。
 あなたは、シャルロットお嬢様と一夜を共にしたそうで……いえいえ、私は恨み言を言
いにきたのではありません。あなた様ほどのお方ならば、責任くらいは言われずとも取っ
てくださるでしょうしな。
 もし、それが適わぬと言うのならば……いえ、よしましょう。そんな、ありえない仮定の話は。
 そ う で し ょ う ?」

 ……そこからの内容は良く覚えていない。異様にでっかくなった太陽のせいで熱射病になって、倒れたからだ。
 あいまいな記憶を手繰ってみると、ペルスランさんも魔法の円盤でスタンドに目覚めたクチらしい。
 能力名は『ザ・サン』。太陽の暗示を持つスタンドで、その正体はそのものズバリ天空の
太陽。俺は会話中もあの人のスタンドでこんがり焼かれてたわけだ。

 ( ゚∀゚)アハハハ八八八ノ ヽノ ヽノ ヽ/ \/ \/ \


 6月23日

 さて、状況を整理しよう。
 今、俺の前には五つの選択肢がある。

① ルイズへの責任を取る
② タバサへの責任を取る
③ シエスタへの責任を取る
④ テファへの責任を取る
⑤ アンリエッタへの責任を取る

 ①を選んだ場合……理想的だが、もれなくフルコースで溶かされ、かびて、焼かれて、食われて俺は死ぬ。
 ②を選んだ場合……丸焼きは免れるが、溶かされカビられ食われて虚無喰らって死ぬ。
 ③を選んだ場合……溶かされるのは免れるが、カビて焼かれて食われて虚無喰らって死ぬ。
 ④を選んだ場合……カビは免れるが、溶かされ焼かれて食われて虚無喰らって死ぬ。
 ⑤を選んだ場合……食われるのは免れるが、溶かされカビて焼かれて虚無喰らって死ぬ。

 ど ー す る 俺 ! ?

 6月24日

 とりあえず、同じように女性問題に悩むであろうギーシュと、その恋人モンモンに相談を持ちかけてみたんだが…………
てっきり呆れられると思ったのに、ギーシュは静かに俺をしかりつけた。

「……君は、選ばなかった場合のリスクだけで彼女達を見ていないかい? それは、君を
愛してくれる彼女たちに対する侮辱に他ならないと思うんだが」

 ……お前が言うなとモンモンから張り倒されてたが、俺は眼から鱗が落ちる思いだった。
 俺は肝心な事を忘れていたんだ。俺は危険から逃れたいからとか、そういう理由からこ
のジレンマに陥ったんじゃない。ルイズが好きだから彼女を選ぼうとしたんだ。

 それと、ようやくルイズが許してくれた。今日から、一緒のベッドで寝ていいとのことだ。
 ……ただ、首輪つけられたけどね。いわく『勝手に別の場所で盛らないように』だそーな。
 もちろん、めくるめく一夜を……なんて状況じゃない。
 御免よルイズ、もう浮気はしないよ……


 6月30日

 最悪の事態だ。まずい。というか、俺は何でこんな異常事態に日記書いてんだと小一時間。
 ……ルイズにこの日記の内容がばれた。
 26日の昼間、俺の元へシエスタの親父さんやフーケ、ペルスランさんがプレッシャーを
かけに来たのだ。それから逃げ回っている時に、日記を落としてしまった。
 ……そしてそれを拾ったのは、よりにもよってルイズだった。
 ルイズはそこで、日記が俺のだと気付いたのだが……何が書かれているのか気になった
らしく、嫌がらせのつもりでその解読をコルベール先生に依頼したのである。
 俺が真っ青になって日記を強奪した時にはもう遅かった。先生は三日足らずで日本語を解析して、
あらかたの内容を朗読してしまっていたのだった。
 ルイズが杖を手にしたのをきっかけに、その場にいた人々……シエスタの親父さん、変
装して潜り込んでたフーケ、ペルスランさんが無言でスタンドを発現させて、背中からは
なにやら不気味な気配。

 先生が助けてくれる様子は全くない。むしろ、『少し痛い目にあって反省なさい』
って感じの目つきで俺を見てた。つーか、そのつもりでなければ朗読なんてしないだろう。

 そこから俺は全力全速で逃げ出し、現在に至る。
 今、俺はヴェルダンデの掘った穴の中に隠れて息を潜めている。

 最早事態は前門の虎後門の狼なんてチャチなもんじゃない!

 前門のカビ! 後門の虚無! 右門の殺人ウィルス! 左門の捕食者! 頭上に太陽! 
 上にも横にも死地が広がっていて、逃げ場なんてありゃしない! 状況はまさしく四面楚歌! 命乞いなんて通じねえ! ってかウェールズ王子のあれ一体何!?

 そうさ逃げる先は地中しかないそれが俺には出来るなぜなら俺はモグラだからモグラモ
グラモグラモグモグモグ(ここから先は、血とカビらしき汚れ、こげ跡で判読不能)

 補足
 一応、平賀才人がこのときの事件で死ぬことはなかった。生きてるのが奇跡的みたいになったが、生きていた。
 しかし変なトラウマが出来たらしく、彼が日記をつけることは二度となかったという。


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