あの後、ルイズと一緒に朝食の席へ向かった。
もちろんちゃんと服を着てだ。
今度ルイズに代えの服を買ってもらったほうがいいかもしれない。
代えの服があればあんなことにはならなかっただろうからな。
ルイズは必要なものであれば買ってくれるだろう。
というか代えの服なんて必要なのは当然に決まっているが。
買わないと言っても言いくるめればいい。
ルイズ相手なら言いくるめるのもちょろいもんだ。
私が朝食の場に現れた時にはもう既に家の者全員がそろっていた。
遅れたことに詫びを入れ空いている席に着く。
全員が昨日と同じ席に着いているので、空いている場所は昨日自分が座っていた席だった。
普段から自分が座る席が決まっているのだろう。
そんなどうでもいいことを考えながら私は朝食をとった。
そのさいシエスタの父親にオレンジを勧められたがシエスタに全力で怒られていた。
シエスタに何かを全力で言われた父親は何かはっとした顔になり全力で謝ってきた。
……全力オレンジって一体なんなんだ。
口からでまかせで言っただけなのに……
それが頭から離れず悶々としながらも朝食取り終え、私は早々に自分の部屋へ戻ることにした。
だが戻る前に一つシエスタに聞いておかなければならないことがある。
「シエスタ。いつ草原を見に行くんだ?」
そう。いつ草原へ行くかだ。私はそれを見に来たのだ。
草原を見なければこんなちんけな村に来た意味は無い。
「そういえばそうね。わたしたちってそれを見に来たんだったわ」
ルイズはすっかり忘れていたのか、何かを思い出したような顔をしてそう言った。
「あ、そうですね。日が沈む前ぐらいが一番綺麗ですからその頃に行きましょう」
「わかった」
シエスタは食器を片付けながらそう言った。
しかし夕方が一番綺麗なのか。
まあ、夕暮れの景色は美しいものが多いからな。
「夕飯はヨシェナヴェですから楽しみにしててくださいね」
「ああ、楽しみにしとくよ」
「シエスタって料理が上手だから期待してるわ」
「はい!腕によりをかけて作ります!」
いい返事だ。
そう思いながら私は自分の部屋へ戻った。
もちろんちゃんと服を着てだ。
今度ルイズに代えの服を買ってもらったほうがいいかもしれない。
代えの服があればあんなことにはならなかっただろうからな。
ルイズは必要なものであれば買ってくれるだろう。
というか代えの服なんて必要なのは当然に決まっているが。
買わないと言っても言いくるめればいい。
ルイズ相手なら言いくるめるのもちょろいもんだ。
私が朝食の場に現れた時にはもう既に家の者全員がそろっていた。
遅れたことに詫びを入れ空いている席に着く。
全員が昨日と同じ席に着いているので、空いている場所は昨日自分が座っていた席だった。
普段から自分が座る席が決まっているのだろう。
そんなどうでもいいことを考えながら私は朝食をとった。
そのさいシエスタの父親にオレンジを勧められたがシエスタに全力で怒られていた。
シエスタに何かを全力で言われた父親は何かはっとした顔になり全力で謝ってきた。
……全力オレンジって一体なんなんだ。
口からでまかせで言っただけなのに……
それが頭から離れず悶々としながらも朝食取り終え、私は早々に自分の部屋へ戻ることにした。
だが戻る前に一つシエスタに聞いておかなければならないことがある。
「シエスタ。いつ草原を見に行くんだ?」
そう。いつ草原へ行くかだ。私はそれを見に来たのだ。
草原を見なければこんなちんけな村に来た意味は無い。
「そういえばそうね。わたしたちってそれを見に来たんだったわ」
ルイズはすっかり忘れていたのか、何かを思い出したような顔をしてそう言った。
「あ、そうですね。日が沈む前ぐらいが一番綺麗ですからその頃に行きましょう」
「わかった」
シエスタは食器を片付けながらそう言った。
しかし夕方が一番綺麗なのか。
まあ、夕暮れの景色は美しいものが多いからな。
「夕飯はヨシェナヴェですから楽しみにしててくださいね」
「ああ、楽しみにしとくよ」
「シエスタって料理が上手だから期待してるわ」
「はい!腕によりをかけて作ります!」
いい返事だ。
そう思いながら私は自分の部屋へ戻った。
午前中は特に何もないまま終わり、昼食も無事すんだ。
さてこれからどうするか。
午前中のようにベッドに寝転がって時を待つのか?
というかそれ以外になにかすることがあるのだろうか?
ルイズは午前中出かけていたらしいが私は出かける気にはなれない。
村を見るだけなら夜が明けきる前に走り回りながら見たしな。よく憶えていないが。
そんな時、シエスタのある一言がなんとなく私の心を揺さぶった。
「ヨシカゲさんにミス・ヴァリエール。お暇なら少し出かけませんか?」
「どこに行くの?」
「村の近くの寺院です。そこに『竜の羽衣』って呼ばれるものがあって、それを纏ったものは空を飛べるって言われてます」
この一言だった。
何故かはよくわからない。
ただ惹かれたのだ。その言葉に。
虫の知らせという奴だろうか?
「へえ、『風』のマジックアイテムかしら?」
「そんなたいしたものじゃありません。インチキなんです。どこにでもある名ばかりの『秘宝』。
でもこのなにもない村のなかではそこそこには見る価値があるんじゃないかなって思いまして」
「おもしろそうじゃない。行きましょうよ」
「ヨシカゲさんはどうしますか?」
そんな答えは決まっているようなものだ。
「行く」
「それじゃあ、もう少ししたら出ましょうか。ご飯食べたばかりですし」
「そうね。すこし休憩したほうがいいかも」
そして私たちは休憩のあと、村の近くの寺院へ行くことになった。
メンバーは私、シエスタ、ルイズの3人だ。
村の近くだというのだから歩いてそれほどもかからないだろう。
そして食後の休憩のあと、予定通り寺院へ向かうことになった。
というかもう寺院へ向けて足を運んでいる。
「実は……、『竜の羽衣』の持ち主、私のひいおじいちゃんだったんです」
「そうなの?」
「はい。ある日、ふらりとこの村に、ひいおじいちゃんは現れたそうです。そして、『竜の羽衣』で、東の地から、この村にやってきたって、皆に言ったそうです」
「すごいじゃない」
「でも、だれも信じなかったんです。ひいおじいちゃんは、頭がおかしかったんだって、皆言ってます」
シエスタの曽祖父はそのあと色々あってタルブの村に住み着いたらしい。
ここで暮らすようになると一生懸命働いて金を作り、その金で貴族に『竜の羽衣』に『固定化』かけてもらったそうだ。
空も飛べないインチキなものを大事にしていた以外は働き者で皆からそう好かれていたらしい。
そんなことをはなしながら私たちは歩いていた。
しかし、シエスタとルイズ、なんだか仲がよくなってるような気がするな。
シエスタの口調は丁寧だがそれだけで、緊張も殆んどなく気楽に喋っている。
ルイズもそれに不満を持っていないようだし。
旅の間になにかあったのだろうか?
「あ、あそこです。あそこに見える建物が寺院です」
そう思っているうちにどうやら着いたらしい。遠くのほうに建物が見える。
「あの寺院、実はあれひいおじいちゃんが建てたんですよ」
「建築までできたの?」
「はい」
寺院は草原の片隅に建てられていた。
しかし、近づくにつれわかったが、なんだか日本建築みたいな感じだな。
そんなことを思っていた私は数分後、寺院にあるものを見て月まで吹っ飛ぶ衝撃に襲われた。
さてこれからどうするか。
午前中のようにベッドに寝転がって時を待つのか?
というかそれ以外になにかすることがあるのだろうか?
ルイズは午前中出かけていたらしいが私は出かける気にはなれない。
村を見るだけなら夜が明けきる前に走り回りながら見たしな。よく憶えていないが。
そんな時、シエスタのある一言がなんとなく私の心を揺さぶった。
「ヨシカゲさんにミス・ヴァリエール。お暇なら少し出かけませんか?」
「どこに行くの?」
「村の近くの寺院です。そこに『竜の羽衣』って呼ばれるものがあって、それを纏ったものは空を飛べるって言われてます」
この一言だった。
何故かはよくわからない。
ただ惹かれたのだ。その言葉に。
虫の知らせという奴だろうか?
「へえ、『風』のマジックアイテムかしら?」
「そんなたいしたものじゃありません。インチキなんです。どこにでもある名ばかりの『秘宝』。
でもこのなにもない村のなかではそこそこには見る価値があるんじゃないかなって思いまして」
「おもしろそうじゃない。行きましょうよ」
「ヨシカゲさんはどうしますか?」
そんな答えは決まっているようなものだ。
「行く」
「それじゃあ、もう少ししたら出ましょうか。ご飯食べたばかりですし」
「そうね。すこし休憩したほうがいいかも」
そして私たちは休憩のあと、村の近くの寺院へ行くことになった。
メンバーは私、シエスタ、ルイズの3人だ。
村の近くだというのだから歩いてそれほどもかからないだろう。
そして食後の休憩のあと、予定通り寺院へ向かうことになった。
というかもう寺院へ向けて足を運んでいる。
「実は……、『竜の羽衣』の持ち主、私のひいおじいちゃんだったんです」
「そうなの?」
「はい。ある日、ふらりとこの村に、ひいおじいちゃんは現れたそうです。そして、『竜の羽衣』で、東の地から、この村にやってきたって、皆に言ったそうです」
「すごいじゃない」
「でも、だれも信じなかったんです。ひいおじいちゃんは、頭がおかしかったんだって、皆言ってます」
シエスタの曽祖父はそのあと色々あってタルブの村に住み着いたらしい。
ここで暮らすようになると一生懸命働いて金を作り、その金で貴族に『竜の羽衣』に『固定化』かけてもらったそうだ。
空も飛べないインチキなものを大事にしていた以外は働き者で皆からそう好かれていたらしい。
そんなことをはなしながら私たちは歩いていた。
しかし、シエスタとルイズ、なんだか仲がよくなってるような気がするな。
シエスタの口調は丁寧だがそれだけで、緊張も殆んどなく気楽に喋っている。
ルイズもそれに不満を持っていないようだし。
旅の間になにかあったのだろうか?
「あ、あそこです。あそこに見える建物が寺院です」
そう思っているうちにどうやら着いたらしい。遠くのほうに建物が見える。
「あの寺院、実はあれひいおじいちゃんが建てたんですよ」
「建築までできたの?」
「はい」
寺院は草原の片隅に建てられていた。
しかし、近づくにつれわかったが、なんだか日本建築みたいな感じだな。
そんなことを思っていた私は数分後、寺院にあるものを見て月まで吹っ飛ぶ衝撃に襲われた。