まずは、今までのことを思い出さなければならない。
たとえそれが自分にとって忌まわしいことでもだ。
それがいくら忌まわしいもので遠ざけたいものだとしても、自分にとって必要不可欠なものに違いないのだから。
まず、初めに思い出さなければいけないものは……自分の死だ。
あのクソカスどもに『スイッチ』を押すのを邪魔されて、そして気がついたら死んでいた。
死んだ私を待ち構えていたのは、私が最初に手をかけた女、『杉本鈴美』だった。
奴は自分の飼っていた犬と共に私を15年間待っていたのだ。
そして私は奴らに復讐された。
親父から聞いてた振り返ってはいけない場所で振り向かされ、無数の手に連れ去られてしまったのだ。
そして私は意識を失った。
そして目を覚ましたときは、何故か私の体はボロボロで、全身に耐え難い激痛が駆け巡っていた。
あまりの痛みに体を動かすことすらできなかった。
そのとき、私の頭を抱えている人間がいた。
それは、桃色がかった髪をもつ少女だった。
私は、その少女に頭を抱えられながらまたも意識を失った。
次に目が覚めたとき、私はベッドの上に寝転がっていた。
部屋は暗く、その時間が夜だというのは予測がついた。
私は何故ここにいるかを考え、自分を確かめながら部屋を出た。
部屋から出て、まず最初に驚いたことは、窓から見えた月だ。
月が二つもあったのだ。
驚かないわけがない。そしてそれは現実にはありえないことだ。
自分が幻を見ているだけで実は生きていないのではないかと思うと気持ち悪くなり、目を逸らした。
そのあと、昔の城のような場所を歩き続けた。
普通なら自分が見ず知らずの土地だ。緊張するものだろう。
しかも、自分が知らぬ間にそこにいたのだ。
もう緊張どころでは済まされない。
しかし私は緊張しなかった。
何か危険があるかもしれないのに危険とも一切思わなかった。
まるでそこを知っているかのように。
そうだ。あのとき、私の爪はよく伸びていた。
それを意識したとたん自分の性が自己主張し始めたのだ。
今の自分の爪を見てみる。
爪は少ししか伸びていなかった。
鑢で削ったあとがあるのでおそらく極最近に爪が切られたのだろう。
誰が切ったんだ?
私に気づかれず、ここに連れてきて、尚且つ爪を切る。
いや、誰がというよりは何のためにと言いたい。
私に何をさせたいというのだろうか?
とにかく、誰かにここに連れてこられたという可能性は非常に高いな。
連れてこられる前、私は一人の女性を殺した。
しょうがない。抑え切れなかったからだ。そしてそれが私の本性だったからだ。
その代わり、彼女には私の恋人になってもらった。
彼女は今まで付き合ってきたなかでも上位に位置するであろう美しさを持っていた。
しかし、問題があった。
何故かキラークイーンの右腕がなかったのだ。
それでは爆破させ死体を処理することができない。
爆弾にするだけなら左腕だけでもできるが、爆破するには右腕にある『スイッチ』を押さなければならないのだ。
爆破しなければ死体は残ったままだ。
それはまずいんじゃないか?
今までの経験からそう思ったのだ。
今まで自分は何一つ殺人の証拠を残さずに生きてきた。
もし、この死体で自分が殺したとわかったら?
それは普通ならありえない。
しかし、くそったれ仗助のような存在がここにもいるとしたら?
そう考えると死体を処理しなければならないという思いが強まってきた。
そして私が取った行動は、犬の死体と女の死体をキラークイーンに持たせどこかに捨てることにしたのだ。
もちろんただ捨てるだけではない。
地中深くに埋めるのだ。
それを実行するため歩いていると外に出る道を発見した。
そのとき、予想外のことが起こったのだ。
死体を運んでいる姿を他の人間に見られてしまったのだ。
その人間はフードを被っていたが女だとわかった。それなりに顔も整っていた。
彼女は私を見て慌てたのかどうなのかはわからなかったが、突然のことに硬直していたのは確かだった。
私はその事態に慌てることなく、その隙をついてキラークイーンに担がせていた死体をそこらへんに投げ捨て彼女の顔面にキラークイーンの拳を叩き込んだ。
キラークイーンの拳は女の顔を用意にぶち抜き、顔面を破壊しつくし、容易く絶命させた。
確かに予想外の出来事だったが、対処できないことではなかった。
本当なら顔に攻撃はしたくなったのだが、手っ取り早く殺すのには顔を潰すのが一番早いのだから仕方が無い。
彼女を手を見てみると彼女の手もまた美しく、しっかりと手入れされていた。
すでに恋人はいるが、それでも彼女に手に釘付けになってしまったので、彼女も恋人になってもらうことにしたのだ。
一人がダメになってしまっても、もう一人いれば殺さなくてもいいし手っ取り早いからな。
新たに増えた死体を再びキラークイーンに担がせ、私は外へ出た。
そして建物からなるべく離れた茂みに死体を置き、キラークイーンに穴を掘らせ、その中に死体を放り込んだ。
こういうとき、スタンドを身につけておいて本当によかったと思う。
スタンド能力がなければ、私はここに死体を運んでくることもできなければ、穴を掘ることもできなかっただろう。
やろうと思えばできたかもしれないが、その場合時間が掛かりすぎる。
作業中は夜だったが決して困ることはなかった。
何故なら普通では考えられないほど月明かりで明るかったからだ。
2つの月が自分の存在を否定しているような気がしてイライラしたのを憶えている。
埋めた後、私はそこから離れ歩き出した。
恋人との逢瀬を楽しむつもりだったからだ。 しかし、気がついたらここにいた。
……ダメだ。
まったく状況がつかめない。 もう一度部屋を見回してみる。
新たに手袋と帽子を発見した意外に、怪しいものは特に見当たらない。
いや、一つだけ気になるものがある。 それがある方向を見つめる。
見詰める先にあるものはドアだった。 私は意を決するとドアに近づき、そっとドアノブを捻った。
たとえそれが自分にとって忌まわしいことでもだ。
それがいくら忌まわしいもので遠ざけたいものだとしても、自分にとって必要不可欠なものに違いないのだから。
まず、初めに思い出さなければいけないものは……自分の死だ。
あのクソカスどもに『スイッチ』を押すのを邪魔されて、そして気がついたら死んでいた。
死んだ私を待ち構えていたのは、私が最初に手をかけた女、『杉本鈴美』だった。
奴は自分の飼っていた犬と共に私を15年間待っていたのだ。
そして私は奴らに復讐された。
親父から聞いてた振り返ってはいけない場所で振り向かされ、無数の手に連れ去られてしまったのだ。
そして私は意識を失った。
そして目を覚ましたときは、何故か私の体はボロボロで、全身に耐え難い激痛が駆け巡っていた。
あまりの痛みに体を動かすことすらできなかった。
そのとき、私の頭を抱えている人間がいた。
それは、桃色がかった髪をもつ少女だった。
私は、その少女に頭を抱えられながらまたも意識を失った。
次に目が覚めたとき、私はベッドの上に寝転がっていた。
部屋は暗く、その時間が夜だというのは予測がついた。
私は何故ここにいるかを考え、自分を確かめながら部屋を出た。
部屋から出て、まず最初に驚いたことは、窓から見えた月だ。
月が二つもあったのだ。
驚かないわけがない。そしてそれは現実にはありえないことだ。
自分が幻を見ているだけで実は生きていないのではないかと思うと気持ち悪くなり、目を逸らした。
そのあと、昔の城のような場所を歩き続けた。
普通なら自分が見ず知らずの土地だ。緊張するものだろう。
しかも、自分が知らぬ間にそこにいたのだ。
もう緊張どころでは済まされない。
しかし私は緊張しなかった。
何か危険があるかもしれないのに危険とも一切思わなかった。
まるでそこを知っているかのように。
そうだ。あのとき、私の爪はよく伸びていた。
それを意識したとたん自分の性が自己主張し始めたのだ。
今の自分の爪を見てみる。
爪は少ししか伸びていなかった。
鑢で削ったあとがあるのでおそらく極最近に爪が切られたのだろう。
誰が切ったんだ?
私に気づかれず、ここに連れてきて、尚且つ爪を切る。
いや、誰がというよりは何のためにと言いたい。
私に何をさせたいというのだろうか?
とにかく、誰かにここに連れてこられたという可能性は非常に高いな。
連れてこられる前、私は一人の女性を殺した。
しょうがない。抑え切れなかったからだ。そしてそれが私の本性だったからだ。
その代わり、彼女には私の恋人になってもらった。
彼女は今まで付き合ってきたなかでも上位に位置するであろう美しさを持っていた。
しかし、問題があった。
何故かキラークイーンの右腕がなかったのだ。
それでは爆破させ死体を処理することができない。
爆弾にするだけなら左腕だけでもできるが、爆破するには右腕にある『スイッチ』を押さなければならないのだ。
爆破しなければ死体は残ったままだ。
それはまずいんじゃないか?
今までの経験からそう思ったのだ。
今まで自分は何一つ殺人の証拠を残さずに生きてきた。
もし、この死体で自分が殺したとわかったら?
それは普通ならありえない。
しかし、くそったれ仗助のような存在がここにもいるとしたら?
そう考えると死体を処理しなければならないという思いが強まってきた。
そして私が取った行動は、犬の死体と女の死体をキラークイーンに持たせどこかに捨てることにしたのだ。
もちろんただ捨てるだけではない。
地中深くに埋めるのだ。
それを実行するため歩いていると外に出る道を発見した。
そのとき、予想外のことが起こったのだ。
死体を運んでいる姿を他の人間に見られてしまったのだ。
その人間はフードを被っていたが女だとわかった。それなりに顔も整っていた。
彼女は私を見て慌てたのかどうなのかはわからなかったが、突然のことに硬直していたのは確かだった。
私はその事態に慌てることなく、その隙をついてキラークイーンに担がせていた死体をそこらへんに投げ捨て彼女の顔面にキラークイーンの拳を叩き込んだ。
キラークイーンの拳は女の顔を用意にぶち抜き、顔面を破壊しつくし、容易く絶命させた。
確かに予想外の出来事だったが、対処できないことではなかった。
本当なら顔に攻撃はしたくなったのだが、手っ取り早く殺すのには顔を潰すのが一番早いのだから仕方が無い。
彼女を手を見てみると彼女の手もまた美しく、しっかりと手入れされていた。
すでに恋人はいるが、それでも彼女に手に釘付けになってしまったので、彼女も恋人になってもらうことにしたのだ。
一人がダメになってしまっても、もう一人いれば殺さなくてもいいし手っ取り早いからな。
新たに増えた死体を再びキラークイーンに担がせ、私は外へ出た。
そして建物からなるべく離れた茂みに死体を置き、キラークイーンに穴を掘らせ、その中に死体を放り込んだ。
こういうとき、スタンドを身につけておいて本当によかったと思う。
スタンド能力がなければ、私はここに死体を運んでくることもできなければ、穴を掘ることもできなかっただろう。
やろうと思えばできたかもしれないが、その場合時間が掛かりすぎる。
作業中は夜だったが決して困ることはなかった。
何故なら普通では考えられないほど月明かりで明るかったからだ。
2つの月が自分の存在を否定しているような気がしてイライラしたのを憶えている。
埋めた後、私はそこから離れ歩き出した。
恋人との逢瀬を楽しむつもりだったからだ。 しかし、気がついたらここにいた。
……ダメだ。
まったく状況がつかめない。 もう一度部屋を見回してみる。
新たに手袋と帽子を発見した意外に、怪しいものは特に見当たらない。
いや、一つだけ気になるものがある。 それがある方向を見つめる。
見詰める先にあるものはドアだった。 私は意を決するとドアに近づき、そっとドアノブを捻った。