ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

使い魔は手に入れたい-47

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匿名ユーザー

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夜になりルイズとシエスタは家へ帰っていった。
私は今日はここに泊まることになっている。そりゃ怪我もしているし起きたら突然の嘔吐だ。
様子見で医者の家においておくのは当然かもしれない。まあ、ここがあのばさんの家だと知って驚いたがそんなことはどうでもいい(食事は食べやすくうまかった)。
窓から外を見ると、月明かりが村に降り注ぎ、窓枠が額縁に見えるかのようだ。
しかし、本当にこの世界の夜は明るいな。月が二つあるせいなのか?それとも元の世界みたいに光害がないからなのか?
だが元の世界でも光害抜きでこの明るさになるか?ならないだろうな。こういったことはきっと理屈じゃないんだろう。
そんなことを銃を弄くりながら考えていた。
何故、銃を持っているのか?それは簡単な問題だ。
常にガンダールヴの効果を発動させておくために決まっている。では何故常に発動させておかなければいけないのか?
これも簡単な問題だ。体中が痛いからだ。特に腹と左手が一番痛い。怪我自体はないのでただの幻痛だ。実際怪我をしているのは右手と顔しかない。
経験上ガンダールヴのルーンの効果は身体能力の上昇、手持ちの武器の使い方や情報の取得、そして痛みの軽減だ。
今、この体の痛みから逃れるにはガンダールヴの効果を常時発動させておくしかない。あんな激痛じゃ眠れもしない。
銃を一通り弄り終え、銃を眺める。こいつをつつくのは久しぶりだった。いつも懐に入れっぱなしだったからな。
今度ちゃんと整備しなくてはいけないだろう。
しかし、銃を弄くっていて時間が大分潰れてしまった。そろそろデルフに話を聞くとしよう。
そう思いベッドの横に置いておいたデルフに手を伸ばし掴み取る。そして必要なくなった銃を枕元に置く。
そういえば、デルフからすれば私と話すのは3日ぶりになるのか。いったいどんな反応をするのだろうか?
寂しがっているだろうか?泣き叫ぶ?どこ行ってた!みたいな感じで怒る?
デルフを抜き放つ。デルフの第一声は?さてさていかに!?
「よっ相棒。3日ぶり」
「……それだけ?」
「あ?それだけって?」
「…………」
なんだこの反応は。私が求めていたのはこんな反応じゃない!
反応が薄すぎないか!?3日振りだろ!3日も離れてたんだぞ(私にとっては一晩だが)!
私が求めていた反応はもっとこう、なんというか、デルフが私を必要としているような反応を求めていたのに!
「おーい相棒?どうしたんだ?そんな気が抜けた顔して」
はっ!こんなこと思っている場合ではない。
「し、してねえよ!そんなことはどうでもいい!質問がある」
そうだそうだ。本題はこれなんだ。
デルフが私をどう思っているかではない。
「質問?」
「そうだ。3日前、つまり私が村に来て2日目の夜のことだ。あの夜お前は見ていたはずだ」
そう、見ていたはずだ。
「私が部屋を出て行くところを。……そのとき私は誰だった?」
デルフは答えない。
「アルビオンでワルドと闘っていた最中、私は本当に私だったのか?前に言ったな、あの闘いの途中、私は意識を失ってしまったと。
じゃあ私の変わりに体を動かしていたのは誰だ?前に聞いたとき、お前は答えずに隠そうとしたな。あのときは追究しなかったが、今度は喋ってもらう」
「……ああ、そうだな。3日前もワルドとかいう奴と闘ってたときも、相棒は相棒じゃなかったな。
3日前のときはここがどこだかわからないって感じできょろきょろして混乱してた。
アルビオンのときはライトニング・クラウドくらったあとから相棒とは思えねえような発言したぜ。完全に別人になったのは闘ってた最中だけどよ」
「やっぱりそうか」
私の予想はどうやら大方合っていたらしい。キラヨシカゲは私が知らぬ間に私の体を操っていたのだ。
「やっぱ相棒にも自覚はあったのか。ならいいや。俺も相棒に聞きてえことがあったんだよ。俺も答えたんだから答えてくれるよな?」
デルフは言葉とは裏腹に、答えろ、と言っている様に聞こえた。実際そう言っているのだろう。
ただ言い方を変えているだけだ。顔や体が無い分、声で自分の感情を伝えることに特化しているからな。
声だけで感情を伝えることに関して、デルフは人間に劣ることは無いだろう。
「ああ、言ってみろ」
そんなデルフの新たな一面の発見に少し独自の考えを交えながら、デルフの質問に答えることにした。
「まず第一に、相棒はその別の誰かについて心当たりはあるのか?」
「……ある。私自身も本当に極最近知ったことではあるがな」
そう、自分にとっては半日ほど前の出来事だ。
「んじゃあ第二に、アルビオンで相棒が闘ってる最中相棒の体から出てきた2メイルぐれえの白い亜人みたいな奴に心当たりはあるか?
その別の誰かのこと知ってんならわかるだろ?それとライトニング・クラウド受けて起きたとき、俺を手に取ったときもどうやった?
俺には自分が見えねえ何かに掴まれて相棒の手に置かれたとしか思えねえんだけど」
「その前に、私の体を動かしていた奴のことは詳しく聞かなくていいのか?」
「あ~……、はっきりいっちまうとその辺ほとんどどうでもいいな。知ってなんになるって感じだし。相棒が知ってりゃそれで十分じゃねえの?」
「……そうだな」
そうだ、デルフがキラヨシカゲのことを知って何になるというのだ。
これは私の問題だ。私が問題視し、直面し、解決しようとし、解決し、問題を問題でなくすための問題だ。
その問題がもう解決したからといってそこにデルフを巻き込むのはダメだろう。デルフはキラヨシカゲのことなんて知らなくていい。
私というキラヨシカゲさえ知っていればいい。
「んで、二つ目の質問の答えは?」
「その亜人だったか?亜人っていうものを私は知らないがお前の言っているものには心当たりがある。そしてお前が言っている見えないなにかっていうのは」
右腕からキラークイーンを発現させる。キラークイーンの右手も小指と薬指が折れている。
それをなるべく気にしないように、残りの動かせる指でデルフを掴む。
「これのことだろう?」
「そうそう!これだ!いきなりなんにも無いはずなのに触られてビックリしたぜ。んでこりゃなんなんだ?手みてえだけど」
「『キラークイーン』の右腕だ。お前が言った亜人の右腕だよ。他人には見えない、触れれない、傷つけることはできない、スタンドという精神の具現化みたいなもんだ」
「スタンド?」
これは、一気に私のことを知ってもらえるチャンスなんじゃないか?
「そうだ。スタンドっていうのは……」
その後、知りうる限りのスタンドの知識(キラヨシカゲの記憶だが)、キラークイーンの能力(同じくキラヨシカゲの記憶だ)を話したのは言うまでもない。


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