ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

ゼロいぬっ!-46

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空賊の船に曳航される『マリー・ガラント』号。
それを格子付きの窓から覗き込みながらルイズは溜息をついた。
本来ならあの船でアルビオンの港まで入り込めた筈なのに。
「…どうしてこうなっちゃうのよ」
「おまえのせいだ、おまえの!」
びしりと彼女に指を突きつけながらアニエスが激怒する。

事の起こりは十数分前、船員と乗客の人数確認が行われた時だった。
内戦中のアルビオンに観光旅行する貴族もいるまいと、
当然のように私達は連中に怪しまれた。
その場を何とか切り抜けようとする私の苦労を余所に、
「私はトリステイン王国の使いよ! 大使としての扱いを要求するわ!」
事もあろうにミス・ヴァリエールは大胆にも自分の正体を明かしたのだ。
突然の強気な態度に困惑するも空賊達は聞き返す。
「使いって…貴族派のお偉方にかい?」
「バカ言わないで! あんなのただの反乱軍じゃないの!
私が用があるのはアルビオン王国の正当な王室よ!」
「……………」
もはやアニエスには頭を抱える他なかった。
そして頭目に話してくる間、彼女達はこの船に拘留される事となった。

これからどうなるか、どうするべきかをアニエスは考える。
まず貴族派に供給している交易船を襲った事から彼等に組していないだろう。
だとすると即座に引き渡される心配はないが取引のカードとして用いられる可能性が高い。
その間は、いずこかにある空賊のアジトで丁重に扱われるだろう。
脱出する機があるとすればそこだ。
空賊共は武器は全て没収した気になっているだろうが実は違う。
ミス・ヴァリエールの使い魔はただの犬ではない。
文字通り全身が武器と言ってもいい怪物なのだ。
その気になればこのような監禁などすぐに突破して……。
「!!?」
視線の先には退屈そうにあくびする彼の姿。
それでアニエスは違和感に気付いた。
以前襲撃を受けた時には彼は事前に敵の存在を察知していた。
ところが今回は船が接近してくる事に気付かないどころか、
捕縛されるまで抵抗らしい抵抗も見せていない。
そして彼の緩みきった態度が彼女の推理を裏づけしている。
恐らくはミス・ヴァリエールもワルド子爵も気付いていたのだ。
だからこそ態度を変えようとしなかったのか。
彼女が真相に気付いた直後、船室の鍵が外された。
「出ろ。御頭がお会いになるそうだ」


男達の後に付いて通された先は船長室だった。
決して広いとは言えない室内には男が二人がいた。
簡素な机の上は整頓もされず所狭しと雑多に物が置かれている。
そこに踏ん反り返るように座っているのが頭目だろう。
その隣に立っているのは『マリー・ガラント』号に乗り込んできた連中を率いていた男。
周囲に視線を配る私達に頭目は苛立たしげに口を開いた。
「挨拶ぐらいしたらどうなんでい?」
「これは失礼した。私はアニエス。
トリステイン王国城下町の警備隊長に就いております」
片膝を着いてアニエスは一礼した。
それはまるで高級貴族に対するかのような態度だった。
突然の行動に脅かすつもりだった二人が逆に困惑する。
しかし気を取り直して頭目は再度アニエスに話し掛ける。
「へっ、躾がよく出来てるじゃねえか。
そうやって言う事聞いてりゃ痛い目見なくて済むってもんだ」
「はい。私達はトリステインの大使として来ているのですから、
相手側…『アルビオン王国』の人間に礼を尽くすのは当然です」
「…………!!」
アニエスの返答に頭目の顔が驚愕に歪む。
いかに取り繕うとしても表情には焦りしか浮かばない。
何よりも彼女の目は真実を確信していた。
諦めたように溜息を漏らすと頭目は彼女に問い掛ける。

「まいったな。自分としては上手く演じてると思ってたんだが。
一体どこで気付かれたのかな?」
「そうですね。兵の足並みが整い過ぎていたのが最初の違和感でした。
それに船も兵も空賊の武装にしては重装備かと」
「なるほど。しかし、それだけでは決め手に欠ける」
「ええ。これが軍艦だと気付いたのは船室に閉じ込められた時です。
あの部屋は営倉ですね、どこも造りは同じですからすぐに判りました。
よくよく調べたら落書きを消した跡もありましたし」
かといって他に閉じ込める部屋は無かったのだろう。
船倉には『マリー・ガラント』号から移した火薬がある。
万が一、着火されたら軍艦といえども無事では済まない。
「それと部屋が汚れているように見せかけていますが埃が積もっていない。
そして端から微かに見えているのは航路図でしょう?」
「…参ったな。完敗か」
「はい、そのようで」
どさりと背凭れに体を預け頭目が天井を見上げる。
その姿はイタズラを見破られて残念そうにする子供のよう。
隣の男も頭目の情けない姿に込み上げる笑いを隠そうとしない。

しかし今挙げた理由は全て後付に過ぎない。
空賊に囚われたという異常事態に浮き足立った人間は、
多少の違和感を感じた所で気のせいだと思うだろう。
だがミス・ヴァリエールは気付いていたのだ。
姫殿下の目は確かだった。
このような状況でも戸惑う事無く判断できる彼女の能力。
そこに着目してこの任務に就かせたのだ。
アニエスが振り返る。
そして今までにない敬意を込めた眼差しで見つめた彼女は。
「へ……? 空賊じゃなかったの?」
事態が飲み込めずに呆然としていた。
その姿に顎が外れんばかりに唖然とする。

それも一瞬。即座に再起動した彼女はルイズの襟首を掴みガクガクと揺する。
「きーさーまーはァーー!!
王党派の人間って分かってたから身分を明かしたんじゃないのか!?」
「だ…だって! あんな屑に嘗められるのってイヤだったんだもん!」
「いいかげんにしろ! 一人の我侭で全員を危険に晒す気か!」
「落ち着くんだ、ルイズは貴族の誇りを守ろうとしただけだ。
僕も薄々勘付いていたがね、そのうち向こうから明かしてくれると黙ってた。
もし危険だと判断していたなら、その前に僕が止めていたよ」
まるで子供の駄々のような弁明をするルイズに憤怒を露にする。
その間に割って止めに入ったのはワルド子爵。
事前に植え付けられた苦手意識からか思わずアニエスも手を離す。
その瞬間、さっとワルドのマントに隠れるようにルイズは背後に回る。

「それで大使殿はどのような件でアルビオンに?」
三人の騒動が落ち着いた頃合を見計らって頭目がワルドに訊ねる。
恐らくはリーダーと勘違いされたのだろう。
ルイズは幼すぎるし平民を大使として送る筈もない。
「いえ、私は護衛です。大使は…」
ワルドに促されてハッと本来の役割を思い出したルイズが前に出る。
さっきまで醜態を晒していた事が恥ずかしかったのか、その顔は赤いまま。
スカートの端を摘まみ、頭を下げて丁重に答える。
「失礼致しました。私はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
彼はトリステイン王国魔法衛士隊、グリフォン隊隊長のワルド子爵。
そして、こちらが私の使い魔とその愛剣のデルフリンガー。
アンリエッタ姫殿下よりウェ-ルズ皇太子殿下宛に密書を預かって参りました。
それで今、殿下はどちらにいらっしゃられますか?」
「こちらに」
隣の男が頭目に手を向ける。
はあ?と戸惑う一行を前に頭目がニヤニヤ笑いながらカツラと付け髭、加えて眼帯も外す。
そして変装の下から出てきたのは凛々しい顔立ちをした金髪の美青年だった。
「自己紹介が遅れたな。私はアルビオン王国空軍大将、本国艦隊司令長官…と勿体つけた所で、
空軍に残されたのは、この『イーグル』号一隻だけだから余分な肩書きは不要か」
こほんとそこで一旦区切りを入れて青年は続けた。
「アルビオン王国皇太子ウェールズ・テューダーだ」
突然の発言に一同の目が丸くなる。
クックと皇太子は笑いながら、それを楽しげに眺めた後で隣の男に話し掛ける。
「副長、どうやら彼女達から一本取り返せたようだ」
「そのようで。これで我が国の面目も保てますな」
実に愉快そうに笑う者達と驚きを隠せない者達。
そのどちらにも属さないワルドの眼が細められる。
それはまるで獲物を捕らえる直前の鷹のよう。
標的を確かめたワルドの視線がルイズの方に向けられる。
だが、その先にいたのは自分を睨む一匹の獣の姿。
今の感覚が向こうにも伝わっていたのか。
互いの間に僅かな緊迫感が流れる。
(焦るなガンダールヴ。おまえとの決着はいずれ付けてやる)


「あの、本当に皇太子殿下なのですか…?」
ルイズの一言にウェールズが彼女に視線を向ける。
本来なら失礼な物言いなのだが事は重大、僅かなミスとて許されないのだ。
それに嫌な顔一つせず彼は爽やかな笑みで彼女に返す。
「とてもそうは見えないかね?」
「い…いえ…そうではなくて…」
「ははは、済まない。ついからかいたくなってね。
分かっているさ、私の身の証だろう?
ミス・ヴァリエール。その指輪を嵌めた右手をこちらに」
そう言って彼は自分の手袋を外した。
外気に晒された皇太子の指には大きなルビーの付いた指輪が嵌められていた。
そこにアンリエッタ姫より預かった指輪『水のルビー』を近付ける。
瞬間。ルイズとウェールズ、二人の宝石が共鳴し合い光の帯が掛かった。
それは互いの宝石を結ぶかのような美しい虹の架け橋。
その光景に見惚れるルイズ達にウェールズは説明する。
「『水と風は虹を作る』…王家に架かる虹さ。
きっとアンリエッタも互いの証明として君達に持たせたんだろう。
これが何よりも一番の証になるからね」
「……………」
太陽のような朗らかなウェールズの笑み。
それから気まずそうにアニエスは視線を外した。

言えない…言える筈がない。
まさか何も考えずに困ったら質に入れろと渡されたなどと…。
どうも姫殿下といいミス・ヴァリエールといい、
トリステイン王家所縁の人間は何かが欠落しているとしか思えない。
正直な話、どちらが滅びかけている国なのか判らなくなってくる。
…しかし考えてみれば妙な話だ。
これだけ皇太子がしっかりしているにも係らず、
反乱軍は何故これほどまでの勢力を手にする事が出来たのか?
その背後で別の組織、または国が絡んでいるのか。
いや、考える必要はない。
任務は終わった、このままトリステインに帰国すればいいだけだ。
それでようやく仇へと手が届くかもしれないのだ。

だが彼女の思惑とは裏腹に事態は進んでいく。

「…そうか。アンリエッタが結婚を…あの可愛らしい…従妹が」
ルイズから受け取った密書に目を通しウェールズが呟く。
それに静かに頷いてルイズは肯定を示した。
中身は書状というよりも手紙に近いものだった。
それを最後まで読み終えてから彼は告げた。
「判った。私に『ある物』を返して欲しいとの事だが今は手元には無い。
面倒に思うかもしれないがニューカッスルまでご足労頂きたい」
「元よりそのつもりでしたから」
心中の落胆を隠しアニエスが答える。
敵の包囲の中に飛び込むのは気が進まないが彼等はこうして出てきているのだ。
どこかしらに安全な抜け道があると見ていいだろう。
(もっとも敵に塞がれていなければ、の話だが)


「んー、いい気持ち」
ニューカッスルへと向かう『イーグル』号の甲板で日差しを全身に浴びる。
営倉や船室の中での時間が長かったせいか、吹き抜ける風が心地良く感じる。
話の後、ウェールズは“今は一人にして欲しい”と部屋に篭ってしまった。
その言動にルイズは僅かに思い当たる節があった。
彼女は何度かアンリエッタ姫に頼まれて替え玉をした事があった。
その時には必ずといっていいほどアルビオン王国の人間が来ていた。
当時はきっと会いたくもない嫌な相手がいるのかと思っていた。
だがアンリエッタ姫とウェ-ルズ皇太子は皆に隠れて逢瀬を重ねていたのだ。
そんな二人が結ばれないなどと…何故こうも残酷な運命が待ち受けているのか。

「ねえ、ウェ-ルズ皇太子殿下は…」
姫殿下は今も本気で彼を愛しているのだろう。
では彼の方はどうなのだろうか、それを聞きたくて副長に話し掛ける。
しかし思わず吹き出しそうになって言葉が途切れる。
見上げた彼の顔には未だに無精髭と眼帯。
もう空賊の扮装などする必要もないのに外し忘れているのだ。
なるべく不快にさせないようにルイズが注意を促す。
「もう『それ』は外した方がいいですよ」
「はて? 『それ』とは?」
ルイズの言葉に不思議そうに首を傾げる副長。
それに呆れ返った彼女が髭の辺りを摘まんでぐいっと引っ張る。
「これよ、これ」
「あ痛たた……」
それと同時に上がる副長の声。
その光景に甲板中の船員がどっと爆笑に沸く。
自分の過ちに気付いたルイズが素っ頓狂な声を上げる。
「へ? だって付け髭じゃ…」
「自分では気に入っているのですが…剃った方が宜しかったですかな?」
咄嗟に手を離したものの、摘まんだ部分は赤くなっている。
それを撫でながら副長は人の良さそうな笑みでルイズに返す。
「え? じゃあその眼帯も…」
「はい、先だっての戦での名誉の負傷ですが何か?」
「……………」
ぱくぱくと金魚のように開閉されるルイズの口。
思考停止状態になっていた彼女が正常の機能を取り戻す。
「し、失礼しましたァーーー!!」
謝罪の言葉を告げて彼女はその場を走り去った。
もう恥ずかしくて居た堪れない気分なのだ。
だって仕方ないじゃない。
あんまりにも空賊っぽいんだもの。
ウェールズ皇太子と同じ様に変装しているって思うじゃない。
泣き出したい気分を堪えて彼女は必死に自己弁護していた。


「ふむ。どうやらトリステインの女性には不評のようですな。
『空賊よりも空賊らしい』と皇太子殿下には喜んで頂けたのですが…」
副長の冗談に再び甲板上に沸き上がる笑い。
だがそれも一瞬。響き渡る轟音が全てを掻き消した。
瞬間。船員達の顔付きが変わる。
皆一同、憎悪や恐怖の入り混じった敵意を以ってそれを見上げる。
まだかなりの距離があるというのに一目で船と判る巨体。
横に並ぶ軍艦の優に二倍近くはあるだろう。
その砲声がここまで空気を揺るがし伝わってくるのだ。
唖然とするアニエスの口から驚愕の声が漏れた。
「なんて…化け物だ…」
「かつては我等アルビオン王国の艦隊旗艦であった『ロイヤル・ソヴリン』号です。
今では連中の手に落ちて『レキシントン』号と改名されているそうですがね」
この戦いの始まりがあの船の反乱からだった事や、
今の船名が初めて貴族派が勝利を収めた地から来ている事などを副長は語った。
だが、そんなものはアニエスの耳には届かない。
『レキシントン』号を初めとする貴族派のアルビオン艦隊。
その数はトリステイン王国の保有する艦艇数をも上回っていた。
しかも各艦の砲門数では更に差が開くだろう。
砲撃を受けているニューカッスル城と船との距離を目算で弾き出す。
その結果に愕然とするアニエスに副長が声を掛ける。

「気付かれましたか? 通常の砲に比べて連中のは二割ほど射程が長い。
それに主力艦に積まれている砲はアルビオンの物ではありません。
どこのかは判りませんが最先端の技術が我が国に持ち込まれているのです」
「………………」
現状は彼女の想像を遥かに越えていた。
これではトリステイン単独での戦争は不可能だ。
こちらの軍船が射程に入る前に敵の集中砲火を浴びせられる。
そうなれば容易く戦列を崩されて艦隊は全滅する。
恐らくはグリフォンや竜などでも接近は出来まい。
ましてや地上からの砲撃など届く筈もない。
戸惑う彼女に副長は続ける。
「空軍工廠のあるロサイスでは新型の大砲の鋳造や各艦の改修も行っていると聞きます。
既に勝負の付いた戦争でこれ以上の戦力の投入は無意味でしょう。
ならば、その目的も自ずと予想が付くというもの」
「…それが我が国に対して使われると?」
アニエスの返答に彼は頷いた。
滅亡寸前のアルビオン王国に来る理由。
ウェールズの胸中に秘めた想いに気付いていた彼には察しがついた。
恐らくは二人の間で交わされた恋文か何かを取りに来たのだろう。
もし、それが明るみに出ればアンリエッタ姫殿下の結婚は取り止めとなる。
そうなれば連中は間違いなく孤立無縁のトリステインを狙う筈だ。
ゲルマニアとの同盟が成れば良し。しかし、それが成らない時は…。

「もし今、トリステインが敵の襲来に対し何の準備も取っていないとしたら、
我々の次に滅びるのは貴方がたかも知れない…」

それは何の脚色もなく冷静に現状を見据えた軍人の言葉。
だからこそアニエスは何の疑いも無く理解できた。
彼が口にした言葉は紛う事なき事実だと…。


皆が甲板に向かう中、ワルドは一人宛がわれた船室で寛いでいた。
その行動を誰もが精神力の使いすぎと思っていた。
だが彼にはまだ有り余るほどの力が残されている。
ワルドはただ誰にも邪魔されない所で考えを纏めたかっただけ。
「…ルイズ」
自身の愛しい者の名を呼ぶ。
しばらく会わなくなってから彼女は魅力的になった。
空賊相手にも一歩も怯まずに押し通す強さ。
王宮に巣食う者達とは違う『本当の貴族』の有り様だ。
取り戻したいのは過去、貴族が貴族らしかった時代。
父と母が生きていた頃の誇り高き世界。
彼女はそれを実現するだけの『力』を持っている。
だからこそ僕は欲するのだ、彼女を!

ぎゅうとペンダントを握り締める。
手の内の冷たさが彼を冷静にさせる。

悔しいが彼女の強さは彼女だけのものではない。
宿で別行動を取ってからの彼女はあまりにも弱弱しかった。
その彼女に自信を与えているのは…間違いなくあの使い魔だ。
彼女が初めて成功した魔法で召喚されたという事もあるだろう。
だが幾度もの危険を乗り越える度に互いに信頼が生まれた。
彼がいるからこそルイズは強く在れるのだ。
もし彼を失えばルイズは只の少女に戻ってしまうだろう。
だが、そんな心配など必要ない。

「大丈夫だよルイズ。今度から僕が守ってあげるから」

使い魔がいるのは僕がいるべき場所。
彼女から向けられる信頼、愛情、そして彼女自身も。
異世界からの来訪者に譲り渡すつもりはない。
それに彼はルイズの傍には居られない。
いずれ消えて貰わなければならない存在なのだ。

ウェールズ皇太子殿下…。
貴方はアンリエッタ姫殿下を心からは愛していない。
もし、僕が貴方の立場ならゲルマニア皇帝を暗殺してでも添い遂げる。
相手が誰であろうとも一歩も退いたりはしない。
たとえ、それが世界を滅ぼす怪物だったとしてもだ…!

様々な人々の思惑を乗せ『イーグル』号は遂にニューカッスルに入港した。


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