ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

ジョルノ+ポルナレフ-12

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匿名ユーザー

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い、今起こった事をありのまま話すぜ!
わ、私は食後の散歩中目の前に落ちてきた瓶に気付き拾い上げた。
どことなく…そうだな。死んでしまった妹の持ち物にならこんな感じの物もあったかもしれない。
女物っぽい感じの瓶だった。

だが近くに女性徒はいない。流石の私もスカートの中が見えてしまう位置にいつもいるわけではないからな。
こんな日もあるさ。
それに拾い上げたのは反射的な行動だったし、満腹感からぼーっとしてたんで誰のかはわからない。
だから私は一先ず手近な奴に聞いてみたんだが違うという。

その時、私は閃いた!

これってよくある缶のポイ捨てなんじゃねぇのか?
ジュースの缶じゃねーがこいつらは貴族、気に入らない香水位同じように捨てちまえるんだろう!
チッ、こんな態度が地球環境を汚染していくんだぜ(ここはハルケギニア?だが)

見つからないしたかが瓶一つに余り時間をかけたくは無いんで、そう考える事にした私は瓶を捨てることにした。
探すの面倒だからな。
そんなわけで通りすがりのメイドに瓶捨てを頼んだ私だったが…うっかり中身を入れたまま渡しちまった。
分別回収とかの精神に反する行為で、あまり紳士的とは言えん。
私も既に30過ぎ。瓶を渡した時の私はぼーっとしていて気付かなかったとはいえん。

そんな私にある一人の貴族が忠告してくれた。
片づけをする(そいつら貴族どもからすれば)目下の者への配慮を忘れぬその貴族の名はギーシュ・ド・グラモン。
中々見所のある奴。そう思った。


だがそれは、私の勘違いだった!


奴の行動は全て一つの事を目的とした計算済みのこと…!


私が瓶を拾うのも! 捨てようとすることも!


全て…ギーシュの掌の上のことだったのだ!


即ち…!
いらなくなった女からの贈り物である香水をわざと落とし、私に衆人観衆の前で中身を捨てさせる…ッ!
恋人だった女にこれ以上無い屈辱を与える行為…!

な、何をいっているかわからねぇと思うが、私も信じられなかった。
悪ふざけとか、うっかり落として隠そうとしたとかそんな可愛げのある行動じゃねぇ!
奴は今、泣きながら食堂を去っていく元カノに向かって流し目を送りながら、新しい女といちゃつき始めやがった!

だのにこの小僧ッどういうわけか私を睨みつけこう言った。

「もう容赦せん!決闘だ!」

勿論私の返事はこうだ。

「よかろう、受けて立つぜ!」

(常に男前だが)普段より3割増しで凛々しく私は宣言する。
ギーシュは、私に背を向け逃げるなよとだけ言って去っていった。
私はマジシャンズレッドを呼び出しカメを抱えさせると決闘に向け歩き出す。

そこへ現れたのは一応主人ということになっているルイズ。

「待ちなさい! なに勝手に決闘なんか約束してんのよ!」
「はぁ? 何言ってんだマスター」

私の返事にムカついたようだが、ルイズはそれを堪えて私にこう言った。

「怪我したくなかったら謝っちゃいなさい。カメ相手に決闘なんてこと自体馬鹿馬鹿しいんだから、今なら許してくれるかもしれないわ!」
「はぁ~~ッ!?」

回りからKYKYと連呼が始まる。
しかしッ、ルイズはそれをうるさいうるさいっと言って黙らせるとさっきより強い口調で言う。

「あのね? アンタは絶対に勝てないわ。勝てるわけがないわ! ちょっと喋れたり宙に浮けるようになった位で図に乗らないの! カメじゃ…ううんッメイジにはメイジしか勝てないのよ!?」

私は耳を疑っていた。勝てるわけがないだと?
メイジとカメ。勝てるわけが無い!だと?

さんざ貴族がどーとか言って威張り散らしてる分際でなんと言う弱腰ッ!
私はちょっぴりだが幻滅したぜ。ちょっぴりしか好感を持っていなかったからな。

目の前でこんなことが起きて言う事が止めろだぁ!?

目の前でこんな邪悪な行為を見せられて怒らない奴はいねえ!
貴族だのなんだのと言うなら、この女の…いや、紳士の敵に対して尚更じゃなきゃぁいけねえと私は思うッ!

私は止めようとカメを掴もうとするルイズの手をマジシャンズレッドに弾かせ、決闘場所である広場を他の奴に尋ねた。
そして移動する…決闘場であるヴェストリの広場は魔法学院の敷地内、『風』と『火』の塔とかいう塔の間にあった。
西側にあり、日中でも余り日は差さない…つまりは血とかがいくら流れようが目立たないという点において、決闘にはうってつけの場所ってわけだ。
人手も普段は少ないのかも知れねぇが、今は別だった。

元々決闘という行為自体娯楽に飢えている生徒を集めるには十分な餌になったようだ。
今回はそれに加えてギーシュの非道な行為が既に知れ渡り、義憤に沸く多くの生徒を集めていた。

そこに、ギーシュは一人たっていた。
取り巻きは誰もいないようだ。

「諸君! 決闘だ!」

マントを靡かせ、造花のバラを掲げた糞野郎のギーシュは憎しみを込め私を見下ろしている。
既に開始を今か今かと待っている奴の目には、私をどう料理するかしか無いように見える。
闘争心は満々ってわけか…私の能力も全くわからないくせにな。

一方私の方は既にあの糞野郎の行為に吐き気を催した同士達の連盟『嫉妬団』により情報はリークされている。
奴の能力は青銅のゴーレムを7体まで作ること。
他に少しの基本的な魔法を覚えている位だが、その青銅のゴーレムを全て同時に動かす事ができるというのが厄介らしい。
教師陣にもドットメイジの中ではとても評価されているらしい。
奴は優雅な動きで造花を一振りする。
花びらが一つ零れ落ち、甲冑を着た女戦士の形へと変わる。

…花びら一枚から人間サイズかよ?
しかも全部青銅製のようだが…これがどの程度のパワーで動くのかなどはパッと見じゃあわからん。
まぁ関係ないがな。
私は大声を出す為、息を吸い込んだ。

「僕はメ「我が名はジャン・ピエール・ポルナレフ」

何事かギーシュが言おうとしたようだが、そんな御託を聞くつもりはさらさらねぇ!
私の心は闘争心―少女を泣かせるのに一役買った自分への怒りと、義憤に燃えているのだ。

「傷つけられた一人の乙女の誇りの為、貴様如きを醜悪な輩を紳士と呼んでしまった我が愚かさの清算の為、ギーシュ・ド・グラモン。貴様を討つ!」

私の名乗りに、周囲を取り囲んでいた貴族達から歓声があがった。
それに比例するように交わされるギーシュへの罵声が奴の体を震わせている。

「もう…もう限界だーツ!!」

造花を振るう奴の叫びがヴェストリの広場に響く。
そして散らばった花びらは、黒光りする女兵士へと変わった。
数は三つ。どーみても青銅じゃねぇ…! アレは鉄だ!

「気をつけろカメ! 魔力は気力、気力は感情だ! あの糞野郎っ! この土壇場で!怒りでラインにまで上がりやがった!」

かわりに最初に作り出したゴーレムはいなくなっている。
ふむ…周りは慌てだしたようだが、私にとってはかえってやりやりやすくなったと言える!

動き出す七体のゴーレムと3体のゴーレム。どちらが厄介か考えれば数が多い方が面倒だ。
義憤に燃える私の冷静な部分は多くの戦闘経験からそう判断していた。

その間にもゴーレムは既に動き出している。
中々俊敏だ。素人なら一体だけでも対応することはできないだろう!
それには賞賛を送ってやってもいい…だが今の私には友が残してくれた力があるッ!

鉄のゴーレムが私の元へたどり着くより当然早くッ!
我が相棒、マジシャンズレッドが私が入った亀を上空へと投げた。
当然私が移動するのだから我がスタンドであるマジシャンズレッドも共に移動する事になる!

「アヴドゥル!俺に力を貸してくれ!」

私が操るマジシャンズレッドは広場上空十数メートルの高さで亀をキャッチ、両手での固定…そして大きく振り上げて私は、私の入った亀をギーシュへ向かい回転をつけて投げさせた!

「オオオオッ!」

空気を切り裂いて進む私に不意を突かれたせいかゴーレムは動きを止めている。
ギーシュは慌てるばかりで、逃げることもままならないようだ。
だが容赦はしない!
マジシャンズレッドの視界でそれを確認しながら、私の入った回転した亀は見事にギーシュの腹部に命中した!
周囲から上がる歓声!
一気に熱気があがる広場の中で、私はトーンを落とした声でギーシュに告げる。

「今のが私の分、次が貴様が傷つけたレディの分だ」

血反吐を吐き亀と同じ高さでこちらに視線を向けるギーシュに、私は容赦なくマジシャンズレッドの腕を振り上げた。
マジシャンズレッドのパワーとスピードで殴ったならば、最低でもコイツの顔を二目と見れないものにしてやることが可能だ。

だがその時!
先ほどギーシュに抱きついていた女生徒が、ギーシュの前に立ちふさがった!

「退けい!」
「嫌です!もう勝負はついた筈ですわ!」

私は十分ドスのきいた声で怒鳴りつけたつもりだったが、私の言葉にも怯まずその女生徒は亀を見返した。
場が騒然としていくが、この女性との言葉には聞き捨てならん部分が一つあった。私は大声を張り上げて否定する。

「断じて違う!報いを受けさせた時、名誉が回復された時が決着だ!」

私の返事に女生徒、ケティといったか? は表情を曇らせ、既にその影で怯えていたギーシュを見た。

「確かに、ギーシュ様は間違った方法を使われました…ミスモンモランシーには必ず謝罪いたします、ですが!」

そう言って再び私を見たケティの目には強い輝きがあった。

「ギーシュ様は私への愛ゆえに間違われてのです!お願いします、ギーシュ様にチャンスを、チャンスをくださいませ!私がギーシュ様を正して見せます!」
「なんだと?」

私は戸惑った。
この色ガキを正すだと?
未だマジシャンズレッドに振り上げさせた拳はそのままだったが、私は迷った。
それを敏感に感じ取ったのか、ケティが重ねて言う。

「私への愛ゆえに、間違われたこの方を、私の愛情で正したいのです」

言うなりケティはギーシュを抱き寄せる。
それを見た私は後一撃、多分ギーシュを殺してしまうかもしれない一撃をアヴドゥルのスタンドを使って加えるのがとても馬鹿馬鹿しいことのような気がしてきた。
チッ、興が殺がれちまったぜ。

遠い記憶が蘇る…私の脳裏には妹の敵を討とうと愚かな真似をした私をアヴドゥルは追いかけ、助けてくれた事が、思い浮かんでいた。

「ギーシュ・ド・グラモン、あんな真似までして得た相手だ。大事にするんだぞ」
「では!」

ケティの顔が輝いた。
私はうむ、とだけ言って彼ら若い恋人達から離れていく。
周囲もそれをきっかけに動き出し、ギーシュをなじりケティを褒め称えながら去っていく…


だから私は気付かなかった。
ケティは、母性的な笑顔を浮かべてギーシュを抱きしめながら、何を考えているか…

彼女はギーシュを抱きしめながら、ギーシュのポケットに少し切れ目を入れておいたことも思い出していた。
そして先ほど出来うる限り低い声で言った台詞などを思い出していた。

『わかったぜ!つまり、ギーシュはモンモランシーと付き合ってたけどゴミみたいに捨てるって事なんだよ!』

と言った事などを…思い出してその微笑みは深くなった。
腕の中には、ケティを女神か何かのように見上げる瞳がある。
ケティはギーシュにも聞こえない程の微かな声で呟いた。

「…計算通り。いえ、計算以上ね」

ギーシュはこの騒動で一気にラインメイジになった。
一時的な感情の高ぶりが齎した精神力とはいえ、一度そのハードルを越えてしまえばまた超えるのは容易になる。

恋愛とは、杖を交えず行う決闘なのよ。ミス・モンモランシー。

「クスクス、可愛がってあげるわ。ギーシュ」

ケティは年上のカレと見つめあい、少しするとカレを医務室へと連れて行った。
周りはそれを暖かく見守っていた…


ポルナレフ…気分は良くなったがルイズとはギクシャク。早く帰りてーなぁとも思い出している。
ギーシュ…モンモランシーに振られた上に評判は血に落ちたが、ケティと恋人に。涙目。
モンモランシー…ショックを受けて引き篭もりに。涙目。
ケティ…恋に勝利した。

To Be Continued...


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