某年某月某日
ロマリア皇国
ロマリア皇国
その日、ヴィットーリオ・セレヴァレは歓喜の絶頂にあった。
というのも、彼は自らがブリミルの恩寵を受けた人間であることを確信したからだ。
神聖なるサモン・サーヴァント。
その儀式によって彼が得た使い魔は、他でもない、人間であった。
かねてよりブリミルの使い魔たちについて研究していた彼は、これを喜ばしいことと受け取った。
というのも、彼は自らがブリミルの恩寵を受けた人間であることを確信したからだ。
神聖なるサモン・サーヴァント。
その儀式によって彼が得た使い魔は、他でもない、人間であった。
かねてよりブリミルの使い魔たちについて研究していた彼は、これを喜ばしいことと受け取った。
そう、己の力はブリミルの御力。
己は呪われた鬼子などではなく、神の祝福を受けた神子なのだ。
己は呪われた鬼子などではなく、神の祝福を受けた神子なのだ。
それは彼にとって何よりの慰めだった。
己の異能の故に母を失い、周囲の白眼視の中で育ったヴィットーリオ。
失われた愛の代わりを、信仰と、ただ己にのみ許された魔法の中に求め続けた。
己の異能の故に母を失い、周囲の白眼視の中で育ったヴィットーリオ。
失われた愛の代わりを、信仰と、ただ己にのみ許された魔法の中に求め続けた。
わたくしは、正しかった。
確信とともに使い魔を見遣った。
召喚された男は背が高く、黒い肌と白い髪をもっていた。
召喚された男は背が高く、黒い肌と白い髪をもっていた。
・・・・・・我われは、この男を知っている。
空条承太郎を、徐倫を殺害し、ジョースターの正統を絶やしたこの男の名を知っている。
狂信者にして反逆者。
愛ゆえに道を誤った敗北者。
狂信者にして反逆者。
愛ゆえに道を誤った敗北者。
名をエンリコ・プッチといった。
エンリコ・プッチは、深く絶望していた。
DIOが望み、彼が願った理想は、あと一歩というところで空しく潰えた。
他でもない、ジョースターの手によって。
DIOが望み、彼が願った理想は、あと一歩というところで空しく潰えた。
他でもない、ジョースターの手によって。
またしても、またしてもジョースターだった。
滅ぼしたはずのジョースターは、姿を変えて、
とるに足らぬ少年のなかで生き続けていたのだ。
それはプッチにとって、絶望に他ならなかった。
滅ぼしたはずのジョースターは、姿を変えて、
とるに足らぬ少年のなかで生き続けていたのだ。
それはプッチにとって、絶望に他ならなかった。
ジョースターは感染する。
ジョースターと関わった人間は、どうしようもなくそれに巻き込まれていくのだ。
ほんのわずか、一言二言言葉を交わしたくらいでは何ともあるまい。
しかし、それに惹きつけられてしまったならば。
その輝きに憧れ、己もまたそのように生きたいと願ってしまったならば。
その者はジョースターになってしまう。
ジョースターと関わった人間は、どうしようもなくそれに巻き込まれていくのだ。
ほんのわずか、一言二言言葉を交わしたくらいでは何ともあるまい。
しかし、それに惹きつけられてしまったならば。
その輝きに憧れ、己もまたそのように生きたいと願ってしまったならば。
その者はジョースターになってしまう。
悪い夢のような話だ。
真にジョースターを根絶やしにしたいと願うならば、
それに関わった者全てを滅ぼさねばなるまい。
千人ということはあるまい。
一万人? まだまだ足りない。
十万、百万、ひょっとすると一千万。
ジョースターと関わった者が、さらに誰かと関わり、その誰かはまた別の誰かへと。
夜が終われば朝が来るように、決して途切れる事は無い。
真にジョースターを根絶やしにしたいと願うならば、
それに関わった者全てを滅ぼさねばなるまい。
千人ということはあるまい。
一万人? まだまだ足りない。
十万、百万、ひょっとすると一千万。
ジョースターと関わった者が、さらに誰かと関わり、その誰かはまた別の誰かへと。
夜が終われば朝が来るように、決して途切れる事は無い。
―エンリコ・プッチは自らのスタンド、ホワイトスネイクを見て考える。
友は去った。
不甲斐ない自分を見限ってのことだろう。
不甲斐ない自分を見限ってのことだろう。
―エンリコ・プッチは自らのスタンド、ホワイトスネイクを見て考える。
かつて自分は運命に敗れた。
今また敗れた。
運命に逆らうなど自分には不可能だったのだ。
今また敗れた。
運命に逆らうなど自分には不可能だったのだ。
―エンリコ・プッチは自らのスタンド、ホワイトスネイクを見て希う。
もう眠りたい。
もう二度と目を覚まさないように、泥のようになって眠りたい。
もう二度と目を覚まさないように、泥のようになって眠りたい。