ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

露伴-2

最終更新:

familiar_spirit

- view
だれでも歓迎! 編集
「えぇ!?ピンクダーク読んでますよ!」
「うん、でもしばらく連載できそうも無いがね。はははは」
「いやぁびっくりですよ、岸部露伴先生に会えるなんて」
露伴はこの平賀才人という少年に感心した。
わずか数時間前に全くの非常識な世界に来たと言うのにこうやって談笑していられる適応力に。
「岸部露伴って本名なんですか?」
「ああ、そうなんだ。露伴さんと呼んでくれたまえ――」
ドン、机を叩く音がした。
「静かにしなさい」
ルイズが不機嫌そうに言い放つ。
ここはルイズの寝室だ。ベッド、箪笥に机が置いてある。
露伴と才人が座っている椅子は露伴がどこからか持って来たのだ。
「ったく、いきなり男2人も養わなきゃいけないなんて」
2人を見ながらブツブツと独り言をもらしている。
先ほどから才人に質問攻めにされていたが、露伴が所々わかりやすい説明で補足してるうちに盛り上がっていたのがルイズは気に入らなかったようだ。
ふと露伴は才人の左手を見て思い出した。
「才人君、ちょっと左手を見せてくれ」
才人の左手には面妖な文字らしきものが刻まれていた。
ルイズと『契約』した折にこの文字が出来たそうだ。
「ルイズ、この国の言葉で何か話してくれ」
U字禿の中年と才人が話していたことを思い出したのだ。
ムッとした様子で
『呼び捨てにするなって言ってるでしょ』
『日本に帰してくれるんだったら何とだって呼んでやるよ』
「今何語を話したんだ?」
才人は何も理解してないようだ。
「えっ?…日本語じゃないですか」
「ヘブンズ・ドアー」

(迂闊だな。彼が敵の可能性を考えて無かったとは)
露伴のスタンド能力で才人のことを調べ上げる。
突然寝てしまった才人、その様子を怪訝そうに見ているルイズ。
(あまり深く考えない、よくヌケているといわれる、負けず嫌い、ふーむ…スタンド使いではないが全く以って普通の高校生だな。
おっ、これか。ハルキゲニアの言語を日本語として理解、会話できる)
ルイズと契約したときに身についたのか。
ルイズの時に忘れていた、今起こったことを忘れる、と書くと才人はケロリとした顔で起きた。
「んっ、な…なんだよ?」
才人はルイズがじっと見られているのに照れてしまう。
「さてもう、夜も更けてきたな。寝させてもらうよ。おやすみ才人君、ルイズ」
と椅子から立ち上がってドアに手をかける。
「どこ行くんですか?」
「どこかの部屋でも借りて寝るんだよ」
「じゃあ俺も」
「サイト、使い魔が主人を離れるなんてどういうことよ、それに部屋なんて貸してもらえるわけ無いじゃない」
ルイズがそう言うと露伴は才人に向き直った。
「僕は人の面倒を見るのが苦手でね。彼女の世話になるべきだろう、自分?自分は適当にするさ」
おやすみ、というと露伴はさっさと行ってしまった。
才人は急に心細くなってしまった。
といきなりドアが開き再び露伴が顔を出した。
「才人君来たまえ!」
と才人の手を取ると、引っ張るように学院の中庭に連れ出した。
「見ろッ!月が2つだ!いい!実に異世界だ!いや、待てよ。もしかして地球と同じ宇宙なのかもしれ!
僕は初めて地球外知的生命体とコンタクトした地球人ってことか!」
大はしゃぎする露伴を横目に才人はますます寂しくなった。
あらためて日本からはるか遠い地に自分はいるのだと認識した。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

記事メニュー
目安箱バナー