ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

マジシャンズ・ゼロ-8

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ルイズの身嗜みが終わり、二人そろい部屋を出る。
すると同じタイミングで横の部屋が開いた。
「あら?ルイズ、おはよう」
赤い髪を掻き上げながら挨拶をする少女。
「……おはよう。キュルケ」
朝っぱらから嫌なモノ見た、とでもいいたげに挨拶するルイズ。
ルイズの視線をアヴドゥルは追ってみる……納得いった。
良く言っても『慎ましやかな丘』であるルイズ。
一方、控えめに言っても『山脈』のキュルケ。
戦力の差は歴然であった!
アヴドゥルが生温かい視線をルイズに送っているとキュルケが観察するように見てくる。
「ふ~ん…本当に平民を召喚したんだ。…………逞しそうだけどタイプじゃないわね」
「ちょっと!勝手に人の使い魔、見ないでよ!」
ジロジロとアヴドゥルを見られ、警戒したのかルイズが二人の間を遮る様に立つ。
「…ぷッ」
「へ?」
そんなルイズがツボに入ったのか、キュルケの笑い声が廊下に響く。
「あっはっは!平民なんて凄いじゃないwさすがね~w」
明らかにからかわれている!
ルイズは怒りに震える拳を握り締める。
(……いつか覚えてなさいよ~)
しかし、召喚したのは自分のため何も言い返せない。

「使い魔ってのはね、この子みたいのを言うのよ。フレイム!」
ピンッ!っという指パッチンの後、キュルケの部屋から赤く大きなトカゲらしきモノが出てくる。
「……ほう」
思わず感嘆の声が出るアヴドゥル。
今までカブトムシのようなスタンドなど、変わった生物?を色々見てきた。
昨日は旋回する竜らしき生物も見た。
しかし!
自分と同じ火の属性の大トカゲ……いや『ヒトカゲ』はそれら以上の感動を与えてくれた。
キュルケはルイズに使い魔自慢を言っている。
それに別段興味もなかったアヴドゥルはフレイムに集中していた。
すると、使い魔効果かは知らないが微妙な意思疎通ができた。
「きゅるきゅる?」
「アヴドゥルだ」
「きゅる!きゅるきゅる」
「ああ、よろしく頼む」
使い魔組みは主人と正反対に、仲良く挨拶を交し合っていた。

ようやく話が終わったのか、両主人がフレイムの頭を撫でているアヴドゥルに気付く。
「あら?フレイムが私以外に触らせるなんて」
「アヴドゥル!ツェルプストーの使い魔なんかと馴れ合わないの!」
廊下に響くルイズの怒声。
それを聞いたキュルケは呆れの入った溜息と共に、アヴドゥルに一言告げる。
「あなたも癇癪持ちの主人を持って大変ね、嫌になったら私のとこに来なさい。いつでも雇ってあげるわ」
(ルイズへの嫌がらせだけど)
その言葉を最後に、じゃッあね~っと、ドップラー効果を活用しながら去っていくキュルケを、親の敵の如く睨み付けるルイズ。
「キュルケのやつ~。自分がちょっとサラマンダーなんか引いたからって自慢しちゃって~………胸……飾り……(ぶつぶつ)」
プルプル震えながらキュルケへの怨みを語る。

ある程度落ち着いたのか、今度はアヴドゥルに視線を向けてきた。
(全部コイツがいけないのよ!なんで愚者な犬や、ホル~スな隼じゃないのよ!)
睨み付けながら考えることは、完全な八つ当たりだ。
だが、使い魔を引いたのはルイズ自身。
コレを当り散らすのを、貴族としての…いや、ルイズのプライドが押し止めた。
「もういい。食事に行くわよ!」
ぶっきらぼうにいい先を行くルイズ。
背中からまだ、腹に据えかねているのが分かったアヴドゥルは黙って付いていった。
ルイズの『約束された勝利(主従関係)』が待つ食堂へ。


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