康一達が全てのケーキを配り終えた頃、騒ぎを聞きつけたルイズが康一に詰め寄ってきた。
「あんた! 何してんのよ!」
「何って、ケーキを配ってたんだけど……」
「何って、ケーキを配ってたんだけど……」
ルイズは康一の胸倉を掴んで、ガクガクと揺さぶった。
「そうじゃなくて、なんで勝手に決闘なんか約束したのか聞いてんのよ!」
「僕が約束したわけじゃあないよ」
「僕が約束したわけじゃあないよ」
康一は、胸倉を掴んでいたルイズの手を払いのける。
乱れた服を元に戻し、真っ直ぐな目でルイズを見つめた。
乱れた服を元に戻し、真っ直ぐな目でルイズを見つめた。
「それに、僕は間違ったことを言っちゃあいない」
ルイズはため息をついて、やれやれと肩をすくめた。
「謝っちゃいなさいよ」
「なんで? 悪いのは彼の方じゃあないか」
「怪我をしたくなかったら、謝ってきなさい。 今なら許してくれるかもしれないわ」
「なんで? 悪いのは彼の方じゃあないか」
「怪我をしたくなかったら、謝ってきなさい。 今なら許してくれるかもしれないわ」
そう言って、ルイズは康一を説得しようとする。
しかし、当然のことだが、康一は謝る気など全くない。
しかし、当然のことだが、康一は謝る気など全くない。
「嫌だね」
「いいから」
「嫌だって言ってるんだ」
「わからずや!」
「わからずやなのはそっちだろう!」
「絶対に勝てないし、あんたは怪我をするわ。 いや、怪我済んだら運がいいわよ!」
「いいから」
「嫌だって言ってるんだ」
「わからずや!」
「わからずやなのはそっちだろう!」
「絶対に勝てないし、あんたは怪我をするわ。 いや、怪我済んだら運がいいわよ!」
頑として引かないルイズと康一。
その様子を見ていたシエスタが心配そうにしながら、話に割り込んできた。
その様子を見ていたシエスタが心配そうにしながら、話に割り込んできた。
「コーイチさん、私のことはいいんです。どうか、私なんかの為に決闘なんてしようとしないで下さい……」
「そうよ! 第一、メイジに平民は絶対に勝てないの!」
「そうよ! 第一、メイジに平民は絶対に勝てないの!」
そう言って、康一の肩を掴んで何とか止めさせようとする。
しかし、康一の考えは変わらない。例えシエスタが許しても、康一は許せなかった。
康一はルイズの手を振り払い、周りで見ていたギャラリーに聞いた。
しかし、康一の考えは変わらない。例えシエスタが許しても、康一は許せなかった。
康一はルイズの手を振り払い、周りで見ていたギャラリーに聞いた。
「ねえ、ヴェストリの広場ってどこにあるの?」
「こっちだ。平民」
「こっちだ。平民」
康一達のやり取りを見ていた一人が、ヴェストリの広場まで案内した。
ヴェストリの広場は、魔法学院の敷地内、『風』と『火』の塔の間にある中庭であった。
西側にある広場で、日中でも日があまり差さない。決闘にはうってつけの場所である。
普段は閑散とした広場であるが、今この場は、噂を聞きつけた生徒達で溢れかえっていた。
西側にある広場で、日中でも日があまり差さない。決闘にはうってつけの場所である。
普段は閑散とした広場であるが、今この場は、噂を聞きつけた生徒達で溢れかえっていた。
「諸君! 決闘だ!」
ギーシュが薔薇の造花を掲げた。広場に大きな歓声が響き渡る。
「ギーシュが決闘をするぞ! 相手はルイズの平民だ!」
ギーシュは腕を振って、歓声にこたえている。
一方、康一の方はそんな歓声など気にする様子もなく、じっとギーシュを睨んでいた。
一方、康一の方はそんな歓声など気にする様子もなく、じっとギーシュを睨んでいた。
「とりあえず、逃げずに来たことは、誉めてやろうじゃないか」
ギーシュは薔薇の花を弄りながら、余裕の笑みをうかべて言った。
「時間も惜しい、早いとこ始めるとしよう」
ギーシュは、弄っていた薔薇の花を振った。
花びらが一枚、宙に舞ったかと思うと、甲冑を着た女戦士の人形になった。
身長は人間と同じぐらいだが、体は硬い金属で出来ているようだった。
淡い太陽の光を受けて、甲冑がきらめいている。
花びらが一枚、宙に舞ったかと思うと、甲冑を着た女戦士の人形になった。
身長は人間と同じぐらいだが、体は硬い金属で出来ているようだった。
淡い太陽の光を受けて、甲冑がきらめいている。
「僕はメイジだ。だから魔法で戦う。よもや文句はあるまいね?」
康一は、女戦士の人形をちらりと見てから、ギーシュに言った。
「……文句なんてないさ。むしろ感謝したいくらいだよ。これで僕も本気で戦えるってことだからね」
「ふん、強がりを……」
「ふん、強がりを……」
ギーシュは薔薇を振って、女戦士の人形を康一の前まで移動させた。
「おっと、言い忘れたな。僕の二つ名は『青銅』。青銅のギーシュだ。従って、青銅のゴーレム『ワルキューレ』がお相手するよ」
女戦士の形をしたゴーレムが、康一に向かって突進してきた。
康一目掛けて、右の拳を振り下ろす。
その拳が康一の腹に命中する寸前、ゴーレムが突然、地面にめり込んだ。
ズンッと、地面の揺れと共に大きな窪みができ、ゴーレムは地面に突っ伏したまま立ち上がらなくなる。
康一目掛けて、右の拳を振り下ろす。
その拳が康一の腹に命中する寸前、ゴーレムが突然、地面にめり込んだ。
ズンッと、地面の揺れと共に大きな窪みができ、ゴーレムは地面に突っ伏したまま立ち上がらなくなる。
「な……!? ど、どうしたんだ、ワルキューレ!!」
ギーシュは突然のことに驚き、半ば焦りながら、懸命に薔薇を振る。
しかし、ゴーレムは動かない。動かないというよりも、動けないといった感じで、もがき苦しんでいる。
ゴーレムが動けない理由はたった一つ。
康一が、ACT3のFREEZE攻撃を、ゴーレムに命中させていたからだ。
しかし、ゴーレムは動かない。動かないというよりも、動けないといった感じで、もがき苦しんでいる。
ゴーレムが動けない理由はたった一つ。
康一が、ACT3のFREEZE攻撃を、ゴーレムに命中させていたからだ。
「くそ、どういうことだ……」
まさか、魔法を使ったのでは? と思って康一を睨みつけるが、そんなふうには見えない。
第一、杖を持っていない。杖を持ってないのに、魔法を唱えられるはずがない。
そもそも、あいつはメイジじゃなく、ただの平民じゃないか。
きっと、油断して魔法を失敗してしまったに違いない。そうに決まってる。
そう思って、ギーシュは平静を保とうとする。
そんなギーシュの様子を見てか、康一が挑発するように言った。
第一、杖を持っていない。杖を持ってないのに、魔法を唱えられるはずがない。
そもそも、あいつはメイジじゃなく、ただの平民じゃないか。
きっと、油断して魔法を失敗してしまったに違いない。そうに決まってる。
そう思って、ギーシュは平静を保とうとする。
そんなギーシュの様子を見てか、康一が挑発するように言った。
「キミの魔法ってのは、この程度なの?」
「なんだとッ!」
「なんだとッ!」
ギーシュは憤り、大きく薔薇を振った。
花びらが舞い、新たなゴーレムが六体現れる。
その全てが、康一を取り囲むようにして動き始めた。
花びらが舞い、新たなゴーレムが六体現れる。
その全てが、康一を取り囲むようにして動き始めた。
「くっ……!」
康一は、思わず言葉を詰まらせた。
一体や二体ならば、ACT3で難なく対処できる。
しかし、既に動けなくしているのを合わせ七体ともなると、かなり分が悪かった。
現在、ACT3で動けなくできる対象は最大二体までなので、残り五体は生身で相手にしなければならないことになる。
一体や二体ならば、ACT3で難なく対処できる。
しかし、既に動けなくしているのを合わせ七体ともなると、かなり分が悪かった。
現在、ACT3で動けなくできる対象は最大二体までなので、残り五体は生身で相手にしなければならないことになる。
「やれ、ワルキューレ!」
ギーシュのかけ声と共に、一斉に飛び掛るゴーレム達。
康一は、真っ先に攻撃してきたゴーレムを、ACT3のFREEZE攻撃で動けなくする。
二体目が康一に攻撃をする。ACT3でガードし、二体目の攻撃はなんとか防ぐことができた。
そうしてるうちに、三体目が康一の背中を目掛けて攻撃する。反応し切れなかった康一は、きりもみしながら吹っ飛ばされた。
康一は、真っ先に攻撃してきたゴーレムを、ACT3のFREEZE攻撃で動けなくする。
二体目が康一に攻撃をする。ACT3でガードし、二体目の攻撃はなんとか防ぐことができた。
そうしてるうちに、三体目が康一の背中を目掛けて攻撃する。反応し切れなかった康一は、きりもみしながら吹っ飛ばされた。
「がふっ!」
康一は、うめきながら地面に叩きつけられた。
不幸中の幸いか、背中の骨は折れてはいないようだった。
しかし、生身の康一には充分すぎるほど、背中のダメージは大きかった。
不幸中の幸いか、背中の骨は折れてはいないようだった。
しかし、生身の康一には充分すぎるほど、背中のダメージは大きかった。
「どうした平民。さっきまでの勢いは」
ギーシュが余裕の笑みを浮かべながら薔薇を弄っている。
康一はなんとか立ち上がろうとするが、背中のダメージが大きく、なかなか立ち上がれない。
そんな康一を、七体のゴーレムが悠然と見下ろした。
さっき、FREEZE攻撃で動けなくしたゴーレムも、射程距離から外れてしまったために復活していたのだった。
康一はなんとかACT3で攻撃しようとするが、七対一では為す術がなかった。
何とか立ち上がった康一の腹に、ゴーレムの重い衝撃が走る。
康一はなんとか立ち上がろうとするが、背中のダメージが大きく、なかなか立ち上がれない。
そんな康一を、七体のゴーレムが悠然と見下ろした。
さっき、FREEZE攻撃で動けなくしたゴーレムも、射程距離から外れてしまったために復活していたのだった。
康一はなんとかACT3で攻撃しようとするが、七対一では為す術がなかった。
何とか立ち上がった康一の腹に、ゴーレムの重い衝撃が走る。
「がはっ!」
続けて、他のゴーレムが康一の顔面に向けて拳を振り下ろす。
「がふっ!」
さらに、背中、わき腹、足、腕と、拷問をするように、康一を攻撃するゴーレム達。
頃合いを見計らい、ギーシュが薔薇を掲げてゴーレム達を制止する。
ギーシュは薄く笑みを浮かべながら、ヨロヨロと立ち上がる康一に言った。
頃合いを見計らい、ギーシュが薔薇を掲げてゴーレム達を制止する。
ギーシュは薄く笑みを浮かべながら、ヨロヨロと立ち上がる康一に言った。
「さあ、謝れ。謝って命乞いすれば、助けてやる」
康一は右腕を押さえながら、ギーシュを睨みつける。
「誰が……謝るものか……」
そう言った瞬間、一体のゴーレムが康一の腹に向かって拳を振り下ろした。
康一は、うめき声をあげながら地面に崩れる。
康一は、うめき声をあげながら地面に崩れる。
「謝れ」
「誰が……お前なんかに……」
「……強情な奴だ。その根性だけは認めてやるよ」
「誰が……お前なんかに……」
「……強情な奴だ。その根性だけは認めてやるよ」
薔薇を振り、ギーシュはゴーレムに攻撃を命じる。
その時、ルイズが人ごみの中から飛び出して、康一のそばに駆け寄った。
その時、ルイズが人ごみの中から飛び出して、康一のそばに駆け寄った。
「いい加減にして! これ以上やったら……」
「ルイズ、邪魔しないでもらいたいな」
「ルイズ、邪魔しないでもらいたいな」
ルイズは、ギーシュを睨みつけながら怒鳴った。
「自分の使い魔が、みすみす怪我するのを、黙って見ていられるわけないじゃない!」
「この程度……怪我の内に入るもんか……」
「コーイチ!」
「この程度……怪我の内に入るもんか……」
「コーイチ!」
フラフラになりながら立ち上がった康一を見て、ルイズが悲鳴のような声で名前を呼んだ。
「やっと、僕の事を名前で呼んでくれたね……」
ルイズは震えながら、康一に向かって怒鳴る。
「もうわかったでしょう? 平民は、絶対にメイジに勝てないのよ!」
「まだ……負けたって決まったわけじゃあない……」
「まだ……負けたって決まったわけじゃあない……」
康一は覚束ない足取りで、ギーシュに向かって歩き出す。
ルイズがその後を追いかけ、康一の肩を掴む。
ルイズがその後を追いかけ、康一の肩を掴む。
「寝てなさいよ! これ以上やったら死んじゃうわよ!」
康一は、ルイズの手を振り払った。
「ムカつくんだ」
「ムカつく? メイジに負けたって、恥でも何でもないのよ!」
「ムカつく? メイジに負けたって、恥でも何でもないのよ!」
康一はよろよろと歩き、ギーシュに一歩、また一歩と近づいていく。
「メイジや貴族って……そんなに偉いのかい?」
「え?」
「え?」
「一生懸命働いてるシエスタさんは、見下されて……。
メイジや貴族ってだけでエバってるあいつが偉いなんて……。
『逆』じゃあないか? どうしてあいつが悪いのにシエスタさんが悪く言われなくちゃいけないんだ?」
メイジや貴族ってだけでエバってるあいつが偉いなんて……。
『逆』じゃあないか? どうしてあいつが悪いのにシエスタさんが悪く言われなくちゃいけないんだ?」
ギーシュは、馬鹿馬鹿しいと言った表情で、康一の話を聞いている。
「言いたいことはそれだけかい?」
「……まだだ」
「……まだだ」
康一は、ギーシュを挑発するように、ゴーレムを指差して言った。
「お前の……『ワルキューレ』だっけ? ハッキリ言わせてもらうけど、全ッ然ッ弱いねッ!
パワーも大したことないし、スピードだって、てんで大したことないよ。『何このガラクタ?』って感じだねッ!」
パワーも大したことないし、スピードだって、てんで大したことないよ。『何このガラクタ?』って感じだねッ!」
ギーシュの顔から笑みが消えた。ギリッと歯が軋む音がする。
「お前なんかより、全然凄い能力を持ってる人を、僕は知ってる。
それに比べたら、お前のワルキューレなんて『カメよりスロー』だッ!あくびがでそうだよ。
何がメイジだ! お前なんか、こんなガラクタに頼らなきゃ何も出来ない臆病者じゃあないか!」
それに比べたら、お前のワルキューレなんて『カメよりスロー』だッ!あくびがでそうだよ。
何がメイジだ! お前なんか、こんなガラクタに頼らなきゃ何も出来ない臆病者じゃあないか!」
ギーシュが体を震わせ、鋭い眼差しで、康一を睨みつける。
ゴーレムの右手が飛んで、康一の顔面を襲う。続けて腹に一発浴びせ、再び顔面に一発攻撃した。
康一は吹っ飛び、鼻が折れ、奥歯が一本抜け落ちた。
さきほどとは比較にならないくらいの一撃だった。
ゴーレムの右手が飛んで、康一の顔面を襲う。続けて腹に一発浴びせ、再び顔面に一発攻撃した。
康一は吹っ飛び、鼻が折れ、奥歯が一本抜け落ちた。
さきほどとは比較にならないくらいの一撃だった。
「もう一度……言ってみろ……」
康一は、地面に手をつきながら、やっとのことで体を立ち上がらせる。
「全ッ然ッ……効いてないぞ……ヘッポコワルキューレの攻撃なんて……!」
「貴様ァァァァアアアアア!!!」
「貴様ァァァァアアアアア!!!」
自分の魔法をバカにされたギーシュは、怒り狂った。
ゴーレム七体が康一を取り囲み、一斉に攻撃をする。
誰もがギーシュの勝利を確信した、その時だった。
『ドッグォン』という音と共に、七対のワルキューレが全て吹っ飛ばされた。
ゴーレム七体が康一を取り囲み、一斉に攻撃をする。
誰もがギーシュの勝利を確信した、その時だった。
『ドッグォン』という音と共に、七対のワルキューレが全て吹っ飛ばされた。
「な!?」
勝利を確信していたギーシュは、目を疑った。
自慢の魔法でもある、ワルキューレが四方八方に吹っ飛ばされたからだ。
自慢の魔法でもある、ワルキューレが四方八方に吹っ飛ばされたからだ。
「うわあぁぁあああ!」
爆風と共に飛ばされてきた一体のワルキューレが、ギーシュに命中した。
ギーシュは、ワルキューレと共に、地面を転がる。
その様子を見ていた康一は、ニヤニヤと笑いながら、転げまわるギーシュを見ていた。
ギーシュは、ワルキューレと共に、地面を転がる。
その様子を見ていた康一は、ニヤニヤと笑いながら、転げまわるギーシュを見ていた。
「ざ、ざまーみろッ!」
康一は、自分張り付いていた『ドグォン』という文字を回収して、地面にへたり込む。
「く、くそぉぉおおおお!」
ACT2の攻撃は物理的なダメージは殆どない。
そのため、ゴーレムには殆どダメージを与えていなかった。
しかしギーシュは、自分の自慢のワルキューレが傷つけられたと思い、完全に我を忘れていた。
そのため、ゴーレムには殆どダメージを与えていなかった。
しかしギーシュは、自分の自慢のワルキューレが傷つけられたと思い、完全に我を忘れていた。
「平民如きがぁぁぁあああー―――ッ!」
再度体勢を立て直したゴーレム達が、一斉に康一に特攻する。
康一は再びACT2で、自分に文字を貼り付けようとする。
しかし、既に体がボロボロになっているため、思うようにいかない。
康一は再びACT2で、自分に文字を貼り付けようとする。
しかし、既に体がボロボロになっているため、思うようにいかない。
「まずい……ッ! 体が言うことをきか……」
目の前に迫るワルキューレ。
間に合わない――。康一がそう思った瞬間だった。
間に合わない――。康一がそう思った瞬間だった。
「康一さん……!」
「えッ!?」
「なッ!?」
「えッ!?」
「なッ!?」
康一の目の前に、シエスタが盾になるように立ち塞がった。
ギーシュは、ワルキューレの攻撃を止めようとするが、その前にワルキューレの拳が、シエスタの体に命中していた。
ギーシュは、ワルキューレの攻撃を止めようとするが、その前にワルキューレの拳が、シエスタの体に命中していた。
「シエスタさんッ!!」
康一が、大きな声で叫び、シエスタの元に駆け寄った。
「シエスタさん、しっかりして下さい! シエスタさんッ!」
康一がシエスタを抱きかかえ、何度も呼びかけるが、返事はない。
ACT1で、心音の音を確認する。ドクンドクンと、正常な心音が聞こえた。
どうやら気絶しているだけのようだった。一先ず安心し、シエスタを安全なところに運んだ。
ACT1で、心音の音を確認する。ドクンドクンと、正常な心音が聞こえた。
どうやら気絶しているだけのようだった。一先ず安心し、シエスタを安全なところに運んだ。
「ち、違うッ! あいつが勝手に飛び出してきたんだ! 僕のせいじゃないッ!!」
シエスタを攻撃したギーシュは、必死に言い訳をしていた。
「よくもシエスタさんを……許さない……」
ザワザワと髪の毛を逆立て、康一はギーシュを睨み付けた。
その時……。康一の左手に刻まれたルーン文字が、光りだした。
その時……。康一の左手に刻まれたルーン文字が、光りだした。
To Be Continued →