ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

几帳面な使い魔 記念SS

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「いいこと!妖精さんたち!」
「はい!ミ・マドモワゼル!」
「トレビア~ン!」
そういって腰をカクカク動かす中年の男。
何度か見ているがそのたびにウンザリする光景。それが形兆とルイズのバイト先の開店前の号令だった。

バイトといっても金稼ぎのためではない。王女から直々に命ぜられた任務のためだ。
身分を隠して情報収集。要約すればそんな感じだ。
この居酒屋―魅惑の妖精というのだが―で働いているのは、お金が無くなったからだ。
お金が無くなった事に関する責任は二人に平等にある。とルイズ『は』言う。

開店時間になり客が入ってきて席に着き注文をする。
ルイズはウエイトレスなので注文を取りに行くのだがそれすらも危なっかしい。
普段ならそれとなく助けてやるのが形兆の役目になっていたのだが、こればかりはそうもいかない。
使い魔であることも秘密なのだ。助けてやるわけには行かない。
結果。ルイズは立派な問題児となっていた。

形兆の方はというと皿洗いなどの裏方業務だ。これは形兆は苦手じゃない。むしろ得意分野だ。
几帳面な彼がキッチリと支えることによって接客がやりやすくなった。店のウエイトレスは皆そう言う。

「オラオラオラオラオラァ!」
店の方で騒ぎが起こっているようだが気にしない。どうせあの問題児だ。

しばらく皿洗いをしていると、洗う皿が無くなった。丁度いいので店の様子を見に行く。
ルイズを探すとすぐに見つかった。が、何故かお盆で顔を隠している。
不審に思っていると注文があったらしくあるテーブルへ向かう。そのテーブルにいたのは、
キュルケ、タバサ、ギーシュ、モンモランシーの四人だった。

「バッド・カンパニー」
赤いベレー帽を被ったスペツナズを呼び出す。諜報用の兵士だ。武装は段ボール箱。
それをキュルケたちのテーブルの下にもぐりこませる。これであそこの会話を盗聴できる。

「あ、使い魔さんが女の子口説いてる」
ルイズはお盆から顔を出し、険しい表情で辺りを見回すルイズ。
「ルイズ!」
キュルケを除く一行が、いやタバサも除いておく、大声を上げた。
「私ルイズじゃないアル」
必死にごまかそうとするルイズだがそのキャラとの共通点は声と貧乳くらいだ。
「こ~んなところで、な・に・を、やっているのかしら?」
ニヤニヤと笑いながら聞くキュルケ。
「そんなことより君がいると言うことは兄貴もいるのかい?」
いたら何だというのだギーシュ。
「こんな事バレたら退学じゃないの?」
最もな意見を言うモンモランシー。
「……」
そして何も言わないタバサ。

「早く注文をお願いするアルよ~」
「これ」
「これじゃ分からないアル」
「ここに書いてあるの、とりあえず全部」
「アイヤ、お金持ちアルね。お嬢さん」
「何言ってるの?あなたのツケに決まってるじゃないの」

ルイズはプッツンした。無理も無い。
「おいキュルケ。ちょっと表出てもらおうか…アル」
名前で呼んだらばれるだろって、もうとっくにばれてるんだったか。あと無理してアル付けんな。
「いやよ」

その途端ルイズは手を目の前で打ち鳴らす。ちょうど『いただきます』のような感じだ。
そして両手を開き床につける。理解、分解、再構築。
そこから飛び出した木の柱がキュルケを店の外までブッ飛ばす。その後を追い、外に飛び出すルイズ。

また減給か。そう思い残りの面子に目を戻すと、酒を飲んでいた。
「大騒ぎだな…」
そう思ったとき、気づいた。タバサがいない。

どこに行ったのか探して見るとすぐに見つかった。他の酔っ払い二人―こいつもメイジらしい―と言い合っている。
「そういうセクハラはしない!コレ正論でしょ!」
お前もか。顔が赤い、変な酒でも飲んだのか?というかそれを言うならツインテールにしろ。

「僕は、ここにいるッ!アニーキーーーーーッ!」
おれは憑神じゃないぞ、ギーシュよ。

タバサと酔っ払いがケンカを開始した。それも魔法で、
「手伝いなさいモンモン!」
タバサの命令。
「え?あ、はい!竜召喚!」
そういって魔方陣を出し、竜を召喚する。
「いくよ、ヴォルテール!」
よりにもよってそっちか!
まだ詳細が確認できないため描写不可能な黒い竜が現れる。店はもうめちゃくちゃだ。
誰か何とかしろ。

「アニキからの指令をキャッチ!行くぞワルキューレ!ストライクレーザークローッ!」
二回目か、結構優遇されてるな。

ふと洗い場に目を戻すと洗うべき皿がたまっていた。おれは皿洗いに戻る。
「形兆ちゃんが洗うようになってから水道代と洗剤の減りが全然違うのよ!」
と言われてからはほとんど形兆の仕事になっている。まあ接客など出来ないので元からだが。
そのまま洗っていると妙な老人がやってきた。額に変なシールが張られている。
剥がして見る。
「トレビア~~~ン」」
そう絶叫してその老人は柱の方に引っ張られるように行き、『破壊される』
「イキナリ剥がしやがったぞアイツ!」
「落ち着け…目的のものは渡した…引くぞ」
その柱にいた奴らがなにか話していたようだがよく聞き取れなかった。そのまま店を出て行く。
足元に店の皿が落ちているのを見つけ、拾い上げる。
ん?よく見ると皿に何か書いてある。

『ジョジョ三大兄貴勢揃い記念』

この皿はもう使えないし処分だな。


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