ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

使い魔は今すぐ逃げ出したい-8

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だれでも歓迎! 編集
「い、いいのです。忠誠には報いるところがなければなりませんから」
左腕を擦りながら、王女は平静を装って頷く。
私自身は何をしたかは憶えてないが普通じゃやばかったことなのか?
そう考えていると突然ドアが勢いよく開かれる。
「きさまーッ!姫殿下にーッ!なにをしているかーッ!」
飛び込んできたのは薔薇を手に持った少年だった。どこかで見たことある気がする。何処だったかな?
「ギーシュ!あんた!立ち聞きしてたの?今の話を!」
そうだ、ギーシュだ。前に決闘したな。あれ以来見かけないから忘れていた。
「薔薇のように見目麗しい姫さまのあとをつけてきてみればこんな所へ……、それで鍵穴からまるで盗賊のように様子をうかがえば……、平民のバカがあんな強引な……」
ギーシュはルイズの質問に答えない。
しかしお前りっぱなストーカーだな。気づかない王女も王女だが……
というか私は強引に何をしたんだ!そこで止めずに最後まで言え!
そんな思いは伝わらずギーシュは薔薇(の形をした杖だったな)を振り回す。
「決闘だ!バカチンがぁあああああ!今度は油断しないぞぉおおおおお!」
丁度いい。私は可能な限り速くギーシュに近づくと顔の正面を思いっきり殴りつけた。
「ぺぎょっ!」
ギーシュは呻き声を上げ床を転がる。

ふー、これで多少イライラは削減できた。こういった時は何かの捌け口がなければいけないな。
感情の整理は実に大切だと思わないか?
「ふぃ、ふぃひょうはぞぉ!」
ギーシュが顔を抑えながら喚く。何を言っているんだ…………?わからないなギーシュ。
「話しを聞いていたそうだが、どうするんだ?これは極秘なんだろ?」
ギーシュを無視しルイズに話しかける。
「……なんで殴ったわけ?」
ルイズはこちらの質問には答えず呆れ顔で聞いてくる。
「逃げられたら不便だろ」
悪びれずに言う。納得できなくもないだろ?
「そ、そうね……、それにしても、今の話を聞かれたのは、まずいわね……」
ルイズはギーシュを無視する方向に決めたようだ。
するとギーシュは顔から手を離し立ち上がる。
「ふぃめ殿下!しょの困難な任務、じぇひともこのギーシュ・ド・ぎゅラモンに仰せちゅけますよう」
ギーシュは力強く言った。鼻血をだらだら出しながら……
「あ、歯が折れてる」
ルイズがそう呟くとギーシュは慌てて手を口にやり確かめる。あ、本当だ前歯が何本か折れてるな。
道理で変な喋りかただと思った。
部屋によくわからない沈黙が訪れた……


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