ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

愚者(ゼロ)の使い魔-5

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おれたちは馬車にのってフーケの隠れ家に行くらしい。
どー考えても罠だ。だってそこに行くための馬車を動かしているのがそのフーケなんだぜ?
でもおれはそれを言わない。
何故かってーと我が敬愛するご主人様はそんな事聞いてこないからだ。
いやー使い魔の見本だねおれは。
しばらくして馬車が森の深い所に止まった。
「ここからは徒歩で行きます」
フーケがそう言った。
「よし、行くわよ」
気合のはいってるご主人様。
がんばれよ、応援してるぜ。

フーケの隠れ家(絶対隠れてないけど)は空き地のような所にあった。
作戦はこうだ。偵察兼囮が小屋のそばに行って、中を確認。
フーケがいれば挑発しておびき出す。
そしてその肝心の偵察兼囮は誰がやるんだ?
「すばしっこいの」
黙れタバサ。顔がいいからって怒らないと思うなよ。
「それに使い魔なんだから見たものをルイズも見れるでしょ?」
黙れキュルケ。胸がデカイからって…怒れないな、おれには。
「う…そ、それは…」
「何?もしかして出来ないの?m9(^Д^)プギャー」
「m9(^Д^)プギャー」
タバサまでやりやがった。
空気を読んでおれもm9(^Д^)プギャー

ルイズに蹴られた。何でだろ。

小屋の中には案の定誰もいない。おれはルイズたちに報告する。
「だれもいないぜ~~~~~!」
「大声を出すなぁ!!近くにいたら気づかれちゃうでしょ!!」
ビックリマーク二つだしお前の方がデカイじゃねーか。

警戒しながら小屋の中にはいるルイズたち
フーケのヤツは「辺りを偵察してきます」とか言っていなくなった。
コレ絶対ゴーレム来るよ。ルイズの魂をかけてもいい。

小屋の中が騒がしい。どうしたんだ?
「秘宝があったのよ!」
そりゃ良かった、なら早いとこ帰ろうぜ。ゴーレム来るから。
いやもう後ろに来てるから。
「ルイズー後ろ後ろ」
「後ろ?後ろに何があるって…くぁwせdrftgyふじこlp;@:「」」
声にならない悲鳴。

パニック全開のルイズ。それを落ち着かせたのはおれの後ろから聞こえてきた言葉だった。

「うろたえるんじゃあないッ!フーケ討伐隊はうろたえないッ!」

勇ましい言葉だ。でも誰が言ったんだ?
おれがその声の主を探すために振り返るとそこにいたのは…

意外!それはタバサッ!

タバサの発言でゴーレムなんかよりタチの悪いパニックに陥ったルイズ。
だがキュルケとタバサは違った。魔法でゴーレムに攻撃する。
炎の玉と氷の矢の二重攻撃。こうかはいまひとつのようだ。
「どーすんだよ、効いてねえじゃん」
おれの言葉にキュルケは不適な笑みを浮かべる。
「ツェルプストー家には代々伝わる戦法があるのよ」
「おお!それは何だ?」
「それは……逃げる!」
「わあ~~~!!なんだこの女ーッ」
おっとボケてる場合じゃねぇな。確かに逃げねえとヤバイ、という事で
「ワオ~ン!(降りて来いッ!)」
おれの指示通りに下りてくるウインドドラゴンのシルフィード。
「タバサ、これ貴方の使い魔でしょ?あらかじめ待機させてたの?やるわね」
え?手下二号はタバサの使い魔だったのか?
「……」
「きゅいきゅい(お兄様の指示通りにしたのね!)」
タバサは何も言わない。どうやらお咎めは無しらしい。さっさと逃げよう。
手下二号にみんなが乗り込む。アレ?ルイズがいないぞ?
振り返って見てみると、ゴーレムに杖を向けてた。
「なっ!何をやってるだァ―――――ッ」

「敵を前にして逃げるなんて!そんなの貴族じゃない!」
ゴーレムを爆発させる。あまり効果はない。
「わたしは貴族よ。魔法が使える者を貴族と呼ぶんじゃないわ」
再度爆発させる。やはり効果はない。
「敵に後ろを見せない者を、貴族と呼ぶのよ!」

「後で拾いに来いッ!」
手下二号に指示を出し走り出す。

ゴーレムがルイズを踏み潰そうと足を上げる。
だがその前にッ!
「ザ・フール!」
ザ・フールのパワーじゃゴーレムを止められない。でも砂で目くらましくらいは出来る。
おれは砂粒で相手の視界を奪い攻撃目標を見失わせ、ルイズの元へダッシュする。
そしてそのまま砂を使って自分たちのことをカムフラージュする。
「何やってんだお前!」
「だって…悔しくて…」
お、何かいつもより弱々しいぞ。今のうちにもっと罵っておこう。ってあれ?
「おい、何だそれ」
ルイズの持っている物をアゴで示しながら聞いてみる。
「ああ、これが秘宝よ。『魔除けの首輪』これがあれば敵が襲ってこないらしいわ」
「…それがか?」
おれはちょっと考えこんで、気が変わった。
「フーケを倒すぞ」
「え?」

おれはフーケの臭いを見つける。
そしてゴーレムが自立行動型だったとしても間に合わない速度でザ・フールをブチ込むッ!

おれが戦闘を初めてから二行。ギーシュよりも短い時間でフーケを倒した。

「ちょっと!何ミス・ロングビルを攻撃してるのよ!」
「こいつがフーケだからだ」
「え?何言ってるのよ?何の証拠があってそんなことを言うの?」
「ゴーレムが止まってる。それが証拠」
「え?あ、ホントだ。…よく場所が分かったわね?」
「え?それは…えーと、ホラ、他の臭いが無かったから分かったんだ」
ホントの事言ったら怒られるだろうしな。

そして学院長室前。ルイズたちが今回のことを報告してるって訳だ。
おれは報告が終わったら話したいことがあるのでここで待機だ。
「失礼します。イギー、質問いいってよ」
やっとあの『秘宝』について聞ける、フーケを捕まえたのも無駄じゃなかったな。

「いらっしゃい。聞きたいことが色々あるじゃろうが大体分かっておる。左前足のルーンの事と秘宝のことじゃろ?」
左前足のルーン?なんだそれ?
左前足を見てみる。そこにあるのはおれの美しい足…に何か書いてある。
「何じゃこりゃあぁぁぁぁ!?」

どうやらコレは使い魔のルーンと言うらしい。ルイズの使い魔の証なんだとか。

「ガンダールヴの印でな、伝説の使い魔の印じゃよ」
「伝説?」
「そうじゃ。ガンダールヴはありとあらゆる武器を使いこなしたそうじゃ。お主も武器を持てば強くなるかもの?」
「おれ犬なんだけど」
「それがどうしたんじゃ?」
「武器をどうやって持つの?」

沈黙の学院長室

「それは…こう、後ろ足で立って前足で扱ったり、あとは口にくわえたりとか」
「難しそうだな」

そして秘宝についての話はこうだ。
百年以上前にオスマンが森で倒れていて
森にいる獣たちに襲われそうになった時
犬が一匹現れて獣たちと睨み合い、
戦う事無くその獣たちを引かせたそうだ。その上木の実等の食料もくれたとか。
オスマンはこの犬に感謝したがこの犬は別の獣と戦った傷跡がたくさんあり、
もう瀕死の状態だったとらしく、そのまま息を引き取ったらしい。
オスマンはその犬の墓を作りこの犬の首輪を形見として持ち帰り、
『魔除けの首輪』として秘宝扱いした。

おれは話を聞いていてその犬が獣たちを引かせたのは
きっとその獣たちのボスが『こいつは精神的にも貴族だ』とか何とか言って気に入ったからだと思っていた。

そう思ったのも首輪にあった名前を見たからだ。
「そういえばこれ、文字だと思うんじゃがお主、読めるかのう?」

「『ダニー・ジョースター』だ」
きっとおれの知っているジョースターと同じ意味だろう。

ジョースターはやっぱり凄いんだな。
そんなことを考えながら学院長室を出た。


To Be Continued…

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