ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

使い魔は静かに暮らしたい-4

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匿名ユーザー

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どうやら貴族というものは自分で服を着るという概念はないようだ。
ルイズを着替えさせながらそう思う。目が覚めるとまず私に驚く。私が召還された使い魔だと思い出すと突然、
「服」
と言い出す。まったく貴族という奴は皆こうなのか?
ルイズとともに部屋を出る。すると別の部屋からも誰か出てくる。
赤い髪で褐色の肌を持つ女だった。ルイズより背が高く顔の彫りは深い。バストは大きくブラウスのボタンを外し強調されている。
彼女はこちら見ると薄く笑う。
「おはよう。ルイズ」
「おはよう。キュルケ」
ルイズは嫌そうに挨拶を返す。彼女の名前はキュルケというらしい。
「あなたの使い魔って、それ?」
キュルケはこちらを指差すと馬鹿にした風に言う。
「そうよ」
ルイズが意地になって言う。
「あっはっは!ほんとに人間なのね!すごいじゃない!」
やれやれ、貴族というのはこんなのばかりなのか。
まぁ、生活の苦労を知らなければこうなるのは当たり前かもしれないな。
生まれたときから人の上に立ち、甘やかされて育ったのだろう。
ルイズとキュルケが話しているとキュルケが出てきた部屋から赤く大きなトカゲのような生物が現れた。
そこにいるだけで周辺の温度が上がる。
何だこれは?
それが顔に出たのだろう。キュルケが笑いながら説明する。どうやらこの生物は火トカゲというらしい。これが彼女の使い魔でフレイムというらしい。
火竜山脈とかいう場所の火トカゲでそこの火トカゲはブランドものらしい。きっと見た目と強さに定評があるのだろう。

「それであなた、お名前は?」
キュルケが聞いてくる。
「吉良吉影だ」
「キラヨシカゲ?変な名前」
そりゃこっちの人間からしたら変だろうな。
しかし目の前で言わなくてもいいものを……
「じゃあ、お先に失礼」
そう言うとキュルケとフレイムは去っていった。ルイズは悔しいのだろう、文句を言っている。
そういやさっき彼女はルイズを『ゼロのルイズ』と言っていたな。召還されたときも誰かがそう言っていた気がする。
ルイズは私を召還したときに随分と馬鹿にされていたようだ。さっきもそうだ。そこには『ゼロのルイズ』という単語が出てくる。ルイズの
あだ名なのだろう。
そういえばルイズは魔法を使ってないな。それが関係しているのだろうな。
ルイズが落ち着いたところで食堂に行く。食堂には大きく長いテーブルが三つ並んでおりテーブルには豪華な飾り付けがしてある。
いかにも「私たちは金持ちだ」見たいな感じで呆れるな。料理も朝から豪勢だ。こいつら胸焼けしないのか?
「椅子を引いてちょうだい」
ルイズが言う。椅子を引いてやる。
するとルイズが何か渡してくる。スープだ。そして皿の端にパンを二切れ置く。
「あんたの朝ごはんよ。私の特別な計らいで床で食べていいわ」
そういえば人間は食事を取らないといけないんだったな。理不尽だが我慢する。
少しの辛抱だ。こんなな小娘の言うことを利くのは情報を得るためだ。自分に言い聞かせる。
なにやら祈りが唱和される。こいつらにとってこれがささやかな糧か。早死にするぞ。


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