『女神の杵』亭、ラ・ロシェールにある一番上等な宿。貴族専用といっても過言ではない。
その宿の1階の酒場にワルドとルイズとギーシュを除く全員がいた。
ワルドとルイズはアルビオンへ行くために乗船の交渉に行っている。ギーシュは顔の治療のためにどこかに行った。
それにしてもこの街にはどう見ても海は無いのに乗船とはどういうことだろう?
だがそういった疑問を人に聞くことはしない。もしかしたらこちらの乗船と元の世界の乗船の意味合いが違うかもしれないからだ。
私が別の世界から来たのを知っているのはオスマンのみ。誰でも知っているような疑問を聞いて怪しまれるのは避けたい。
それにしてもここは豪華だな。綺麗ではなく豪華。さすが貴族だ。
そんなことを考えているとワルドとルイズが帰ってきた。
ワルドは席に着き困ったように言う。どうやらアルビオンに行ける船は明後日にならなければ出られないそうだ。
キュルケはアルビオンに行った事がないらしくどうして明日出られないのかワルドに聞く。
どうやら月が関係しているらしく、明日の夜は二つの月が重なる『スヴェル』の月夜というらしく、その翌朝はアルビオンがラ・ロシェールにもっとも近づくらしい。
……全く意味がわからん。近づくって何だよ。
「さて、じゃあ今日はもう寝よう。部屋を取った」
ワルドはそう言ってテーブルの上に鍵束を置く。
部屋は相部屋らしく、ペアはキュルケとタバサ、私とギーシュ、ワルドとルイズだ。
ルイズは結婚しているわけではないからと反対したがワルドは大事なようがあると言って納得させた。
というか婚約者なんだから結婚してなくても問題ないだろう、彼氏がいるわけでもあるまい。
しかし相部屋か、一人部屋がいいんだがな。ギーシュがこのまま帰ってこないといいのに……と思っていたらギーシュがタイミングよく帰ってきた。
その宿の1階の酒場にワルドとルイズとギーシュを除く全員がいた。
ワルドとルイズはアルビオンへ行くために乗船の交渉に行っている。ギーシュは顔の治療のためにどこかに行った。
それにしてもこの街にはどう見ても海は無いのに乗船とはどういうことだろう?
だがそういった疑問を人に聞くことはしない。もしかしたらこちらの乗船と元の世界の乗船の意味合いが違うかもしれないからだ。
私が別の世界から来たのを知っているのはオスマンのみ。誰でも知っているような疑問を聞いて怪しまれるのは避けたい。
それにしてもここは豪華だな。綺麗ではなく豪華。さすが貴族だ。
そんなことを考えているとワルドとルイズが帰ってきた。
ワルドは席に着き困ったように言う。どうやらアルビオンに行ける船は明後日にならなければ出られないそうだ。
キュルケはアルビオンに行った事がないらしくどうして明日出られないのかワルドに聞く。
どうやら月が関係しているらしく、明日の夜は二つの月が重なる『スヴェル』の月夜というらしく、その翌朝はアルビオンがラ・ロシェールにもっとも近づくらしい。
……全く意味がわからん。近づくって何だよ。
「さて、じゃあ今日はもう寝よう。部屋を取った」
ワルドはそう言ってテーブルの上に鍵束を置く。
部屋は相部屋らしく、ペアはキュルケとタバサ、私とギーシュ、ワルドとルイズだ。
ルイズは結婚しているわけではないからと反対したがワルドは大事なようがあると言って納得させた。
というか婚約者なんだから結婚してなくても問題ないだろう、彼氏がいるわけでもあるまい。
しかし相部屋か、一人部屋がいいんだがな。ギーシュがこのまま帰ってこないといいのに……と思っていたらギーシュがタイミングよく帰ってきた。
顔にまだ布が巻きつけてある、が巻きつけてあるといっても分厚くでは無く本当に顔を隠すために必要最低限といった感じだ。
さらに顔の輪郭が細くなっている。
「お待たせしたようだね」
滑舌も戻っていた。まぁ、誰も待ってないけどな。皆を見ると呆然といった顔でギーシュを見ている。
「完全には戻らなかったけど結構治ったよ。もう普通に喋れるくらいにね!」
それは良かった。
「あと一回か二回行けば顔も歯も元通りさ!本当は完全に治したかったんだけど持ち合わせが無くてね」
そういってポーズを決める。布を顔に巻きつけているにも係わらずそれなりに様になっていた。
だが魔法で歯が治せるものなのか?
それにしてももう普通に喋れるくらいなら結構顔も元に戻っているはずだが何故布を取らないんだ?
「布とらないのギーシュ?」
そう思っているとキュルケが質問する。同じことを思っていたようだ。
「いや~、結構これ格好良くないかい?」
「……あっそう」
気に入ったようだった。
そしてさっさと話題を切り上げて部屋に向かった。
部屋は宿でも上等な部類に入るのではないか?部屋に入って最初に思ったのはそれだった。
立派なつくりである。ベッドも心地よさそうだ。
「なかなか良さそうだね」
お前さえいなければな。一人でいたいと思う空間に他人が居られると不快感がある。そう思いギーシュの後頭部を思いっきりデルフで殴りつける。
「ひでぶッ!」
ギーシュが床に崩れ落ちた。これで私一人の空間だ……あれ?最近何だか切れやすくなった気がしないか?
さらに顔の輪郭が細くなっている。
「お待たせしたようだね」
滑舌も戻っていた。まぁ、誰も待ってないけどな。皆を見ると呆然といった顔でギーシュを見ている。
「完全には戻らなかったけど結構治ったよ。もう普通に喋れるくらいにね!」
それは良かった。
「あと一回か二回行けば顔も歯も元通りさ!本当は完全に治したかったんだけど持ち合わせが無くてね」
そういってポーズを決める。布を顔に巻きつけているにも係わらずそれなりに様になっていた。
だが魔法で歯が治せるものなのか?
それにしてももう普通に喋れるくらいなら結構顔も元に戻っているはずだが何故布を取らないんだ?
「布とらないのギーシュ?」
そう思っているとキュルケが質問する。同じことを思っていたようだ。
「いや~、結構これ格好良くないかい?」
「……あっそう」
気に入ったようだった。
そしてさっさと話題を切り上げて部屋に向かった。
部屋は宿でも上等な部類に入るのではないか?部屋に入って最初に思ったのはそれだった。
立派なつくりである。ベッドも心地よさそうだ。
「なかなか良さそうだね」
お前さえいなければな。一人でいたいと思う空間に他人が居られると不快感がある。そう思いギーシュの後頭部を思いっきりデルフで殴りつける。
「ひでぶッ!」
ギーシュが床に崩れ落ちた。これで私一人の空間だ……あれ?最近何だか切れやすくなった気がしないか?