ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

『女教皇と青銅の魔術師』-6

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匿名ユーザー

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決闘から数日。
私(ミドラー)はここでの生活に順応しつつあった。
朝、ギーシュより少し早く目を覚ます。
豪華な寝床から這い出して大きく伸びをする。
ちなみにこの豪華なベッドは初日に絡んできた三人組の部屋から調達した。
有り金も金目の物も全て失った三人は泣いていたが、命の代金としては安かろう。
今日も一日が、始まる。

着替えて、朝早くから稼動している厨房にまず向かう。
厨房の面々とは良好な関係だ。
決闘直後、まず食堂の大惨事の件をギーシュともども謝りにいったのが良かったのだろう。
オスマンとかいう爺もあれ以来すっかり元のセクハラ爺に戻ったらしい。
平和でいい。避難していた秘書も戻ってきたらしい。全てこの世は事も無し、だ。
厨房に挨拶してお湯を分けてもらう。面倒なのでその場でポットを作って入れてもらう。
相変わらず皆驚く。
厨房で欠けた包丁などを直して以来食器類の修理を請け負っているが、
本日の修理の依頼はないようだ。



部屋に戻る。
タオルを暖めておしぼりを作る。
ギーシュに声を掛けて起こす。
起きなければ揺さぶって起こす。いつもはこの辺で目を覚ます。
まだ起きなければ毛布を剥ぐ。ここまですれば確実に目が覚める。
これでも起きない事態になったらベッドごとひっくり返そう。

まだ半分眠っているギーシュの顔をおしぼりで拭く。
着替えをクローゼットから出して手渡してやる。
脱いだ服を洗濯籠に入れて部屋のすみに置く。洗濯はメイド任せだ。
寝癖をおしぼりで暖めて櫛で梳いて直す。
…まるで出来の悪い弟を世話しているようだ。



決闘した日の晩、ギーシュは部屋で宣言した。
「今の学院はよくない。緊迫しすぎている。
 男はどうでもいいが、女性はもう少し気楽でないと辛いだろう。
 今回の緊迫した空気を作った原因はひとえにぼくらにある。
 だからぼくらは率先して緊張緩和に努めなければならない!」
「とりあえずぼくは、しばらくの間だらけた生活態度で過ごそう。
 ミドラーには多少迷惑をかけるが、我慢してほしい。
 オスマン師も戻るはずだし、問題はない。
 ミドラーも何か日常でやれる事を探して、周囲に溶け込んでいることをアピールしてくれ」

たしかにかつてのピリピリした緊張感はない。
子供が集まる学校としてはこちらのほうがいいだろう。
二人しかいない部屋で、朝からだらける意味があるのか?とギーシュに聞いてみたが、
「常日頃からだらけてないと演技にほつれが出る」
と云われた。

朝食の為食堂へ連れ立って向かう。
横目でギーシュを見る。
目が糸のように細くなっている。まだ半分寝てるのだろう。
確かにこの状態を維持するのは、途中で正気に戻っていては無理だろう。
しょうがないか。

朝食自体は何事もなく進む。
…毎日疑問に思うのだが、あの少年はどうして床で貧しい食事をしているのだろう?



朝食後、授業に出るギーシュと別れて部屋に戻る。
自分の仕事の準備だ。
ブラシ数本、小型ニッパー(自作)、布数枚、ピンセット(自作)、刺抜き(自作)…
ズボンは大きめの半ズボン、上はブラウスを袖まくりに、裾は縛っておなかは出しておく。
さあ自分も仕事をひとがんばりしよう。

使い魔の建物に向かう。
おめあては…いた!
赤い大トカゲを捕まえて頬擦りする。
細かい鱗が実に気持ちがいい。これを全身で味わうためにおなかを出しているのだ。
一通り頬擦りしてから放す。仕事はちゃんとしなくちゃ。
全身を布で拭きながらチェックする。怪我はないか?汚れは?
「はいちょっと裏返ってくださいねー」
トカゲなので引きずる腹のほうには結構ゴミや汚れが目立つ。綺麗にふき取る。
「はい爪ー、ああちょっとささくれがありますねー、処置しまーす」
爪を磨く、内側の汚れも取る。ささくれはピンセットやニッパーで処置する。
「あーんしてー」
口の中の食べ残しやカスなんかも取る。
のどをさりさりと撫でる。
目を綴じで気持ち良さそうだ。

名残惜しいがほどほどにしておく。これは仕事なのだから。
さあ次はイノシシの子供だ。
あぐらの上に乗せてまずノミ取りから始めよう。

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