ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

愚者(ゼロ)の使い魔-8

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匿名ユーザー

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「では授業を始める。知ってのとおり、私の二つ名は『疾風』。疾風のギトーだ」
その教師はそう自己紹介をした。
教室中が静かになる。どうにも慕われているというより、嫌われているので目を付けられたくないかららしい。
だがおれにはそんな事関係ない。
おれが考えているのはただ一つ。あの教師の長い黒髪を思いっきりむしりたい。コレだけだ。
前にやったときは頭に飛びついた時点で反撃を受けたからな。
今度は慎重にやる必要がある。我慢だ、おれ。
そんな風に自分を抑えていると、キュルケが立ち上がってギトーに向かって炎の玉を作り出し、打ち込んだ。
俺の獲物に手を出すな!
と言いそうになったがその前にギトーが風を起こし、炎の玉を掻き消し、キュルケを吹っ飛ばした。
おいおい大丈夫か?キュルケのヤツ。

それはそうとヤツの武器は風らしい、
風はすべてを吹き飛ばすとか言ってるがそんなのは相性によっていくらでも覆される。
だがおれのザ・フールでは相性が悪いだろう。
この前気づいた事だがスタンドと魔法は相互干渉するらしい、
だから風で吹き飛ばされれば固めてる状態ならともかく砂の状態で操れなくなってしまうだろう。
やはり死角から飛びついて杖をなんとかしてからだろうか。

「もう一つ、風が最強たる所以は…」

お、また一つ手の内を明かしてくれるらしい。風が強くてもコイツはバカだな。
ギトーが詠唱を始め、呪文を唱える。
そしてギトーは分身した。
「うわ、スゲー何アレ?」
おれがつい声をあげると、ルイズに睨まれた。黙ってろって?分かったよ。
ギトーが分身の説明をしようとするが出来なかった。

変な格好の教師が入ってきたからだ。
頭にある金髪ロールの髪、それを見ておれは理性を失った。

「うおりゃああぁぁぁ!」

飛びついてむしる。だが失敗した。頭に飛びついた瞬間その髪がズレたのだ。
新手のスタンド使いか!?
そう思ったが違うらしい。ただのカツラだ。

「チクショーーーーー!」
騙された恨みを晴らすべくそのカツラをズタズタに引き裂く。
「あぁ~それ高かったのに~」
情けない中年の声なんか気にしない。
みんなは真似しちゃDANEDAZE♪

ってあれ?教室中が静かだぞ?何で?
おれはこの重い沈黙を破る方法を探した。だがおれにはどうしようもない。誰かなんとかしてくれ。
そして動いたのはタバサだった。そのカツラ野郎の頭を指差して
「滑りやすい」
途端に大爆笑が起きる。ナイスフォローだタバサ。

よく見るとカツラ野郎はコルベールだった。髪だけ見てたから気づかなかったが服も変な物を着ている。
具体的に言うとレースの飾りやら刺繍とか、絶対変だ。
「いいセンスだ…」
おいギーシュ、本気で言ってるのか?

「それで?何の用ですかな?ミスタ・コルベール」
「ああ、そうだった。今日の授業はすべて中止です」
歓声があがった。どこの学校でも授業というのは潰れて欲しいものらしい。

「中止の理由は何ですかな?」
ギトーが不機嫌そうに尋ねる。自分の見せ場を潰されたんだし当然だろう。
「本日がトリステイン魔法学院にとって良い日になるからです。何と…」
そこでもったいぶって言葉を切る。
なかなか続きを言わないので煽ってみる。
「早く言えよハゲー」
あ、ヤベ、睨まれた。

「恐れ多くも、アンリエッタ姫殿下がこの魔法学院に行幸なされるのです」
その言葉で教室がざわつく。それに負けないような声でハゲ…じゃなかったコルベールは続ける。
「したがって、粗相があってはいけません。今から歓迎式典の準備を行うので今日の授業は中止」
なるほど、そういうことか。
「生徒諸君は正装し、門に整列する事」

そう言い残してハゲベールは出て行った。
アレ?名前これでいいんだっけ?

ルイズにこれから来る姫殿下の事を聞いてみた。必要な事をまとめるとこんな感じだ。

まず名前はアンリエッタと言い、他に兄弟はいないらしい。以上。

名前と他の兄弟の事。大事なのはこれだけだ。
何故かというと他に兄弟がいない、
それはつまりいつかは『王』になると言う事だ。
ここがおれとアンリエッタの共通点。
コイツをどう叩きのめすかが問題になってくる。

そんなワケで敵情視察だ、とは言っても正門にルイズと一緒に並んでみるだけなんだが。
お、馬車から降りてきた。
外見はかなり美人。よし、あれも部下にしよう。
馬車を引いてるのはユニコーンだな。あいつらから聞き込みが出来ないだろうか。
周りの警備は…四方を囲んでいる奴らがいる。けっこう強そうだがおれの敵じゃあないな。
よし、情報集めはこれでいいだろう。
戦闘面ならともかく、今回のような事ではは見るだけで得られる情報は少ないからな。

そう思ったおれは周りの連中の反応を見ることにした。
「あれが王女?ふん、勝ったわね」
胸の事か?おれもそう思うぞキュルケ。
「……」
お前はいつも通りだな、タバサ。
ルイズは…驚いてる?何を見てるんだ?
おれはルイズの見ている方向を見る。

おっさんがいた。あいつは誰だろう?

その夜。おれがどうやってアイツを蹴落とし、地位を手に入れるかを考えているとドアがノックされた。
初めに長く二回、それから短く三回。
それを聞いたルイズは
「このノックは!?」
ノックだよ。聞けば分かるだろ?
「合言葉を言わなくちゃ」
合言葉?ああそういう合図なのか。

「ノックされてもしも~し」
「ハッピー、うれピー、よろピくねー」

よく分からない合言葉の後、ルイズがドアを開けた。
入ってきたのはアンリエッタだった。

こんな所に王女が来るのは不思議だったが
どうにもルイズとアンリエッタは昔馴染みらしい。
さっきから抱き合ったりしている。

そしてふと悲しそうな顔になったが、少しルイズと会話して何かを決意したらしく、何かを話し始めた。

「わたくしは同盟を結ぶためにゲルマニアの皇帝に嫁ぐ事になったのですが……
礼儀知らずのアルビオンの貴族たちはこの同盟を望んではいません。
二本の矢も束ねずに一本ずつなら楽に折れますからね。
したがって、わたくしの婚姻を妨げるための材料を血眼になって探しています。
もし、そのような物が見つかったら…」
「姫様、あるのですか?」
「……はい、わたくしが以前したためた一通の手紙なのです。それがアルビオンの貴族達の手に渡ったら…
彼らはすぐにゲルマニアの皇帝にそれを届けるでしょう」
「どんな内容の手紙なんですか?」
「それは言えません。でも、それを読んだら、ゲルマニアの皇帝はこのわたくしを許さないでしょう。
婚姻はつぶれ、トリステインとの同盟は反故。となると、トリステインは一国にてあの強力なアルビオンに立ち向かわ

ねばならないでしょうね」
「その手紙はどこにあるのですか?」
「手元にはないのです。実はアルビオンに…」
「アルビオンですって!ではすでに敵の手中に?」
「反乱勢ではなく反乱勢と戦っている、王家のウェールズ皇太子が…」
「ウェールズ皇太子が?ではわたしに頼みたい事とは…」
「無理よルイズ。アルビオンに赴くなんて危険な事、出来るわけないでしょう」
「姫様の御為とあらば、何処へでも向かいますわ!このルイズ、姫様の危機を見過ごすわけにはまいりません!」

ルイズがこっちを向いた。
「行くわよ!イギー!」
「え?どこへ?」
つい反射的に答えてしまう。

「話聞いてた?」
「翠星石は俺の嫁、までなら」

ルイズに蹴られそうになったが、そうはならなかった。
ドアから新たな人間が入って来たからだ。
「姫殿下の話を聞かないとは何事かー!」
ギーシュだ。
おれはすぐにデルフリンガーを抜く、するとルーンが光り体中に力がみなぎる。これがガンダールヴの力らしい。
ギーシュから三メイルほどの所で地面を蹴って飛び上がり、頬を蹴り込む。
「必殺!デルフリンガーキック!」
「おれ関係ねー!」
デルフの残念そうな声を聞きながらギーシュが倒れるのを見届ける。
だがギーシュは立ち上がってきた。もいっぱつ蹴ろうかと思ったがルイズの声が先だった。
「ギーシュ!今の話を立ち聞きしてたの?」
ギーシュはそれを無視してアンリエッタに話しかける。

「バラの様に見目麗しい姫様のあとをつけてみたらこんな所へ…そして様子を伺えば何やら大変な事になっているよう

で…」
そういって薔薇を振り、ポーズをとりながら次の言葉を言った。
「その任務!このギーシュ・ド・グラモンに仰せつけますよう」
図々しいヤツだ。
「グラモン?あの、グラモン元帥の?」
「息子でございます。姫殿下」
「あなたも、わたくしの力になってくれるというの?」
「任務の一員に加えてくれるのならこれはもう望外の幸せにございます」


どうやらギーシュも参加するらしい。
おれも乗り気になっていた。
その手紙をおれが回収すれば何らかの切り札になるかもしれないしな。


To Be Continued…

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