ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

Shine On You Crazy Diamond-3

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その後ミスタ・コルベールに儀式のやり直しを要求したが無駄だった。
わかっている。儀式は神聖なものだ。たとえ何が出ようと文句は言えず、必ず契約しなければならない。
それに従いわたしはヨシカゲと契約した。わたしだって女だから初めてのキスは好きな人としたかった。周囲は平民だから契約できたんだと嘲った。
そのあと、ヨシカゲに怒りをぶつけながら話した。
ヨシカゲはホントに無知だった。貴族すら知らなかった。ホントに何処の辺境に住んでいたのだろうか。
質問にはすべて怒りをぶつけて返した。少しでも苛立ちを抑えるためだ。それにそうしなければ質問に答えられず悔しさで泣いていたかも知れない。
ヨシカゲの質問はいい気分逸らしになっていた。そこだけは感謝した。
そのあと部屋に戻り夜食をとり洗濯物をヨシカゲに任せ眠った。早く眠って感情の高ぶりを静まらした。
その日見た夢は今でも憶えている。
わたしが召喚したのは平民の少年だった。わたしはその平民を召喚したことに不服だった。しかし月日が経つにつれ惹かれていった。
何時しか二人は恋に落ちて結ばれた。
……そんなありえない夢だった。
朝起きてヨシカゲに服を着させて部屋を出るとキュルケと出くわした。
ツェルプストーは嫌いだ。いつもわたしをバカにするし、なによりもヴァリエール家の敵だ。
そしてやはりツェルプストーはわたしをバカにし、自分の使い魔を自慢しに来た。
ツェルプストーは優秀だった。火竜山脈のサラマンダーを召喚したのがいい証拠だ。
だからわたしには彼女をバカにすることが出来なかった。
そんなことは負け犬の遠吠えだ。ツェルプストーを喜ばすだけだし、貴族としてそんなみっともないことは出来なかった。……人がいないところでは文句を言ったが。

そのあと食事だったが腹が立ってし使い魔として使うならしつけも必要だろうと考えわざわざ貧しい食事を用意させた。
しかしそれが間違いだった。そもそも食べさせるのをやめるべきだった。
彼は食事を吐いたのだ。最悪だ。なぜこいつはここまでわたしに恥を掻かせたいのだろうか!すぐに食堂から追い出した。
食事を終え食堂から出るとヨシカゲを罵倒した。
彼は体調が悪かったらしいがそんなもの知ったこっちゃなかった。わたしに恥を掻かせたことが問題なのだから。罰として昼食を抜きにした。
そのあと教室に入ると皆がこちらを向き、クスクスと笑い始める。
きっとこいつのせいだ。食堂で吐いたりするからだ。
それらを無視し席に座る。するとヨシカゲも席に座ってきた。食堂で床に座るということは教えたはずなのに!
睨むが気にした様子がない。声に出して注意しようとすると先生が入ってきたので断念せざるをえなかった。
先生は新学期の挨拶をする。そして、
「おやおや。変わった使い魔を召還したものですね。ミス・ヴァリエール」
そんなことを言ってきた。
言葉にどれだけの力が込められているか、人間は知っているのだろうか。よくそう思う。
そのときミセス・シュヴルーズが言った一言は教室中を笑いで包み込んだ。
その一言が、この笑いがどれだけわたしを傷つけるかわかっているのだろうか。
しかも先生が言ったことだ。怒りを顕わにすることも出来ず俯くしかなかった。
「ゼロのルイズ!召還できないからって、その辺歩いてた平民を連れてくるなよ!」
調子に乗ったのだろう。マリコルヌがそんなことを言ってくる。
怒り抑える必要はなかった。


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