ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

パープルヘイズ&グリーンデイ-1

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春の暖かく爽やか天気
小鳥がさえずり、横になればすぐに寝ることが出来そうなそんな場所
トリスティン魔法学院の郊外でそれは行われていた。
桃色の髪の少女は魔法陣の中央に立ち儀式に必要な呪文を紡ぎだした。

「どっかの宇宙の果てにいる私だけのシモベよ
気高く、神聖な使い魔よ!
我の心から求め、訴えるわ……我が導きに、答えなさい!
……つーかなんでもいいから出てきなさい!!」

ズドギャァァーz____ン!!

いつもとは違う爆発にルイズは自信を持っていた。

(こいつは成功したわ!! きっとあの煙が晴れたら素敵な使い魔が現れるのよ!!)

彼女の周囲には蛙や梟、大きなものではサラマンダーなどの幻獣がいた。
うらやましいと思ったクラスの連中は次々に成功していくなか自分だけが呼び出せてないのだ。
しかもこの儀式、失敗すると留年確実なもので当然全員必死である。

そのなかで少女――ルイズはすでに何回も失敗していた。
ちなみにルイズを除けば全員一発で成功している。
まさに一人背水の陣である。

「もう退学でいいんじゃね?」
「まだかよ……もう昼飯じゃねぇかよ!! クソッ!クソッ!!」
「ゼロのルイズの学園生活――完!!」
「…………(読書中)」

――と、まあ周囲も彼女を激励し見守っている。
そんな応援のなかついに成功の予兆がみて取られた。
煙のなかに影が見て取れたのだ!!
さわやかな風が煙りを払いそこに現れたのは……

グルァァアァアァ

シュー、シュー

二体のゴーレムらしき存在だった!!

一つは変な兜を被っており体が紫と白のチェック柄をしていて獰猛そうな顔をしている。
もう一体は頭部や背中から煙を出して顔や体が縦縞模様のものである。

「ルイズがサモン・サーヴァントを成功させただとぉ!? しかも2体も!!」
「な、なんだってー!!」
「OH MY GOD!!」
「クレイジー……いかれてやがる……!!」

周囲が驚愕し騒ぎ始めるがルイズ本人も混乱していた。
(呼び出したのはいいけど2体いた場合どうすればいいのかしら?」
そう思いながら担当教員であるコルベールをちらっと見る。
コルベールはルイズの視線に気づき

「……ゴーレムが二体か、まぁ契約は両方しとくかい?」

あっさりとルイズに返した。
ルイズはま、両方できれば儲け物だしこれからはゼロと呼ばれなくなる日常が待っている
ためあっさり頷いた。

しかしこのコルベール、油断はまったくしていない。
ルイズが視線を外した瞬間から杖をいつでも構えられるようにしている。
ルイズがゆっくりと二体に近づく。
紫のはよだれを垂らし周囲を見渡し近くによってみるとなにやら唸って威嚇してくる。

(こっちは凶暴そうね。知性もないみたい)

縦縞は何もせず突っ立っている。相変わらず煙は吹いているが。

(こっちは従順そう。こっちから契約しようかしら)

ルイズは頭の中で考えをまとめ縦縞ゴーレムに近づき口らしき部分にキスをした。
すると縦縞ゴーレムの左手が輝き契約が完了したことを示した。
契約が完了したことに満足したルイズはもう一体とも契約しようと紫ゴーレムにゆっくりと
近づいた。

グアラァァア!!

やっぱやめようかしら。
と、ルイズは思ったがあれが暴れて自分の責任に回ってくるのが
見えたのでダメもとでやってみようと判断した。
いざとなればミスタ・コルベールがいるし。

ジュルジュルらぁああ

紫ゴーレムはブンブンと首を振りながらウロウロ周囲を歩き出した。
ぶっちゃけばっちい。
涎を垂らしながら首を振る→涎が服や髪にも跳ねる→ワタシ、ヨゴレチャッタ
の流れがルイズには見えた。
どうすればいいか? 悩んだが一瞬で答えが出た。
もう一体に抑えて貰っているうちに済ませばいいのだ。
どうせ一体いるし失敗してもモーマンタイだ。

「ねえ、アンタ。一緒に出てきたアイツ抑えといて、そしたら私がもう一回契約するから。OK?」

ルイズが命令すると縦縞ゴーレムは紫ゴーレムに向かって移動を始めた。

ウガァ?

紫ゴーレムも自分に近づいてくる存在に気づき警戒を深め……
るようなことはしなかった!!
いきなり近づきそのまま拳で殴りかかったのだ!!

グアラァァアアア!!

いきなりの攻撃に縦縞ゴーレムも対応できずに吹っ飛ばされた。
地面に倒され追い討ちで蹴りまで喰らっている。

グガァァ! じゅルラァアァ!!

バキ! ドガ! ドゴォ!

蹴りの嵐が縦縞ゴーレムに襲い掛かる。
そしてそのダメージは……

「ぎゃっ!! ガッ!!」

なんとルイズにも伝わってきた。
いきなりルイズが倒れ血を吐いたのだ。

生徒はその姿に驚愕する!!
その姿を見たコルベールは近くの生徒に水のメイジを呼ぶよう指示し
自身は素早く呪文を唱えた。

ズキュン!!

炎が紫ゴーレムの口を塞ぎ呼吸を出来なくさせる。
その炎に驚いたのか必死に炎を取ろうともがく。
しかし炎に形は無い。
取り外そうとするがただ空振るだけだ。
苛立って暴れても炎は取れない。暴れるだけ自分が疲弊していくだけなのだ。

「……やれやれ、使い魔との繋がりがミス・ヴァリエールにこうも強くでるとはね
見る限りダメージは主従ともに受けるのか」

コルベールは吐血しているルイズと腹部に蹴られた跡がある
ゴーレム見て今起きた現象を理解した。
言いながらコルベールは次の呪文を唱え巨大な火の玉を紫ゴーレムにぶつけた。

グガッァアア!!

炎に巻かれたゴーレムは敵をコルベールに切り替えよろめく足取りでコルベールに
近づこうとしたが背後から羽交い絞めにされて怒り狂った。
後ろを振り返るとさっきまで倒れていたもう一体が自分を抑えているのだ。

ガァアァ!!

振りほどこうとするが炎のダメージが大きく満足に動けない。
蹴りで抵抗するが呼吸出来てないため力が入らない。
しばらく暴れていたが正面に気配を感じ向き直るとルイズがそこに立っていた。

「はぁ、はぁ、やってくれるじゃない……この駄犬がァ!! どっちか従えれば良いと
思ってたけど取りやめよ。オマエも契約してやる!」

普通なら二重契約など出来ようもないのだが今のルイズは出来ると何故か確信していた。
ただコルベールに焼かせるのも気に入らない。
自分の下僕にしなければ気がすまない。
コルベールに口の炎を解除させるよう訴える。
さすがにコルベールは首を振るがルイズはさらに強い意思で訴える。
今の自分なら出来ると。失敗したらゴーレム即効で焼き殺すことでいいと条件を付けルイズは
さらに近づき文字通り目と鼻の先に近づいた。

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

「せっかく呼び出したんだもの私がアンタを躾けなくちゃいけないわね。
そう、主人に乱暴を働く駄犬を躾けるのはご主人様の義務だもの」

言い終わった瞬間に炎が消えた。
ゴーレムは唾を吐いて抵抗するがルイズはそれでも止まらず契約のキスをした。

ガ、ガッァアアッァァアァ!!

先ほどと同じく左手に使い魔の刻印が刻まれた。
それを確認するとルイズは満足そうな笑みを――冷たい笑顔を浮かべ
ゴーレムに蹴りを喰らわせた
そのあとコルベールの方を向き

「契約完了しました」

と先ほどと打って変わって爽やかな笑顔で報告した。
こうしてルイズは学院史上初使い魔を二体従えることに成功したのだ。
自分の呼び出した使い魔の正体を知らずに……

To Be Continued...

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