ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

使い魔は今すぐ逃げ出したい-34

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匿名ユーザー

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しかし参ったな。
デルフを手に取ったときから体が動くようになり目の霞も解消したと思ったんだが左目だけはいまだに霞んだままだ。
「相棒?どうかしたのか?」
突然黙った私に疑問を持ったのだろう、デルフが話しかけてくる。
「いや、左目の調子がおかしいんだ」
「そりゃあそうかもしれねえな。体が動くようになったからって言っても治ったわけじゃねえんだし」
「そうなのか?」
「そうさね。動けるようになっただけさ。それに相棒の体は限度を超えてるんだ。ガンダールヴの力でも庇い切れない所も出てくるぜ」
なるほど。そんなものか。
そんな会話をしているうちにどんどん左目はおかしくなっていく。
何で左目だけなんだ?おかしいだろ?
しかし急に目の焦点が合い始める。よかったよかった。
「なあ相棒。これからどうすんだ?」
おかしい、左目と右目で見えているものが違うぞ?どうなっている?
「おい相棒?おーい。もしかしてポックリ逝っちまったのか?」
ん?何か見える。人だな、誰だ?見覚えがあるぞ、確か……、
「えっ?おい相棒!まさかマジで死んじまったのか!?」
「ワルドだ」
「へ?」
そうだ、ワルドだ。顔が血だらけだが確かにワルドだ。殺したはずのワルドが何故か左目に見えている。
一体どういうことだ?いや、そもそも私はワルドを殺したのか!?あのときワルドの首を確かに撥ねた。しかし死体は消えていた。そのあと凄い衝撃が体を襲って……
「デルフ、聞きたいことがあるんだが」
「うおっ!生きてるじゃねえか!心配させんなよ!」
「私はワルドを殺せたか?」
その質問にデルフが黙る。やっぱり殺せてなかったか。
「私の傷はワルドにやられたんだな」
デルフに確認を取る。そしてデルフの先ほどの言葉を思い出す。
(だからもう相棒にあんな魔法はくらわせねえ!)
つまり私は魔法をくらったんだ、おそらくワルドに。
「相棒が斬ったのは風の遍在ってので、簡単に言うと本体と同じ力を持った分身さ。んで、くらったのが『ライトニング・クラウド』っていう『風』系統の呪文だ。 くらって生きてんのが奇跡みてえなもんさ」
デルフは、もういいや、感じで説明してくれる。私が斬ったワルドは分身で本体には影響なし。
意識を失う前に聞いたデルフの言葉から推測するに、本体は後ろにいて、私の気が緩んだところで『ライトニング・クラウド』で攻撃したというわけか。
「デルフ、行くぞ」
デルフを改めて握り締め歩き出す。左目に映るワルドは何かを探すようにあたりを見回している。
何故かわからないがワルドの見える場所がわかる。それを頼りにそこへ向かう。
「何処に行く気だよ相棒?」
「ワルドを殺す」
そうだ、殺さなければ気がすまない!
「はあ!?何言ってんだ!いま生きてんのが奇跡だって言っただろーが!そんな体で戦うなんて無茶にも程があるぜ!それに相棒はそんな性格じゃねえだろ!死ぬ気か!」
「そんなつもりはない。ただあれを敵と認識しただけだ。私はな、敵がいると夜も安心して熟睡できないんだ」
「相……棒?」
「それに、勝算はある」
そう言って首を振る。私はこういったことを考えるような奴だっただろうか?相手はどうせ死んだと思っているのだから逃げればいいはずなのに。それに勝算ってなんだ?勝敗を決める決定打なんて私は持ってないぞ?なのに勝てるという自信が満ち溢れている。しかしそういったことを考えても体はワルドのほうへ近づいていく。移動するごとに左目の景色に近づいているのがわかる。
そして随分と近くに来た。目の前の壁を壊せばそこにいるだろう。
「わかったよ!もう心配しねえ。何処までも着いていくぜ相棒!」
「ああ行くぞ相棒」
デルフを思いっきり壁に叩きつける!
壁が崩れ落ち、そして目の前にはワルドがいた。私を見るワルドの顔に驚愕が張り付いているのがわかる。
左目で見たとおりワルドの顔は血だらけだった。よく見ると肩もざっくり切れており血が出ている。
「貴様……、生きていたのか」
しかしすぐに冷静さを取り戻した隙を見せない。ワルドの言葉に何も返さない。ただワルドを見据える。
「だが、そんなにボロボロの状態で何が出来るって言うのだ」
ワルドは残忍な笑みを浮かべて私に言ってくる。おそらくこれが本性なのだろう。杖を私に向けて構える。
「どうして生きているのかは知らんが、今度は蘇らないようしっかり止めを刺してやる!安心しろ。ルイズもすぐに後を追わせてやるさ」
そしてこちらに向けて呪文を唱えながら杖を振るう。それと同時にデルフを前方に構えワルドへと駆け出す。そしてデルフの言葉を思い出す。
(俺はちゃちな魔法は全部吸い込める!だからもう相棒にあんな魔法はくらわせねえ!この『ガンダールヴ』の左腕、デルフリンガーさまがな!)
信じるぞお前の言葉!そしてワルドが放った魔法はデルフへ吸い込まれた。
「なにぃ!?」
ワルドの驚きの声が上がると同時にワルドを斬りつける!しかしワルドはそれを飛んで回避し掠っただけに終わる。飛んだワルドをさらに追撃するが杖で受け止められる。
その隙に距離をとられさらに魔法で追撃される。それをデルフに吸い込ませ無効化させる。
「驚いたぞ、まさか魔法を吸い取るとはな。では、こちらも本気を出そう」
その言葉を無視しワルドに斬りかかるがやはり掠るばかりでかわされてしまう。皮を切っても意味がない、肉を斬らなければ!
「相棒、無茶をすればそれだけ『ガンダールヴ』として動ける時間は減るぜ。今こうして戦ってること自体が無茶なんだ。早く決着つけねえとやばいぜ」
そのつもりだ!そう思いながらワルドに攻撃しようとすると、ワルドがいきなり分身した。目の前に5人のワルドが立ちふさがる。
これが風の遍在ってやつか!ワルドたちが呪文を唱えると、ワルドたちの杖が青白く光り始める。
「杖自体が魔法の中心だ。その剣で吸い込むことは出来ぬ!」
5人のワルドが躍りかかってくる。受け止めるわけにはいかない。それでは体に負担が掛かりすぎる。ではどうするか、受け流すしかない!相手の攻撃の勢いを全て逸らして受け流せば体への衝撃は減る!
そしてそれを実行に移す。次々と杖を振るってくるワルドたちの攻撃を全て受け流す。おそらく極限状態の集中力がなせる業だろう。普段なら絶対にできない。
「平民にしてはやるではないか。さすがは伝説の使い魔といったところか。しかし何時まで持つかな?」
その言葉と同時に少しだけ、ほんの少しだけ攻撃が緩まる。他から見たら緩まったようには見えないだろう。しかし戦っているものからすれば十分に認識できる緩みだ。おそらく自分の優位に少しだけ気が緩まったのだろう。それが命取りだ!
受け流した攻撃の勢いを乗せワルドの顔を斬りつけ腕を返しさらにもう一人に斬りつける!
「ぐおおおぉぉあああああぁぁ!」
悲鳴が響き渡る。顔を斬ったほうは本体だったようだ。目を中心に顔の右半分を斬ったからな。もう目は見えないだろう。斬りつけたもう一人のワルドは消えている。
ワルドたちが後ろに下がる。
「おぉぉぉぉのぉぉぉぉぉれぇぇぇぇぇ!!!!!」
顔を押えていたワルドが手をどける。その顔は悪鬼が如き形相だった。
それと同時に膝が崩れ落ちる。どうしたというんだ!?まさか『ガンダールヴ』の効果が切れたのか!? 意識が……ぼやける。

She keeps Moet and Chandon in her pretty cabinet
彼女は綺麗な飾り棚にモエ・エ・シャンドンをとっておいて
'Let them eat cake' she says, just like Marie Antoinette
「ケーキを食べれば」ってマリー・アントワネットみたいに言うんだ
A built in remedy for Khrushchev and Kennedy
フルチショフやケネディだって手玉に取る
And anytime an invitation you can decline
いつだって彼女が誘えば断れるはずもない
Caviar and cigarettes well versed in etiquette
キャビアとタバコを上品にたしなんで 
Extr'ordinarily nice
素敵すぎるよ

あの歌が聞こえてくる。
「死ねえええええぇぇぇぇぇい!」
ワルドたちが向かってくる。そしてそのうちの一体が爆発して消えた。
「ルイズか!?」
ワルドはそう言うと周囲を見回す。それを好機と見て素早く立ち上がる。ワルドもそれをみて視線をこちらに戻す。ワルドの残りの遍在は後2体。簡単に倒せるじゃないか。
「『闘争』は私が目指す『平穏な人生』とは相反しているから嫌いだ…。ひとつの『闘い』に勝利することは簡単だ…」
「相棒……?」
「何を言っている?」
ワルドが私の突然の言葉にいぶかしむ。
「だが次の『闘い』のためにストレスがたまる……、愚かな行為だ。他人と争うのはきりがなくて虚しい行為だ」
「今更命乞いなど聞くとでも思うか!」
ワルドが叫ぶ。しかしそれを気にはしない。
「いや、これは私の価値観でね。本当にそう思っているんだよ。ただ、君が敵である以上闘わざるをえないがね」
「ほざくなぁ!!!!!!!!」
2体の遍在が突っ込んでくる。しかし負ける気はしないな。なぜなら私はサビを知っているからだ。
「『キラークイーン』!」

She's a killer queen gunpowder gelatine, dynamite with a lazer beam
彼女はキラー・クイーン 火薬にゼラチン ダイナマイトにレーザービーム
Guaranteed to blow your mind... (anytime)
君の心を吹っ飛ばす...(いつでも)
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お買い得だよ あくなき食欲(お試しあれ)


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