拡大縮小処理時の計算方法について

【拡大縮小処理時の計算方法について】
簡単な説明を加えてみました。
最後に独断と偏見に基づく、計算方法別得手不得手を載せておきましたのでそちらも併せて。




最近傍法(Nearest Neighbor/ニアレストネイバー)
一番シンプルな計算方法です。たぶん最速。
補完処理をしない(処理後のピクセルが処理前にはどこにあったか、を計算してそれを引っ張ってくるだけ)ため、
どれだけサイズを変更しようとも色数が増えないという特徴があります(PreFilter Functionを使わない場合に限る)
要は拡大時は最寄りのピクセルを利用し、縮小時は適当に間引いていくということです。
整数倍の拡縮を行う場合はそれなりに綺麗な結果が得られる反面、それ以外ではジャギがジャギジャギしてとても悲惨なことになります。
変な色のピクセルを生成したりしないため、モノクロなどの単一な色身の画像・ドット絵・アイコンなどの処理に向きます。


線形補間法(Bilinear/バイリニア)
恐らく最も一般的な計算方法です。遅くもなくい早くもなく。
乱暴に言えば「周辺のピクセルも考慮に入れて計算を行い、平均化した結果を出す」方法です。滑らかになる反面、結構ぼやけたりもします。
近傍四点の~という説明もありますが、ぶっちゃけ書いてる本人が理解していないものを(ry
後述する3次補間法と似た計算方法ですが、こちらは全体としてぼやけた感じの仕上がりになります。
階調の少ない、即ちセル塗りといった各色の間が判然とした画像の処理に向きます。


3次補間法(Bicubic/バイキュービック)
一般に高品質とされている計算方法です。Photoshopのデフォルトだった気がします。
前述の通りバイリニア法と似た計算を行いますが、こちらは考慮に入れる領域が大幅に広げられているのが特徴です。
近傍一六点の~t(ry
3次多項式とやらを用いるのでこの名前だそうです。蛇足。
階調の多い風景画像などの処理に向いています。
しかしセル塗りのような階調の少ない画像に適用すると、色の境目に「妙に明るいピクセル」が目立ってしまう傾向があります。
これは3次補間法がエッジを強調するような計算をしている(らしい)ためで、上記のような短所であると同時に、輪郭線がぼやけにくいという長所でもあります。
元画像を選ぶ必要こそありますが、比較的無難な計算方法ではあります。


4近傍平均法(4 Neighbours Averaging/4ネイバーズアベレージング)
周囲4ドットの平均値を取り、平均化を行う計算方法のようです。
平均を取るという性質上、得られる画像はぼんやりとしたものになります。
元々ノイズの多い画像に適用するもののようで、ドット絵の作成時にはあまり使うこともないでしょう。


8近傍平均法(8 Neighbours Averaging/8ネイバーズアベレージング)
周囲8ドットの平均値を取り、平均化を行う計算方法のようです。
平均を取るという性質上、得られる画像はぼんやりとしたものになります。
前述の4近傍平均法の計算範囲を拡大したものであると考えて差し支えないと思います(得られる結果の滑らかさではこちらが上の模様)


面積平均法(Area averaging/エリアアベレージング)
積分法、平均画素法とも呼ばれる計算方法。専ら縮小に向く。
採用しているソフトが少なく、従ってあまり解説も見当たらないのですが……なんでも処理前後の面積比を元に補間を行う、のだそうです。
計算方法の関係上、線形補間法や3次補間法に於ける「整数倍処理時に最近傍法と同じ結果を出してしまうことがある」が発生しないようです。
要は色の変化でおかしなことになりづらく、コンスタントに綺麗な結果が得られるということです。
尤も3次補間法のようなシャープさに欠けるという欠点もあるため、縮小に関しては万能であるという訳ではありません。
シャープ処理などはご自分で。


高速積分法(High-speed integration/ハイスピードインテグレーション?)
わかりませんw
何だかレイヤ上で処理すると面白いことになるんですが、やっぱり良く分かりません。
背景上で作業する分には面積平均法と似たような結果を出す感じ。



【独断と偏見・計算方法別得手不得手】
計算方法 得手 不得手
最近傍法 ドット絵、アイコンかそれに類する画像 左記以外の全般
線形補間法 アニメ調に代表される階調の少ない画像 特になし
3次補間法 風景写真などの複雑な画像 アニメ調のような階調の少ない画像
4近傍平均法 ノイズ、汚れの多い画像 シャープさを要求される画像全般
8近傍平均法 ノイズ、汚れの多い画像 シャープさを要求される画像全般
面積平均法 細かい線を多分に含む画像。滑らかな色の変化を求められる画像 拡大処理
高速積分法 細かい線を多分に含む画像。滑らかな色の変化を求められる画像 拡大処理。レイヤ上での作業

最終更新:2008年06月21日 09:02