アレッサンドロ・パオリーニ

フェルネット・ファミリー大幹部のひとり。
不動産部門の長。どぎついバイオレットカラーのアシンメトリーボブの髪型に加え、やや厳つい顔に念入りなメイクを施した、
30代後半くらいのモデル体型の男。女言葉を使うニューハーフ。
愛称はサンドラ。

王国の中心部、セントラル・スクエア一番街に聳え立つ螺旋の塔、通称『スピラーレ・タワー』の最上階にオフィスを構える。
幹部会の中では最も新参。前任の不動産部門統括責任者が仕事をしくじり、ファミリーに損害を齎した際、
当事者を粛清という名目で殺害し、大幹部の椅子を簒奪した。
なよなよした外見に反して野心があり計算高い男として知られており、ピエトロからは警戒されている。
表面上は人当たりがよく社交的。気付けば大抵の人間はその巧みな話術に乗せられて自分の持っている情報を洗いざらい吐かされるという。
本来ならば自らがボスとして自身のファミリーを立ち上げていてもおかしくない、と言われるほどの実力者で、
上司を粛清し大幹部に成り代わったという経歴から、外見に似合わずかなりの武闘派。
本人も『アタシ、喧嘩強いのヨ』とうそぶき、武力には相当な自信がある模様。
単に派閥を率いての戦争に強いだけでなく、自身の戦闘力もかなりのもの。
実際にパラッツォ・デル・ディアボリではエステルを拉致しようとした麻薬の売人を手もなく撃退している。

良くも悪くも喰えない人物ではあるが、実はピエトロに勝るとも劣らないルカ・フェルネットの崇拝者。
ルカを神と仰ぐピエトロに対し、パオリーニはルカを自分のアイドルと見做しており、深い愛情を抱いている。
ただしその愛情は恋人になりたいというような俗な望みではなく、あくまでプラトニックなものらしい。
ルカに自分を見て欲しい、声をかけられたい、褒めて欲しい――そんな望みのため、パオリーニはファミリーに忠誠を捧げている。
同じ幹部会のデボラ・ヴァッティモは公私ともに行動を共にする良き相棒である。
かつては闇の世界でどこのファミリーにも属さず、独立独歩のフリーランスとして活動していたが、
ふとしたきっかけでルカ・フェルネットと出会い、一目惚れした。

王国内に蔓延するドラッグの流通元、裏切者はフランチェスコ・ブルーノだと早期から気付いており、その尻尾を掴もうと秘密裏に行動していた。
麻薬取引の現場となりやすいバーレスク・クラブのオーナーを務め売人の動向を警戒していたが、
あるときクラブに潜入捜査をしに来たエステルが売人に連れ去られそうになっているところにアリーチェの報告で介入し、これを救出。
その後自分の目的などを明かし、エステルと友誼を結んだ。
デボラと共謀しエステルを自分の陣営に引き込むと、エステルの処女を餌にブルーノをおびき寄せ悪事を暴く作戦を提案。
幾多の危機はあったものの、見事にブルーノを失脚させる手柄を取った。

コーザ・ノストラによるフェルネット・ファミリー動乱に際しては、ルカの跡を継ぐというエステルの望みを聞くもこれを棄却。
マネーロンダリング容疑で逮捕されたルカを自分だけで救出すると言い残し、去っていった。

世界的ファッションデザイナーのパトリツィア・ゼッピとは親友同士。

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最終更新:2023年05月18日 09:59