この街は何も視えない。夢も、希望も、自分自身も。比喩的表現であるが、スグリは来た瞬間そう感じざるをえなかった。
キタカミの里のような田舎町ではない、海中に建てられたブルーベリー学園でもない、初めての世界。
高層ビルが隙間なく建て並ぶコンクリートジャングル、ピカピカと光るのは夜空の星ではなく、窓から見える蛍光灯だ。
絶えず自動車は走り、絶えず人々は歩を進める。
これまで田舎町と学園しか知らなかったスグリはこれほど、大きな街で過ごすことはなかった。
きっと一生忘れることはないであろう――偽証の街だ。
其処は死者が殆どの世界。総ては儚く、欺瞞に溢れた世界。
形成された世界の外にでも出たら、魑魅魍魎蔓延る荒れ果てた大地だ。
スグリがどれだけ優れたトレーナーであっても、聖杯戦争は別物だ。
どう足掻いても、無事に生き残れる可能性は少ない――過酷な淘汰が待っている。
しかし、その僅かな可能性を掴み、必ず元の世界へと帰ってみせるのだ。
自分は選ばれた。鬼さまに。聖杯に。奇跡に。
どれだけ強くあろうとも、どれだけ強く焦がれようとも、《主人公》に敵わないという運命を変えたいと願ったから。

 ……そうだ、俺が悪い。弱くて、情けない、俺が悪い。

 称賛と夢想と機会と。総てに溢れたご都合主義は、スグリ程度などあっけなく蹂躙する。
ちっぽけで、下らなくて、情けない話だ。
結局はそれらを覆せない自身が悪かっただけなのだから。決して負けてはならない――勝たなければ終わる勝負で敗けたスグリが悪い。
病的なまでの自罰的な思考。そして、自罰を糧に這い上がる異常なまでの上昇志向。
強さに懸けて、浸る。スグリのレーゾンデートルとも言える根幹は飢えだ。
誰よりも、何よりも、前へ。前へ。
あの日敗けた光景を焼き付けろ。あの日選ばれなかった悔恨を忘れるな。
今、此処が、この戦争が自分の立っている場所だ。
眼の前が真っ暗になって何も見えなくなった先で、漸く掴めた《もう一度》なのだ。
奇跡を以て、軌跡を塗り替える。胸に疼く渇望を消化するにはそれしかないのだから。
そうして、大望を抱いて戦場に降り立ったスグリは今――――。

「君、未成年だよね」

 ――補導対象として、警察官に捕まっていた。

 とある夜闇の路上にて。スグリは唐突に降りかかった災難に、言葉も出ず俯いていた。
スグリは夜間出歩くという行為に全く躊躇はない。
聖杯戦争に臨むにあたって、土地勘及び気構えとして連日、夜の出歩きを行っているのも当然のことと思っている。
周りが咎めた所で特に気にしないスグリではあったが、現代社会において、未成年の夜間出歩きは当然補導だ。
そもそも、元の世界で夜間の出歩きで引っかかったことはなかった。
キタカミの里でもブルーベリー学園でもなかった補導だ、たかが知れている。
正直、スグリはめちゃくちゃに現代警察を舐めていたのだ。その結果がこれだ、全く笑えない。
もっとも、警察官からするとスグリに声を掛けるのは職務的に当然と言わざるを得ない。

「う、うぇ」

 予期せぬ拘束に、スグリはとてもめげる。めげすぎて、声も出ない。
夜間に一人気だるげに出歩き、徘徊している。服装もちょっとやんちゃが入った感じの頑張りスタイル。
目はくまが深く、目力も強い。鬼さまは当然常人には見えないし、別行動をしている為、フォローもない。
つまるところ、絶賛非行少年。今のスグリを表す言葉にぴったりなものだ。
ここには自分を叱る姉も、自分を揶揄する先輩も、自分を心配する級友もいない。
孤立無援――この状況をスグリは一人で解決しなければならない。
職務に真面目な警察官に捕まってしまったのが運の尽き。
これで口が回れば、言い訳をペラ回せるが、スグリはコミュニケーションがとても苦手だ。
ゼイユやカキツバタなら幾らでも機転で躱せた、乗り越えられた窮地。
どうしたら抜け出せる。思考を重ねても答えが出ない――そんな時、ヒョコリと横から口を出していた大人がいた。


「すみません、何かありましたか」

 へらりとした笑みを顔に貼り付け、スグリの代わりに警察官へと向き合うその大人とは、当然面識もない。
元の世界、そしてこの東京でも接点のない人間がどうして助けてくれるのか、と。
疑問に思ったスグリではあったが、割り込んで言葉を出せるなら苦労はしない。

「ああ、私はこういう者です」

 その大人は警察官に身分証明書を出し、テキパキと会話を構築していく。
相手の警察官も会話を続けるにつれて、すっかりと絆されてしまったようだ。
この割り込んできた人、話術がうまい。人と話すことに慣れているのだろう、声に澱みがない。

「彼、近所に住んでいる知り合いの男の子で、この時間帯、いつも散歩をしているのを見ているんですよ。
 勉強の疲れを取る為に散歩でもしているって聞いていまして。
 それが今日に限っては警察官さんと話しているのを見て、お節介かもしれないですが、何かあったのかとお声がけを」

 スグリの預かり知らぬ所で話が勝手に進んでいく。
流れるような会話の応酬に割り込む隙すら与えられず、いつのまにかに警察官はその場を立ち去ってしまった。
大人、怖い。詰んでいた自身の窮地をこんなにもあっさりと変えてしまえるのか。
警察官に至っては、安心しきって最後には緩んだ笑顔であった。これが大人の立場及び話術なのか。

「さてと。君と私の間柄含めて色々と適当にでっち上げたけど、多少の話くらいは聞いてもいいかな?
 私の言った通り、散歩だけとは思えなくてね。いやに思い詰めた表情をしていたけれど」
「えっと、俺は」
「ああ、気が利かなくてごめんね。こんな路上で立ち話というのもまた怪しまれる。
 疲れるだろうし、ちょうど近くに公園もある。缶ジュースの一本くらいなら奢るよ」

 本当に、手慣れた流れだった。
此処に至るまで、スグリは特に何もしていない。
言葉通り、少し離れた公園に行く途中、自分の飲み物も買ってくれる等、気が利いている。
軽やかに声が弾け、警戒を削いでいく。多分、この人天然で人誑しだ。

「はい、コーラで良いかな。炭酸が苦手なら、他の飲み物でもいいからね」
「大丈夫です、ありがとう、ございます……どうして、俺を助けたんですか? あそこで、俺を助けても、……貴方に何も返せません」
「職業柄、困っている子供達を見て見ぬ振りというのはできなくてね。
 これでも、先生なんだ。君も特段呼び方に拘りがなかったら、先生と呼んでくれると嬉しいな」
「はぁ」
「君が何に悩んでいるか。無理に聞くつもりはないけどさ。
 私が助けたのだって、あの場で補導されたら余計に拗れそうだなって思って手助けしただけだから」

 公園のベンチで二人、ぼんやりと夜空を見上げながらする会話はポツポツとしたものから始まった。
なぜ、通りすがりの身であるにも関わらず、助けたのか。
要するに、『先生』が先程自分を助けてくれたのは、純粋な善意という訳だ。
ぺらぺらと身の上話を含めて話してくれているが、打算が見受けられない。
スグリは特段に大人への不信感はないが、先生の人懐っこい笑みに警戒心を解いていく。
ちびちびとコーラを飲みながら、スグリは眼前の大人が出来た人なのだろうなと察した。


「……勝ちたい相手がいたんです」
「うん」
「俺、本当は弱虫で、いっつもねーちゃんの後ろに隠れていて。
 あいつはねーちゃんよりも、俺よりもずっと強くて」

 気づけば口から出ていた弱音は誰にも明かさずにずっと抱えていた想いだった。
ぐちゃぐちゃに絡まった渇望。その渇望はスグリを停滞から弾き飛ばし、異常なまでに高みへと飛び立たせた。
何度も吐いて、項垂れて、それでも、と叫んで。漸く、スグリは《あの子》と対等になれる気がしたのだ。

「変わりたかった。強くなりたかった。あいつみたいになりたいと願った」
「だから、頑張ったんだね。その目にあるクマを見たらわかる。ずっと、努力してきた」

 キタカミの里にいた時のように。立ち竦んで、置いていかれるのが怖かった。
自分以外の全てがどんどん先に進んでいく。強くて、選ばれて、優れていて。
スグリ一人が同じ所からずっと動けない。弱くて惨めなスグリだから、鬼さまもスグリを選ばなかった。
自分でも何を言ってるのかわからない。次から次へと出てくる言葉はバラバラで情動ありきだ。
順序立てていない話だとスグリ自身わかるくらい、酷い有り様だった。
それでも、そんな子どものまとまらない話を、先生は反芻して丁寧に聞いてくれた。

「頑張ったから、誰にも敗けないくらい、強くなった。一番上まで辿り着いた」
 でも、結局……俺は敗けた。皆、あいつを祝福した。努力なんて無駄だった。
 俺は最初から…………誰からも認められていなかった」
「それは違うと思うな」

 それまで反芻と工程で返していた先生が初めて否定した。

「君の培った努力は結果を打ち出している。
 だって、君はそれまで上位にいた人達を打ち倒してチャンピオンになっただろう?
 確かに、勝ちたい相手には勝てなかった。でも、その過程で得たものが全部無駄だったなんて。
 そんなことはないでしょ」
「そう、だけど」
「モチベーションありきで行動するのはいいことでもあるけれど、認知を歪めるのはよくないよ」

 周りを顧みる余裕があったか。スグリの様子から伺うにないだろう。
出会ってすぐの先生でもわかることだ、きっと周りも彼の余裕の無さは理解しているはずだ。

「誰も認めてくれないなんて、違うさ。君が言う通り、周りが誰も理解してなかったとしても。
 少なくとも、君の話を聞いた私が、君の努力と軌跡を保証する。
 私が認めた以上、君の言う誰からも認められないって論理は破綻だ」

 こんな通りすがりの大人に認められても嬉しくないかもしれないけれど、と。
頬をかきながら、困ったように笑う。
スグリは見上げた空をぼんやりと見続ける。
夜闇が色濃く、月が煌々と光る。月のきれいな夜だった。
都会故に星が見えずとも、黒の空と空穿つ銀の月は存在感を発している。
いつぶりだろう、こんな風に立ち止まって空を見上げるなんて。



「絶対だ。君の努力は無駄なんかじゃない」
「…………っ」

 その言葉を素直に受け止められる程、スグリは大人になれなかった。
ずっと悩んで、苦しんで、一人で抱え続けた。
選ばれない、認められないという鬱屈はスグリから健全な考えを奪い去っていった。
聖杯戦争に参加している今も、取り戻せていない。
だから、怖くなって、それを認められなくて。スグリは先生の真っ直ぐな言葉と表情に対して、何も返せなかった。

「ありがとう、ございます」
「どういたしまして」

 結局、自身の心的な問題である以上、スグリ自身が解決するしか無いのだ。
誰が何を言おうが、最終的にはスグリ次第。
ほんの少しだけ、重みは軽くなったが、根幹は変わっていない。
二人の会話はこれでおしまい。これ以上、此処にいたら、自分の決意に甘えが生まれそうで、怖かった。
もう行きます、と。スグリは重たい足に力を入れて立ち上がり、ペコリと頭を下げる。
大分話し込んでしまったが、今後はきっとない。この広い都会で特定の人間となんて狙わない限り、再び会うことはないはずだ。
ただのお節介な大人。欺瞞と偽証の街で出会った、ちょっとした優しさ。
忘れてしまいそうで忘れないだろう、奇跡的な出会い。

 ――それでも、今度から夜間の外出は注意することにしよう。

 スグリは少しだけ、都会での生き方を覚えることが出来た。











「ったく――青臭えやり取りだったわ。もっと掻い摘んで話して、さっさと終わらせろよ」
「いきなり隣に座ってきて開口一番、最悪だね。
 そこまで言うのなら、話に割り込んで一緒に相談に乗ってくれても良かったんじゃないか」
「あのガキに教えることなんざねぇよ。勝ちてえなら、手段選ばずぶっ殺せ。できねぇなら這い蹲ってろ。
 そこまでの覚悟があるかね、アレによ」
「……最悪な大人だ。しくじり先生に出れるね」
「人をネタに使うなや」
「ネタにするようなことを言う方が悪い」

 スグリが立ち去ってすぐ、先生の隣に男が座る。足を組んで欠伸をする態度の悪い男だ。
加えて、スーツを着こなしている先生と違い、上下スウェットに便所サンダルとだらしがない格好だ。
まあ、こいつ敬語使う必要ないな、と。初手で先生をちょっと呆れさせるのは中々にすごい。
先生も即座に思ったのか、口調も幾分か砕けたものになっている。



「にしても、手筈を見たが、ガキを誑し込むのがうめぇな。
 内面へと踏み込むのもガキが許容するギリギリまで。あのガキがマスターって知ってるだろ、どこまで打算だ?」
「人聞きが悪いね。君と一緒の感性じゃないんだ、悩める子供を導くのが先生の役割でしょ。
 子供を助けることに、マスターとか聖杯戦争とか、そういった要素は関係ない」
「くっだらねぇ。素面で言ってんだから性質が悪いぜ。学校の先生かよ」
「先生だよ。此処でも、元の世界でも」

 心底興味がないと言った風で、男は数分前のやり取りを煽る。
ゲロを吐くような身振りと手振りで、男はその性善説漂う言葉への理解を早々に放棄した。
ありもしない夢想だ。死んでも辿り着けなかったモノに慮る必要はない。

「ま、あの『臭い』ガキは頃合いを見て殺した方が良いと思うぞ。
 憑いてるサーヴァントの臭いがマスターにも移ってやがる。
 厄ネタの中でも最高で最悪なイカレ野郎だって確信できるくらい、やべぇ」
「裏取りは?」
「俺の直感と経験。つーか、お前も理解って探りを入れたのか、全然驚いてねぇのな。
 相方さんの入れ知恵か? 早くネタバレしてくれよ」
「答える義理はまだないなぁ」
「義理も糞もあるかよ。そんな腹芸をあのガキにしねぇだろうし、答えてるようなもんじゃねぇか。
 相方さんと俺はご同業かねぇ。挨拶はいるか?」
「いらないってさ」
「つれねぇなぁ」

 ザ・ヒーロー曰く、見ただけでわかる俗物。粗暴な大人。
そういうのはもう見飽きているんでいいです、と。辟易すらない平坦な言葉だった。

「君がそこまで言うにも関わらず、殺しにいかない理由は?
 厄が近くにいないんだからさ」
「理解ってること聞くなや、まどろっこしい。どうせ、お前らが邪魔すんだろ。
 それに、あのガキ殺した瞬間、憑いてる厄が呪いでもぶちまけたら手間が増える。
 諸々掛け合わせて、殺りにいった成果が見合ってねぇよ」
「へぇ、意外とロジカルだ」
「ロジカルじゃねぇと、稼げねぇんだよ、フリーは。
 それに俺は正義の味方とは縁遠い猿でな。世界の底が抜けて奈落に堕ちようが、ガキが破滅しようがどうでもいい」

 男は手に持ったビニール袋から500ml缶を適当に取り出し、先生へと差し出した。
ストロングと名目がついているおなじみのチューハイだ。先生が知っている限り、一番値段が安いやつだ。
まだ春先で寒冷な空気が残っているが、このキンキンに冷えたチューハイを飲み干せというのだろうか。

「まぁ飲めや。奢りだ」
「うっわ、一番安いチューハイ」
「住所不定無職に美味い酒を買うお金が残ってると思うな。いや、正確にはあるんだが、諸事情で金がねぇんだよ」
「フリーって言ってなかったけ? 稼げるんじゃないの?」
「投資中だ。直に返ってくる」
「袋に入っているゴミが見えなければ優しくできたかもしれないな。
 その投資がなければ、缶ビールとおつまみは買えるだろうし」

 ビニール袋に入っている敗れた舟券の残骸が、男のギャンブルの弱さを極めている。
まあ、生徒でもない赤の他人及び大人の金銭事情など先生が心配する義理もない。
それはそれとして、人の奢りで飲むお酒は美味しいということで、有り難くいただこう。
男も取り出し、互いにプルタブを開けて、雑に缶をぶつけ合う。住んでいる世界が違う大人でも、こういった所は共通するのだろうか。



「それで、あの子を追わなかった理由は聞いた。
 その上で、立ち去らず此処に残ったってことは私に用がある。
 こんな賄賂まで用意して、ビジネスの話かな? こんな公園のベンチでする話かとは思うけど」
「競馬場に来てくれんなら場所はそこにしたよ。最近は舟だけじゃなく、馬も熱くてな」
「世界の外側が虚無に沈む時にやるものかい」
「一切合切、消えちまうからやるんだよ。クソも笑えねぇ敗者復活戦やらされる身にもなってみろよ。彩りが欲しくならねぇか」
「負けてたら世話ないけど」
「最後に勝つタイプなんだよ、俺は」

 逆にいたら気まずいだろう。どうして賭博をする目的でかち合わなければいけないのだ。

「んじゃ、本題だ。迂遠に言葉を並び立てるのは柄じゃねえから単刀直入に言う。
 俺に手を貸せや、先生」
「成程ね、いいよ」
「即答かよ」
「この場で断るメリットがないからね」

 こうして賄賂を一応用意していたり、すぐに殺しに来なかったり。
何らかの懐柔があるとは思っていたけれど。
予測できる言葉なら、先生も前もって解答を用意できる。

「奇跡と生存。協調してまで欲しいのかい? どう考えても、君は一人で戦う方が気楽な性質だろう?」
「そこまでコミュ障じゃねぇ、フリーランスはコミュ力が命なんだよ」
「やる気なさそうなのにね」
「そうだが? 聖杯に懸ける願いもねぇし、必死こいて生き残るモチベもねぇ。
 くれるってんなら欲しいがな、聖杯。ないよりはましだろ」
「願いは?」
「食う飲む博打が一生困らねぇ金」
「清々しいまでに俗だね」
「理解不能なお願いよかマシだろ」

 確かに、男の声色にはやる気のない倦怠感が満ちていて、聖杯を狙いに行く本気の感情は見受けられない。
適当にやって、何か運がよかったら欲しいな程度にしかない覇気。
乾いた笑みを浮かべ、男は飲み干した缶を投げ捨てて、新しい缶を取り出した。

「まあ、それも過去の話だがな。あのガキに取り憑いてるようなモノを呼び出す聖杯だぞ?
 絶対穢れてんだろ、気色悪い。信用のねぇ奇跡に全賭けはしたくねぇな」
「……確かに。厄を複数呼んでいる以上は、信用できる奇跡ではないね。
 使い方を考えないと」
「まあ、そんな訳でモチベーションなんざねぇが、黙って贄になんのも癪だ。
 一人孤独にやんのも、手間がかかる以上、弁が立つ仲介役がいたら便利だろう?」
「見ず知らずの子供のお悩み相談をしているお人好しなら御しやすいと」
「正解。探るも戦うも殺るも、どれを取るにしろ、一人は抱えて置いた方が楽だ。
 色々と回って面子を見たが、お前が一番使えそうだったって訳。後、金をたかる奴が必要だった。ガキだと金がねぇからたかれねぇ」
「最悪な理由だ……」

 彼の言葉通り、共闘を持ちかけてきたのはあくまでも利便性故だろう。
断じて善性からくるものではない。聞けば聞く程、眼の前の男はろくでなしだ。
しかし、腕は立つ。サーヴァント頼りの行動でもなく、スグリとのやり取りを観察し、しれっと先生の横に座る程の達人だ。
後々に裏切る可能性は大いにあるが、今すぐ裏切るという可能性はないだろう。

「君が手を組みたい理由はわかった。サーヴァントの同意は得ているのかい」
「得てる訳ねぇだろ。話すだけ無駄な手合だし、普通にお前達のこと殺しに来ると思うぜ。
 コミュ障のチンピラなんだわ、もし遭遇したら適当に相手してやってくれ」
「……やっぱり手を組むのやめていい?」

 びっくりするくらい、放任主義。躊躇いも思慮もない無軌道な言動。
この聖杯戦争でも異物たる彼を制御できるか。
先生は呆れたように笑い、淡々とゴミカス発言を続ける男に対して、姿勢を正す。
彼は大体のことは話し尽くした。次は、自分だ。

「そんで、お前の方はどうよ。生き残って聖杯掴みてぇなら、勝手に争ってくれ。
 お前の贄になるつもりはねぇけど、勝利を祈るぐらいなら数秒してやるよ」
「数秒って……腹の足しにもならない祈りだね……。けれど、その祈りは必要ないよ。
 君とは方向性が違うけれど、私も聖杯も生存は求めていなくてね」
「何だ、お前も適当に生き返ってやる気がねぇ類か。はっ、冥界らしいしみったれた奴しかいねぇのな」
「死人以外もいるかもしれないよ」
「いたとしても、俺等とは違う。生者の足を引っ張るのが死者ってもんだ」
「そうだね。私達はもう死んでいるんだ。それを無理矢理奇跡で生き返ったら、世界がずれる可能性だってある」

 幾ら、奇跡とはいえ、限界はある。無償で叶う訳ないし、冥界に呼ばれた参加者全員の命を犠牲にして顕現するかもしれない。
もしくは、元の世界からの搾取――生者を礎にした黄金杯か。
奇跡の負債は誰が背負うのか。此処に呼ばれてからずっと、先生が考えて、解答が出なかった難題だ。

「死ぬべき人間が死なないままだと、生きるべき人間が死んでしまうかもしれない。
 聖杯の奇跡は私の大切な人達を脅かす波紋になる。そういう筋書きなんだろう、聖杯戦争は」
「俺からしたら知ったことじゃないが、お前の言う通り、死人が生き返る奇跡とくれば、対価もそれなりだろうな。
 誰が払うか知らねぇけど。それこそお前が生き返ったら大切な人達とやらが肩代わりかもな」
「認めないし許さないさ、そんな奇跡。その対価を払うのが私ならともかく元の世界――私の生徒へと請求されるなら、奇跡は不完全なまま廃棄する。
 これは私が抱えるべき負債だ、奪わせないし、歪ませない」
「聞けば聞く程、御大層で高潔な願いだ。理解ってんのか、その願い。
 やる気がねぇ俺には通る。ま、外野から見る分には暇潰しにはなるだろうしな」

 その軌跡が本当に願いを正しく叶えるのか。
奇跡を顕現させた結果、元の世界が正しく在れるのか。
何の保証もない。唐突にぶら下げられた奇跡の切符は改札機に入れたら戻って来るのだろうか。
無邪気に信じて、裏切られる。外面の良い軌跡を信じて破滅へとつながるのは自身だ。人の身に余る奇跡は、きっと世界を不幸にする。
日常のかけがえのない奇跡を塗り潰し、結果だけを見るようになる。

「それ、俺以外――願いに縋ってる奴等全員に同じこと言えんのか?」

 結果以外、何もいらない人達を、変えられるのか。
先生はそれを知っている。理不尽と不幸は人を奇跡に縋らせる。
生まれた時から詰んでいて、奪うことでしか生きれなかった子供達を知っている。
憎悪と喪失に苛まれ、後戻りができないと銃を取った少女を知っている。
救えたのは運が良かったから。それと、助けてくれる生徒達がいたから。
また、同じことをこの冥界でやり切れる保証はない。

「お前の言い分は、後先がねぇ奴等に現実を受け入れろって言ってるんだぜ。
 どう考えても無理だろ。もっと実現可能なモノにするんだな」

 相互理解にも限度がある。平行線は平行線のまま、決して交わらない。
事実、先生と交わらなかったモノだってある。
例えば、搾取を是とした魔女とか、強欲に生き、権力に溺れた大人とか。
ただ、自分は運が良かったから。勝者と成り得た故に此方側にいる。

「言えるさ。これは私のエゴだ。世界も、人も、否定するだろう――我儘だよ。
 憎まれる覚悟も、赦されない重みも、私はとっくに背負ってしまったんだ」

 男の問いに、先生は口元を緩め、答えた。
賢しさでは到底満たせない、心底のエゴイズム。
情動というモノは大人でさえも簡単に飲み込んでいく。

「何度でも、どれだけ夜を超えても、私は冥界に叩きつける言葉は唯一つ。
 奇跡は誰にも奪わせない。願いは誰にも叶えさせない」

 だって、そうだろう。受け入れて、死ねよ、救世主。

「でも、言葉にするだけじゃあ口先だけの詐欺師だ。だから、私は参加者全員に提案をする。
 抱えている願い――――妥協しないってさ?」
「はぁ????」
「無論、その過程で競合及び実現不可能な願い、狂気溢れる救えない人達。
 総てを救うことなんてできやしない。踏み躙ることもあるし、拾い直せないものもある。
 ただ、それでも、挑む前から断定しちゃうのは良くないよね?
 つまるところさ、全員の願いを聞いて、並べて、妥協点を作りたいんだよ、私は」

 いいよ、死んでやる。ただし、今生の際まで貫いたエゴイズムは譲らない。

「円満な解決ができるように、さ。ラブ&ピースってやつだよ」
「イカれてるな。不可能だ」
「うん、だろうね。けれど、動かずして諦める奴を、誰が信用する。誰が預けてくれる。誰が背負わせてくれる。誰が…………救わせてくれる」

 怨嗟が生まれるだろうこの世界にて、誰しもが焦がれている願いを仲介する。
自分があの箱舟で死ななかった意味。冥界にて喚び出された『生徒』と『先生』。
存在証明は未だ果てなき地平線の先にある。

「君が投げかけた言葉は渡りに船だった。
 楽がしたいようだけど、仕事はしてもらう。まあ、そこは要相談報酬ありということでお願いできないかな」
「結局、ビジネスの話に戻るんじゃねぇか。んで、前金は? まさか、善意に照準を合わせてお願いしてんじゃねぇよなぁ」
「あー……それじゃあ、次の競艇は私持ちってことで。どうせ、行くんでしょ? 
 後々としては、根なし草の無職に、立場とお金がそれなりの仲介役が財布になれば、君も動きやすいはずだ」

 戦略と交渉こそが本領たる先生だが、武力はない。
ザ・ヒーローという切り札を得ても尚、足りぬ力。
一癖どころではない、癖しかない参加者全員をテーブルにつかせるなど、余程の事態がないと不可能なのだから。
故に、使えるものは何でも使う。眼前のろくでなしであっても、手札として拾わせてもらう。

「私の方からも言葉を返すよ。手を貸してもらう、聖杯戦争を攻略する為にも」

 それにしても、酷い、大人だ。先生は1つ嘘をついている。
全員の願い、全員の生存、全員の妥協。
それら全員の枠組みに、先生は入れていない。寧ろ、入れる余地はないとさえ考えている。
その笑顔の裏に、その言葉の裏に、自身が遺ることなど、どこにもありやしないのに。

「………………さて、どうだかねぇ。けど、ひとまずの及第点としちゃあ、認めてやるよ、『先生』」

 男からすると、そんなことはどうでもいいけれど。
確かな打算が弾き出した結論が、先生を有用と改めて認識したのは、事実なのだから。












 朝焼けは元の世界と変わらない。昼下がりは今日も晴天予定。
冥界であるのに、太陽と月は変わらず頭上にあるのは何とも違和感があるけれど。
こうして、自宅でコーヒーを飲むこともいつまでできることやら。

「これからはもっと多忙になるね。私も君も、大忙しだ」
「生前を考えたら全然ですけどね」
「お互いワーカホリックだから……いや、これは言い訳かもね」

 4月1日。奇跡から始まった物語は1つの転換点を迎えることになる。
東京は23区を残して、総て真の冥界へと沈んでいった。いよいよ、争いも激化し、体を張ることも増えていく。
先生とザ・ヒーローにあたっても、それは承知の上だ。舞台に立つ以上、ブーイングは当然受けるだろう。

「こんな生き様しかできないから、冥界でも働かされている気がしてならないね。
 まあ、君に選択の最果てを見せていない以上、私が膝を屈するのはまだ先かな」
「本当に、諦めないんですね」
「諦めると思ってた?」
「いいえ。死んでも諦めないでしょうね。最初のやり取りでもうそれは理解ってますから」
「流石、私の生徒」

 あてがわれた家。変わらぬ職業。あったかもしれない可能性を多分に含んだ偽りの人生。
3月中は殉じていたモノも、これからは切り捨てていく算段を立てなくてはならない。

「早速だけど、今日は難問が待っている。もしかすると、君の武勇を頼りにするかもしれない」
「構いません。まだ、先生の行く末を見届けていない以上、僕が力を振るわぬ道理はない」
「改めて。頼りにしてるよ。とはいえ、相手は無差別に暴れまわる粗忽者ではない。
 ひとまずの頭出しは文面で聞いてくれたし、姿勢だけは一応取ってくれるはずだ」

 されど、根幹たる願いは決して捨てやしない。
奇跡を誰の手にも渡さないこと。子供を導く標として生きること。ザ・ヒーローの選択を見守ること。
懐にある2枚のカードは『先生』を崩すことを赦さない。
総てを貫くことで見る最果てを、必ずや、と。



「それじゃあ、そろそろ出ようか。今日も一日、気張っていこう」

 無論のこと、これまでも身体を張り、各主従との積極的なコミュニケーションは取ってきた。
3月の間、色々と駆けずり回り、参加者を仲介して回った。その中には死んでしまった者も、生き残っている者もいて。

 ……生き残っているんだよなあ、あの人。

 電車に乗って待ち合わせの場所に向かっている最中、そんなことを思った。
伏黒甚爾という男は正しく異端であった。
力量で言うと、掛け値なしの最強で、それと同等にろくでなしな男。
先生と甚爾は数少ない生き残りの知り合い――腐れ縁とも呼べる間柄になっていた。
仲介役と依頼人。メッセージアプリで適度にやり取り及び会ったりしているが、会う度に金を集ってくるのはいかがなものか。
相応に情報をもらったり、他陣営を探ってもらったり、自分では手が回らない部分を担ってる所もある為、強くは出れない。
今回の相手の情報だって、彼から手に入れたものだ。交渉の設定及び場を整えたのは自分だ。

「よう、先生」
「珍しいね、時間に遅れないなんて」
「近くで野暮用があったからな。バックレても良かったが、まあ……気分だ」

 いつも通り、だらしがない上下スウェットと便所サンダルの男は都会では妙に目立つ。
身嗜みに気を使わない男は今日も絶好調のようだ。
それに比べて、スーツを着こなし、できる大人を醸し出している先生との対比は激しい。
合流した二人はゆったりと今日の難問たる待ち合わせ場所へと向かう。
並んで歩くには不釣り合いな二人は道行く中でも程々に目立つ。

「そういえば、天童アリスに会ってきたぜ」
「元気そうだった?」
「うちのサーヴァントにナチュラル煽りをかましてた。
 先生なんだから、生徒の教育はちゃんとしておいた方がいいんじゃねぇの?」
「……そこがアリスらしい所でもあるから。保護した方がよかった?」
「お前が見守る必要がねぇくらい、強いサーヴァントが憑いている。一見で裏切りそうにないしな。
 あれで死ぬんなら、よっぽど運が悪い。アレが憑いてるより安全なことを上げる方が難しいわ」

 どうやら、自分と出会う前に小競り合いがあったらしい。
その際、色々とお使いも頼んだとのことで、子供も兵器でパシる傲岸不遜ぶりだ。
とりあえず、彼の見立て通りだと、アリスはサーヴァントについては当たりを引いているようだ。

「現状、君が見つけたうちの生徒は各々、うまくやっているから安心したよ。
 いや、呼ばれている時点でとてもまずいんだけどね」
「冥界のお導きで、お前が知らん所で死んだんじゃねぇのか」
「理由なんていくらでもでっち上げれるから何ともね。後、次そういうこと言ったら、ご飯は奢らないよ」
「わーったよ、仲介役様。ともかく、今は逞しく生き残っているからいいだろうが。
 天童アリス、宇沢レイサプラナ。どいつもこいつも仲間なり、強いサーヴァントを当てるなりして、うまくやりくりしている」

 甚爾に個人的に依頼した中で、生徒達がいるかどうかも含まれている。
全員、彼の報告から読み取る限りは自分らしくやりたいことをやっているようだ。
合流はいずれするが、タイミングが肝要だ。
あんまり過干渉になっても仕方がないし、こちらはこちらで危険な綱渡りをやっていることもある。
大人にしかできない行動及び振る舞いもしている為、何とも悩ましい部分である。

「生徒の心配をするより、自分の心配をしな。ちゃんと棺桶の用意しとけよ」
「甚爾は?」
「してねぇけど。ま、油断も慢心もないが、あのガキに殺られる程、ブレちゃいねぇな。
 それにしても、一度殺リ合った間柄の俺を話し合いに呼ぶかね。
 とうとう気が狂ったか? いや、元から狂ってたな。
 財布だけ渡してくれたら、サービスで楽に死なせてやるよ」
「君達、逼迫した戦場で出会ったら間違いなく殺し合いになるでしょ。
 そうならないように、まだ平穏が残っている内に、顔合わせでガス抜きがしたいんだよ」
「殺し合った間柄なんだぞ、お前。戦場でなくても、殺し合うに決まってるだろうが。
 自分を半殺しにした猿を見て、我慢ができるたまじゃねぇだろ。
 理性的なのは表面だけで内面は情動で動く激情家だぞ、あいつ」

 今から挑む仲介ははっきり言って、難問だ。
仲介もまるで意味をなさない犬猿の間柄に握手をさせるようなものだ。
とはいえ、やる前から諦めてしまえばそれこそ始まらない。
散々に生徒達に偉そうなことを言っておきながら、自分が真っ先に諦めていたら示しがつかない。
あらかじめ、文面上では須らく提案及び説明はしているが、失敗の可能性しか視えない。
ともかく、決裂時の対応も考えてはいるので、精々気張るだけだ。

「はじめまして、夏油傑さん。お噂はかねがね」
「これはご丁寧に。貴方が『先生』でよろしいですよね?」

 取り急ぎ、最初からブチギレの顔はしていないようで一安心だ。
待ち合わせ場所は池袋。
酷く目立つ格好をした男――、袈裟を着て営業スマイルを浮かべている夏油傑に挨拶を。
ファーストインプレッションは大事だ。社会人として、先生は初手からしっかりとした振る舞いをしたのに、横のろくでなしは最悪な有り様だ。

「よう、クソガキ。死に損なってて何よりだ。そりゃそうか、俺が手加減してやったんだからな。
 それにしても、図体ばかりデカくなって、内面はガキのままか? 相変わらず面白みのねぇ顔してるけどよ」
「………………っ」
「すみません。この人には後で言い聞かせておくので……。ちゃんとTPOは弁えてねって伝えたつもりが、全然理解できていなかったようです」
「いえ、貴方が気にすることではありません。ただ、猿以下の塵芥でも聖杯戦争に参加できるんだなって」

 やっぱり、だめかもしれない。この仲介。



【豊島区/一日目・午前】

【先生@ブルーアーカイブ】
[運命力]通常
[状態]健康
[令呪]残り三画
[装備]大人のカード、黒焦げの大人のカード
[道具]
[所持金]潤沢だったが、甚爾にたかられているので金欠気味。
[思考・状況]
基本行動方針:『先生』。奇跡は誰にも渡さない。
1.聖杯戦争参加者の願いに対して、妥協点を作る。その為に参加者同士、仲介をする。
2.あの子(スグリ)どうしようかなあ。それに生徒達と合流は……悩ましい。
[備考]
※3月中、伏黒甚爾と競艇に行ってます。詳細はお任せします。

【■イ■ァー(ザ・ヒーロー)@真・女神転生】
[状態]健康
[装備]
[道具]
[所持金]
[思考・状況]
基本行動方針:『先生』の『生徒』。
1.可能性が溢れたこの世界でさえも。きっと滅ぶのだろう。あの東京のように。
[備考]

【伏黒甚爾@呪術廻戦】
[運命力]通常
[状態]健康
[令呪]残り三画
[装備]拳銃
[道具]複数保有(詳細不明)
[所持金]先生にたかっているので、潤沢
[思考・状況]
基本行動方針:当分は臨機応変にやっていく
1.殺すぞ、クソガキ(夏油)が!
2.とりあえず、仲介役である先生と楽にやっていく。クソガキ(スグリ)は知らん。アリス? 連絡は来るだろうが、どうすっかね。
3.ランサーは置いてきた、これからの話し合いに使えねえからな。勝手に殺し合っててくれや。
[備考]
※宇沢レイサ、プラナ、天童アリスの主従を捕捉しています。
※3月中、先生と競艇に行ってます。詳細はお任せします。

【夏油傑@呪術廻戦】
[運命力]通常
[状態]健康
[令呪]残り3画
[装備]淀んだ穢れの残滓、呪霊(3桁規模、シャドウサーヴァント含む)
[道具]
[所持金]潤沢
[思考・状況]
基本行動方針:見込みがある人物は引き入れる、非術師は優先して駆除。
1.殺すぞ、猿以下が!
2.ひとまず、先生の話を聞く。猿以下の塵芥(甚爾)は死ね、連れて来るな。
3.双亡亭を監視。攻略の準備をする。それにしても、寶月夜宵……素晴らしいね。
[備考]
※寶月夜宵を『西の商人』で気づかれない範囲から監視しています。
※双亡亭を『崖の村の少年』『成れ果ての衛兵』で監視しています

【キャスター(リリィ)@ENDER LILIES】
[状態]健康
[装備]猛る穢れの残滓、古き魂の残滓
[道具]
[所持金]
[思考・状況]
基本行動方針:夏油に寄り添う。
1.『マスターが本気で怒っていて心配』
[備考]

【座標不明/一日目・午前】

【スグリ@ポケットモンスター・スカーレットバイオレット】
[運命力]通常
[状態]健康
[令呪]残り3画
[装備]
[道具]
[所持金]
[思考・状況]
基本行動方針:鬼さまといっしょに戦う。
1.鬼さま、おれ、頑張るよ。
[備考]

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最終更新:2025年05月11日 01:16