豪ドル
高騰する資源を背景に高い経済成長率を実現
オーストラリアは、旧イギリス植民地であった国々で構成する英連邦のひとつである。英国と同じように高い政策金利を維持している。オーストラリアの通貨は、通称で「オージー」と呼ばれ、高金利通貨として高い人気を得ている。
特に日本はオーストラリアの主要な貿易相手国である。2002年の日豪首脳会談では共同で「日豪の創造的パートナーシップ」を発表し、2国間の関係性を深めた。個人レベルでも時差もなく渡航の機会も比較的多いことなどから、その親しみやすさも手伝って、日本においての豪ドル人気は高まっている。
日本だけでなく、中国などアジア太平洋地域との経済的な結びつきも非常に強く、中国やASEAN(東南アジア諸国連合)各国の経済成長の伸びとともに高い成長率を維持してきた。この成長を支えるひとつが、オーストラリアの豊富な資源だ。代表的なものが、鉄鉱石・石炭・銅などのベースメタルで、天然ガスなども輸出している。最近、高騰している金の生産量も世界屈指だ。毎年200トン以上の金生産を誇り、これは世界シェア10%以上である。また、牛肉や乳製品などの酪農品、小麦といった農産物の輸出国という側面も持っている。
国内経済も市場経済の開放や税法の見直し、インフラ整備などによって、2000年には2%に満たなかったGDP成長率も年を追うごとに上昇し、2007年は4.4%、2008年は4.0%の実質GDP成長率(IMF予測)が見込まれている。
今後も資源や農産品の需要は世界的に増えることが予想され、事実、商品市場ではその価格が高騰している。これらを背景に、為替市場では豪ドルの価値もかなり上昇している。それは農産物や原材料という、いわゆる一次産品の価格に、豪ドルも左右されて動くという特徴を持っているからだ。逆に自動車などの工業品は輸入に頼っているのが現状だ。
また、干ばつなどの自然環境が、為替市場に影響をおよぼすことも少なくない。
特に日本はオーストラリアの主要な貿易相手国である。2002年の日豪首脳会談では共同で「日豪の創造的パートナーシップ」を発表し、2国間の関係性を深めた。個人レベルでも時差もなく渡航の機会も比較的多いことなどから、その親しみやすさも手伝って、日本においての豪ドル人気は高まっている。
日本だけでなく、中国などアジア太平洋地域との経済的な結びつきも非常に強く、中国やASEAN(東南アジア諸国連合)各国の経済成長の伸びとともに高い成長率を維持してきた。この成長を支えるひとつが、オーストラリアの豊富な資源だ。代表的なものが、鉄鉱石・石炭・銅などのベースメタルで、天然ガスなども輸出している。最近、高騰している金の生産量も世界屈指だ。毎年200トン以上の金生産を誇り、これは世界シェア10%以上である。また、牛肉や乳製品などの酪農品、小麦といった農産物の輸出国という側面も持っている。
国内経済も市場経済の開放や税法の見直し、インフラ整備などによって、2000年には2%に満たなかったGDP成長率も年を追うごとに上昇し、2007年は4.4%、2008年は4.0%の実質GDP成長率(IMF予測)が見込まれている。
今後も資源や農産品の需要は世界的に増えることが予想され、事実、商品市場ではその価格が高騰している。これらを背景に、為替市場では豪ドルの価値もかなり上昇している。それは農産物や原材料という、いわゆる一次産品の価格に、豪ドルも左右されて動くという特徴を持っているからだ。逆に自動車などの工業品は輸入に頼っているのが現状だ。
また、干ばつなどの自然環境が、為替市場に影響をおよぼすことも少なくない。
アジアへの貿易が活発のため、アジア経済との連動性あり
オーストラリアはアジア地域との結びつきが強いため、1997年にアジアで通貨危機が起こった際には、アジア通貨と一緒に売られた。このことからもアジア地域の成長鈍化、特に中国の成長鈍化は豪ドルの下落に結びつく可能性がある。
豪ドル/円の値動きを見ると、2000年に55円台だったが、ひたすら上昇を続け、2007年には107円台に乗せるまで成長している。豪ドル/円はクロス円の通貨ペアのため、米ドル/円と豪ドル/円の両方を見る必要がある。豪ドル/米ドルは、2001年に0.50台を割り込んでいたが、2007年には0.90まで上昇している。
豪ドル/円の値動きを見ると、2000年に55円台だったが、ひたすら上昇を続け、2007年には107円台に乗せるまで成長している。豪ドル/円はクロス円の通貨ペアのため、米ドル/円と豪ドル/円の両方を見る必要がある。豪ドル/米ドルは、2001年に0.50台を割り込んでいたが、2007年には0.90まで上昇している。
- 豪ドル取引のポイント
ハイリスク・ハイリターンの高金利通貨
国内で短期資金が不足しているため、伝統的に高金利政策がとられている。2003年からは原油や穀物価格急騰で経済成長率が上向き、豪ドル高にも関わらず輸出も好調だ。しかし、高くなっているインフレを抑えるために政策金利も断続的に引き上げられている。
オーストラリアの経済規模は、カナダの約半分くらいで、通貨の流通量も決して多いとはいえない。そのため、日本の証券会社が豪ドル建ての債権を発行するという理由だけで、為替レートが動いてしまうということがあるぐらいだ。
豪ドルは高金利通貨のため、世界の投資家から絶大な人気を得ているが、それゆえに政策金利が引き上げられるような場合には、下落する要因になる。好調な経済成長が近年続いていたが、この成長が鈍化するようなことになれば、政策金利にも影響を与える可能性もある。高金利通貨なだけに、政策金利の動向は即、為替レートに影響をおよぼすので注意深く見ておきたい。
オーストラリアの経済規模は、カナダの約半分くらいで、通貨の流通量も決して多いとはいえない。そのため、日本の証券会社が豪ドル建ての債権を発行するという理由だけで、為替レートが動いてしまうということがあるぐらいだ。
豪ドルは高金利通貨のため、世界の投資家から絶大な人気を得ているが、それゆえに政策金利が引き上げられるような場合には、下落する要因になる。好調な経済成長が近年続いていたが、この成長が鈍化するようなことになれば、政策金利にも影響を与える可能性もある。高金利通貨なだけに、政策金利の動向は即、為替レートに影響をおよぼすので注意深く見ておきたい。