米ドル
経済・政治・軍事など、基軸通貨だからこそ世界中の投資家が米国の一挙手一投足に注目
米ドルの動きは。ほとんどすべての通貨に影響を与える。なぜなら、米ドルは現在、世界の基軸通貨だからだ。そもそも通貨の価値は、国力そのものを表している。米ドルが基軸通貨となっているのは、その圧倒的な国力にある。経済規模で比較してみても、米国のGDPは世界GDPの3分の1を占めており、その大きさがわかるだろう。
国力は経済的な側面だけでなく、政治や軍事などの総合力が問われる。そのため、米ドルの価格はこれらすべての要素で動いていく。すなわち米国経済の状態・金融政策・米国内の政治情勢・他国との関係や影響力・米国の軍事戦略など、すべてが米ドルの価値を決めることに関係している。そのなかでも、金融政策の中心的な役割を担う米国の中央銀行「連邦準備制度理事会(FRB)」の動向は、為替レートに大きな影響を与えている。
現在のFRB議長はバーナンキ氏。彼の発言ひとつ、一挙手一投足で世界の為替レートが動いてしまうほどその影響力は大きい。そのなかでもFRBの動向で最も注意しなければいけないのが、政策金利の決定である。世界の基軸通貨である米ドルの金利動向は重要である。わずか0.1%の金利の変化であっても、それは世界中のニュースとなり為替相場を動かす原動力となってしまう。
しかし、巨大な国力によって維持されていた基軸通貨としての存在感が揺らぎ始めている。「世界の警察」を自認している米国の政策は、イラク戦争を境に世界から疑問視されるようになった。それに追い打ちをかけるようにサブプライムローン問題に端を発した資本市場の混乱は米ドルに対する基軸通貨としての信頼を損なっているからだ。
米ドルが基軸通貨としての威信を取り戻せるか。それは、内政・外交を含めて世界中が注目するところだ。
国力は経済的な側面だけでなく、政治や軍事などの総合力が問われる。そのため、米ドルの価格はこれらすべての要素で動いていく。すなわち米国経済の状態・金融政策・米国内の政治情勢・他国との関係や影響力・米国の軍事戦略など、すべてが米ドルの価値を決めることに関係している。そのなかでも、金融政策の中心的な役割を担う米国の中央銀行「連邦準備制度理事会(FRB)」の動向は、為替レートに大きな影響を与えている。
現在のFRB議長はバーナンキ氏。彼の発言ひとつ、一挙手一投足で世界の為替レートが動いてしまうほどその影響力は大きい。そのなかでもFRBの動向で最も注意しなければいけないのが、政策金利の決定である。世界の基軸通貨である米ドルの金利動向は重要である。わずか0.1%の金利の変化であっても、それは世界中のニュースとなり為替相場を動かす原動力となってしまう。
しかし、巨大な国力によって維持されていた基軸通貨としての存在感が揺らぎ始めている。「世界の警察」を自認している米国の政策は、イラク戦争を境に世界から疑問視されるようになった。それに追い打ちをかけるようにサブプライムローン問題に端を発した資本市場の混乱は米ドルに対する基軸通貨としての信頼を損なっているからだ。
米ドルが基軸通貨としての威信を取り戻せるか。それは、内政・外交を含めて世界中が注目するところだ。
1985年以後、急速な円高
ドル/円レートは、第二次大戦後の1945年から1971年までは1米ドル360円と決まっている固定相場制だった。これにより日本は円安による輸出振興策で、年率10%前後の高度経済成長を遂げた。しかし、ドル/円レートは1971年に変動相場制に移行してからは、ずっと円高への道を進むことになる。
特に1985年にドル高を是正するプラザ合意が締結された後は、たった1年で240円台から150円台まで一気に円高に進んだ。この円高は、1995年に1ドル=79円台のピークをつけた。1998年には147円台まで円安となり、その後はこのレベルより円高水準で動いている。
特に1985年にドル高を是正するプラザ合意が締結された後は、たった1年で240円台から150円台まで一気に円高に進んだ。この円高は、1995年に1ドル=79円台のピークをつけた。1998年には147円台まで円安となり、その後はこのレベルより円高水準で動いている。
アメリカ政策金利
ITバブル崩壊と、これに続く米国同時多発テロでの景気後退を下支えするため、2003年には1.0%まで政策金利は段階的に引き下げられた。その後は住宅ブームもあり、2006年には5.25%まで引き上げられたが、サブプライムローン問題による市場の混乱を抑えるため、再び引き下げの方向にある。
- 米ドル取引のポイント
日本政府の市場介入の場面は要注意
ドル/円は、円独自の要因にも大きく左右される。例えば、日本は長らく超低金利政策をとっているが、これにより他通貨との金利差が大きくなり、円売りの材料となる。1500兆円ともいわれる日本の個人金融資産が、自国内のマーケットに踏みとどまらずに、海外や外国通貨の投資へ向かうインセンティブにもなってしまう。
日本は海外への輸出が多く円高に対する根強いアレルギーがあるため、日本政府が円高を阻止する目的で、日銀を通じて為替市場に介入するという、通貨当局による操作が行なわれてきた。外国為替市場の大きさを考えれば、介入だけで流れを大きく変えるということは難しいが、介入の場面では大きく為替レートが動くので注意が必要だ。
ドル/円は、円独自の要因にも大きく左右される。例えば、日本は長らく超低金利政策をとっているが、これにより他通貨との金利差が大きくなり、円売りの材料となる。1500兆円ともいわれる日本の個人金融資産が、自国内のマーケットに踏みとどまらずに、海外や外国通貨の投資へ向かうインセンティブにもなってしまう。
日本は海外への輸出が多く円高に対する根強いアレルギーがあるため、日本政府が円高を阻止する目的で、日銀を通じて為替市場に介入するという、通貨当局による操作が行なわれてきた。外国為替市場の大きさを考えれば、介入だけで流れを大きく変えるということは難しいが、介入の場面では大きく為替レートが動くので注意が必要だ。