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  • 地獄の島、向日葵の少女(前編)

ギャルゲ・ロワイアル@ wiki

地獄の島、向日葵の少女(前編)

最終更新:2008年02月28日 17:27

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地獄の島、向日葵の少女(前編) ◆TFNAWZdzjA


ホテルは少しばかり荒れ果てていた。
一部の窓ガラスは割れていて、何か激戦の後を思わせる。
到着したのは三人の人物。いずれも、間もなく迎える一日目終了の合図を待つ身となっている。

高嶺悠人は仲間二人を近くの茂みに隠し、そのままホテルの玄関部分を剣で叩き斬った。
大きなガラスの音と共に玄関に当たる場所が崩れ落ちる。
悠人はすぐにホテルから引き返し、仲間の待つ茂みへと帰還した。そしてじっと様子を見て、息を吐く。

「どうやら、もうホテルには誰も残っていないみたいだな……」

さすがに最近の戦いなら銃撃音には気づくはず。だが、念には念を入れて大きな音を立てておいた。
誰かが潜んでいるのなら、ある程度の武装と共に姿を現すはずだ。
それがないということは、このホテルは今現在、無人ということの証明となる。
とはいえ、監視カメラによる監視の可能性もあるため、楽観視はできない。悠人は用心深く辺りを見回して、仲間を呼ぶ。

「だ、大丈夫なの、悠人くん……玄関、壊しちゃって……」
「ああ、ちゃんと入れるようにはしてる。この中に俺の仲間が待機してるはずなんだけど……」

実のところ、ホテルの玄関を破壊したところで何の反応もないのが異常だった。
千影はどこに行ったのか、このホテルで待ち合わせしているはずなのに、どうして無反応なのか。
嫌な予感に悠人の額から冷や汗が出る。このホテルの荒れ具合、どうみても戦いの後だ。千影がそこに巻き込まれたとしたら。

(いや……早合点はするな。もうすぐ放送だから千影についての答えはすぐに出る。問題は……)

ちらり、と後ろを見る。
そこには俯きがちに悠人たちの後をついてくる、白河ことりの姿があった。
悠人が危惧するのはことりの挙動不審だった。どう見ても普通とは思えない。
顔は真っ青だし、俯いたまま悠人のほうも良美のほうも見ようとしない。心を閉ざしたかのように無言のままだ。

(女の子の日、か……俺には良く分からないけど、あそこまで変になるものなのか?)

少なくとも妹である佳織はあれほどではなかったはず。
さすがに唯一の家族、最愛の妹の異変には敏感に気づける自信がある。その経験から鑑みて、生理だけが原因とは思えない。
どこか、あの銃撃戦で怪我をしたのか。それとも生理と勘違いして実は悪い病気にでもかかってしまったのか。
答えが出ないまま、悠人は二人と共にホテルの内部へと進入した。

「エレベーターは動いているのかな?」
「ん~……動いてるみたいだけど、使わないのが無難だな。一応誘き出してみたけど、確実な案じゃない」
「じゃあ階段だね。行こ、ことりちゃん」

良美がことりの手を掴むと、ビクリとことりが跳ね上がる。
悠人はその様子にますます疑問を抱いた。まるで何かに怯えているような、そんな様子なのだ。
その予測は正しかった。良美はことりと仲の良い振りをしながら、その裏で彼女に警告を与えていた。


(ことりちゃん、困るなぁ……あんまり元気がないもんだから、悠人くんが怪しみ始めちゃってるよ?)


ことりの心に直接、語りかける。良美に手を取られて階段を上がりながら、ことりは再び体が震えだした。
あまり好ましくない反応だが、良美はその様子を見ながら少しだけ微笑んだ。


(いいんだよ? 悠人くんを目の前で殺してあげても……今なら、ことりちゃんを盾にしてあっさりと殺せるし)


それが最簿通牒。これ以上、無様なままなら用済みだ、と念を押す。
ことりは弱々しく、首を振り……そして頷いた。悠人は周囲を警戒しながら殿を務めているため、そのやり取りには気づいていない。
良美はことりの承諾で暗い笑みを浮かべる。
この女はなんて調教のしがいがあるんだろう。このまま脅し、手駒として利用するには丁度いい。あの恐怖を蘇らせてやればいい。

「良美、ことり。どうやら問題ないみたいだ。そろそろ放送だから、どこか部屋に入って休もう」
「うん、わかった。それじゃあ、どこか適当な部屋に、ね」

あっという間の変わり身の早さ。
悠人たちは二階に位置する場所まであがり、そこから部屋を一室借りて入っていくのだった。
ことりは良美の後姿を見て、震え上がる。
自分だって心を読む力がなければ、確実に騙されていた。それほどまでの完璧な演技。
その笑顔の裏側で直接、間接にかかわらず何人もの命を奪ってきた。それが佐藤良美の正体。

(どうすれば……どうすればいいの……?)

あれだけ残酷に殺してきた良美のこと、あの言葉はただの脅しじゃない。
自分の不利になる、と決めたなら一切の情も容赦もなく殺すのだろう。どんな手を使っても。
ことりは悠人の命と自分の身のことを考え、何度も苦悩するが、答えはまだ出そうになかった。



     ◇     ◇     ◇     ◇



「純一……純一、起きて。もうすぐホテルに着くわ」
「んっ……あ、ああ。すまない、つぐみ」

目を覚ますと、時刻は真夜中の0時……放送まで後15分ぐらい、というところだった。
ホテルは薄暗いが、もう肉眼でも捉えられる位置まで来ている。
純一の隣では蟹沢きぬが……それはもう、すごい体勢で眠っていた。武士の情けで下着は敢えて見ないようにしてやった。

(蟹沢……もう、あの日々には戻れないって分かってるんだよな)

他人の夢を覗き見る能力。それが朝倉純一の超能力のひとつ。
そこでは笑いあう蟹沢とその仲間たち。あの中のほとんどの人間がこの島で命を落とした。
メガネの少年、隣の家の初恋の男、兄貴分の青年、青髪の真面目そうな女性と金髪ブロンドの女性。
夢の中で蟹沢が呼んでいた名前と放送で呼ばれた名前は一致する。だが、その中で唯一名前を呼ばれていない仲間に気づいた。

(佐藤、良美か……)

名前に聞き覚えがある。海の家での録音機能に登録された、襲撃者と思しき苗字。
だが、夢で見た佐藤良美なる人物はどこから見ても人畜無害。
主催者が自分たちを混乱させるために設置した、ひとつのブラフなのだろう。純一はそのように判断してしまった。

(逢えるといいな、蟹沢)

支給品の中から名簿を取り出しながら、そんなことを思う。
純一もまた、唯一の生存している知り合いを心配していた。あんな主催者の弄言に迷わされたくなかった。

(ことり……嘘だよな。お前は無事……だよな?)

その答えはもうすぐ出る。
ホテルに他の参加者がいる可能性は高い。
だから武装には特に気をつけておきたい。たとえ殺し合いに乗った相手でも、説得してやりたい。
皆で力をあわせれば、殺し合う必要性もないんだって。そう伝えてやりたかった。

たとえそれが――――ことりを襲った奴だと、しても?

(理想は、捨てない。そう蟹沢と約束した、つぐみとも誓った)

いまさら、何を迷うことがあるだろうか。今はただ、ことりの無事だけを祈っておこう。

「ほら、カニ。起きなさい。そろそろ放送よ」
「う、うう~ん……な、何だよ~、ボクの眠りを邪魔すると、デスマスクが光臨するぜ~……」
「……どんな寝ぼけ方かしら」

それとそう、純一を支えてくれる仲間たち。
彼女たちが大切に思っている仲間……倉成武と、佐藤良美の無事を祈ろう。そう考えたまま、放送を待った。



     ◇     ◇     ◇     ◇



放送が終わった。悠人は椅子に座ったまま、じっと複雑な顔のままだった。
ことりはもちろん、良美ですら只事ではない事態を感じ取った。だが、いくら問いただしても愛想笑いばかりだった。

(……どういうこと、かな? 誰か大切な人でも死んだ……それとも、私の正体に気づいた?)
(高嶺さん……すごく、複雑な顔をしてる。どうしてだろう)

良美にしてみれば、あの放送ではむしろ好都合なものが多かった。
まず、警戒していたネリネの死。これは良美だけでなく、悠人自身も驚きと同時に収穫といっても過言なかった。
さらに良美にすれば圭一や武が生きていることも、都合がいい。自分の手で殺す相手だ、他の奴らに邪魔されたくはない。

(……国崎、お前を殺したのはアセリア、なのか……?)

苦悩の原因はそれだった。あのとき、殺してやると憎しみに燃えていたアセリアの瞳を思い出す。
さすがに止めることは出来なかったが、もしもそうならと思うと悠人は後悔に打ち震える。
それだけじゃない。放送のとき、ハウエンクアと名乗った男がいた。
面識はないが、癪に障る男だった。まるで瞬と同じような、そんな漠然とした印象……主催者側に新たな敵が加わった。

それにトウカの名前が挙がった。ハクオロの部下で頼りになる女性だったらしい。
しかし、結局合流することは適わず。こうして優秀な人材がまた一人、失われてしまったことになる。

(それに、ことりの件もそうだ。どうも様子がおかしい……少し、試してみる必要がある、か?)

良美を疑いたくはない。彼女もまた、ことりと同じように心に傷を負った少女だ。
仲間を見捨てて逃げてしまった。それは、なんて辛いことなんだろうと思う。罪悪感に押し潰されそうになるかも知れない。
だから衛やことりの時のように、励ましてやりたかった。自分に出来ることをしてやりたい、疑うなんてもっての外だ。

だが、ことりの様子がおかしすぎる。
理由は思いつけない。考えなければならないことが多すぎて、思考を整理することが難しい。
せめて、良美とカマぐらいはかけてみてもいいかも知れない。
的外れなら、お互い笑い話で済む、そんな考え―――――だが、良美もまた悠人の様子に危機感を感じ始めていた。

(まずいね……警告が少し遅かった。どうも悠人くん、隠し事が苦手みたいだね)

もしくは、自分が気づかないうちに連絡を取ったのかも知れない。
例えば不自然に心を通わせたあの一瞬、例えば放送を聞いている最中……疑わしいところはある。

もしも探るような問いかけがあった場合、どうするか。
決まっていた、疑わしきは罰せよ。
利用できない駒は即座に殺すべし。下手に生かしておけば第二の武になることは目に見えている。
今の悠人には警戒心を抱かせるまでのものはないようだ。判断が早ければ、命は軽々と奪える。
ことりは抵抗もできないだろう。悠人を撃ち殺した後、逃げる後姿に銃弾を叩き込んでやればいい。

「あのさ、良美……」
「うん、なにかな?」

それが命運を決める分かれ道。
次に悠人が口を開き、良美がそれを危険なものであると判断した瞬間……この室内は地獄と化す。
そっと銃を握り締め、場合によっては彼の最期の言葉を耳に入れようと距離を近づけ――――


「高嶺さん、誰か来ます!」


窓の様子を窺っていたことりが、このホテルで新たな参入者の登場を告げた。



     ◇     ◇     ◇     ◇



「風子……そんな……」
「そう……あの子も逝ってしまったのね」

車の中は悲しみに包まれていた。
仲間である風子の死、確かにぼんやりとしている少女だったが、それでも信じられなかった。
北川や梨花は大丈夫だろうか。純一とつぐみは二人の仲間を心配し、蟹沢もそれを察して何も言わない。

(ネリネ、貴女も死んだのね。大好きな人、死んじゃったから……?)

つぐみは胸を押さえる。それは利害だけではあったが、一瞬でも仲間であった者への黙祷。
確かに彼女は敵だったが、稟という少年が死んだ以上、殺し合いを止めさせることは出来たかもしれない。
それに、あの三人で探した想い人。恋人同士だったり、好きな人だったりしたが、とにかく地獄の島を捜索した面子。

朝倉音夢、ネリネは死んだ。
本人も想い人も生存しているのは自分だけ。まだ、最愛の武は生きているのだ。

「……ホテルに着いたわ。純一の知り合いの名前が呼ばれなかった以上、まだ無事よ」
「ああ……そうだな。ここで悲しんでいる時間はない。ことりを助けるんだ」
「ちぇ……しょうがねえなぁ。ボクも手伝ってやるから感謝しろよな。……でもよ、その前にちょっといいか?」

蟹沢の言葉に何事かと振り返る。
あまり時間はないのだが、準備を怠る者は確実に殺されるのがこの世界だ。聞いておく必要はある。

「あのよ……少し、トイレに行きたいんだけど」
「うぉぉいっ、この場でギャグは必要ないぞ、蟹沢!」
「しょうがねえだろっ!? 急にきたんだよ、奴らは突然やってくるんだよ、防御不可能なんだよ!!」
「……出鼻くじかれた気分ね……いいわ、ホテルの中にあるだろうから」

さすがにトイレで待ち伏せする奇特な襲撃者はいないだろう。
鷹野の言葉が仮に、もしも本当なのだとしたら、恐らくことりと彼女を襲った男はホテルの室内にいるはずだ。
それに、蟹沢の実力はあまり期待していない。万が一戦いになったとき、それはつぐみが受け持つべきだ。

「急ぐわよ、せめて一階のホールは制圧しておきましょう」
「わかった……行くぞ、蟹沢!」
「おっしゃあっ!!」

三人で手を合わせて気合を入れる。
目標は白河ことりの救出。三人は各々の武装を構え、玄関へと疾走した。 



     ◇     ◇     ◇     ◇


「あれは……俺と衛を襲った奴らと同じ車っ……」

見覚えがある。あの博物館での戦い、そこで襲い掛かってきた二人と、走り去る車。
姿を隠しながら二階の窓から見下ろすと、三人の男女が中から現れた。
その中の一人の姿を認め、良美は名案とばかりに一計を案じた。

(カニっちか……ちょうど良いところに来たね)

良美が口元を吊り上げて笑うのと時を同じくして、ことりはその中の一人を見て喜んだ。
朝倉純一、ことりの想い人。彼の姿が見えたとき、涙がこぼれるかと思った。
だけど、それは一瞬で凍りつく。悠人が言った言葉……それは、純一が殺し合いに乗っている、ということと同義。

(ちがう、よね……? 朝倉くん……)

様々なストレスに、ことりの心が引き裂かれそうになる。
だが、それにばかり気をとられてはいけない。悠人は立ち上がり、デイパックを引っ掴んで部屋を飛び出そうとする。

「待って、悠人くん! あの人たち、裏口から侵入してくるみたいだよ!」
「裏口からっ……? 何でまた」
「玄関、壊れちゃってるから、警戒したんだと思う!」
「分かった……二人はここで待っててくれ。一歩も動くなよ!」

走り去る悠人。このホテルの構造上、ホールと裏口への道は階段が違う。
よって、悠人が裏口に行っても一階で鉢合わせすることはない。案内板を確かめていた良美はそれを知っていた。

残されたのは良美とことり。狩る者と狩られる者。
ことりは恐る恐る、良美に話しかける。どうして、そんな嘘をついたのか……その真意を確かめるために。

「よ、良美さん……どうして、嘘なんかついたんですか……朝倉くんたち、正面から入っていったのに……」
「うん、少し面白いことになってね。あの中に私の前からの知り合いがいるの……それでね、ちょっと試してみようと思って」

良美は自分のデイパックを拾い上げる。
にっこりとした笑顔の裏側、その悪意にことりはただ恐怖した。良美は悪魔にしか見えなかった。

「ことりちゃんの演技が下手で、悠人くんが怪しんでるんだよね。おかげで危ないところだったよ。
 いい、ことりちゃん……貴女はここを動いちゃダメ。私は『仲間』に逢ってくるよ……悠人くんが襲い掛かっちゃう前にね」

クスクス、と笑って良美はことりの頬を撫でる。
そしてことりのデイパックの中を漁り、ほぼ全ての支給品を奪ってから退出した。
残されたのはことりが最初から持っていたもの。これで、ことりは無力な羊……そして良美は獲物を貪る狡猾な狼だ。

「本当ならここで殺してあげてもいいけど、その心を読む力は惜しいからね。じゃ、じっとしてるんだよ」

最後の警告が残され、ことりだけが部屋で蹲る。
どうしようもない、私には何も出来ない……そんな悔しい気持ちに、ことりは咽び泣いた。



     ◇     ◇     ◇     ◇



「つぐみ、一階には誰もいないみたいだ」
「カニは?」
「……真っ直ぐ、トイレに駆け込んだよ。でも多分、大丈夫だ」

つぐみと俺はそれぞれ、二階へと続く階段とエレベーターを見張っていた。
ここで待機していれば、とりあえず奇襲は防げるだろう。後は蟹沢が帰ってくるまで待ち、そして探索を始める予定だった。
俺からすれば、ここにことりがいないというのが一番良いようにも思えた。逢えないが少なくとも、ことりが襲われたのは嘘になるのだから。

明かりはつけなかった。確かにあたりは暗いが、つぐみの赤外線視力を持ってすれば問題ない。
俺からすればあたりの音だけが頼り。
そうしてしばらくして、つぐみが気づく。少し遅れて俺も気づく。階段を下りてくる足音に。

「つぐみ……」
「ええ、分かってるわ」

二人でうなづき、警戒する。足音はひとつ……それもかなり急いでいるような気がする。
そして一階まで降りてきた頃を見計らって、つぐみが飛び出した。俺も援護のため、その背後から武器を構える。

「待ちなさい!」
「ひゃっ……い、いやぁ……助けて……」

現れたのは水色の髪の少女。あちこちを怪我していて、何かに怯える様子だった。
あまりの怯えように警戒心が揺らぐ。とりあえず俺は少女を落ち着かせることにした。このままでは話も出来ない。

「えっと、すまない。俺は朝倉純一、こっちは小町つぐみだ。殺し合いには乗っていない、君は?」
「お……お願い、助けて……」
「一体、何があったって言うの? 落ち着いて、きちんと説明して」

ほんの数分間、俺たちはこの怯えた少女の相手に手間取ってしまった。



     ◇     ◇     ◇     ◇



つぐみの言葉でようやく落ち着けたらしい。
彼女の名前は佐藤良美……そう、この島で生き残った蟹沢の最後の仲間だ。きっと、蟹沢も喜ぶに違いない。
だが、喜んでばかりはいられなかった。むしろ、俺自身も絶望と怒りで心が黒くなりかけた。

良美から伝えられたことは、このホテルは殺人鬼の拠点となっているということ。
彼女はこの島で仲間となった人たちをその男に殺され、無理やりここに連れてこられたのだと言う。
しかも、さらに一言。自分よりも前にここに連れてこられた少女がいる、と……震える言葉で、俺はその少女の名前を聞き出した。

「その人の……名前は……?」
「ことり……白河、ことりちゃん……私が初めて逢ったときにはもう、その……服が、破かれてて……」

ガツーン、と頭を殴られた気分だった。怒りと悲しみで眩暈がした。
主催者の……鷹野の言っていたことは正しかったんだ。ことりはこの地獄の島で、死ぬよりも辛い目に合わされた。
悔しさと憎しみで涙が出た。このまま、この衝動に身を任せてしまいたかった。
何も喋れなくなってしまった俺に代わって、つぐみが良美に話を聞く。俺は少しの間、立ち直れそうになかった。

「……それで、貴女はどうやって逃げてきたの?」
「えっと……ホテルの前に車が止まったのが見えて、その男は飛び出していきました。それがなければ、私も同じ目に……」
「……それと……ことりの居場所も分かる? 貴女はこうして保護できたけど、私たちの目的はことりの救出なの」
「よ、四階の室内に……あと、その男は裏口に行く、とも」

そう、とつぐみはあくまでも冷静さを失わずに事情聴取をする。
とてもありがたいことだ。今の俺なら憎しみに身を任せた行動を取りかねない。

「良美、貴女はカニと一緒にトイレに隠れてて。それから純一……貴方は絶対、裏口には来ないで」
「……やっぱり、ダメだよな。分かってる、俺は理想を捨てない。約束したんだ」
「ええ、それでいいわ。純一は四階に……囚われのお姫様を助けに行ってあげなさい。女の子はいつでも、待っているものよ」

提案にうなづく。ここで感情に流されたら仲間に迷惑がかかる。
俺に出来ることはことりを救い、そして心の傷を癒してやるだけだ。俺が考えるのはそれだけでいい。
つぐみは俺の返事を気に入ったのか、ふと口元に笑みを浮かべた。それはまさに、不敵な笑顔。


「裏口のカマドウマは、私が相手してやるわ」


堂々の宣言をここに。
全員が頷いて、それぞれがバラバラに散った。つぐみは裏口へ通じる道へ、俺は階段へ、良美は仲間の場所へ。
白河ことり……俺の友達の救済作戦が始まった。



     ◇     ◇     ◇     ◇



こんなにうまくいくなんて、ね。
本当に皆、お人好し。甘い人間ばっかりだ。ちょっと不幸を強調すればすぐに人を信用する。
裏口にいる悠人くんは殺人鬼に。そしてことりちゃんがいる二階には気づかずに、純一くんは四階へと上がっていった。

それにしても、つぐみさんには驚いたなぁ。
もしも状況が違ったなら、つぐみさんに今の武さんの姿を見せてあげたい。聞かせてあげたい。
まあ、それは利用しつくした後の楽しみだね。今はカニっちと再会を祝福しあわないと。
ことりちゃんのおかげで悠人くんたちのチームには馴染めなかったけど、カニっちがいれば長く『仲間』として利用できるだろう。

「か、カニっちーー!」
「うん……その声、もしかしてよっぴーか!? 良かった、聞きてえこともあったんだ!」

バタバタとトイレから激しく動く音。懐かしいなぁ、カニっちらしい。
トイレから飛び出してくるのは、竜鳴館の制服じゃなくて別の制服を着たカニっちだ。涙をたたえてこちらを見る。
久しぶりの再会、そして私が彼らを取り込む準備が整う。笑顔の仮面をかぶり、私は腕を広げて泣き虫のカニっちを―――


「なあよっぴー、お前、この島に来て悪いことしてんじゃねえか?」


抱きこむことはしなかった。反射的に身体が動いていた。
悠人くんからのカマかけの対応を、脊髄反射でとっていた。つまるところ、銃を向けてしまっていたのだ。
驚くカニっちを見て、内心で忌々しく舌打ちをした。たんなる予想、もしくは冗談を私は本気に取ってしまったんだ。


「……やっちゃったなぁ、気を抜いたのがいけなかったね。自分から尻尾出しちゃうなんて」
「おいおい、マジですか……ボクは信じたくなかったんだけどな」
「カニっちに騙されるなんて、一生の不覚だよ。あ~あ、おかげで台無しかぁ……」


しょうがない、ここでカニっちも殺してしまおう。
どんなシナリオがいいかな。悠人くんが生き残ったら、カニっちが私に襲い掛かってきたので、殺してしまったでいいとして。
純一くんたちなら、新しい敵が現れたということにしよう。ハクオロに罪を擦り付ければいいね、まだ生きている殺人鬼なんだから。


「なあ、よっぴー。ほんとに悪いことしてるってんなら、ボク怒るぞ。オメーの悪事は録音機で他の奴らに発信したからな」
「っ……本当にひどいね、カニっち。まだ私が乗っていることに確証なかったのに、そんなことして」
「転んでもただでは起きない、それが蟹沢クオリティさぁ! 悔しい? だったらそれがボクの喜びになるね~」

つまり、もう参加者たちに紛れ込むのは下策になっちゃったわけか。
本当にバカなカニっち。こうなったら、少しは後悔させてあげたくなるよ。どんなことがいいかな。
決まってる、私が殺したスバルくんの話をしてあげよう。きっと、カニっちのお気に召す物語のはずだ。


「ねえ、カニっち。スバルくんの最期を教えてあげようか?」
「あはははは、は……? スバルの、最期……?」
「うん、スバルくんはね。殺し合いに乗っていたんだよ。私を騙して、私の仲間たちに金属バットを振り回したんだ」


カニっちの顔に動揺が走る。なんて愉快、なんて痛快。
だからね……そう、間合いをおいてカニっちを焦らし、そして絶望へと送る冥土の土産をプレゼントしてあげた。

「私が殺してあげたよ。喉元に、グサリってナイフを飛ばしてね。すごく壮絶な最期だったよ。
  対馬くんの仇のためだったのか、それともカニっちたちを殺してまで優勝したかったのかは知らないけど……良かったね、逢えなくて」
「よっぴー……オメー……」

さあ、お喋りの時間は終わり。銃……はまずいから、やっぱり刀かな。
デイパックの中を漁っていると、カニっちが何やら笑っている。それにふと、違和感を感じた。

「なあ、よっぴー。オメー、純一たちには逢ったか?」
「うん。私の話をバカ正直に信じてくれたよ。お人好しばかりだね」
「へえ……本当に、信じたと思ってんのか」

言われた途端、事の次第に気がついた。
カニっちが私を疑っている、ましてや録音機で吹聴して回っている。だとするなら、純一くんたちが私を信用する理由は?
仲間である純一くんやつぐみさんが、知らないはずがない。まさか……あれは演技だったとでも。

「今だ、純一! クラゲ! よっぴーを押さえつけろっ!!!」
「くっ……しまっ」

パァン、パァン!
背後に振り向くと同時に、引き金を引く。とりあえずの牽制だ、こちらに武装は多いんだから。
だが、そこには誰もいなかった。私を押さえつけるのだから、そこにいなければならない人がいない。
莫迦な―――――まさか、と思って振り向いた瞬間、私の視界は埋め尽くされた。


「くらいな、よっぴー! 代金はいらないぜえっ!!」
「うぁあああっ……!!」


突然、顔面に降りかかる大量の水滴。目を見開いた私の瞳に直撃し、俯いてしまう。
口の中にも水が入った。そして気づく、これは水じゃない、炭酸飲料水……それが振動によって噴出したんだ。
騙された、騙された……カニっちのような、単細胞にうまく出し抜かれた……!

「じゃあな、そこで少し反省していろやっ!!」
「くっ……このぉ……!!」

持っていた銃を我武者羅に連射する。
S&W M627PCカスタム……残った六発全てをぶち込むも、カニっちの逃亡を防ぐことは出来なかった。
だが、苦しんでいる場合ではない。
地団駄を踏む暇があるのなら、急いでカニっちの口を塞がなければ。いや、せめて何人かは葬っておかないと。

「逃がさない……!」

銃に新しい弾を装填する時間も惜しい。
私はことりちゃんから奪ったベレッタ M93Rと地獄蝶々を掴むと、すぐに追跡を開始した。


172:悲しみの傷はまだ、癒える事もなく 投下順に読む 173:地獄の島、向日葵の少女(中編)
172:悲しみの傷はまだ、癒える事もなく 時系列順に読む 173:地獄の島、向日葵の少女(中編)
165:もう二度と 迷わないと 誓えるこの想い 朝倉純一 173:地獄の島、向日葵の少女(中編)
165:もう二度と 迷わないと 誓えるこの想い 小町つぐみ 173:地獄の島、向日葵の少女(中編)
165:もう二度と 迷わないと 誓えるこの想い 蟹沢きぬ 173:地獄の島、向日葵の少女(中編)
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