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  • 覚悟のススメ

ギャルゲ・ロワイアル@ wiki

覚悟のススメ

最終更新:2007年07月18日 11:55

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覚悟のススメ ◆KZj7PmTWPo



「――っはあ! は、はぁ……っ。くっ、う……くそ!」

 熱の篭もった荒ぶる吐息に悪態を孕ませながら、静まり返った夜の住宅街を岡崎朋也が駆け抜ける。
 額から流れ落ちる汗を煩わしそうに手の甲で拭い、有らん限りの力で大地を蹴り飛ばす。
 彼の肩に下げられたデイバックが乱暴に揺れる様は、切羽詰った今の状況を代弁しているかのようだった。

 ――冗談ではない。
 訳が分からぬ内に孤島へと拉致されて、やりたくも無い狂的な催し事を無理無体に要求されているのだ。
 こちらの都合は一切考慮せず、更には決して歯向かえぬ様、爆破装置の首輪までも装着されている始末。
 納得できるはずもないのだが、強要する側も了承を得ようなどと思ってはいないのだろう。
 寧ろ箱庭で行われる面白可笑しい殺人遊戯を、それこそ茶飲み話を興じるかのようにして楽しんでいるのではないか。
 憎たらしくも殺意が湧いてくるが、主催側の目的や動機を真剣に考えている暇もない。危ぶまれた命を守ることに精一杯なのだ、それも無理のない話である。

 碌に年を重ねていない朋也とて、殺し合えという横暴な理由でむざむざと死にたくはない。
 今まで日々平穏に生きてきた彼だが、変わらずにはいられない世界には嫌気が差していた。一人取り残されるのが嫌で、躍起になっていたとも言える。
 自宅にいても父親との確執は相変わらずだし、学校に登校しても気に喰わないことばかりだ。
 唯一の暇潰しと言えることは、同級生の春原陽平を扱き下ろして退屈を凌ぐ程度でしかなかった。
 目的も無く、ただ怠惰に暮らしていた筈が、突拍子も無い出来事に巻き込まれた末にこの孤島に立たされている。
 不満ばかりを抱えた世界が、どれほど尊重できるものかを改めて気が付いた。
 現状に拒絶ばかりして、見放されて辿り着いた場所がこの殺し合いの場だとしたら、余りにも甘えが過ぎたのではないだろうか。
 後悔は時既に遅し。この理不尽な非現実は、駄々を捏ねた拍子に、禁忌の境界線へと踏み込んだ自分自身に責任があるような気がしてならない。
 ――それは錯覚。気弱になった精神が、起こり得る現実から目を逸らす逃避でしかない。
 つまりは起こるべくして起こった、運命のようなものだと受け入れるのだ。
 ここで単に運が悪かったなどと言われてしまうと、幾らなんでも哀れすぎて報われない。
 それを強く意識させるのは、現在の状況に原因の一端があると言えた。

 早い話が、彼は追われていた。
 思考が纏まりきらぬ内に一人の男性と遭遇し、朋也にとっては程度の低い質問を男より寄せられたのだ。
 幾つかの質疑応答の後――問答無用で襲われた。律儀に答えた朋也からは有力な情報が得られなかったために、最早用無しといった具合にだ。
 素早い動きで背後に回りこまれ、呆気なく首元を絞められた。 
 放っておけば絞殺行為による窒息死は免れなかったのだが、こうして生きている以上は事無きを得たのではあるが。

(――あの時は運が良かったな……。あれは銃声、か? 物騒極まりないが……助かった)

 男に殺されかかった寸前に、決して遠くない位置から甲高い音が夜の沈黙を切り裂いたのだ。
 恐らくは銃声。凶行に走っていた男もそうだが、意識が散漫となっていた朋也もその音に僅かな驚きを見示した。
 男が力を緩めた瞬間は、事態を好転する絶好の機会。後方にいた男の顔面へと頭突きを喰らわし、命辛々抜け出すことに成功したのだ。
 だが、一時的に開放されたからといって、危機から完全に脱したとは言い難い。
 男の立ち回りや雰囲気からして、まともに相対しても勝ち目がないことは薄々感づいていた。躊躇無く殺しに掛かったのだ。覚悟の度合も別格である。
 ならば、取るべき最良の行動は言わずもがな。三十六計逃げるに如かずだ。
 直撃した鼻を押さえる男には目もくれず、制止を含んだ怒声を振り切って逃走を計ったのだった。
 しかし、大人しく諦めて見逃かと思えば、否。逃げた朋也に引導を渡すべく、追跡するに決まっている。
 一時凌いだとはいえ、歴然の身体能力によって即座に捕縛されるに違いない。男に追いつかれぬ様、より早くより工夫して逃げ延びなければならなかった。
 圧倒的な能力差と理不尽な不運に塗れるも、朋也は幸運からも決して見放されてはいなかった。彼の傍に転がる一条の希望。
 それは、より早く移動する為の術である。

「はっ、はぁ! は……っ!」

 朋也はその身を乗せた金属の板に重心を乗せ、簡易のハンドルにしがみ付きながら大地を蹴って滑走させる。
 彼のバックから転がり出た支給品の一つ、それがこのキックボードだ。
 逃走手段を欲していた朋也にとって、何とも都合の良い道具であった。不運の中の幸運とはよく言ったものだ。
 自らの足より断然速度が出るキックボードは体力の節約にも一役買い、且つ折り畳み式のために使い勝手も非常に良い
 これさえあれば、男との距離を引き離すことが楽にこなせそうだ。その確信に、朋也は何度も速力を加えてはボードに乗るといった風に動作を繰り返していた。
 ――いけると思った。これだけ苦労しているのだ。追い縋ることも難しい速度は、男を諦めの境地へと至らせたに違いないという自己満足に浸らせるのだ。 
 何処まで走れば安全なのかは見当もつかないが、何時かは安住の地へ避難できると信じて無心に足を動かした。
 時間を忘れて住宅路の走行に没頭していたのだが、前ばかりに気を取られ、背後に気を配ることを疎かにしていたことが失策である。
 ――背後に迫る軽快な足音を、無警戒にも完全に聞き落としていたのだから。

 グチュリという、筆舌に尽くしがたい擬音が朋也の耳朶を打つ。
 次いで、脇腹に灼熱の激痛が走った。

「――っがぁ……っ!?」

 バランスを崩し、思わず転倒する。
 キックボードから身体を投げ出され、コンクリートに強く肩を打ちつけた。
 苛ただし気に舌を打つ音が、後方から一際大きく聞こえる。望む狙いが逸れて、気分を害しているのだろうか。
 朋也は噴き出した脂汗にも構わずに、鈍痛を続かせる脇腹へと手を触れた。 
 触れてから後悔する。掌が生暖かい感触に包まれて、服の上からでも否応無しに負傷したことを知らしめたからだ。
 被害は脇腹部分の上着を破っただけに止まらず、朋也の肉を無残にも抉っていた。
 ――何かに貫かれた? いや、何かが通過したのか。――解らない。遠方から攻撃されたのだから、飛び道具を持っているということだろうか。
 だが、一つだけ疑いようのない明確な事実なら解る。
 ――絶体絶命ということだ。
 襲撃者がこれ幸いとばかりに歩を進めて接近する様子に、朋也は慌てて立ち上がる。吹き飛んだキックボードへと、覚束ない足取りで駆け寄った。
 今この走行手段を失うわけには行かないのだが、何も危険を冒してまで回収する程の物でもない。 
 ボードを手元に戻すことだけが理由ではなく、朋也の目的はその先。
 ――一軒の二階建て家屋だ。

「くっ……」

 進行方向にあったボードを鷲掴む。そのまま家の扉を勢いに任せて開け放ち、転がるようにして室内へと飛び込んだ。
 扉に施錠がされていなくて幸いだった。室内へと土足で上がりこみ、足を縺れさせながらフローリングの床を駆ける。
 ――扉の鍵は、敢えて閉めなかった。
 光が消沈した室内は酷く暗かったが、何度も躓き額を打ちけながら二十畳程度のリビングへと辿り着く。
 瞳を凝らして内装を確認後、朋也は床面から天井の高さまである大きな窓――ハイサッシに目を留めた。
 すぐさまハイサッシへと飛び付き、もどかしそうに指を掛けて開け放つ。
 錆のない縁を大きな窓が無音で滑り、芝生で統一された小奇麗な中庭が視界に映された。
 そこから逃走するのかと思いきや、中庭を一瞥しただけであっさりと背を向ける。デイバックを傍に置いて、あろうことか座り込んでしまった。
 一見恐怖によって腰を抜かしたのか、もしくは諦めがついて脱力したかのように見えただろう。
 ――ただ一部、眼光を除いて。
 腰を落とした朋也の瞳に動揺や焦燥の色は窺えず、覗くのは燃え滾る凶暴な眼光。 

 彼は霞も諦めてはいなかった。後退するのはもう止めだ。
 こちらは殺されかけた。今も尚、煩わしくも命を狙われている。
 ならばどうする? 相手が匙を投げるまで根気強く逃走するのか? はたまた哀願して同情を誘う? 靴でも舐めるか?
 ――全てふざけろ。
 どうして自分だけが被害者の役割を課せられなくてはならないのだ。この孤島では互いの権利は平等で、立場は同じ筈だろうに。
 無抵抗に流されるなど誰が決めた。狩られる小物に甘んじる必要など始めからなく、元より両者が狩人だ。躊躇う余地など何処にもあるものか。
 別に御大層な生きる目的が有る訳ではないのだが、理由も無く他人の糧になってやるなど酷く癪に障る。
 いい気になって追い回す輩に、相応の報いを与えてやらなくては気がすまない。

 今回の境遇が運命だというのなら、それは唾棄すべき愚かな逃避。
 ただ単に運の巡りが悪いというのなら、その悪運を持って我武者羅に覆して見せる。
 ――何を賭しても生き延びるのだ。意味不明の思惑に絡まって、価値も無く死ねるものか。
 逃げ回っても勝機が見出せないのならば、徹底的に抗戦あるのみだ。
 倒れ伏すにしても、悪くて道連れだ。妥協も甘えも認めない。
 朋也の胸中から、凄惨な黒い衝動が鎌首をもたげる。
 先方は殺し合いを御所望だ。執着のない世界だが、それでも帰還するためには筋を通さねばならない。
 男は殺意を向けた。よって、朋也は執行を許す免罪符を手にしたことになる。
 ――これは正当防衛だ――殺してしまえ。

 痛みを堪えるためか、朋也は一度だけ強く奥歯を噛みしめる。
 大きく息を吸い、口火を切った。

「お、おい! 俺は殺し合いをするつもりなんか無いんだよ! どうして襲うんだ……っ!?」

 震えが走り、必死になって誤解を解く表面上とは別に――

(――さあ、来てみろクソ野郎……!)

 内心では、友好的な態度は微塵も残っていなかった。
 だが、身体の震えは決して演技という訳ではない。
 焦りや緊張の中で、少なからず彼の身体は興奮に打ち震えていた。
 傍から見れば、袋小路に追い詰められた状態なのだ。迎撃に失敗すれば、間違いなく命の保障は無い。
 朋也はデイバックに手を差し入れ、冷たい金属の感触を今一度確かめる。

(これでなんとか……)

 彼が備える最終手段は、唯一手持ちの中では攻撃を可能とする道具だ。
 効力が期待できるのは、ある程度接近していなくてはならない。
 つまり先程の弱気な発言は、敵を誘き寄せるための方便に過ぎないのだ。
 強気な態度で怒鳴った所で、準備が周到に施されていると勘繰られてしまう。
 警戒心が異常に強い者ならば、どちらにしたって無用心には近寄らない。それに関しては祈るしかないのだが。
 一応、朋也には必死扱いて逃げ回った末に負傷したという、ある意味敗北必至の状況を醸し出しているのだ。
 抵抗する気力が薄れ、何の力も無い弱者が命乞いをしていると勘違いしてくれれば儲け物である。
 追い詰めた獲物に止めを刺すべく、少しの油断を抱えてリビングに踏み込んでくれれば体勢が整う。
 険しい視線をリビングへと通じる廊下に寄せていたその時、暗闇がゆらりと陽炎のように揺れた。

(――来たっ!)

 ゴクリと唾を呑む。その音が余りのも大きかったので、自分の企みが察せられたのではないかと一瞬不安に駆られる。
 しかし、その不安は悪い意味で杞憂であった。
 精悍な顔立ちの男は姿を現して直ぐに、朋也を襲ったであろう凶器の矛先を向けていたのだから。

(ボーガン!? あれに撃たれたのか……)

 無骨で物々しい塊に背筋を凍らせる。仮に突き刺さっていれば、鏃が肉体に喰い込み引き抜くことすら困難を極めるであろう。
 激痛に苦しむ自分の姿を想像すると、今更ながらに冷や汗を感じずにはいられなかった。
 そんな物騒な凶器を男は躊躇いもなく放出し、現在も自分を射抜かんと照準が合わされている。
 朋也の企みなど介せずに、正しく問答無用とばかりに射殺す算段なのだろう。
 言葉を掛けるでもなく、早々と逝かそうと目元を細めた男へ向けて、今一度声を張り上げた。

「ま、待ってくれよ!」

 この後に及んで懇願かと、男は朋也の往生際の悪さに肩を竦めた。
 助命を聞き届ける様子は無いが、辞世の句程度ならば発言を許すといった具合だ。
 罪の無い少年を殺すことに一抹の不憫さを感じ入るといった、少なくとも良心の呵責には苛まれているようである。
 根っからの悪人と言う訳では無さそうだが、今の朋也には知ったことではない。
 今だけは高みから余裕綽々で精々哀れんでいろと、胸中で毒付いた。

「アンタ確か……目元を白い仮面で覆った男を探しているんだよな?」
「…………」
「確かにそいつは見てない。事実だ。……だけど、アルルゥって奴なら見たぞ」
「……なに?」

 ――喰い付いた。
 男の風貌は、見た限り普通の人間とは言えそうになかった。何処かの幻想世界のように耳が長かったためだ。
 更に名簿を予め確認しておいた時に目を留めたものが、日本人とは言えぬ名前の数々。
 完全な想像に過ぎないのだが、それらの不思議な名前は、亜人に属する者達の名前ではないのだろうか。男の姿をこの目で見たからこそ、初めて立てられる推測だ。
 アルルゥという名前を選出したのは、響きからして恐らく女性且つ、名簿では最上段に記載されていたといういい加減な理由なのだが。
 分の悪い賭けもいいところではあるが、喰い付いた以上は同郷関係者なことは間違いない筈だ。
 朋也にとって、男が攻撃の手を一瞬緩めてくれるだけでよかった。相手が興味を示す事柄ならば、引き合いの内容に目的との因果関係は無いのだ。
 とんとん拍子に進む自身の浅はかな思惑に、内心ほくそ笑む。

「市街地の外で……一度だけ見かけたんだ」
「……今更だな。どうして先程言わなかった?」
「アンタが仮面の男のことだけを聞いて、襲い掛かってきたからだろうがっ!」

 不備は碌に話も聞かなかった其方にあると、大袈裟とも言える態度で激昂したように叫んだ。
 男は苦々しく押し黙るも、すぐさま訝しげに眉根を顰める。

「それで? 何を聞き、何を見た? 一体何時頃で――」
「――そ、そうだ。そいつから預かったものがあるんだ――」

 男の言葉を遮る形で、朋也はデイバックへと手を差し込んだ。
 迂闊な言動を吐いてぼろを出してしまえば全てが水の泡。望む回答は持ち得ないのだから、無闇に口を開かせる訳にはいかなかった。
 早鐘のように鳴る心音を誤魔化すように、バックに突っ込んだ腕を忙しなく上下させる。
 それは男からすれば不審な行動とも取れるのだが、人間は死の危険を感じると酷く饒舌になるという。
 自分の立場を少しでも有利にせんと、必死になって貢物を献上しようとする切実な姿に見えなくもないのだ。

「…………」

 殺すのは後からでも遅くはない。そう思ったのか、バックを漁る朋也を腕を組んで見下ろした。
 キックボードに乗っても尚、強靭な身体能力で追い縋れる実力者なのだ。仮に襲われても、素早い身のこなしで迎撃できるという余裕の表れだろう。 
 ――その慢心こそが、朋也を勝利の確信へと至らせた。
 伏せた憫笑を噛み殺し、デイバックに差し込んだ腕を引き抜いた。
 ――円状のピンが抜けて、信管が作動した手榴弾を握って。
 男の方へと、無造作に放った。

「――そら! 爆発するぞ!!」
「な――っ!?」

 男が驚愕に喉を詰まらせ、注意が一瞬朋也から逸れる。
 放った当の本人はというと、その隙にまんまと開け放たれた窓から中庭へと脱出していた。
 すぐさま地に伏せる。
 ――直後、凄まじい爆音と熱風が朋也の頭上を通過した。
 大地を振動させる轟音と、刹那に輝く爆炎は住宅地一帯を包んだのではないだろうか。
 爆音が収まった数秒後、硬直させていた力を弛緩させて顔を上げる。
 正直、予想外の威力だが有用性は期待できた。
 立ち回り次第によっては、襲い来る強者の駆逐も容易に行えることだろう。
 利きが悪くなった聴覚の具合に顔を顰めながら、痛む脇腹を押さえて立ち上がる。

 惨状を省みるならば、男は無傷とは言い難いのではないか。
 爆散したリビングの様子に、彼は口許を吊り上げてざまあみろと悪態付いた。
 立場を逆転させる下克上を成し遂げて、愉快な優越感に浸らせる。罪悪感など、そこには一片たりとも存在しない。
 ――だが、実際は紙一重のタイミングであった。
 暗闇の中で手榴弾の存在を認識してもらうために、敢えて挑発するように進言したのだ。
 発生した隙を狙って離脱する考えは、男が惑わされなかったら意味のない行為となる。
 一歩間違えれば、背を向けた途端に矢で射抜かれてお陀仏となっていたことだろう。
 手榴弾を放った位置も絶妙であった。全後方、どちらに進路を取るかという迷いが手榴弾の遅延時間を稼ぐことに繋がるのだ。
 当然自分に近すぎれば意味はないし、男に近すぎれば距離を離さんと中庭へと飛び込むだろう。つまりは、朋也の方角へと。
 手榴弾の存在に気付かずに矢を放ち、狙撃された朋也と共に爆散して心中という場合もあったのかも知れない。
 だが、現に生き残ったのは自分だ。仮定の話など、勝者の前では霞みゆく妄想に過ぎない。
 この世界が弱肉強食だと言うのなら――やってやる。

「――こんな所で、死ねるかよ……!」

 夜空へと恨み言を吐き散らし、荷物を抱えて走り出す。
 自身が引き起こした散々たる有様の住宅には、一切の感慨も後悔も感じ入ることはなかった。
 彼の脳裏に渦巻くのは、執着する生への柵と道理のない展開に対する激しい憎悪。
 相反し合う二つの感情を抱えて、彼は夜の住宅地へと消えていった。


 ◆◆◆◆


「くっ、ごほっ、ほっ……! やってくれる――!」

 爆発で木屑諸々が吹き荒れた室内に、人影が揺らめいた。
 男――オボロは咳き込みながら傍に立てたテーブルを蹴り倒し、中庭に向かって疾駆する。
 風圧で荒れた中庭へと目線を走らせるも、人の気配は既にない――逃げられた。
 オボロは不快気に舌を打つ。
 ――油断はしていなかった筈だ。だが、警戒を怠ってしまったのか。 
 逃走劇を放棄した朋也には不審な点も多かったし、逃走経路と思わしき大きな開口部の出窓にも注意を向けてはいた。
 ――罠。そうと解っていながら強行した理由は、やはり慢心がこびり付いていたのだろうか。
 結果、虚偽の妄言に時間を許し、牙を突き立てられたのだ。迂闊であった。
 早々と止めを刺しておけば良かったと、今更ながらに悔やまれる。

 本来ならば、朋也が一度転倒した時が絶好の機会だったのだ。可能であったのならば、オボロとてそうしていた。
 彼に支給された武器は、弦を一度引き絞ればそのまま維持できるクロスボウだ。
 ボルトという太く短い矢を装填することにより、通常の弓とは比べるまでもない威力を叩き出す便利な代物である。
 飛距離や貫通性も悪くはないのだが、ただ一点。それこそが致命的な欠点であった。
 ――連射が利かないのだ。一度撃てば、装填に時間が掛かるという短所は、追撃戦には極めて不向きといえる。
 有効活用するならば的が固定される攻城戦なのだが、どちらにしても近接戦闘を好むオボロには不釣合いな武器であった。
 刀剣類さえ支給されていれば、反抗の猶予も与えぬ内に瞬殺できたものを。――無い物ねだりだが。

 更には不可解な現象もある。身体に纏わり付く制限の重みだ。
 弱体化した所為で、大した速さでもない珍妙な移動道具に追いつくことにも一苦労であり、朋也の突飛な行動に対応する反射速度までもが衰えていた。
 放たれた奇怪な爆発物には、横に倒したテーブルを防壁として何とか事態を凌いだ。危機を敏感に察知できたのは、やはり塩を送った朋也の言動にある。
 確かに、朋也が爆発物の存在を口に出して言わなければ、単なる球体が転がってきただけだと気にも留めなかったのかもしれない。 
 彼が敢えて知らせたのは、やはり信じるべきかそうでないかの戸惑いを生じさせる策だったのだろう。
 だが、その発言を虚言と切って捨てるには余りにも危険であった。
 仮にはったりだとしても、その間発生した僅かな時間内で、能力が高いオボロからは到底逃げ切れる筈がないと理解していたはずだ。
 ならば、叫んだ「爆発するぞ」という言葉は、朋也が逃げる上では爆発してもらわないと都合が悪い。
 爆撃される可能性に身を置いたまま無視して追撃するか、はたまた一抹の危険性を信じて身を伏せるかの二肢択一。
 オボロが下した決断は、念を置いての保守的な考え。要は一時追撃は諦め、止む無く安全面を優先したのだ。
 ――ちなみに理由としては、何てことはない。戦乱の中で磨き上げられた直感に縋っただけのこと。
 感性までもが一般的な水準に落とされていたら、恐らく爆発によって一撃で昇天していただろう。
 ともかく、落ちるに落ちた身体能力は遺憾の極みだ。鍛え上げた能力を、無情にも奪われたのだから。
 培った能力を取り戻したいが、如何ともし難い。

 オボロは直情的が故に、頭で物を考えることが得意ではなかった。
 策を練る役目は、何時だって兄貴分であるハクオロの領分だ。
 今までも万事上手く事を運ばせ、決して悪い結果にはならなかった。 
 自身の役割など、そんな彼を戦力的に補佐する以外には用途も価値も見出せない。
 だからこそ、尊敬するハクオロに貢献するべく前線に立つのだ。
 それは、此度の状況とて何ら変わることはなかった。
 脱出方法を捻り出すのはハクオロで、戦うしか能の無い自分は彼の安全面を考慮しなければならない。
 単純明快。つまりは、害を及ぼす可能性のある参加者を少しでも減らして、危険性を無くしていくしかないのだ。
 そう心に決めた結果が先程の失態なのだとしたら、自分の決意など張子同然である。
 獲物が不憫に感じた。罪悪感も確かにあった。
 だが、後ろ向きな同情心に引き摺られて、取り返しの付かない事態に陥れば、損害を被るのは誰なのだろうか。
 ――決まっている。自分が補助仕切れないせいで、ハクオロを危険に晒してしまう。万が一に殺されでもしたら元も子もない。
 自身の取るに足らない葛藤など、ハクオロの身の安全の上では下らぬことだ。
 こういう時に役に立たずして、一体何時役に立つといえるのか。
 ハクオロは、オボロが殺人に手を染めることを決して喜ばないだろう。そんなことは先刻承知だが、それでも押し通す。
 国にとっても自分達にとっても、彼はなくてはならない必要な存在なのだ。己の命を天秤にかけるまでもなく、その重みを誰よりも理解している。
 オボロ一人が修羅の道へと歩むだけで、ハクオロに向けられる悪意が少しでも払拭されるのならば、喜んで茨の道へと踏み込もう。
 それが、この殺伐とした環境下で恩を返せる唯一のことだ。

 可能性のある参加者、即ち全参加者は始末に値する対象である。
 目撃者は発見次第、有用な問答による情報の抽出。その後は有無を言わさず、予断も躊躇も必要ない。
 朋也を逃がしたのは痛手だが、そう遠くには言っていない筈だ。再び追走して接触しさえすれば、口封じには事足りる。 
 その前にオボロの出で立ちが口伝で広がっていれば厄介だ。関係者の人間へ、逆恨みとして襲われでもしたら目も当てられない。
 よって、殺人手法は今度こそ迅速に。
 スッと冷酷な表情を浮べ、大きく大地を蹴った。 
 夜の空気を切り裂いて、一人の男が疾走する。

「――ユズハ……待ってろよ。すぐに戻るからな」

 必ず還ってみせる。
 ハクオロ達と共に、愛する妹が待つあの世界へ。



【F-4 住宅街/1日目 深夜】

【岡崎朋也@CLANNAD】
【装備:キックボード(折り畳み式)】
【所持品:手榴弾(残4発)・支給品一式】
【状態:脇腹軽症(痛み継続)・興奮】
【思考・行動】
1:何が何でも生き延びる。
2:悪意があると感じれば、容赦なく攻撃。
3:少しは知人の安否が気になる。
4:オボロが探していたハクオロのことを警戒。
【備考】
オボロは死んだ、もしくは瀕死だと勘違いしています。


【オボロ@うたわれるもの】
【装備:クロスボウ(ボルト残9/10)】
【所持品:支給品一式(他は不明)】
【状態:全身に擦り傷・普通】
【思考・行動】
1:朋也を追跡後、始末する。
2:ハクオロ、エルルゥ、アルルゥ、トウカ、カルラなどといった例外を除いた参加者の排除。
3:ハクオロと一度合流。(殺し合いに進んで参加していることは黙秘)

【備考】
彼らが驚いた銃声は、水澤摩央が朝倉純一へ向けて撃った時のものです。
手榴弾の爆音は、当たり一帯に響き渡りました。


028:笑顔の向こう側で 投下順に読む 030:廃止鉄道の夜
028:笑顔の向こう側で 時系列順に読む 032:最高なお先真っ暗
岡崎朋也 052:許せる嘘か? 許されざる嘘か?
オボロ 047:悲しい決意


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