概要

Game GuruはFPSを簡単に作ることのできるゲーム制作ツールです。

FPS以外にもTPS、ホラーアドベンチャー、ファンタジーRPG、キッズ向けゲームなどが制作できるとアナウンスされています。

エディターをポチポチするだけで、とても簡単にFPSを作ることができます。ゲーム制作初心者にも安心。

またLuaスクリプトに対応しており、Luaスクリプトを使用することで、自由度の高い演出やゲームシステムの拡張を行うことができ、ゲーム制作上級者も満足できるツールとなっています。

※ 日本語には対応していません。

 

素晴らしい点

とっても簡単である

色々なゲーム制作ツールがありますが、その中でもGameGuruは特に簡単です。

マップを作って、敵やモノを置いて、プレイヤーのスタート地点を指定するだけで、もうゲームとして完成してしまいます。

 

ネットワークマルチプレイに対応している

なんと標準機能で、ネットワークマルチプレイに対応しています。

ネットワーク関係の難しいプログラムを組む必要はありません。なんて素晴らしいのでしょう。

 

安い

1,980円ととっても安いです。また頻繁にセールが行われるため、500円や1000円などで入手することも可能です。

実際にこれを書いている私もセール期間中に追加素材全部入りセットを2000円くらいで買いました。

ゲーム制作ツールは1万円くらいするものが多く、とても高いのですが、GameGuruは低下でも1980円です。

実際に1980円の価値はありますし、それ以下で買えることも多いので、とても安いと言えるでしょう。

 

問題点

ゲームエンジンがしょぼい

サンプルゲームなどを遊んでみると分かるのですが、GameGuruで制作できるゲームは一昔前のしょぼいFPSレベルのゲームであることが分かります。

エンジンがデフォルトで備えている機能もしょぼく、数が少ないため、GameGuruで大作ゲームに匹敵するようなゲームを制作することは無理です。

グラフィックもしょぼいです。2000年頃のゲームといった感じでしょう。その割にやけにロードが重く、ローディング時間がかなり長いです。

 

エディター機能が貧弱でスクリプトの利用が前提である

実際に起動してしばらく触ってみると分かるのですが、エディターの機能が非常に貧弱であることが分かります。

エディターは単なるマップエディター(レベルエディター)と言ってよいレベルの機能しか存在せず、まともにゲームを作るとなるとLuaスクリプトを書かなければいけません。

例えば、RPGツクールシリーズはエディターの標準機能だけで立派なRPGがすぐに作れます。スクリプト機能は上級者が使用すれば良いだけです。

しかし、GameGuruではまともなゲームを作ろうとすれば、Luaスクリプトの利用はほぼ必須です。

 

幸い、スクリプト素材は公式フォーラムで多数紹介されており、出来の良いスクリプトは公式ストアで安価で販売もされています。

 

スクリプトエディターが用意されていない

スクリプトエディターが用意されていないので、ちょっとスクリプトをいじろうと思うと、スクリプトフォルダーを開き、テキストエディターで編集する必要があります。

はっきり言って面倒くさいです。

 

ヘルプ、チュートリアルが少ない

これが一番の問題点でしょう。説明書には簡単なチュートリアルしか用意されておらず、ヘルプもろくなものがありません。

公式フォーラムの情報を漁ったり、Youtubeのチュートリアル動画を見るくらいしか方法はありません。

または、触って覚えるしかありません。

Youtubeにチュートリアル動画が何本かアップロードされていますが、肝心の知りたいことは解説されていなかったりします。

また、Luaスクリプトを書く際に使用できるゲームエンジンの機能の解説(リファレンス)なども用意されていません。関数名などから、想像して使うしかありません。

幸いなことに関数名はわかりやすく、ほぼ関数名通りの機能です。

 

デフォルトのAIが馬鹿

デフォルトで用意されているAIは、とてもじゃないですが褒められたものではありません。

視界に入るか、すぐ近くで騒音を立てるかしないと、敵はプレイヤーに気づきません。

撃たれても、プレイヤーが視界に入っていなければ棒立ちのままですし、隣に立っている味方が撃たれても棒立ちのままです。

ただし、このAIもLuaスクリプトによって書かれているので、自分で賢いAIに改造することは可能です。

公式フォーラムでも賢いAIが公開されていますので、探してみましょう。

 

オリジナルキャラクターの追加が面倒

モデリングツールや、モーションツール(キャラクターに動きをつけるツール)等は用意されていないので、他のツールなどを利用することになります。

代わりに、Character Creatorというオリジナルキャラクター作成ツールが使えます。用意されている素材を組み合わせてオリジナルキャラクターを作れるツールです。

まぁ用意されている素材がクソ不細工なアメリカンばかりという問題点はあります。間違ってもイケメンや美少女は作成できません。

 

まとめ

本格的なゲーム制作ツールを期待してはいけません。

しょぼいFPSを簡単に作れるおもちゃです。

そう思えば楽しく遊べますし、十分に1980円の価値はあります。

逆に言えば、それだけの価値しかありません。

 

ゲーム制作ツールとしては、簡単なんだか難しいんだかよく分かりません。

マップを作って、できあいの敵を置いて、撃ち殺すだけなら、誰にでもすぐに出来ます。

ちょっと演出を追加したい、とか自作の絵を表示したいとか、カットシーンを作りたい、などの色気を出すと、Luaスクリプトを書く必要があって、まともにゲームを作るのであれば、Luaスクリプトを書くのは必須でしょう。

 

簡単を謳い文句にするのであれば、そういった基本的なことはエディターだけで出来るようにしてほしいですし、ヘルプやチュートリアルを充実させてほしいです。

 

一方、スクリプトが書けたからと言って、元のゲームエンジンがしょぼいので、そんなに面白いゲームは作れません。

公式フォーラムを見ても、パズルゲームやジャンプアクション、ホラーアドベンチャーばっかりが作られていて、本格的なFPSなんぞ誰も作っていません。

逆に言えば、パズルゲームやホラーアドベンチャーなんかは技術力よりも演出やシナリオ、センスが大事ですから、GameGuruで十分に質の高いものが作れると言っていいでしょう。

 

SteamにはGameGuruで作れるゲームより下のクソゲーがいっぱいありますし、おもちゃとして見ればGameGuruはそこそこ遊べる良いおもちゃですよ。

最終更新:2016年01月12日 00:30