GameGuruレベルデザイン考

 GameGuruMaxという上位バージョンが2020年の秋頃にリリースされるらしい。

 Maxではレベルデザイン機能(ゲームのマップを作る機能のこと)が随分と向上しているらしい。これは期待が持てる。

 FPSというジャンル、特にGameGuruで作れるようなシンプルなFPSにおいて、レベルデザインはゲームを面白くするために重要である。

 このページではレベルデザインの基本をステップアップで一緒に学んで行きたい。複雑なことは何もない。GameGuruの基本機能だけで作れる範囲の話である。

 

シンプルなレベルデザイン

 もう一度だけ触れておくが、レベルデザインとはゲームのマップを作ることを指す用語だ。覚えておこう。

 さて、まずは最もシンプルなレベルをデザインしてみよう。

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 なにもないフラットな部屋にプレイヤーと敵がいるだけのレベルだ。これが最もシンプルなレベルデザインである。

 このクソレベルでは撃つか撃たれるかのシンプルな勝負しかできない。

 どうにかしてこのクソレベルを面白くするにはもっと要素を増やしていく必要がある。

レベルデザインの要素

 ゲームを面白くするためにレベルデザインでできること(要素)とは

  • ルート選択

  • 探索

  • 景観

 この三要素に大別できる。本当はもっと多くの要素があるかもしれない。だがそれらについてこの文書では触れない。少なくとも世にはびこるGameGuru製のクソゲーたちはこの三要素をろくに守れていないことが多いからだ。

 つまりこの三要素さえ意識していけば、多くのGameGuru製のクソゲーから一歩抜き出すことができる。

 それが栄誉なことかどうかは分からないが。

 では各要素について簡単に考えていこう。

ルート選択:ルートを選ぶ面白さ

 早速、図を見てもらおう。

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 シンプルなルート選択を強いるレベルデザインである。この図では敵は北を向いていると考えて欲しい。

 GameGuruの敵は背後からこっそり近づいた場合、こちらを認識しないので一方的に攻撃できる。

 よってプレイヤーはBルートを選択すべきである。Aルートを選択した場合、敵に見つかって攻撃される可能性が高い。

 プレイヤーが有利なルートと不利なルートを用意して、プレイヤーが自分の意志でどちらかを選ぶことができる。簡単に言えばコレだけのことだ。

 そうそう。不利なルートにも選ぶだけの価値があると良い。例えば不利なルートは近道になっているとか。敵の攻撃をものともせずに駆け抜ける実力があれば、近道した方が良いに決まっている。

探索

 ルート選択が大雑把に言えば、右を行くか左を行くかの話で、探索は部屋の隅々まで歩き回る楽しさのことを指す。

 初めて訪れる場所はどこに何があるか分からないものなので、誰もがつぶさに偵察することになる。FPSにおいてレベルの把握は基本中の基本だからだ。

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 さてレベルに部屋を足してみた。AルートかBルートかの選択に部屋が加わった形になる。

 この時、無駄に部屋を足しただけでは何の面白みもないため、プレイヤーには部屋を訪れたご褒美があるべきだ。弾薬や回復アイテム、テキストなどを置いておこう。もちろん敵がいる部屋があっても良い。それもご褒美の一種だ。

景観

 適切なルートを選択するにしろ探索するにしろ自分がどこにいるかを把握できる必要がある。プレイヤーを迷子にしてはならない。

 具体的には方角が分かるように非対称のレベルにすること。レベル西側には大きな川が流れていれば、川をみるだけで自分は西を向いていると分かる。

 またはレベルに大きく傾斜をつけて「上から下に進めば良い」と示すのも手だ。

 建物の中にいる場合はオブジェクトで差をつけるのも良いだろう。


 

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 図のようにレベルの左側には部屋をレベルを一望できる中二階(デッキ)を設置、敵のいる廊下を少し下げることで、視点をぐるりと操作すれば、自分がどこにいるかは何となく分かるようになる。

 少なくとも高い方が西、低い方が東と分かるので、部屋の探索を終えて通路に出た時に自分がどっちから歩いてきたかがすぐに判別できる。

 最初の図と比べると随分とゲームらしくなってきたと思わないだろうか。このようにシンプルな三つのルールを守るだけでも面白そうなレベルになるのだ。

レベルデザインの要素まとめ

 おさらいしておこう。レベルデザインに重要な三要素とは「ルート選択」「探索」「景観」の三つである。

ルート選択:プレイヤーは複数のルートから一つのルートを選択できるべきである。一本道ではいけない。

探索:ルートの他に立ち寄れる場所があると良い。そこにはご褒美があるべきである。

景観:自分がどの方角を向いているか景観で分かるようにしなくてはならない。対称(シンメトリー)なレベルにしてはいけない。

 これら三つの要素を盛り込むというシンプルなルールを守るだけで少しは楽しいレベルデザインができるだろう。

 もちろんルールは破るためにあるので必ずしも守る必要はない。

 例えば一本道ルートもたまに使えば良いアクセントになる。敵との真っ向勝負になるので、事前に強力な武器が手に入ると良いだろう。

ヒント:復活地点と戦場は離そう

 GameGuruでレベルデザインをする時のちょっとしたヒントなのだが、スタートポイント直後やチェックポイント直後は少し距離を歩かせたほうが良い。

 というのもGameGuruではプレイヤーが死んだ時に敵の配置がリセットされないからである。(マジのクソ仕様である)

 死んでスタートポイントやチェックポイントに戻った時に、敵が近くにいると容易にリスキルされてしまうので、復活地点から敵がいる場所までは少し歩かせよう。

 

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 この図のように少しだけ無駄な廊下を歩かせよう。その間にストーリー音声を垂れ流すのも良い。

 GameGuru製のクソゲーはここらへんを工夫していないことが多いので、すぐにリスキルされる。リスキルはストレスにしかならないので、絶対に避けよう。

最終更新:2020年05月12日 06:09