さて、唐突だ。唐突な話になる。
お前はある日目が覚めたら辺りが真っ暗でした、てな状況だったらどうする?
お前はある日目が覚めたら辺りが真っ暗でした、てな状況だったらどうする?
灯を探すか。まあそうだよな。
確かに月の眩しい夜に就寝したはずなのに、いくらなんでも真っ暗てのは妙だぜ。
ずいぶん長く寝た感じはするから夜に寝て深夜に目覚めたってのもなあ。
確かに月の眩しい夜に就寝したはずなのに、いくらなんでも真っ暗てのは妙だぜ。
ずいぶん長く寝た感じはするから夜に寝て深夜に目覚めたってのもなあ。
とはいえ急に雲が出て来た可能性はある。何だがざわざわ音が聞こえるからそっちかもな。
とここまで考えたはいい。次だ。
とここまで考えたはいい。次だ。
そこが、自分が寝たはずの場所ではなかったらどうだ?
何、寝相でベッドから落ちただと。そりゃあない。そうだとしてもこんなに床が冷たいのは可笑しいぜ。
ここでもっていよいよ私はこの状況の異様さを、覚醒し始める脳と共に認識した。
いつの間にか寝巻じゃなくていつもの服になってやがる。
おいちょっと待て、誰が着換えさせたんだ。
何、寝相でベッドから落ちただと。そりゃあない。そうだとしてもこんなに床が冷たいのは可笑しいぜ。
ここでもっていよいよ私はこの状況の異様さを、覚醒し始める脳と共に認識した。
いつの間にか寝巻じゃなくていつもの服になってやがる。
おいちょっと待て、誰が着換えさせたんだ。
……それはともかく、まずここはどこかね。
いきなり変な所まで連れて行きそうな奴は、心当たりが一つほど該当する……んだが、何か違うんだよな。
具体的に何かって言われても……あれだ、私の華麗なる五感的な何かが。
いきなり変な所まで連れて行きそうな奴は、心当たりが一つほど該当する……んだが、何か違うんだよな。
具体的に何かって言われても……あれだ、私の華麗なる五感的な何かが。
そんなことを考えてたらふと首元に違和感を覚える。なでてみれば堅い感触。
色々、手で形を確かめてみて……おいこれはいくらなんでもだぜ?
色々、手で形を確かめてみて……おいこれはいくらなんでもだぜ?
首輪。……ああ、これあいつじゃないな。
いやあいつが必ずしもやらないという保証はないんだが、というかやってもおかしくないんだが、
こういう状況に持ち込んでまて、この私にこんなものを付けるほど気がふれてはいない……はずだ、多分。
いやあいつが必ずしもやらないという保証はないんだが、というかやってもおかしくないんだが、
こういう状況に持ち込んでまて、この私にこんなものを付けるほど気がふれてはいない……はずだ、多分。
しかしうら若き可憐な乙女を拉致して首輪をつけるとはどこの変態が起こした異変だ、と私がそこそこカッカしてきた所でだ。
……幕開けっていうのかね、これは。
……幕開けっていうのかね、これは。
急にこの空間を覆っていた闇が、光に浸食され始めた――
「魔理沙?」
眩しすぎるぜおいとか思ってたら見知った、いや違う、良く聞き覚えのある声がまず耳をついた。
あの金髪(私もだが)とあの服装……まあ確認するまでもなく、何者かが変装などしてなければあれはアリス・マーガトロイドで間違いない。
同じ魔法の森に住む、まあ友人か? 何度か異変の時にタッグを組んだし。あれ、地下に行った時は正確にはタッグじゃなかったか。
眩しすぎるぜおいとか思ってたら見知った、いや違う、良く聞き覚えのある声がまず耳をついた。
あの金髪(私もだが)とあの服装……まあ確認するまでもなく、何者かが変装などしてなければあれはアリス・マーガトロイドで間違いない。
同じ魔法の森に住む、まあ友人か? 何度か異変の時にタッグを組んだし。あれ、地下に行った時は正確にはタッグじゃなかったか。
「……魔理沙までここにいたなんてね」
「何だアリスか、お前も拉致被害者の一人なわけだな。で、までっていうことは私以外にもまた誰かいたんか?」
「見渡した限りでは紅魔館のメイドとか……言うより周りを確認して貰った方が早いわね」
そうか、と呟いて私が言われた通り、どういうわけか明かりのついた空間を見渡した。
しかし妙な空間だぜ。サイケデリックっていうのか? よくわからん絵画も沢山飾られている。
「何だアリスか、お前も拉致被害者の一人なわけだな。で、までっていうことは私以外にもまた誰かいたんか?」
「見渡した限りでは紅魔館のメイドとか……言うより周りを確認して貰った方が早いわね」
そうか、と呟いて私が言われた通り、どういうわけか明かりのついた空間を見渡した。
しかし妙な空間だぜ。サイケデリックっていうのか? よくわからん絵画も沢山飾られている。
……いやーしかし凄ぇな。
ざっと……30か、40体ってとこか。さっき雨風音あたりと考えたのはこいつらの話し声だったらしい。
アリスが言った通りに例のメイドとか、他に花の妖怪にお山の巫女も見えた。
この分じゃ霊夢の奴もいるとみて間違いなさそうだぜ。
知らない顔も一杯いる。普通の子供に鎧で顔も見えない奴、ペンギンっぽい妖怪、変な服着たおっさん。
体って数え方を使ったのはこの連中が、皆が皆までとは言わんが人間には見えなかったわけで。
ざっと……30か、40体ってとこか。さっき雨風音あたりと考えたのはこいつらの話し声だったらしい。
アリスが言った通りに例のメイドとか、他に花の妖怪にお山の巫女も見えた。
この分じゃ霊夢の奴もいるとみて間違いなさそうだぜ。
知らない顔も一杯いる。普通の子供に鎧で顔も見えない奴、ペンギンっぽい妖怪、変な服着たおっさん。
体って数え方を使ったのはこの連中が、皆が皆までとは言わんが人間には見えなかったわけで。
「どういうこった」
「私も分からないわ」
微妙に混乱してきた頭を掻きつつぼやく。寝込みを浚われたから箒もミニ八卦炉も無い。腹立つぜ。
……しかしこれは、本格的にどういうことなんだ? 人妖入り混じった複数を同じ空間に集めて……ん?
ここで私の知的な頭に一つの単語が浮かびあがる。
「私も分からないわ」
微妙に混乱してきた頭を掻きつつぼやく。寝込みを浚われたから箒もミニ八卦炉も無い。腹立つぜ。
……しかしこれは、本格的にどういうことなんだ? 人妖入り混じった複数を同じ空間に集めて……ん?
ここで私の知的な頭に一つの単語が浮かびあがる。
「蟲毒かもな」
私の専門じゃないが、有名な呪術の一種だ。
蛇やら蟲やら蜥蜴やらを容器に押し込めて共食いさせ、生き残った一匹に強い呪力が宿るって奴だな。
私の専門じゃないが、有名な呪術の一種だ。
蛇やら蟲やら蜥蜴やらを容器に押し込めて共食いさせ、生き残った一匹に強い呪力が宿るって奴だな。
「……冗談でしょ?」
「とも言い切れないぜ」
アリスが嫌そうな顔をして見せる。まあ、私も実際嫌なわけだが。
まさかな……と私も、若干不穏な気配を感じ取った所で……
「とも言い切れないぜ」
アリスが嫌そうな顔をして見せる。まあ、私も実際嫌なわけだが。
まさかな……と私も、若干不穏な気配を感じ取った所で……
今回の異変。その主犯がおでましになったようだ。
「キィィィヒヒヒヒヒヒヒヒ………!!」
うわ。
耳触りな、いかにもって感じの声が聞こえる。私やアリスに限らず周りの連中も顔を顰めていた。
音がした方、中央を見ればいつの間にかプラズマのような霧のような、結界らしきものが陣取っている。
その中央に……まさに「現れた」と言う表現をするのが適当な登場の仕方で、そいつが現れた。
耳触りな、いかにもって感じの声が聞こえる。私やアリスに限らず周りの連中も顔を顰めていた。
音がした方、中央を見ればいつの間にかプラズマのような霧のような、結界らしきものが陣取っている。
その中央に……まさに「現れた」と言う表現をするのが適当な登場の仕方で、そいつが現れた。
子供の姿をした魔女――見た目だけならこんな感じか。だがその衣装はどうにも奇妙で、まず顔が見えない。
あと脚も見えん。というかそんなもの無いかのようにふよふよ浮いていて、妖怪に近い感じだ。
あと脚も見えん。というかそんなもの無いかのようにふよふよ浮いていて、妖怪に近い感じだ。
「今宵は私がご用意した宴に御参加頂き、感謝の言葉もありませんわ」
出た、って思った。こういうろくでもないことをする奴が良く使う、うさんくさい口調。
そいつはこないだ見た……UFOって言うんだっけか? みたいにくるくると周り、空間にいる面子を見まわすと再び口を開く。
そいつはこないだ見た……UFOって言うんだっけか? みたいにくるくると周り、空間にいる面子を見まわすと再び口を開く。
「私の名前はドロシア、と申しますわ。以後お見知りおきを。
さて……皆様丁度御目覚めになったご様子ですから、そろそろこの宴の趣旨を説明せねばなりません」
さて……皆様丁度御目覚めになったご様子ですから、そろそろこの宴の趣旨を説明せねばなりません」
口が見えないのにどうやってこんな、無駄に聞き取り易い声を出してるのか。
そんなドロシアとか名乗る奴は一瞬、ちらっと足元を見た気がする。
どういうわけだ、何の目的で、とかいう誰かの抗議に答えるかのように、奴はこう言い放った。
そんなドロシアとか名乗る奴は一瞬、ちらっと足元を見た気がする。
どういうわけだ、何の目的で、とかいう誰かの抗議に答えるかのように、奴はこう言い放った。
「皆様には、これより私の用意した空間で『殺し合い』のゲームを行って貰いますわ」
……。
沈黙は一瞬で、その後はかなり騒がしいことになった。
罵倒とか悲鳴とかそういうのが飛び交う中、私はちょっと気まずそうにアリスを見る。見事に顔が青いぜ。
蟲毒……大当たりか。こんなところで運を使ってどうするんだ私は。
沈黙は一瞬で、その後はかなり騒がしいことになった。
罵倒とか悲鳴とかそういうのが飛び交う中、私はちょっと気まずそうにアリスを見る。見事に顔が青いぜ。
蟲毒……大当たりか。こんなところで運を使ってどうするんだ私は。
「では、詳細を説明致しますわね。まずは皆様にはこちらで用意した荷物と共に、私の精製した空間に移転して頂きます。
荷物の中には最低限の食料と地図、筆記用具、時計、コンパス……そしてランダムに選出された道具が入っておりますわ」
荷物の中には最低限の食料と地図、筆記用具、時計、コンパス……そしてランダムに選出された道具が入っておりますわ」
そんな混乱の最中でも、奴は一向に介さずよく通る声で無理やり説明を聞かせやがる。
とりあえず攻撃しようかと思ったが、満足な装備がないしどうしたもんか……
とか思ってるとどうやら先手を越されたらしく、しかもその先手を握ったのは結構予想外な人物だった。
とりあえず攻撃しようかと思ったが、満足な装備がないしどうしたもんか……
とか思ってるとどうやら先手を越されたらしく、しかもその先手を握ったのは結構予想外な人物だった。
「殺し合いなんだよね? じゃあまず貴女を壊してもいいのよね」
悪魔の妹――フランドール・スカーレット。
紅魔館の地下に閉じ込められてたっていう、色々ハタ迷惑な吸血鬼の妹だ。
殺し合いとか言われたら嬉々しそうな奴でもあり。
その背後にはメイドやあいつの姉っぽい姿も見え隠れして、どうやら止めようとしているように見えるが声の方は五月蠅くて生憎聞こえない。
紅魔館の地下に閉じ込められてたっていう、色々ハタ迷惑な吸血鬼の妹だ。
殺し合いとか言われたら嬉々しそうな奴でもあり。
その背後にはメイドやあいつの姉っぽい姿も見え隠れして、どうやら止めようとしているように見えるが声の方は五月蠅くて生憎聞こえない。
「しようとする限りは構いません。ですが、不可能だと断定できますわよ?」
「本当にそう思……あれ?」
「本当にそう思……あれ?」
フランドールが手を動かして、奴か結界のどっちかを爆発させようとしたようだ。
……が、その顔が不思議色に染まった。私で言うと魔法が不発になった時かのように。
……が、その顔が不思議色に染まった。私で言うと魔法が不発になった時かのように。
「……目が、見えない。何で?」
「そういう風に造られているからですわ、その首輪は。ついででありますからこの機会に説明しておきますと、その首輪は私が皆様の命を握っている証拠でもあります」
「そういう風に造られているからですわ、その首輪は。ついででありますからこの機会に説明しておきますと、その首輪は私が皆様の命を握っている証拠でもあります」
……と。
奴の背後にでかい絵筆が現れるように見えた。すると足元でピンク色のボールっぽいのが飛び跳ねて、手足っぽいものをじたばたさせ始めた。
それを見て私は何か、かなりやばくて嫌な予感を察する。
奴の背後にでかい絵筆が現れるように見えた。すると足元でピンク色のボールっぽいのが飛び跳ねて、手足っぽいものをじたばたさせ始めた。
それを見て私は何か、かなりやばくて嫌な予感を察する。
「それは彼女のように強大な力を持った妖でも同じこと。ほうら、この様に――」
絵筆がちろっと動く。それだけ、でだ。
――ぱぁん
乾いた破裂音。
頭があったはずの場所から血の噴水を散らしながら、その身体が前方へゆっくりと傾くのを見た。
頭があったはずの場所から血の噴水を散らしながら、その身体が前方へゆっくりと傾くのを見た。
その後は混沌だ。
絶叫、怒号、悲鳴。咲夜とレミリアの姿が動く人ごみの向こうで見えなかったことは不幸中の幸いかもしれん。
私はといえば、若干脚を笑わせながら突っ立っているばかりだった。
トップクラスに死にそうにない奴があっさり死んで、現実味がしないって言うんだろうか。
アリスは後ろにいるから見えないが、顔をより青くして口元を手で覆ってるとか多分そんな感じだと思う。
絶叫、怒号、悲鳴。咲夜とレミリアの姿が動く人ごみの向こうで見えなかったことは不幸中の幸いかもしれん。
私はといえば、若干脚を笑わせながら突っ立っているばかりだった。
トップクラスに死にそうにない奴があっさり死んで、現実味がしないって言うんだろうか。
アリスは後ろにいるから見えないが、顔をより青くして口元を手で覆ってるとか多分そんな感じだと思う。
「お静かに。それでは説明を続けましょう」
表情の見えない顔で奴は直も話を続けようとする。この声、ぼんやりした頭にも無理やり理解させるかのように響いて来やがる。
「六時間に一回ずつ、空間内に放送を流します。内容はそれまでの死者、そして新しい禁止エリア。
禁止エリアは空間を取り囲む海の他、放送ごとに指定される地点ですわ。
ここに侵入すると、先ほどのように首輪が爆発しますからお気をつけなさいませ」
禁止エリアは空間を取り囲む海の他、放送ごとに指定される地点ですわ。
ここに侵入すると、先ほどのように首輪が爆発しますからお気をつけなさいませ」
どういうわけか私の身体は動かない。精神的に来るものか、奴が何かしたのかも分からんときた。
「首輪はその他にも、先ほどの子のように力を制限する機能もございますわ。
……では説明はこれにて。優勝者――最後まで生き残った方には、私自らどんな願いでも叶えて差し上げます」
……では説明はこれにて。優勝者――最後まで生き残った方には、私自らどんな願いでも叶えて差し上げます」
……目の前に、何かが出て来た。四角っぽいそれは徐々に大きさを増して行く。
それは歪な枠を持った絵画。ただ、空間内に飾られてる悪趣味なそれとは違い、絵が飾られるべき部分が光を放っている――
それは歪な枠を持った絵画。ただ、空間内に飾られてる悪趣味なそれとは違い、絵が飾られるべき部分が光を放っている――
「それではいってらっしゃいませ、ご健闘をお祈り致しますわ」
奴がそう言ったのと同時に、私は――いや、私たちは「それ」に引き込まれて――
【フランドール・スカーレット@東方project 死亡確認】
【残り38人】
【残り38人】
主催者
【ドロシアソーサレス@星のカービィシリーズ】
【ドロシアソーサレス@星のカービィシリーズ】