第二十話 オルレアン包囲戦
オルレアンの展望台からは、オルレアン橋の全てが見渡せた。
その展望台に一人の少女が祈りを捧げていた。
その展望台に一人の少女が祈りを捧げていた。
夕映「ジャンヌさん」
ジャンヌ「夕映?」
夕映「やっぱり嘘はつけないです。正直に言いますです」
ジャンヌ「一体どうしたんですか」
夕映「あなたが見た光は神の光ではないのです。私達は…私達の仲間を守るために来たのです。あなたの力を借りに」
ジャンヌ「そんな…私にはそんな力はありません! 私にイングランド軍を追い払えるか分らないのに…」ガタガタ
夕映「…怖いです?」
ジャンヌ「…」コクリ
夕映「怖いならどうして皆を導くです?」
ジャンヌ「神の声を聞いたからです…オルレアンを解放し、国を救えと言う神の声が。そのためにシャルル王子にも力を借りました。どんなに怖くても、進まなくてはならないのです! ここで逃げたら、フランスの人達は苦しみ続けてしまう…」
夕映「ジャンヌさん…ジャンヌさんは凄いのです」
ジャンヌ「え?」
夕映「私だったら逃げ出してしまうかもです。苦しむ人たちを救いにたった一人で立ち上がり、多くの兵士を動かしたんですから、十分凄いと思うです」
ジャンヌ「そんな…私は神の声を聞き、それを伝える事しか出来ません…」
夕映「あなたにはあなたにしか出来ない事があると思うです。神の声を聞いてどう動くかは、ジャンヌさんの判断次第なのです。私にも…私にしか出来ない事があると良いのですが…」
ジャンヌ「夕映…」
ジャンヌ「夕映?」
夕映「やっぱり嘘はつけないです。正直に言いますです」
ジャンヌ「一体どうしたんですか」
夕映「あなたが見た光は神の光ではないのです。私達は…私達の仲間を守るために来たのです。あなたの力を借りに」
ジャンヌ「そんな…私にはそんな力はありません! 私にイングランド軍を追い払えるか分らないのに…」ガタガタ
夕映「…怖いです?」
ジャンヌ「…」コクリ
夕映「怖いならどうして皆を導くです?」
ジャンヌ「神の声を聞いたからです…オルレアンを解放し、国を救えと言う神の声が。そのためにシャルル王子にも力を借りました。どんなに怖くても、進まなくてはならないのです! ここで逃げたら、フランスの人達は苦しみ続けてしまう…」
夕映「ジャンヌさん…ジャンヌさんは凄いのです」
ジャンヌ「え?」
夕映「私だったら逃げ出してしまうかもです。苦しむ人たちを救いにたった一人で立ち上がり、多くの兵士を動かしたんですから、十分凄いと思うです」
ジャンヌ「そんな…私は神の声を聞き、それを伝える事しか出来ません…」
夕映「あなたにはあなたにしか出来ない事があると思うです。神の声を聞いてどう動くかは、ジャンヌさんの判断次第なのです。私にも…私にしか出来ない事があると良いのですが…」
ジャンヌ「夕映…」
ジャンヌは決意を固めたのか、ゆっくりと立ち上がった。
橋の向こうに見えるイングランドの拠点・トゥーレル砦を真摯な眼差しで見つめていた。
橋の向こうに見えるイングランドの拠点・トゥーレル砦を真摯な眼差しで見つめていた。
夕映「はぁ…大して力になれなかったです」
ジャンヌと別れた夕映は詰所へととぼとぼと歩いていた。
そんな彼女の前に、しゃもが現れる。
そんな彼女の前に、しゃもが現れる。
夕映「しゃもさん」
しゃも「大丈夫なの。きっと夕映の気持ちは伝わってると思うのよ」
夕映「見てたです?」
しゃも「夕映が居なくなったのに気付いたから探しに行ったら、話し声が聞こえたから…別に盗み聞きする訳じゃなかったのよ」
夕映「いえ、怒ってる訳ではないのです…」
しゃも「どうしたの?」
夕映「…」
しゃも「大丈夫なの。きっと夕映の気持ちは伝わってると思うのよ」
夕映「見てたです?」
しゃも「夕映が居なくなったのに気付いたから探しに行ったら、話し声が聞こえたから…別に盗み聞きする訳じゃなかったのよ」
夕映「いえ、怒ってる訳ではないのです…」
しゃも「どうしたの?」
夕映「…」
「エヴァさんは化身も使えて、ミキシマックスも使える。差が付きすぎてしまった。そう、夕映さんはエヴァさんに嫉妬してるんですね」
「…足手まといになってるんじゃないかと、そう考えてるんですね」
「…足手まといになってるんじゃないかと、そう考えてるんですね」
まといの言葉がぐるぐると頭を巡る。
考えがまとまらず、混乱するばかりだ。
この時ばかりは自分の頭の回転の悪さを呪った。
考えがまとまらず、混乱するばかりだ。
この時ばかりは自分の頭の回転の悪さを呪った。
兵士「た、大変だー!」
夕映「!? どうしたんです?」
兵士「あ、ああ、お前らか…ジャンヌが手勢を連れてイングランドに攻め込んだんだ!」
しゃも「!?」
夕映「そんな…どうしてです?」
兵士「何でも、シャルル王子が手配した軍勢が動かないので、自分が先に出て皆を奮い立たせようという事らしい!」
夕映「そんな私のせいで…!」
しゃも「夕映! 待つのよ!」
夕映「!? どうしたんです?」
兵士「あ、ああ、お前らか…ジャンヌが手勢を連れてイングランドに攻め込んだんだ!」
しゃも「!?」
夕映「そんな…どうしてです?」
兵士「何でも、シャルル王子が手配した軍勢が動かないので、自分が先に出て皆を奮い立たせようという事らしい!」
夕映「そんな私のせいで…!」
しゃも「夕映! 待つのよ!」
急いでしゃもは詰所に戻り、たから達を引き連れて橋へと赴いた。
橋の前では夕映が茫然と立ち尽くしていた。
橋の前では夕映が茫然と立ち尽くしていた。
真紅「砦が…燃えている!」
ジャンヌ「み、皆さん、オルレアンを守りましょう!」
敵兵士「はぁぁぁ!」シュッ
兵士2「ジャンヌ、危ない!」ガキン!
ジャンヌ「あ、ああ…私は、どうすれば…」
夕映「ジャンヌさん!」
ジャンヌ「み、皆さん、オルレアンを守りましょう!」
敵兵士「はぁぁぁ!」シュッ
兵士2「ジャンヌ、危ない!」ガキン!
ジャンヌ「あ、ああ…私は、どうすれば…」
夕映「ジャンヌさん!」
夕映達は走り出す。
しかしそこへ、一人の綺麗な金髪の女性が現れた。
しかしそこへ、一人の綺麗な金髪の女性が現れた。
カズキ「だ、誰だ!」
鞠也「くっくっく。俺は祠堂鞠也。名も無き小市民で、男だ」
超太郎「名前あんじゃねーか!」
真紅「何をしに来た!」
鞠也「フッ、俺と遊んでくれる奴を探しにな」
たから「何をふざけた事を! どきなさい!」
夕映「邪魔するなです! ジャンヌさんを助けに行くです!」
エヴァ「夕映!」
鞠也「威勢の良いちんちくりんだな」指パッチン
鞠也「くっくっく。俺は祠堂鞠也。名も無き小市民で、男だ」
超太郎「名前あんじゃねーか!」
真紅「何をしに来た!」
鞠也「フッ、俺と遊んでくれる奴を探しにな」
たから「何をふざけた事を! どきなさい!」
夕映「邪魔するなです! ジャンヌさんを助けに行くです!」
エヴァ「夕映!」
鞠也「威勢の良いちんちくりんだな」指パッチン
彼の呼びかけに、プロトコル・ファントム3.0が出現した。
鞠也「こいつらと勝負してもらうぜ」
フランス兵士達「うぉぉー! ジャンヌを救えー!」
鞠也「おっと」フィールドメイクモード
フランス兵士達「うぉぉー! ジャンヌを救えー!」
鞠也「おっと」フィールドメイクモード
橋の真ん中に、紫色の光の壁が立ち上がった。
光の壁は外と中を完全に遮断し、ジャンヌを救いにやってきたフランスの兵士達の行く手を阻む。
光の壁は外と中を完全に遮断し、ジャンヌを救いにやってきたフランスの兵士達の行く手を阻む。
真紅「スフィアデバイス!? ってか相手はプロトコル・ファントムじゃねぇか!」
ネロ「何だか様子が違くない? メンバーが数人違うし、肌や髪の色が…」
超太郎「キャ、キャルがあんなに成長して…」
エヴァ「お前は乳が大きかったら何でも良いのか」
超太郎「そそそ、そんな事ある訳ナイデスヨ?」
鞠也「さぁどうする? 早くしないと歴史が変わっちまうぜ?」
八重「もちろん戦います!」
ドライ(M)「鞠也様とミキシマックスしたプロトコル・ファントム3.0の力…見せてあげるよ」
たから「何ですって?」
カズキ「全員がミキシマックスしているというのか!」
ドライ(M)「さぁ覚悟は良い?」
ネロ「先手必勝!」
エヴァ「はぁ!」
ドライ(M)「フッ…」
ネロ「かわした!?」
エヴァ「動きが読まれている!」
ドライ(M)「スマート!」
夕映「いかせないのです!」
小夜「お守りいたします!」
ドライ(M)「ふふん。幻影のダマランガラス!」
ネロ「何だか様子が違くない? メンバーが数人違うし、肌や髪の色が…」
超太郎「キャ、キャルがあんなに成長して…」
エヴァ「お前は乳が大きかったら何でも良いのか」
超太郎「そそそ、そんな事ある訳ナイデスヨ?」
鞠也「さぁどうする? 早くしないと歴史が変わっちまうぜ?」
八重「もちろん戦います!」
ドライ(M)「鞠也様とミキシマックスしたプロトコル・ファントム3.0の力…見せてあげるよ」
たから「何ですって?」
カズキ「全員がミキシマックスしているというのか!」
ドライ(M)「さぁ覚悟は良い?」
ネロ「先手必勝!」
エヴァ「はぁ!」
ドライ(M)「フッ…」
ネロ「かわした!?」
エヴァ「動きが読まれている!」
ドライ(M)「スマート!」
夕映「いかせないのです!」
小夜「お守りいたします!」
ドライ(M)「ふふん。幻影のダマランガラス!」
ドライの背中に、妖艶な漆黒の魔女が出現する。
深淵の闇より出ずる幻影の化身は夕映と小夜をいとも簡単に蹴散らした。
深淵の闇より出ずる幻影の化身は夕映と小夜をいとも簡単に蹴散らした。
鞠也「くくく。見たか、見たな。プロトコル・ファントム3.0の実力を」
夕映「う、うぅ…」
夕映「う、うぅ…」
砦の上で、苦戦する兵士達と、恐怖に震えるジャンヌの姿があった。
夕映「ジャンヌさん…」
しゃも「夕映! 今は戦いに集中するなの!」
夕映「は、はいです!」
しゃも「夕映! 今は戦いに集中するなの!」
夕映「は、はいです!」
ジャンヌ「私が…私が何とかしなければ…ひぃ!?」
人が倒れていく。
敵も味方も、傷つき、命を落としていく。
火と血がジャンヌを更なる恐怖へと陥れた。
敵も味方も、傷つき、命を落としていく。
火と血がジャンヌを更なる恐怖へと陥れた。
メロン「駄目だ、今のジャンヌさんじゃ…」
プトロコル・ファントム3.0の力は2.0のそれを大きく上回る。
メンバーチェンジした三人は言うに及ばず、祠堂鞠也の力を得た従来のメンバーの能力が飛躍的に上がっている。
彼らのスピードにレスラーズは翻弄され、傷を受けるばかりであった。
メンバーチェンジした三人は言うに及ばず、祠堂鞠也の力を得た従来のメンバーの能力が飛躍的に上がっている。
彼らのスピードにレスラーズは翻弄され、傷を受けるばかりであった。
ジャンヌ「私は…私は…!」
夕映「ジャンヌさん…」
夕映「ジャンヌさん…」
羽衣狐(M)「戦闘コマンド06!」クレイモア
羽衣狐の設置した指向性対人地雷を受け、八重、小夜は吹き飛ばされた。
イエロー「良くもお二人を! ラッタ!」
イエローが謎の赤白のボールを投げつけると、ネズミのような生物が出現した。
イエロー「キラースライド!」
ラッタと呼ばれた生物は羽衣狐に向かってスライディングをかけ、そのままの姿勢で何度も蹴りを繰り出した。
羽衣狐(M)「うぉう!?」バタン
カズキ「ナイス! イエローちゃん!」
カズキ「ナイス! イエローちゃん!」
カズキはサンライトハートを取り出し、山吹色の光を解き放つ。
ロールシャッハ(M)「防御コマンド02!」ジャイロセービング
彼は両腕を広げると、その場でぐるぐると回転し始めた。
その周りで黄色い光が球状に回転しし、まるでオービタルリングのように彼の周りを保護した。
カズキの繰り出した斬撃はその光によっていとも簡単に防がれてしまう。
その周りで黄色い光が球状に回転しし、まるでオービタルリングのように彼の周りを保護した。
カズキの繰り出した斬撃はその光によっていとも簡単に防がれてしまう。
ジャンヌ「神よ…我に勇気を」
兵士「ジャンヌ! 我が軍は押される一方だ! このままでは…」
ジャンヌ「もうす援軍が来ます! 神は必ず我らを勝利に導いてくれます!」
兵士「神の声が聞こえるなら教えてくれ! なぜ神は我らにこのような試練を与えるのだ!」
兵士「ジャンヌ! 我が軍は押される一方だ! このままでは…」
ジャンヌ「もうす援軍が来ます! 神は必ず我らを勝利に導いてくれます!」
兵士「神の声が聞こえるなら教えてくれ! なぜ神は我らにこのような試練を与えるのだ!」
彼が指差したのは、戦いで傷つく仲間達の姿であった。
ジャンヌ「そ、それは…」
兵士「…俺達はお前を信じて、本当に良かったのか?」
ジャンヌ「!?」
兵士「…! 仲間が!」
兵士「…俺達はお前を信じて、本当に良かったのか?」
ジャンヌ「!?」
兵士「…! 仲間が!」
兵士が離れた後も、ジャンヌは未だ震えたままだった。
うわごとのように神の名を呟きながら、少女はただ震える事しか出来なかった。
うわごとのように神の名を呟きながら、少女はただ震える事しか出来なかった。
――本当に聞こえたのか
――幻聴じゃないのか
――信じていいのか
――ジャンヌ!
――幻聴じゃないのか
――信じていいのか
――ジャンヌ!
ジャンヌ「う、うう…」