第二十三話 風にたなびく勝利の旗
しゃも「このままじゃ皆ジリ貧なのよ…」
夕映「ジャンヌさん…!」
夕映「ジャンヌさん…!」
夕映は自らを奮い立たせて、戦場深く切り込んだ。
一体自分に何が出来るのだろう。考えても分からなかったので、まずは動いてみることにした。
一体自分に何が出来るのだろう。考えても分からなかったので、まずは動いてみることにした。
ドライ(M)「阻止コマンド02!」コイルアッパー
ドライが触れた地面から、電撃が迸る。
電撃は夕映の足元で回転し、螺旋を描きながら彼女を天空へと押し上げ、投げ飛ばした。
電撃は夕映の足元で回転し、螺旋を描きながら彼女を天空へと押し上げ、投げ飛ばした。
夕映「きゃっ…!」
地面に落ちようとした彼女を受け止めたのは、エヴァであった。
夕映「ま、ますたー…」
エヴァ「無鉄砲なガムシャランニングはよせ。私や冴木殿、皆を頼るんだ」
エヴァ「無鉄砲なガムシャランニングはよせ。私や冴木殿、皆を頼るんだ」
夕映の頭の中で、まといの言葉が蘇る。
エヴァ「だが、その意気や良し! カバーは私達に任せろ!」
夕映「ますたー…」
夕映「ますたー…」
夕映を地上に下ろしたエヴァは前線へ上がる。
エヴァだけではない。たからやネロ、カズキと言った皆が一丸となってプロトコル・ファントム3.0に立ち向かっていく。
エヴァだけではない。たからやネロ、カズキと言った皆が一丸となってプロトコル・ファントム3.0に立ち向かっていく。
夕映(そうです…忘れていたです…)
エヴァに対する嫉妬、そしてエヴァに対する不安、その二つが自分のやるべきことを忘れさせていたのだ。
夕映(私の役目は、皆さんが安心して戦えるように支える事! そのためにこれまで頑張ってきたです)
エヴァを追って、夕映は走り出す。
そんな彼女背中に、紫色の煙のような光が立ち上がる。
そんな彼女背中に、紫色の煙のような光が立ち上がる。
大阪「!? 夕映ちゃんの背中に!」
カロメ「キャー夕映サーン!」
カロメ「キャー夕映サーン!」
それは紛れも無く、化身の力。
彼女の強い想いが、形となって現れようとしている証拠である。
彼女の強い想いが、形となって現れようとしている証拠である。
夕映「スパイラルドロー!」
羽衣狐(M)「このようなそよかz…何じゃと!?」
ただのそよ風ではない。
明日を切り開く革命(カゼ)の力だ。
小さな竜巻に取られられた羽衣狐は弾き飛ばされ、顔面から地面に激突した。
明日を切り開く革命(カゼ)の力だ。
小さな竜巻に取られられた羽衣狐は弾き飛ばされ、顔面から地面に激突した。
エヴァ「夕映…いつの間にそんな技を」
夕映「ますたー。守りは私に任せるです!」
エヴァ「そうか…頼りにしているぞ、夕映!」
夕映「任せるです、ますたー。ジャンヌさん!」
ジャンヌ「!?」
夕映「私にもあったです! 私にしか出来ないこと…それは皆を支える事!」
ジャンヌ「夕映…」
夕映「ジャンヌさんにもあるはずです! 自分にしか出来ないこと!」
ジャンヌ「でも私…神の声を本当に聞いたのか、もう自分でも…」
夕映「そんな事ないです! 私はジャンヌさんを信じてるです! だから、あなたが神の声を聞いたという言葉も、信じるです!」
ジャンヌ「夕映…あなたは…」
ドライ(M)「ええい、ごちゃごちゃ五月蠅いよ! 幻影のダマランガラス!」
夕映「行かせないです…はぁぁぁ! 戦旗士ブリュンヒルデ!」
夕映「ますたー。守りは私に任せるです!」
エヴァ「そうか…頼りにしているぞ、夕映!」
夕映「任せるです、ますたー。ジャンヌさん!」
ジャンヌ「!?」
夕映「私にもあったです! 私にしか出来ないこと…それは皆を支える事!」
ジャンヌ「夕映…」
夕映「ジャンヌさんにもあるはずです! 自分にしか出来ないこと!」
ジャンヌ「でも私…神の声を本当に聞いたのか、もう自分でも…」
夕映「そんな事ないです! 私はジャンヌさんを信じてるです! だから、あなたが神の声を聞いたという言葉も、信じるです!」
ジャンヌ「夕映…あなたは…」
ドライ(M)「ええい、ごちゃごちゃ五月蠅いよ! 幻影のダマランガラス!」
夕映「行かせないです…はぁぁぁ! 戦旗士ブリュンヒルデ!」
夕映の背中に、緑色の鎧を纏った女性化身が出現した。
戦場に舞い降りた戦乙女の化身だ。右手には勝利を導く旗が、左手には何をも通さない鋼鉄の円盾が輝いている。
そして何よりの美しさは見る者を魅了する。
戦場に舞い降りた戦乙女の化身だ。右手には勝利を導く旗が、左手には何をも通さない鋼鉄の円盾が輝いている。
そして何よりの美しさは見る者を魅了する。
ドライ(M-化身)「ダンシングゴースト!」
夕映(化身)「ヴァルキリーフラッグ!」
夕映(化身)「ヴァルキリーフラッグ!」
闇の触手が夕映を捉えようとするが、それを夕映の化身は旗を大きく振るって吹き飛ばした。
旗から放たれた大きな風は、ドライの化身をその技ごと吹き飛ばす。
旗から放たれた大きな風は、ドライの化身をその技ごと吹き飛ばす。
夕映「はぁはぁ…どうだ! です」
ジャンヌ「夕映…なんて美しい姿…」
たから「夕映さん、やるわね」
大阪「おぉ~夕映ちゃんかっこええ!」
夕映「これが化身の力…ジャンヌさん! これが私が私を信じて得た力です! あなたは、あなた自身を信じていないです?」
ジャンヌ「私…不安でした。自分自身ですら信じられないのに…」
夕映「そんな事で仲間はついてきては来れないです!」
ジャンヌ「仲間…」チラッ
ジャンヌ「そうだ…まず自分が信じなきゃ、何も始まらない。私の役目は、剣を持って戦場に立つ事じゃない。神の言葉を伝え、皆を鼓舞すること!」
夕映「ジャンヌさん…良かったです」
ジャンヌ「聞け! 同志達よ!」
ジャンヌ「夕映…なんて美しい姿…」
たから「夕映さん、やるわね」
大阪「おぉ~夕映ちゃんかっこええ!」
夕映「これが化身の力…ジャンヌさん! これが私が私を信じて得た力です! あなたは、あなた自身を信じていないです?」
ジャンヌ「私…不安でした。自分自身ですら信じられないのに…」
夕映「そんな事で仲間はついてきては来れないです!」
ジャンヌ「仲間…」チラッ
ジャンヌ「そうだ…まず自分が信じなきゃ、何も始まらない。私の役目は、剣を持って戦場に立つ事じゃない。神の言葉を伝え、皆を鼓舞すること!」
夕映「ジャンヌさん…良かったです」
ジャンヌ「聞け! 同志達よ!」
ジャンヌは近くに投げ捨てててあった同軍の旗を取り、大きく掲げた。
突然降ってきた乙女の声に、敵も味方も同時に顔を上げた。
突然降ってきた乙女の声に、敵も味方も同時に顔を上げた。
ジャンヌ「勝利を信じ! その命を燃やし尽くすのだ! 神はその勇気に応じ、必ずや答えてくださる! 私はこの旗に! 我が国の勝利と栄光を約束しよう!」
兵士達『うぉぉぉぉ!』
兵士達『うぉぉぉぉ!』
旗を振り、大声を上げるジャンヌはまさに神の使いとばかりに兵士達は歓喜の声を上げた。
我らには神がついている。誰もがそう信じ、実力以上の力を発揮してイングランド軍を追い詰めていく。
彼女の信じる心が仲間達に伝わった証拠である。
我らには神がついている。誰もがそう信じ、実力以上の力を発揮してイングランド軍を追い詰めていく。
彼女の信じる心が仲間達に伝わった証拠である。
いつの間にか敵の後ろに回り込んでいたメロンはさっそくミキシマックスガンを引いた。
マイナスの光はジャンヌへ。
プラスの光は夕映へ。
果たしてオーラを転送することに成功し、夕映はその姿を変える。
マイナスの光はジャンヌへ。
プラスの光は夕映へ。
果たしてオーラを転送することに成功し、夕映はその姿を変える。
メロン「ミキシマックスコンプリート!」
夕映の髪の色は輝く金色へと変わった。
ふんわりとした髪が鋭くなり、髪型もサイドテールになっていた。
何より特徴的だったのは、ジャンヌと同じ眼鏡をかけていたことである。
ふんわりとした髪が鋭くなり、髪型もサイドテールになっていた。
何より特徴的だったのは、ジャンヌと同じ眼鏡をかけていたことである。
羽衣狐(M)「小賢しい真似を!」
夕映(ジャンヌ)「ラ・フラム!」
夕映(ジャンヌ)「ラ・フラム!」
夕映の両手に回転する炎が宿る。
彼女は自らに回転を加えながら飛び上がると、その炎をPP3.0へ向けて投げ放った。
炎は拡散し、火の海を作り上げてプロトコル・ファントム3.0の面々を閉じ込める。
彼女は自らに回転を加えながら飛び上がると、その炎をPP3.0へ向けて投げ放った。
炎は拡散し、火の海を作り上げてプロトコル・ファントム3.0の面々を閉じ込める。
夕映(ジャンヌ)「ますたー、たからさん、今です!」
エヴァ「ミキシトランス、信長! 白銀の女王ゲルダ、アームド!」
たから「魔神ペガサスアーク、アームド!」
エヴァ(信長-アームド)&たから(アームド)「ダブルブリザード!」
エヴァ「ミキシトランス、信長! 白銀の女王ゲルダ、アームド!」
たから「魔神ペガサスアーク、アームド!」
エヴァ(信長-アームド)&たから(アームド)「ダブルブリザード!」
炎で動けないPP3.0の元へ、凍てつく波動が襲い掛かる。
ロールシャッハの防御技も空しく、周囲を覆う炎ごと、彼女達を氷の中に閉じ込めた。
ロールシャッハの防御技も空しく、周囲を覆う炎ごと、彼女達を氷の中に閉じ込めた。
鞠也「ちっ…役立たずが…」
ドライ(M)「そんな鞠y…」シュン
ドライ(M)「そんな鞠y…」シュン
鞠也はスフィアデバイスを操作し、プロトコル・ファントム3.0のメンバーを消していった。
最後に橋を遮っていたバリアを消すと、自らも姿を消した。
最後に橋を遮っていたバリアを消すと、自らも姿を消した。
フランス兵士長「進めー! ジャンヌたちを救うのだー!」
フランス兵士達『おぉー!』
ジャンヌ「進めー! フランスのためにー!」
フランス兵士達『おぉー!』
ジャンヌ「進めー! フランスのためにー!」
結果として、ジャンヌ達フランス軍はトゥーレル砦を陥落させ、半年にわたるオルレアンの解放に成功した。
ジャンヌが神の声により、導いた勝利である。
ジャンヌが神の声により、導いた勝利である。
としあき議員1「指導鞠也め…プロトコル・ファントムを玩具にしよって!」
としあき議員2「奴をこのまま野放しにしても良ろしいのですか!」
トシアキ議長「どうせいう事を聞かぬ男だ。放っておけ。それよりも奴に『アレ』を託してみようではないか…どんな化学反応が起こるか、楽しみではないか」
としあぎ議員3「ちなみにプロトコル・ファントム3.0のメンバーは全員ムゲン牢獄送りになりました」
としあき議員2「奴をこのまま野放しにしても良ろしいのですか!」
トシアキ議長「どうせいう事を聞かぬ男だ。放っておけ。それよりも奴に『アレ』を託してみようではないか…どんな化学反応が起こるか、楽しみではないか」
としあぎ議員3「ちなみにプロトコル・ファントム3.0のメンバーは全員ムゲン牢獄送りになりました」
ジャンヌ「もう、行くの?」
夕映「はいです。ジャンヌさんの力、未来でも役立ててみせるです」
ジャンヌ「私の力は夕映からもらったようなものですから。夕映には自分を信じる事の大切さを教えてもらいました」
夕映「いやぁ照れるです」
ジャンヌ「夕映、どうかお元気で」
夕映「…ジャンヌさんもどうか」
夕映「はいです。ジャンヌさんの力、未来でも役立ててみせるです」
ジャンヌ「私の力は夕映からもらったようなものですから。夕映には自分を信じる事の大切さを教えてもらいました」
夕映「いやぁ照れるです」
ジャンヌ「夕映、どうかお元気で」
夕映「…ジャンヌさんもどうか」
夕映はジャンヌの行く末を知っている。
だから最後までその言葉を言えなかった。
言葉を飲み込み、涙を堪えて、彼女と別れの握手を交わす。
そして二人はそれぞれの戦場へと帰って行った。
だから最後までその言葉を言えなかった。
言葉を飲み込み、涙を堪えて、彼女と別れの握手を交わす。
そして二人はそれぞれの戦場へと帰って行った。
鞠也「…パワーを与えてもやはり雑魚は雑魚か」
鞠也の後ろに、数人の戦士が出現した。
鞠也「来たか。くっくっく…」