第三十三話 まるで雷の様なスピードで
坂本「大政奉還が掛かってるんだ。絶対負けられねぇ。気合れていくぞ!」
皆「おー!」
沖田「お前の好きにはさせない。勝つのは俺達だ!」
坂本「へっ、どうだかな!」
沖田「貴様…!」
皆「おー!」
沖田「お前の好きにはさせない。勝つのは俺達だ!」
坂本「へっ、どうだかな!」
沖田「貴様…!」
戦闘開始の法螺が響き渡る。
鞠也「さぁ、楽しませてもらうぜ」
沖田「坂本、貴様だけには絶対負けん!」ビュン!
坂本「うぉ!? 前よりも早ぇ!」
真紅「また鞠也が力貸してやがんのか!」
鞠也「食らえ、俺の必殺技パート1、G2!」ディザスターブレイクG2
沖田「坂本、貴様だけには絶対負けん!」ビュン!
坂本「うぉ!? 前よりも早ぇ!」
真紅「また鞠也が力貸してやがんのか!」
鞠也「食らえ、俺の必殺技パート1、G2!」ディザスターブレイクG2
前よりも威力の増した赤い光がレスラーズを襲った。
超太郎が前に出て止めようとするのだが、その威力の前に吹き飛ばされてしまう。
超太郎が前に出て止めようとするのだが、その威力の前に吹き飛ばされてしまう。
超太郎「ぐぉぉぉ! な、なんて奴だ…前より強くなってやがる!」
鞠也「お前らの動きが止まって見えるぜ! 沖田、エレキステイツ、ロウキ、ガイア! お前らで遊んでやれ!」
鞠也「お前らの動きが止まって見えるぜ! 沖田、エレキステイツ、ロウキ、ガイア! お前らで遊んでやれ!」
ドメインの四人が先行して戦場をかく乱する。
そのあまりのスピードについていけず、レスラーズは手も足も出なかった。
そのあまりのスピードについていけず、レスラーズは手も足も出なかった。
カズキ「このっ…!」
エレキステイツ「ジグザグスパーク!」
エレキステイツ「ジグザグスパーク!」
エレキステイツは電撃を起こす棒、ビリー・ザ・ロッドを地面に突き刺した。
地面に向かって放たれた電撃はジグザグに突き進み、カズキを直撃する。
地面に向かって放たれた電撃はジグザグに突き進み、カズキを直撃する。
しゃもが出現させた巨大な杓文字は、沖田を弾き飛ばした。
しゃも「私達だって、レスラーの皆を、虹裏喫茶を守るために戦ってるなの!」
真紅「ミキシトランス、ティラノ! 行くぜ!」
ロウキ「スクリュードライバー!」
真紅「ミキシトランス、ティラノ! 行くぜ!」
ロウキ「スクリュードライバー!」
空中から繰り出した回転する炎の脚が、ティラノの力を発現させている真紅を蹴り飛ばした。
氷の塊は、しかし砂鉄の戦輪によってあっさりと粉砕されてしまう。
たから「くっ…」
鞠也「今度は全員で遊んでやるぜ!」
鞠也「今度は全員で遊んでやるぜ!」
鞠也が加わったマリーヤ・ドメインの猛攻が始まった。
力を増した鞠也を中心にした攻撃に、レスラーズは防戦一方だった。
力を増した鞠也を中心にした攻撃に、レスラーズは防戦一方だった。
たから「まだ負けるわけにはいかないわ!」
真紅「そうだ! 俺達で大政奉還を成し遂げるんだ!」
坂本「お前ら…そうだ、嬢ちゃん達が頑張ってるんだ。俺っちも負けてられねぇ!」ボヨン
沖田「ぐぁ! くっ…」
真紅「そうだ! 俺達で大政奉還を成し遂げるんだ!」
坂本「お前ら…そうだ、嬢ちゃん達が頑張ってるんだ。俺っちも負けてられねぇ!」ボヨン
沖田「ぐぁ! くっ…」
沖田は胸を押させて、その場で膝を突く。
坂本「お、おい! 大丈夫か!」
ネロ「総司!」
将軍「ふぁ~何とも情けないのう…新撰組一番隊隊長がその様とはな」
沖田「心配ご無用! 幕府は必ずこの手で守って見せます!」
ネロ「総司…分かった、もう何も言わないよ。僕は全力で総司を止める!」
沖田「譲崎…! 俺も負けるわけにはいかないんだ!」
ネロ「総司!」
将軍「ふぁ~何とも情けないのう…新撰組一番隊隊長がその様とはな」
沖田「心配ご無用! 幕府は必ずこの手で守って見せます!」
ネロ「総司…分かった、もう何も言わないよ。僕は全力で総司を止める!」
沖田「譲崎…! 俺も負けるわけにはいかないんだ!」
沖田の剣と、ネロの金属片が激突する。
薄っぺらい金属片だが、その強度は沖田の刀を受け止める程の強度を持っていた。
薄っぺらい金属片だが、その強度は沖田の刀を受け止める程の強度を持っていた。
ネロ「この分からず屋!」
沖田「何も分らない子供が!」
ネロ「子供だからった馬鹿にすんなぁ! 総司のヴァーカー!」
沖田「なんだと!」
ネロ「ただ幕府を守るって事に執着して、本当に何を守るか分ってないじゃないか!」
沖田「幕府を守る事は、すなわち幕府が治める日本を守る事になる!」
ネロ「本当に今の幕府の姿を見たのかよ! 今の幕府に、日本を守れるかって真剣に考えたのかよ!」
沖田「それはっ…!」
ネロ「自分で考え、自分で判断し、自分で動く! それも出来ない今の総司に、僕が負けるかぁ!」
沖田「何も分らない子供が!」
ネロ「子供だからった馬鹿にすんなぁ! 総司のヴァーカー!」
沖田「なんだと!」
ネロ「ただ幕府を守るって事に執着して、本当に何を守るか分ってないじゃないか!」
沖田「幕府を守る事は、すなわち幕府が治める日本を守る事になる!」
ネロ「本当に今の幕府の姿を見たのかよ! 今の幕府に、日本を守れるかって真剣に考えたのかよ!」
沖田「それはっ…!」
ネロ「自分で考え、自分で判断し、自分で動く! それも出来ない今の総司に、僕が負けるかぁ!」
ネロはたから達から修正された歴史の事を聞いた。
それを聞いて悔しかったのは、彼女の大事なものを守れなかったことだ。
たとえそれがインタラプトで修正され、無かったことになってとしても、一度は消えたという事実は残ったままだ。
だから、ネロは戦う。
二度と大事なものを消させない、そのために。
想いの強さが彼女の力を何倍にも引き出し、沖田の力に打ち勝って、彼の刀を弾き飛ばした。
それを聞いて悔しかったのは、彼女の大事なものを守れなかったことだ。
たとえそれがインタラプトで修正され、無かったことになってとしても、一度は消えたという事実は残ったままだ。
だから、ネロは戦う。
二度と大事なものを消させない、そのために。
想いの強さが彼女の力を何倍にも引き出し、沖田の力に打ち勝って、彼の刀を弾き飛ばした。
沖田「くっ…ゴホッ」
将軍「もはやこれまでだな」
鞠也「悪いな、沖田。俺もお前に力を供給するのはこれで終わりだ」
沖田「貴様、良くも好き勝t…ゴホッゴホッ」
ネロ「大丈夫? 総司」
沖田「くっ、俺の力ではこの国を守る事が出来ないのか…」
ネロ「違うんだよ、総司。信じられないかもしれないが、幕府に大政奉還を認めさせることがこの国を守る事に繋がるんだ」
沖田「どういう事だ!」
ネロ「僕達は未来から来たんだ。だから分かるんだよ!」
沖田「な…!?」
坂本「それはともかく、その子の言ってる事は正しいな。お前にだって分かるだろ? 今の幕府に任せたって、世の中はちっとも良くならないって。その事実から目を背けて意地になってる。俺っちを斬ってもそれは変わらねぇ。本当に変えるべきは、ウジウジして殻に閉じこもってる今の日本だ!」
沖田「俺は…俺達は間違っていたのか…」
ネロ「間違いだと思ったなら、正せば良いんだよ」
沖田「今頃…今頃気付いた所でどうにもならないんだ…」
ネロ「諦めんなよ!」
沖田「諦めなかった所で…俺に何ができる!」
ネロ「僕達に力を貸して欲しいんだ! 総司の力があれば、もっと大きな物が守れるんだよ!」
沖田「俺は新撰組だ! 幕府を守らなければいけない者が、幕府を倒すことに力を貸せるわけがない!」
ネロ「総司! 総司はやっぱり、分からず屋だよ…」
将軍「もはやこれまでだな」
鞠也「悪いな、沖田。俺もお前に力を供給するのはこれで終わりだ」
沖田「貴様、良くも好き勝t…ゴホッゴホッ」
ネロ「大丈夫? 総司」
沖田「くっ、俺の力ではこの国を守る事が出来ないのか…」
ネロ「違うんだよ、総司。信じられないかもしれないが、幕府に大政奉還を認めさせることがこの国を守る事に繋がるんだ」
沖田「どういう事だ!」
ネロ「僕達は未来から来たんだ。だから分かるんだよ!」
沖田「な…!?」
坂本「それはともかく、その子の言ってる事は正しいな。お前にだって分かるだろ? 今の幕府に任せたって、世の中はちっとも良くならないって。その事実から目を背けて意地になってる。俺っちを斬ってもそれは変わらねぇ。本当に変えるべきは、ウジウジして殻に閉じこもってる今の日本だ!」
沖田「俺は…俺達は間違っていたのか…」
ネロ「間違いだと思ったなら、正せば良いんだよ」
沖田「今頃…今頃気付いた所でどうにもならないんだ…」
ネロ「諦めんなよ!」
沖田「諦めなかった所で…俺に何ができる!」
ネロ「僕達に力を貸して欲しいんだ! 総司の力があれば、もっと大きな物が守れるんだよ!」
沖田「俺は新撰組だ! 幕府を守らなければいけない者が、幕府を倒すことに力を貸せるわけがない!」
ネロ「総司! 総司はやっぱり、分からず屋だよ…」
鞠也たちに見放された沖田を大阪達に介抱させ、レスラーズは戦闘を再開する。
ウルトラマンゼロはその頭のパーツを投げ飛ばし、光のネットを切り裂いた。
まとい「私の技がー!?」
マリーヤ・ドメインのスピードに翻弄され、傷ついていくレスラーズ。
ウルトラマンガイアに技を封じられるネロだったが、自らの体をぶつけ、彼の動きを止める。
総司「譲崎!」
ネロ「僕は諦めないぞ!」
ロウキ「スクリュードライバー!」
ネロ「うわー! くっ、まだまだ!」
たから「ネロさん!」
エレキステイツ「ここは行かせない!」
杏子「ネロ!」
ウルトラマンゼロ「おっと」
ネロ「僕は諦めないぞ!」
ロウキ「スクリュードライバー!」
ネロ「うわー! くっ、まだまだ!」
たから「ネロさん!」
エレキステイツ「ここは行かせない!」
杏子「ネロ!」
ウルトラマンゼロ「おっと」
孤立されたネロだったが、倒されても、倒されても何度も敵に立ち向かっていく。
そんな彼女を見つめる、一人の青年がいた。
そんな彼女を見つめる、一人の青年がいた。
沖田「どんな障害にも真正面から、恐れず立ち向かっていく…あんな小さな女の子なのに、どうしてそこまで」
斗貴子さん「簡単なことだ。あの娘には守るべきものの、その先を見据えているからだ」
沖田「守るべきものの、その先だと…?」
斗貴子さん「それは未来」
沖田「坂本と同じようなことを…」
斗貴子さん「簡単なことだ。あの娘には守るべきものの、その先を見据えているからだ」
沖田「守るべきものの、その先だと…?」
斗貴子さん「それは未来」
沖田「坂本と同じようなことを…」
例えなんど傷つけられようとも、何度だって立ち上がる。
また彼女に辛い思いをさせないために、今ここにいる皆や、残してきた仲間達のために、何よりも自分自身のために、彼女は戦う。
最後に皆と笑い合うるために。
また彼女に辛い思いをさせないために、今ここにいる皆や、残してきた仲間達のために、何よりも自分自身のために、彼女は戦う。
最後に皆と笑い合うるために。
沖田「君は…一体」
ネロ「僕は譲崎ネロ! 蕪とお菓子をこよなく愛する探偵さ! 行くぞ!」
大阪「沖田さん、ネロちゃんに力を貸してあげたって!」
沖田「何…?」
大阪「沖田さんの力があれば、きっとネロちゃんはもっと強くなれるんや! だから!」
沖田「俺の力が…」
ネロ「僕は譲崎ネロ! 蕪とお菓子をこよなく愛する探偵さ! 行くぞ!」
大阪「沖田さん、ネロちゃんに力を貸してあげたって!」
沖田「何…?」
大阪「沖田さんの力があれば、きっとネロちゃんはもっと強くなれるんや! だから!」
沖田「俺の力が…」
沖田は近藤の言葉を思い出していた。
あの日、新撰組を作ろうと言った彼は、この国を守るために新撰組を結成すると言った。
幕府を守る事はあくまで手段でしかない。本当に守りたいのは、この国の人々だ。
そのためには一体、何をすれば良いのか。
今までそれを考えなかったわけではない。
ただ胸の病気が心に焦りを生み、坂本を斬ると言うだけの事に固執してしまったのだ。
あの日、新撰組を作ろうと言った彼は、この国を守るために新撰組を結成すると言った。
幕府を守る事はあくまで手段でしかない。本当に守りたいのは、この国の人々だ。
そのためには一体、何をすれば良いのか。
今までそれを考えなかったわけではない。
ただ胸の病気が心に焦りを生み、坂本を斬ると言うだけの事に固執してしまったのだ。
沖田(そうだ…俺は国を守るために何が一番必要かって分っていなかった。それを譲崎は教えてくれた)
沖田「…譲崎! 俺の力を使え! それで君の大事なモノが守れるなら!」
大阪「沖田さん!」
蝙蝠(石)「今だ、メロン!」
メロン「待ってましたぁ!」
沖田「…譲崎! 俺の力を使え! それで君の大事なモノが守れるなら!」
大阪「沖田さん!」
蝙蝠(石)「今だ、メロン!」
メロン「待ってましたぁ!」
沖田に-の光が、ネロに+の光が注がれる。
電光石火のスピードを受け取ったネロの姿は変わる。
薄い赤黒の肌、鋭く伸びた髪、紫色の瞳と紫色の髪の色。
幕末の天才剣士、沖田総司の力が今、ネロへと宿った。
電光石火のスピードを受け取ったネロの姿は変わる。
薄い赤黒の肌、鋭く伸びた髪、紫色の瞳と紫色の髪の色。
幕末の天才剣士、沖田総司の力が今、ネロへと宿った。
ネロ(沖田)「総司…ありがとう!」
沖田「譲崎…任せたぞ」
ネロ(沖田)「よぉし、行くぞ~!」
沖田「譲崎…任せたぞ」
ネロ(沖田)「よぉし、行くぞ~!」
間延びした声とは裏腹に、ネロは閃光のような動きを見せた。
その雷の様なスピードに、MDの誰一人として追いつけなかった。
その雷の様なスピードに、MDの誰一人として追いつけなかった。
ネロ(沖田)「総司! この力、使わせてもらうよ!」
彼女の周囲が静寂に包まれる。
一呼吸。
金属片を振り回し、体をくるりと反転させた。
一呼吸。
金属片を振り回し、体をくるりと反転させた。
ネロ(沖田)「菊一文字!」
ネロの背中に菊の花びらが舞い、そして一瞬で散る。
菊から放たれた刀の光は、ロウキの防御を破り、マリーヤ・ドメインのメンバーに大きなダメージを与えた。
菊から放たれた刀の光は、ロウキの防御を破り、マリーヤ・ドメインのメンバーに大きなダメージを与えた。
沖田(俺は今日はっきりと分かった。守るべきものがなんなのか。残り少ない俺の命、その守るべきものに捧げる!)
坂本「沖田…ようやく腹を決めたか!」
ネロ「ふぅ…やったぁ!」
沖田「見事な一撃だったぞ、譲崎!」
ネロ「へへっ。ありがと!」
坂本「沖田…ようやく腹を決めたか!」
ネロ「ふぅ…やったぁ!」
沖田「見事な一撃だったぞ、譲崎!」
ネロ「へへっ。ありがと!」