第三十六話 いざ、幻想の郷へ
えーん…
えーん…
えーん…
一人の女の子が泣いている。
それは彼女の小さな記憶。
「やーい、犬ー!」
「やーい、このワンちゃんー!」
それは彼女の小さな記憶。
「やーい、犬ー!」
「やーい、このワンちゃんー!」
子供は残酷だ。
からかいのつもりでも、受ける本人にとっては鋭いナイフにもなる事を、子供たちは知らない。
からかいのつもりでも、受ける本人にとっては鋭いナイフにもなる事を、子供たちは知らない。
「ううっ…私は…狼なのに…」
一人の女の子が泣いている。
心優しい彼女は言い返すことも、力でねじ伏せる事も出来ず、ただ受けるだけ。
心優しい彼女は言い返すことも、力でねじ伏せる事も出来ず、ただ受けるだけ。
『あらあら。また泣いてたのね』
差し伸べられる優しい手。
それは母のようであり、姉のようであり、しかし少女にとってはそれ以上の存在だった。
それは母のようであり、姉のようであり、しかし少女にとってはそれ以上の存在だった。
『私はいつだって、あなたの味方よ……椛』
としあき議員1「これ以上、レスラーズを放ってはおけませんな」
としあき議員2「マリーヤ・ドメイン、祠堂鞠也はあれ以来行方不明…一体どこへ消えたのやら」
トシアキ議長「…聖」
聖白蓮「はい、議長呼びましたか?」
トシアキ議長「アレを投入する」
としあき議員3「…! おお、ついにアレが完成したのですな!」
聖白蓮「ええ。“パーフェクト・カスケイド”…私の最高傑作です」
としあき議員2「マリーヤ・ドメイン、祠堂鞠也はあれ以来行方不明…一体どこへ消えたのやら」
トシアキ議長「…聖」
聖白蓮「はい、議長呼びましたか?」
トシアキ議長「アレを投入する」
としあき議員3「…! おお、ついにアレが完成したのですな!」
聖白蓮「ええ。“パーフェクト・カスケイド”…私の最高傑作です」
ころね「それはまた、大変でしたね」ヤレヤレ
たから「ええ。でも立ち止ってはいられないわ。蝙蝠!」
蝙蝠(石)「やれやれ、蝙蝠使いの荒いやつだ。んじゃー次の力いってみよう!」
超太郎「えーっと。7の力、自由自在に空間を活かし空を制するフライングレスラー。8の力、太古の力を宿し、その牙の力は海をも割るダイナミックレスラーだっけ?」
しゃも「なるほど、分からん、なの!」
剣八「空とか太古の力って聞こえたけど、どこへ行くつもりなんだ?」
蝙蝠(石)「強いて言うなら…七の力は烏天狗で、八の力は恐竜だ!」
カズキ「最強イレブンって人間じゃないのかよ!」
たから「と言うか、その二つが何故同時にあがるのかしら」
蝙蝠(石)「いや今まで二つ言ってたし、同時に発表しなきゃいけないかなーって思って」
超太郎「適当過ぎぃ!」
八重「でも恐竜のオーラなら、辛苦さんがティラノサウルスの力を持ってますよね?」
蝙蝠(石)「いや、それでは不十分だ。真紅もそう感じただろ?」
真紅「確かに…マリーヤ・ドメインには歯が立たなかったな」
蝙蝠(石)「だからティラノサウルスよりもパワーもスピードもある恐竜のオーラを手に入れなきゃなんねーんだ」
たから「具体的には?」
蝙蝠(石)「分らん!」
皆「えー…」
たから「良し、天罰決定♪」
蝙蝠(石)「なして!? しかも嬉しそう!?」
ヴィクトリカ「まぁ待ちたまえよ、冴木。私に一つ心当たりがあるぞ」
たから「え?」アイアンクロー
蝙蝠(石)「痛い痛い痛い!」
久城「どういう事? ヴィクトリカ」
ヴィクトリカ「幻想郷、というのをご存知かね?」
たから「確か…山田さんと小野小町さんの故郷の?」
ヴィクトリカ「その答えは半分当たりで、半分外れだ」
ころね「かいつまんで言えば、色々な不思議が迷う場所、といった所でしょうか」
ヴィクトリカ「そう。そこならば、烏天狗もいるし、恐竜とは言わずともそれに匹敵するであろう巨大なモンスターだっているだろう。行ってみる価値はあると思うが、どうかね」
蝙蝠(石)「んじゃそれ採用」
たから「そんな安直な」
蝙蝠(石)「良いじゃねーか。時空最強なんだから」
斗貴子さん「どんな理論展開だそれは…」
蝙蝠(石)「うるせー! さっさとメンバー発表するぞ! エヴァ、夕映、超太郎、杏子、カズキ、たから、真紅、ネロ、しゃも、まとい、イエロー、そしてメロンとサポーターズだ!」
イエロー「私ですかー…モンスターボールで捕まえられますかね、恐竜」
超太郎「いや…無理なんじゃねぇか?」
ヴィクトリカ「ちょっと待ちたまえ。私は何故数に入っていないのだ」
蝙蝠(石)「いや戦力的にちょっと」
ヴィクトリカ「ぐぬぬ。解せぬ」
久城「まーまー、ヴィクトリカには危険な目には合って欲しくないから、僕としてはほっとしているよ」
ヴィクトリカ「君の意見は聞いてないぞ、久城。仕方ない、幻想郷の行き方だけは教えておいてやろう」
メロン「ふてくれされたヴィクさんも可愛いのぅ」
ヴィクトリカ「なんだとー! その変な略し方は止めたまえ!」
久城「どうどう」
ヴィクトリカ「君まで私を馬鹿にするのかね!?」
たから「賑やかね」
大阪「皆楽しそうやなぁ~」
たから「ええ。でも立ち止ってはいられないわ。蝙蝠!」
蝙蝠(石)「やれやれ、蝙蝠使いの荒いやつだ。んじゃー次の力いってみよう!」
超太郎「えーっと。7の力、自由自在に空間を活かし空を制するフライングレスラー。8の力、太古の力を宿し、その牙の力は海をも割るダイナミックレスラーだっけ?」
しゃも「なるほど、分からん、なの!」
剣八「空とか太古の力って聞こえたけど、どこへ行くつもりなんだ?」
蝙蝠(石)「強いて言うなら…七の力は烏天狗で、八の力は恐竜だ!」
カズキ「最強イレブンって人間じゃないのかよ!」
たから「と言うか、その二つが何故同時にあがるのかしら」
蝙蝠(石)「いや今まで二つ言ってたし、同時に発表しなきゃいけないかなーって思って」
超太郎「適当過ぎぃ!」
八重「でも恐竜のオーラなら、辛苦さんがティラノサウルスの力を持ってますよね?」
蝙蝠(石)「いや、それでは不十分だ。真紅もそう感じただろ?」
真紅「確かに…マリーヤ・ドメインには歯が立たなかったな」
蝙蝠(石)「だからティラノサウルスよりもパワーもスピードもある恐竜のオーラを手に入れなきゃなんねーんだ」
たから「具体的には?」
蝙蝠(石)「分らん!」
皆「えー…」
たから「良し、天罰決定♪」
蝙蝠(石)「なして!? しかも嬉しそう!?」
ヴィクトリカ「まぁ待ちたまえよ、冴木。私に一つ心当たりがあるぞ」
たから「え?」アイアンクロー
蝙蝠(石)「痛い痛い痛い!」
久城「どういう事? ヴィクトリカ」
ヴィクトリカ「幻想郷、というのをご存知かね?」
たから「確か…山田さんと小野小町さんの故郷の?」
ヴィクトリカ「その答えは半分当たりで、半分外れだ」
ころね「かいつまんで言えば、色々な不思議が迷う場所、といった所でしょうか」
ヴィクトリカ「そう。そこならば、烏天狗もいるし、恐竜とは言わずともそれに匹敵するであろう巨大なモンスターだっているだろう。行ってみる価値はあると思うが、どうかね」
蝙蝠(石)「んじゃそれ採用」
たから「そんな安直な」
蝙蝠(石)「良いじゃねーか。時空最強なんだから」
斗貴子さん「どんな理論展開だそれは…」
蝙蝠(石)「うるせー! さっさとメンバー発表するぞ! エヴァ、夕映、超太郎、杏子、カズキ、たから、真紅、ネロ、しゃも、まとい、イエロー、そしてメロンとサポーターズだ!」
イエロー「私ですかー…モンスターボールで捕まえられますかね、恐竜」
超太郎「いや…無理なんじゃねぇか?」
ヴィクトリカ「ちょっと待ちたまえ。私は何故数に入っていないのだ」
蝙蝠(石)「いや戦力的にちょっと」
ヴィクトリカ「ぐぬぬ。解せぬ」
久城「まーまー、ヴィクトリカには危険な目には合って欲しくないから、僕としてはほっとしているよ」
ヴィクトリカ「君の意見は聞いてないぞ、久城。仕方ない、幻想郷の行き方だけは教えておいてやろう」
メロン「ふてくれされたヴィクさんも可愛いのぅ」
ヴィクトリカ「なんだとー! その変な略し方は止めたまえ!」
久城「どうどう」
ヴィクトリカ「君まで私を馬鹿にするのかね!?」
たから「賑やかね」
大阪「皆楽しそうやなぁ~」
デンライナーは幻想郷に向けて発進した。
日本の遥か東にある神社を超え、結界をデンライナーの時を超える力を応用して抜け、幻想郷内部へと侵入することに成功する。
日本の遥か東にある神社を超え、結界をデンライナーの時を超える力を応用して抜け、幻想郷内部へと侵入することに成功する。
超太郎「ここが幻想郷かー」
まるで古い日本のような場所だった。
車窓から見下ろす大地には大自然が広がり、幻想的な雰囲気を醸し出していた。
車窓から見下ろす大地には大自然が広がり、幻想的な雰囲気を醸し出していた。
メロン「とりあえずこの辺で良いか」
八ヶ岳・風神の地にて。
そこは紅葉が舞う秋の雰囲気を持った山であった。
そこは紅葉が舞う秋の雰囲気を持った山であった。
メロン「烏天狗となれば山にいる…か。ヴィクさんも随分抽象的だねー」
ネロ「烏天狗の場所は良いとしても…恐竜は気合で探せって?」
まとい「幻想郷ですしおし」
超太郎「ま、何とかなるさ! 早速探検と行こうぜ!」
ネロ「烏天狗の場所は良いとしても…恐竜は気合で探せって?」
まとい「幻想郷ですしおし」
超太郎「ま、何とかなるさ! 早速探検と行こうぜ!」
歩き出す超太郎だったが、突如上空から白い何かが出現する。
???「怪しい集団め! これより先は行かせません!」
超太郎「な、なんだ…? 女の子が剣なんか振り回して、危ないだろ」
???「問答無用!」
超太郎「な、なんだ…? 女の子が剣なんか振り回して、危ないだろ」
???「問答無用!」
犬耳と尻尾をつけた、白髪の少女である。
白い和服でその豊満な身を包み、下半身は赤いスカートというややアンバランスな恰好である。
赤い山伏風の帽子、頭巾が特徴的で、外見とは裏腹に幼い顔立ちである。
剣と紅葉をあしらった円盾を持ち、今にも噛み付きそうな雰囲気を醸し出していた。
白い和服でその豊満な身を包み、下半身は赤いスカートというややアンバランスな恰好である。
赤い山伏風の帽子、頭巾が特徴的で、外見とは裏腹に幼い顔立ちである。
剣と紅葉をあしらった円盾を持ち、今にも噛み付きそうな雰囲気を醸し出していた。
超太郎「うぉ、危ないなぁ」
イエロー「私達は怪しい者じゃありません! ただ人?を探しに来ただけです!」
???「皆! 力を貸して!」指パッチン
イエロー「私達は怪しい者じゃありません! ただ人?を探しに来ただけです!」
???「皆! 力を貸して!」指パッチン
少女の周囲に、河童、鶯女、猫又、鵺が現れる。
???「行きます!」
エヴァ「まったく…人の話を聞かない奴だ」
エヴァ「まったく…人の話を聞かない奴だ」
対するは、たから、エヴァ、ネロ、まとい、超太郎の五人だった。
まとい「ハンターズネットV2!」
光のネットが、河童と鶯女の行く手を阻んだ。
ネロ「ディープ・ミスト」
深霧が猫又の視界を奪う。
たから「戦うと言うのなら、容赦しないわ。まずは黙らせるのがセオリーね」
少女「ひっ!?」
少女「ひっ!?」
たからの一睨みに、少女は震えあがった。
狼のような鋭い眼光の前に、強気だった少女は縮こまってしまう。
狼のような鋭い眼光の前に、強気だった少女は縮こまってしまう。
たから「エタールブリザードV2!」
度重なる戦いの中で進化したたからの技が、妖怪たちに襲い掛かる。
妖鵺「ラピッドウィップ!」
両手と尻尾を鞭のようにしならせてその攻撃を防ごうとするのだが、進化した氷雪の塊の前では焼け石に水ならぬ氷の塊にマッチの火だった。
少女たち「うわー!」
たから「…あっけないわね」
???「さて…私達の話、聞いてくれるよな?」
???「う、うう…はい」
超太郎「ほら、立てよ。俺は空条超太郎。お前は?」
???「ありがとうございます…私は椛」
椛「犬走椛です」
たから「…あっけないわね」
???「さて…私達の話、聞いてくれるよな?」
???「う、うう…はい」
超太郎「ほら、立てよ。俺は空条超太郎。お前は?」
???「ありがとうございます…私は椛」
椛「犬走椛です」