第三十七話 二人の天狗
大きなビニールシートの上で、レスラーズと椛、戦闘に参加した名も無き妖怪達が座り、お茶とお茶菓子を広げて和気あいあいとしていた。
まるでピクニックである。
一体どこから用意したのか、小さなテーブルやティーセット、急須まである始末だ。
まるでピクニックである。
一体どこから用意したのか、小さなテーブルやティーセット、急須まである始末だ。
たから「少しは静かにしなさいな、超太郎」
超太郎「いやですね、俺はこの摩訶不思議な現象をですね」
夕映「妖怪も人のカテゴリーで間違いないです」
超太郎「え、なに間違ってるの俺だけ!?」
椛「うーん…お探しの人は烏天狗と、凶暴なモンスターですか」
超太郎「何か半分間違って伝わってね?」
蝙蝠(石)「だいたいあってるからおk」
カズキ「適当だなぁ」
椛「それなら心当たりがありますよ!」
ネロ「本当!?」
椛「まずは烏天狗の所にご案内しましょう」
まとい「本当ですか? 助かります」
エヴァ「良し、手掛かりが見つかった所で…まずはお茶にしよう」ズズー
椛「そうですね」ズズー
超太郎「納得いかぬぇー!」
超太郎「いやですね、俺はこの摩訶不思議な現象をですね」
夕映「妖怪も人のカテゴリーで間違いないです」
超太郎「え、なに間違ってるの俺だけ!?」
椛「うーん…お探しの人は烏天狗と、凶暴なモンスターですか」
超太郎「何か半分間違って伝わってね?」
蝙蝠(石)「だいたいあってるからおk」
カズキ「適当だなぁ」
椛「それなら心当たりがありますよ!」
ネロ「本当!?」
椛「まずは烏天狗の所にご案内しましょう」
まとい「本当ですか? 助かります」
エヴァ「良し、手掛かりが見つかった所で…まずはお茶にしよう」ズズー
椛「そうですね」ズズー
超太郎「納得いかぬぇー!」
お茶会も終わり、名も無き妖怪達と別れた椛一向は山を頂上に向けて登り始めた。
険しい道を椛が先頭に歩くのだが、彼女はそんな道をものともせず進んでいく。
険しい道を椛が先頭に歩くのだが、彼女はそんな道をものともせず進んでいく。
たから「先程は気付かなかったけれど…あの娘、とんでもない運動神経ね」
メロン「真っ先にに必殺技かまして問答無用でぶち倒した人が言うセリフじゃないと思いまーす」
たから「何か言ったかしら?」
メロン「何でもございません!」
椛「皆さーん! 早くー!」ブンブン
カズキ「元気だなぁ、椛ちゃんは」
メロン「真っ先にに必殺技かまして問答無用でぶち倒した人が言うセリフじゃないと思いまーす」
たから「何か言ったかしら?」
メロン「何でもございません!」
椛「皆さーん! 早くー!」ブンブン
カズキ「元気だなぁ、椛ちゃんは」
ともすれば命を落としそうな山道を何とか登り切り、頂上についた一向。
そこは大きな広場になっており、広場の中心には中くらいの家が建っていた。
そこは大きな広場になっており、広場の中心には中くらいの家が建っていた。
椛「ここが私達の家、通称“花映塚”です!」
斗貴子さん「達?」
椛「はい。私と…皆さんがお探しの烏天狗さんと一緒に住んでるんですよ」
メロン「なんて偶然!」
たから「メタ的な発言は止めて」
椛「文さーん! 戻ってますかー!」
斗貴子さん「達?」
椛「はい。私と…皆さんがお探しの烏天狗さんと一緒に住んでるんですよ」
メロン「なんて偶然!」
たから「メタ的な発言は止めて」
椛「文さーん! 戻ってますかー!」
へんじがない。
椛「文さん…」
文『ああ、嘘です嘘!』
文『ああ、嘘です嘘!』
椛の上空から、一人の女性が文字通り舞い降りてきた。
赤い頭巾を被り、黒いショートヘアで、その身を白い半袖のシャツと黒いスカートで包んだ可愛らしくも大人びた女性である。
何よりも目立つのは、その背中にある漆黒の翼であった。
赤い頭巾を被り、黒いショートヘアで、その身を白い半袖のシャツと黒いスカートで包んだ可愛らしくも大人びた女性である。
何よりも目立つのは、その背中にある漆黒の翼であった。
文『呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃーん!』
いちいち括弧付けた口調の彼女こそ、レスラーが探し求める烏天狗その人である。
文『…って、あら? 椛、まだお仕事の時間では? それにこの人達は?』
たから「初めまして、私は冴木たから」
文『ご丁寧にどうもです。私は射命丸文と申します』
真紅「俺は真紅。で、文さんとやら。あんたの力を貸してもらいたい」
文『…ふむ。立ち話も何ですし、部屋に案内しましょう』
たから「初めまして、私は冴木たから」
文『ご丁寧にどうもです。私は射命丸文と申します』
真紅「俺は真紅。で、文さんとやら。あんたの力を貸してもらいたい」
文『…ふむ。立ち話も何ですし、部屋に案内しましょう』
文と椛に連れられ、“花映塚”へと案内される。
応接間は広く、レスラーズと文達全員が入っても余裕があった。
外見からは想像できない広さである。
応接間は広く、レスラーズと文達全員が入っても余裕があった。
外見からは想像できない広さである。
文『…お話はだいたいわかりました』
椛「文さん、どうか協力してあげてください。悪い人達ではないようですし、困ってるみたいですから…」
文『ただし、一つ条件があります』
杏子「条件?」
文『記事にしても良いですか?』
イエロー「き、記事?」
椛「文さんはここ幻想郷の新聞記者なんです。発行してる新聞はとても評判なんですよ♪」
文『面白そうな話じゃないですか! 早速号外記事を組まなければっ!』
たから「別に構わないわ、号外の人。力を貸してくれるのであれば」
文『では早速…その、どなたに力をお渡しすれば良いんでしょう?』
蝙蝠(石)「うーん…」
しゃも「はいはーい! 私、やってみたいなの!」
蝙蝠(石)「じゃあメロンよろしく」
メロン「えー安直過ぎるよ。あーはいはい、分かりました」
椛「文さん、どうか協力してあげてください。悪い人達ではないようですし、困ってるみたいですから…」
文『ただし、一つ条件があります』
杏子「条件?」
文『記事にしても良いですか?』
イエロー「き、記事?」
椛「文さんはここ幻想郷の新聞記者なんです。発行してる新聞はとても評判なんですよ♪」
文『面白そうな話じゃないですか! 早速号外記事を組まなければっ!』
たから「別に構わないわ、号外の人。力を貸してくれるのであれば」
文『では早速…その、どなたに力をお渡しすれば良いんでしょう?』
蝙蝠(石)「うーん…」
しゃも「はいはーい! 私、やってみたいなの!」
蝙蝠(石)「じゃあメロンよろしく」
メロン「えー安直過ぎるよ。あーはいはい、分かりました」
しぶしぶメロンはミキシマックスガンを文としゃもに照射するのだが、まったくの無反応だった。
しゃも「むぅ…残念なの」
ネロ「ま、まぁ手がかりが見つかっただけでも良いじゃないか! そういえば椛、もう一つ手がかりがあるんだったよね?」
椛「あ、恐竜の方ですね」
文『恐竜…ですか。恐竜かどうかは分りませんが、それに匹敵する、もしくはそれ以上の存在は確かにあります』
エヴァ「ほぅ」
文『ここより二山ほど離れた、『獣の谷』にて彼らは生息しています」
まとい「物々しい名前ですね」
超太郎「ティラノサウルスより強いのいるんかな」
カズキ「いやー比較出来ないだろ」
文『ティラノサウルスより強いかどうかは分りませんが…私が知る中で、幻想郷一と謳われる獣がいる事は確かです。それは獣の谷の洞窟に住み、幻想郷の獣の頂点に立つ存在です』
夕映「おおー、何だかかっこいいのです」
文『その名も、古竜王ソガノトトス!』
カズキ「そ…ガノトトス?」
文『ソガノトトスです。百聞は一見にしかず。椛、彼女達の案内をお願いするわね』
椛「はいっ! ですが今日は…」
ネロ「ま、まぁ手がかりが見つかっただけでも良いじゃないか! そういえば椛、もう一つ手がかりがあるんだったよね?」
椛「あ、恐竜の方ですね」
文『恐竜…ですか。恐竜かどうかは分りませんが、それに匹敵する、もしくはそれ以上の存在は確かにあります』
エヴァ「ほぅ」
文『ここより二山ほど離れた、『獣の谷』にて彼らは生息しています」
まとい「物々しい名前ですね」
超太郎「ティラノサウルスより強いのいるんかな」
カズキ「いやー比較出来ないだろ」
文『ティラノサウルスより強いかどうかは分りませんが…私が知る中で、幻想郷一と謳われる獣がいる事は確かです。それは獣の谷の洞窟に住み、幻想郷の獣の頂点に立つ存在です』
夕映「おおー、何だかかっこいいのです」
文『その名も、古竜王ソガノトトス!』
カズキ「そ…ガノトトス?」
文『ソガノトトスです。百聞は一見にしかず。椛、彼女達の案内をお願いするわね』
椛「はいっ! ですが今日は…」
窓の外をちらりと見ると、すでに夕日が傾き始めていた。
メロン「デンライナーでひとっとびは無理?」
椛「そのデンライナーというものがどのくらいの大きさか分かりませんが、あそこは複雑に地形が入り組んでおりますので、空を飛ぶ妖怪といえど上空からは侵入できません。ですので、地道に登って行くしかないんですよ。それでも半日はかかります」
ネロ「という事は、近くまでデンライナーで今から行っても夜遅くなっちゃうね」
文『と言う訳で本日は泊まって行って下さい。客人用のお布団はたくさんありますので、どうかご遠慮なさらずに』
たから「それではご厚意に甘える事とするわ」
椛「そのデンライナーというものがどのくらいの大きさか分かりませんが、あそこは複雑に地形が入り組んでおりますので、空を飛ぶ妖怪といえど上空からは侵入できません。ですので、地道に登って行くしかないんですよ。それでも半日はかかります」
ネロ「という事は、近くまでデンライナーで今から行っても夜遅くなっちゃうね」
文『と言う訳で本日は泊まって行って下さい。客人用のお布団はたくさんありますので、どうかご遠慮なさらずに』
たから「それではご厚意に甘える事とするわ」
皆が寝静まった深夜。
椛は外で正座させられていた。
椛は外で正座させられていた。
文『…椛、あなたのお仕事は何?』
椛「は、はい、この山に登ってくる人達を監視し、害を為す様であれば撃退する哨戒天狗です!」
文『それで、見ず知らずの相手にここに来た真意を確かめようともせず、あまつさえ勝負に挑んで負けたそうね』
椛「それは…その」
文『いえ、怒ってる訳ではないのよ? あなたが仕事熱心なのは良い事。それに彼女達は悪い人達ではないでしょうしね。でも…勝負に負けたのはいただけないわね』
椛「申し訳ありません…」
文『今夜の修行は厳しく行くわ。ちゃんとついてきなさい』
椛「は、はい!」
椛「は、はい、この山に登ってくる人達を監視し、害を為す様であれば撃退する哨戒天狗です!」
文『それで、見ず知らずの相手にここに来た真意を確かめようともせず、あまつさえ勝負に挑んで負けたそうね』
椛「それは…その」
文『いえ、怒ってる訳ではないのよ? あなたが仕事熱心なのは良い事。それに彼女達は悪い人達ではないでしょうしね。でも…勝負に負けたのはいただけないわね』
椛「申し訳ありません…」
文『今夜の修行は厳しく行くわ。ちゃんとついてきなさい』
椛「は、はい!」
文と椛が特訓に励んでいる頃、別の場所では真紅がデュプリ・ドール相手に一人修行をしていた。
真紅(ティラノ)「はぁはぁ…」
ティラノサウルスの力を使いこなしていると思っていたが、相手はそれ以上の力を使ってレスラーを消そうとしている。
そんな事は絶対にさせない。意を決して顔を上げると、そこにはたからが立っていた。
そんな事は絶対にさせない。意を決して顔を上げると、そこにはたからが立っていた。
真紅「たからさん」
たから「私も付き合うわ」
真紅「お、おう」
たから「私も付き合うわ」
真紅「お、おう」
そんな二人の特訓を、見守る一人の少女が居た。
しゃも「…」フフッ
そうして夜は更けていく。
東の空に太陽が昇り始めた頃、椛の大声によってレスラーズは起こされた。
東の空に太陽が昇り始めた頃、椛の大声によってレスラーズは起こされた。
椛「おはようございます! それでは、さっそく出発しましょう!」
カロメ「朝ごはんにカロリーメイトっ! 朝ごはんにカロリーメイトはいかがですかっ!」
文『朝ごはんならご飯とみそ汁とお魚とお新香を用意してますよ』
カロメ「がーん…」
大阪「カロメちゃん元気だしてな~」
まとい「頂いちゃって良いんですか?」
文『これも新聞のネタのお礼ですから♪』
カズキ「いっただきまーす!」
カロメ「朝ごはんにカロリーメイトっ! 朝ごはんにカロリーメイトはいかがですかっ!」
文『朝ごはんならご飯とみそ汁とお魚とお新香を用意してますよ』
カロメ「がーん…」
大阪「カロメちゃん元気だしてな~」
まとい「頂いちゃって良いんですか?」
文『これも新聞のネタのお礼ですから♪』
カズキ「いっただきまーす!」
朝食を終えた一向はデンライナーに乗り、獣の谷のふもとまでたどり着いた。
大きな岩山である。石と石が複雑に絡み合ったこの地形では、人は言うに及ばず、デンライナーではとても侵入出来ないだろう。
大きな岩山である。石と石が複雑に絡み合ったこの地形では、人は言うに及ばず、デンライナーではとても侵入出来ないだろう。
エヴァ「しかしそのソガノトトスとやら。危険はないのか?」
椛「大丈夫です。私知り合いですから」
夕映「モンスタートモダチ」
超太郎「オレサマ、オマエ、マルカジリ」
夕映「ひゃあ!」
エヴァ「超太郎、あんまり脅かしてやるな」
超太郎「やー、つい」
たから「それにしてもきつい坂ね」
椛「そうですか?」ヒョイッ
杏子「ソガノトトスって、どんな奴なんだ?」
椛「うーん…でっかい、ですかね」
超太郎「椛の胸とどっt」
エヴァ(化身)「アイシクルロード!」
超太郎「」カチーン
メロン「キジも鳴かずば撃たれまい…超さん、南無」
椛「は、ははは…」
椛「大丈夫です。私知り合いですから」
夕映「モンスタートモダチ」
超太郎「オレサマ、オマエ、マルカジリ」
夕映「ひゃあ!」
エヴァ「超太郎、あんまり脅かしてやるな」
超太郎「やー、つい」
たから「それにしてもきつい坂ね」
椛「そうですか?」ヒョイッ
杏子「ソガノトトスって、どんな奴なんだ?」
椛「うーん…でっかい、ですかね」
超太郎「椛の胸とどっt」
エヴァ(化身)「アイシクルロード!」
超太郎「」カチーン
メロン「キジも鳴かずば撃たれまい…超さん、南無」
椛「は、ははは…」