時透蒼夜
年齢 19歳(高校卒業より二年)
日輪刀の色 紫
階級 乙
年齢 19歳(高校卒業より二年)
日輪刀の色 紫
階級 乙
過去
彼は幼少期から高校一年生まで病弱で寝たきりであり、一度病院から死期が伝えられた事があるほどであった。しかし、妙な回復能力を見せ、歩けるようになり、数年後には鬼殺隊士になり難易度の高い月の呼吸を使用できるようになるという脅威の能力を見せた。
この脅威の成長には裏があった。彼には想い人がいたのだ。彼女は彼のリハビリに積極的に協力してくれ、彼ですらも意味がわからないほどの献身を見せてくれた。人の想いの力というのだろうか、遅かった心臓の鼓動は次第に高速になり、弱かった呼吸はやがて常人を超えるほどに強くなった。彼は歩くことが出来たのだ。彼は彼女とデートがしたかった。両親が持ってきた漫画や病床で流れるドラマでしか見ることが出来なかったデートを。彼女もまた同様だった。彼女は執拗苛烈ないじめを受けており、彼の手を引くその腕はいつも切り傷殴り傷でいっぱいだった。そんな自分を何よりも尊い存在かのように見てくれる蒼夜が、限りなく愛しかったのだ。二人は言葉こそ伝えなかった、否、『伝えられなかった』ものの両思いであることだけはお互いわかっていた。デート当日、蒼夜は待ち合わせにに少し遅れてしまった。
バスの前では彼女と他数人のバスを待つ人々がいた。肉片と血の姿で。
彼女は稀血であった。彼女の死体はその隣りにいた醜い鬼に食い尽くされていた。返せ返せと激昂する彼であったが、鬼はそんな彼を見て、邪悪な笑みを浮かべながらかつて彼の手を引いた右手を、ぽんと投げてきた。彼はその鬼を許せなかった。その場に転がっていた鬼殺隊士が持っていた、色変わりする前の日輪刀を握り、瞬く間に鬼を斬ってしまった。その後、増援の隊士に見つかり、紆余曲折を経て鬼殺隊に入隊した。
彼は幼少期から高校一年生まで病弱で寝たきりであり、一度病院から死期が伝えられた事があるほどであった。しかし、妙な回復能力を見せ、歩けるようになり、数年後には鬼殺隊士になり難易度の高い月の呼吸を使用できるようになるという脅威の能力を見せた。
この脅威の成長には裏があった。彼には想い人がいたのだ。彼女は彼のリハビリに積極的に協力してくれ、彼ですらも意味がわからないほどの献身を見せてくれた。人の想いの力というのだろうか、遅かった心臓の鼓動は次第に高速になり、弱かった呼吸はやがて常人を超えるほどに強くなった。彼は歩くことが出来たのだ。彼は彼女とデートがしたかった。両親が持ってきた漫画や病床で流れるドラマでしか見ることが出来なかったデートを。彼女もまた同様だった。彼女は執拗苛烈ないじめを受けており、彼の手を引くその腕はいつも切り傷殴り傷でいっぱいだった。そんな自分を何よりも尊い存在かのように見てくれる蒼夜が、限りなく愛しかったのだ。二人は言葉こそ伝えなかった、否、『伝えられなかった』ものの両思いであることだけはお互いわかっていた。デート当日、蒼夜は待ち合わせにに少し遅れてしまった。
バスの前では彼女と他数人のバスを待つ人々がいた。肉片と血の姿で。
彼女は稀血であった。彼女の死体はその隣りにいた醜い鬼に食い尽くされていた。返せ返せと激昂する彼であったが、鬼はそんな彼を見て、邪悪な笑みを浮かべながらかつて彼の手を引いた右手を、ぽんと投げてきた。彼はその鬼を許せなかった。その場に転がっていた鬼殺隊士が持っていた、色変わりする前の日輪刀を握り、瞬く間に鬼を斬ってしまった。その後、増援の隊士に見つかり、紆余曲折を経て鬼殺隊に入隊した。
名字が時透ではあるが、黒死牟や無一郎の子孫ではない。
しかし、明治になって全国民が名字を義務付けられた時、かつて継国満勝によって命を救われた者を先祖に持っていたため、名字を時透にしたという逸話が一族の中で残されている。またその時命を救われた蒼夜の先祖が満勝の技を舞、資料にして残し、継承した。一族ではその舞を踊れるものはいなかったが、蒼夜が唯一完璧に舞うことができた。それが呼吸だと知った今、蒼夜は鬼の始祖を打倒すべく、日輪刀を握る…
しかし、明治になって全国民が名字を義務付けられた時、かつて継国満勝によって命を救われた者を先祖に持っていたため、名字を時透にしたという逸話が一族の中で残されている。またその時命を救われた蒼夜の先祖が満勝の技を舞、資料にして残し、継承した。一族ではその舞を踊れるものはいなかったが、蒼夜が唯一完璧に舞うことができた。それが呼吸だと知った今、蒼夜は鬼の始祖を打倒すべく、日輪刀を握る…