ゴリランクエスト ~そして伝説へ~

▼トレーラー&レギュレーション

【トレーラー】

かつて邪悪なダークゴリラ、猿人王によってゴリラーム大陸は闇に閉ざされていた。
しかし剛・理・羅の三柱の神の祝福を受けた、正しき心を持つゴリラが立ち上がり、猿人王は打ち倒される。

世界へ平和を取り戻し、使命を終えると旅に出た彼をゴリゴリ(人々)は勇者として称えたのだった。
しかし時は流れ、再び邪悪な者が現れる。その名は――猿竜王(えんりゅうおう)

猿竜王の軍勢がゴリラーム王国を襲い、挑んでいった者達は無念にも命を落とし、ついには国王の一匹娘であるゴーラ姫が攫われてしまう。

もうおしまいだ――ゴリゴリが絶望したその時、一匹のゴリラがゴリラーム王国にやってきたのだった。

【ゴリランクエスト】〜そして伝説へ〜
ジャングルに――また新たな伝説が刻まれる。

【レギュレーション】

◎GCL:2+M
中世ヨーロッパをモチーフとした剣と魔法とゴリラの西洋ファンタジー
◎プレイヤー人数:PG1匹
所謂ソロゴリラシナリオ
◎GR:2
初期作成+ゴリラスキル1つ追加
※本シナリオではサンプルゴリラ使用を推奨する

◎今回の世界観
架空の大陸、ゴリラーム大陸を舞台とする文明が人間でいう中世レベルにまで発展した世界。
一部の適格のあるゴリラは魔法を扱えるが、それを悪用するダークゴリラの存在が世界を脅かしている。

▼コンセプト
GCL2+Mの世界観とデータを体験してもらうことを目的とした
勇者となって3つの神器を集め、攫われた姫を取り戻し魔王を打ち倒す、王道ファンタジー。

▼注意事項
本シナリオオリジナルのデータ(主に3つの神器)を使用し、ゴリラTRPGではメジャーではないアイテムを多用する。
その為、オーソドックスなゴリラTRPGの戦闘を楽しみたいという場合は、PLの意向を把握して本シナリオのデータを改変してプレイするといいだろう。



■ハンゴリアウト:勇者の血筋
君は、かつてゴリラーム大陸を救った伝説の勇者ウホの子孫である血統書付きのゴリラだ。
魔物を率いて侵略戦争を仕掛けてきた猿竜王は大陸中を荒らし回っており、この国難にあたって君はゴリラーム王国へ呼び出された。
玉座の間で対面したゴリラーム16世は、王の身分もかなぐり捨てて君へ懇願する。
「頼む。この国を救う為、猿竜王を討ってくれ!」
世界の平和は君に託されたのだった。

■サンプルゴリラ
【魔法剣士ゴリラ】
「ゴリゴリいこうぜ」
GR2
│能力値 筋力:2/パワー:4/力:5 /野生:3
│副能力値:HP22 バナナ:5 GP:5

▼ゴリラスキル
《ゴリラ斬撃》
《シットスロワー》
《ゴリシールド》



―――ワールドパート―――

│ゴリラーム王国
古よりこの大陸を安住の地としてきたゴリラの群れ。文明が発展し、魔法の力もあって今では王国と呼ばれるまでの栄華を誇るようになり、いつしかボスのことを王と呼ぶようになった。
太古の時代にこの大陸へ降り立ち、世界を創造し自らの写し身を生み出した剛・理・羅の三柱を信奉する。
この信仰は、ゴリラーム大陸に跋扈(ばっこ)する魔物たちによる脅威もあって強固なものとなっている。
※かつて、魔物たちを率いる猿人王というダークゴリラが現れ、侵略戦争を仕掛けられたのだが、たった一匹で立ち向かっていった勇者”ウホ”により退けられた。
今となっては吟遊詩人たちの詩となってその英雄譚は伝説として語り継がれている。

※シナリオから100年ほど昔の話。

この時代におけるダークゴリラ
ゴリラーム王国を栄えさせてきた功労者に魔導士ゴリラの存在がある。
その魔導士ゴリラの中でも強力な力を持った者がさらなる高みを目指し、三柱の神へ近付くことを夢見て魔法から生物を生み出した。
この生物こそが魔物であり、ゴリラーム王国のゴリラ達は三柱を冒涜した魔導士をダークゴリラと呼んだ。
弾劾裁判にかけられたダークゴリラは王国より逃走し、ゴリラーム大陸の片隅で魔導の高みへ至るべく密かに魔物を生み出し続ける。
その後の消息は定かではないが、長い月日が経った後に魔物を従えてゴリラーム王国へ戦争を仕掛ける猿人王が現れ、ゴリゴリは恐怖の記憶と共に歴史へダークゴリラを”魔王”という名で刻みつけることとなる。

◎補足
魔物=ダークゴリラによって魔法で生み出された生物
魔王=魔物を従える者の称号であり、ダークゴリラと同意義。



│ゴリラパーソナリティ


【勇者ウホ】
「名乗るがいい。戦の作法も知らぬウホか?」
年齢:? 体格:大柄 血液型:B型
かつて魔物を率いてゴリラーム王国を襲った猿人王に、たった一匹で立ち向かった勇者。
剛・理・羅の力が宿る3つの神器を携えていたが、ゴリラーム大陸に平和が戻ると神器を各地の祠へ隠し、いずこかへ去っていったという。
口数の少ない実直な性格で、富や栄誉に興味を持たぬ高潔な武人であったと吟遊詩人の詩に語られる、伝説のゴリラ。
行方は知られていないものの、血縁関係にあたるゴリラが数多くいると言われている。
しかし、それは勇者の伝説にあやかろうとしたゴリラが世にはびこっているのが実態であり、勇者ウホ自身が自らの出自について多くを語らなかったことも相まって、彼の血筋は今もなお増え続けている。


【猿竜王(えんりゅうおう)】
「魔王? 我こそは現猿神(あらざるかみ)なり!!」
年齢:? 体格:巨大 血液型:B型
平和なゴリラーム大陸に突如として現れた魔物を統べる存在。
はじまりの生物、剛・理・羅の三柱を作り出した神の次元へ至るべく魔道を極めたダークゴリラ。一説には魔法から生物を生み出す術を操ることから、かつての魔王”猿人王(えんじんおう)”の血族、あるいは弟子であるとされるものの謎に包まれている。
猿人王は本拠地を置き魔物を指揮していたため勇者による特攻を許し、敗れたことから猿龍王は侵略を開始して以来姿を隠し、遠隔から各方面の魔物へ指示を送っているようだ。
大きな翼と爪牙を持ち、口から火を吹く幻の生物ドラゴンのような姿をしながら、全身に紫色の体毛と太い腕を有する、ゴリラの特徴も併せ持った恐ろしい怪物。
現世におけるゴリラでありながら神となる、現猿神(あらざるかみ)と自らを称し、剛・理・羅の残した三つの神器とゴリラーム大陸を手中に収めることで、名実ともに神になろうと目論む。


【ゴリラーム16世】
「頼む、このゴリラーム大陸を救ってほしいウホ!!」
年齢:40代 体格:小柄 血液型:B型
能力値 筋力:3/パワー:3/力:3/野生:3
第16代目ゴリラーム国王。武の才も魔法の才もないが治世に優れ、よく他ゴリラの意見を聞いて用いることの出来る、王の器を持つゴリラ。
地位や身分に関係なく一匹のゴリラとして等しく接する、といえば聞こえは良いが。
自らがゴリラとして弱いことを自覚している為、臆病な一面を持つがゆえの優しさである。
しかしゴリラーム王国の猿達はこれを愛嬌として受け入れており、自分たちが支えねばならぬと愛情を注いでいる。



【ウホバル】
「神器さえ、神器さえ手に入れば……」
年齢:70代 体格:普通 血液型:B型
三柱の神への信仰心の厚い、老ゴリラ神官。
若かりし頃はゴリラーム大陸を放浪し、古のゴリラ達が残していった三柱の祠へ祈りを捧げる旅をしていた。
そうして宿った豊富な知識と神より授かりし魔法により、猿人王との戦いで疲弊したゴリラーム王国復興を支えてきた功労猿。
ゴリラーム16世が即位してから傍らに立ち続け、彼の手足として貢献しており、ゴリラームからは亡き父の代わりの如く慕われている。
既にシルバーバッグとなっているが、神官は名誉職であるため現役であり続けている。

【ウホンダルフ】
「ゴリラは野生と共にあるべきなんじゃウホ」
年齢:? 体格:大柄 血液型:B型
│能力値 筋力:3/パワー:5/力:4 /野生:3
ゴリラーム大陸を放浪する知者、賢ゴリ(賢者)。
高度な魔術と魔法知識を持つ魔法使いであるものの、魔導の研鑽過程で不死となってしまったが故に、社会に参加することを避けている。
かつてのダークゴリラのように理から外れてしまった彼は、ゴリラを救うことを使命としているようだ。
ただしウホンダルフの力も万能ではなく、救えなかったゴリラ達も数多くおり、民衆からは「不吉の象徴、灰色のウホンダルフ」と体毛をなぞらえて揶揄されている。
この時代を救えるのは、この時代に生きるゴリラだけなのだろう。


【ゴリーダ】
「勇者様、信じていますウホ」
年齢:32 体格:大柄 血液型:B型
能力値 筋力:3/パワー:4/力:5 /野生:2
ゴリラーム王国の城下町で酒場を営む姉御肌の雌店主。長身の雌で、酒場で諍(いさか)いが起きた際には彼女の怒りのメガトンパンチが見舞われるが、楽しく酒をやるぶんには歓迎してくれる。ゴリーダの酒場は衛兵、商猿など多様なゴリラが集うことから、数々の情報が集まる場所として重宝されているものの、当人は「客か否か」にしか興味がなく、飲み物すら注文しない者は入店お断り。人気の商品は自家製ココナッツ酒であるが、通はちょっと奮発してでもバナナ蒸留酒『ワイルド・ウッキー』を愛飲している。


【ゴーラ姫】
「勇者様、信じていますウホ」
年齢:18 体格:小柄 血液型:B型
能力値 筋力:2/パワー:5/力:3 /野生:4
ゴリラーム16世の一匹娘。家庭を顧みることなく市政に奔走していた彼の子は少なく、ゴーラ姫はその愛情を一身に注がれて育ってきた。
王国から外へと出たことのない箱入り娘であるゴーラ姫は、勇者ウホの伝説を始めとするおとぎ話の世界に夢を見る乙女で、情熱的な一面を持つ。
王室のものとは言え、過保護とも呼べる警備体制のもと育ってきたゴーラ姫だったが、ある日、猿竜王の手によってさらわれてしまう。




シナリオパート


――オープニングフェイズ――

【シーン1.ゴリラーム城】
■解説
ゴリラーム王国の城でゴリラーム16世と謁見するシーン。
猿竜王を倒すため、3つの神器を見つけ出すよう依頼される。また、娘のゴーラ姫もさらわれてしまった為、発見したら救出することも頼まれる。
旅の選別として神官ウホバルよりアイテム[こんぼう]と[5G]を託される。

■描写
君はゴリラーム城の謁見の間に※召喚された。
※自らの足で訪れた、あるいは神官ウホバルにより魔法で呼び出されたとしても、どちらで描写してもよい。

目の前には玉座に座るゴリラーム王と、その傍らには神官ウホバルが控えている。

▼セリフ:ゴリラーム王

「おお、この者がお主の見出した真のウホの血筋の者ウホか、ウホバルよ」

「勇者よ、よくぞ召喚に応じてくれたウホ」

「我がゴリラーム王国はいま猿竜王(えんりゅうおう)が率いる魔物の軍勢により、危急存亡(ききゅうそんぼう)の時を迎えている」

「我が娘、ゴーラもまた彼奴(きゃつ)らの手に落ち……頼む! 我々を救ってほしいウホ!! かつての、勇者ウホのように!!」

ゴリラームは土下座して懇願してくる

「旅の途中、もしゴーラの居所が判明した場合、どうか救い出してワシの元に連れ帰ってくれウホ」

3つの神器についての情報

「3つの神器を探すのであれば、まずは城下町にあるゴリーダの酒場へ行くとよいだろう。民たちの噂では最近、賢ゴリ”ウホンダルフ”の姿を見かけたらしいウホ。知者(ちしゃ)であるウホンダルフなら神器について何か知っているかもしれない」

ウホンダルフがいるなら自分で会いに行けばいいのに、と言われた場合

「ゴーラ姫がさらわれてからというものの、なにぶん城中も騒がしくなっていてな……対応に追われており城から離れることができずにいるのだゴリ……ゴリーダの酒場で燻製バナナを肴にココナッツ酒で一杯やりたいんだがな〜ウホホ〜〜!!」

▼セリフ:ウホバル

「猿竜王(えんりゅうおう)は姿を隠しておりますウホ、我々の斥候(せっこう)が情報を集めておりますが……いまだ居所は掴めず」

「猿竜王を倒すのであれば、剛・理・羅の三柱の神の力を宿した神器がきっと役立つことでしょウホ」

「神器はかつて勇者ウホが猿人王を倒したあと、各地へ隠したと伝わっておりますウホ。勇者の血族である貴方様ならきっと、見つけ出すことができるでしょウホ」

「猿竜王の居所もまた、神器さえあれば……」


■結末
3つの神器の捜索とゴーラ姫の救出の依頼を承諾した場合、ゴリラーム王はウホバルにPGへ餞別(せんべつ)を渡すよう指示する。
PGは[こんぼう]と[5G]を入手する。その後、謁見の間を退出したところでシーンを終了し、バナナを配布すること。


[アイテム:こんぼう]
<種別:武器>
このアイテムを所持するゴリラは武器攻撃ゴリラスキル使用時、【ダメージ】+5 【武器命中】-1される。
この効果は武器攻撃ゴリラスキルの効果に累積する。

│例:このアイテムを所持して《ゴリラ斬撃》を使用した場合、【武器命中】-3【ダメージ】+1d6+(GCL×3)+5 という値になる。

[アイテム:5G]
<種別:その他>
なんか固い丸いものが5つ、バナナがよかったウホ。



ミドルフェイズ



【シーン2.酒場でブギウッギー】

■解説
城下町で情報を集めるシーン。ゴリーダの酒場で賢ゴリ”ウホンダルフ”と会話し、神器の1つである[剛の剣]の情報を聞き出す。交渉判定を行う必要がある。

■描写
ゴリラーム王と神官ウホバルの情報を頼りに、きみはゴリーダの酒場へやってきた。
木製の調度品に樽を椅子代わりにしたテーブル席がいくつも並んでおり、日中にも関わらずシフト開けの衛兵やフリーランスのゴリラ達で賑わっている。

店主であるメスゴリラ”ゴリーダ”に尋ねると、ウホンダルフを紹介してくれる。

▶イベント:ゴリーダの酒場
酒場で飲み物を注文することができる。
ミルクなら1バナナ、ココナッツ酒なら2バナナ、最上級のバナナ蒸留酒”ワイルド・ウッキー5年”なら5バナナを消費する。
注文した飲み物によって、ウホンダルフとの交渉を有利に進められる。

賢ゴリと称される彼だったが、店の隅にある席でくだを巻いており、近寄りがたい雰囲気を放っていた。

ウホンダルフと交渉判定を行い、成功させると彼は[剛の剣]の在り処を教えてくれる。
ウホンダルフはPGを勇者ウホの血筋の者だと信じておらず、[剛の剣]を持ってきたらPGを勇者と認め、他の神器の在り処について教えてくれるようだ。

│補足:交渉判定はPGと対象となるキャラクターの【野生】を参照して行う。高い【野生】の値から低い【野生】の値を引き、算出された値をペナルティとして2d6を振り、5以上の達成値を出せれば成功となる。
詳細は[ゴリラルールセクション:交渉ルール]を参照せよ。
https://w.atwiki.jp/gorillatrpg/pages/7.html

│補足2:ウホンダルフの【野生】は3である。また、注文していた飲み物によって交渉判定で+の修正を受けられる。
ミルク:交渉判定+1 ココナッツ酒:交渉判定+2 ワイルド・ウッキー5年:交渉判定+5


▼セリフ:ゴリーダ

「いらっしゃい、何にするウホ?」

「ここは酒場ゴリよ、冷やかしはごめんだからね」

「あぁ、ウホンダルフ? それならあそこさね。アタシにゃ世の中に不満をたれてる、ただの酔っ払いにしか見えんウホがね……」

ウホンダルフについて

「『灰色のウホンダルフ、やってきた時には既に手遅れ、不吉の象徴』そんな噂がゴリラーム大陸で流れているから、誰も耳を貸してくれないらしいウホ。この街にウホンダルフが来てからというものの、ゴリラームに見切りをつけて居なくなっちまった奴もいるくらいだ」

「ウチとしちゃあ、注文してくれるなら誰もが神様、ウホ……もう少し楽しそうに飲んでくれりゃ嬉しいんだが、まあ〜こんな世の中じゃ難しいか」


▼セリフ:ウホンダルフ

「うぃ〜〜〜ウホッく(しゃっくり)」

「なんら〜〜この”灰色のウホンダルフ”になんら用かウホ?」

「ワシに声をかけてくるなど珍しいゴリラもおったもんウホい」

「ここは酒場じゃ、飲め飲め。酒も飲まずに語り合うことなど無粋であろウホ」

3つの神器について尋ねる

「はぁ〜〜3つの神器? そんなこと、お前さんに話して何になるウホ」

「勇者の血筋を騙るウ呆(古代のゴリラでいう”阿呆”の意)は多いからのう。神々の残していった神聖な品をそんなゴリラの手で穢すわけにはいかんのじゃ」

交渉成功後

「ウホホ(ムムムのニュアンスで)、たしかにお主には勇者ウホの面影が……ウホ(ふむのニュアンスで)」

「お主の眼(まなこ)には邪念を感じられぬウホ。お主が本当にウホの血を引くものか、確かめる方法が1つある」

[情報:剛の剣]
力の神、剛が自らの尻尾を切り落とし、炎にかざして剛力を込めた拳で鍛えることで作り出した。
※五尺五寸を超える漆黒の刃を持つ魔を祓う剣。
ゴリラーム王国から見て西にある祠に封印されている。
だが、祠は古代ゴリラ魔法による結界で守られており、勇者ウホの血筋にあたるゴリラでなければこれに触れた途端【15D6+35】のダメージを受けてしまう。

※センチメートルであらわすと約165cm

[情報:剛の剣]を開示後

「もしお主が本当に勇者であるというのであれば、この剣を持ってくるがいいウホ。さすれば、その時にもう一つの神器の在り処についても教えてやろう」

■結末
ウホンダルフより剛の剣について聞き出し、PGが西の祠へ向かったところでシーンを終了してバナナを配布する。




【シーン3.魔物出現】

■解説
西の祠へ向かう道中、魔物(スライム)と出会って戦闘が発生。
戦闘終了後、西の祠で[アイテム:剛の剣]を手に入れることができる。


■描写
ウホンダルフから教えられた情報を元に、西の祠へ向かう君は、ジャングルを切り開かれた平原を進んでいた。
視線の彼方には三柱への信仰から保護されたジャングルが生い茂っており、その奥地に西の祠はあるという。

――が! ジャングルへ足を踏み入れようとしたその時、青い球状の何かが目の前に立ちはだかる。

▼セリフ:スライム

「ぷるぷる、俺様、ゴリラ、まるかじり」

「ぷるぷる、ゴリ、うま」

戦闘不能時

「ぷるぷ―――」

スライムは君の一撃を受けて弾け飛び、弾力のある液体が地面へ転がっていった。
やがて魔力によって固形を保っていたそれはただの液体へ戻っていき、地面の染みに変わっていく。

▼セリフ:スライムB(生き残ったほう)

スライムA戦闘不能時

「兄者―――ッ!!」

「ぷるぷる、貴様! よくも兄者を!! 猿竜王さまより賜(たまわ)りしこの命、貴様を討つべく使い果たしてくれる!! 猿竜王さま、どうか大義を忘れ仇討ちに興ずる非礼をお許しくださりませ!!」

「ぷるぷる! 震えるぞボディ!! 燃え尽きるほどゴリィ!! 刻むぞ! 素手攻撃の1D!!」

■戦闘:スライム
目の前に飛び出してきた2体のスライムと戦闘を行う。無論、2体ともゴリラレンジ内である。
2体のスライムを戦闘不能にすることで、戦闘は終了する。


│エネミーデータ


【スライム】
HP:5
筋力:1
パワー:1
力:1
野生:-(交渉不可)
回避値:2
エネミースキル
《体当たり》
タイミング:行動フェイズ
素手攻撃を行う(筋力判定)
ダメージ:1D6+筋力(1)

▶エネミーメモ
液体に命を宿した魔物。一般的なゴリラでも勝てるが、沢山集まってくると手に負えなくなる。
いわゆるチュートリアル戦闘だと思って、戦闘の処理に慣れていこう。



■描写2
戦闘終了後、君は西の祠へたどり着く。
ジャングルの中心には見上げてもなお頂上の見えぬ大樹が生えており、その樹木の根には地下へと続く洞穴があった。

洞穴へ入ろうとすると、木の皮がまるでゴリラの顔のように形を変えていき――

「よくぞ参った、伝説を紡(つむ)ぐゴリラよ」

という声が響くが、その言葉が紡がれると間もなく、木はまるで何事もなかったかのように沈黙する。

※ゴリラ結界を通過できたことをあらわす描写。結界を突破するのに、特に判定などは必要ない。


■結末
洞穴を進み、真っ暗な地下洞窟へと辿り着いたPGが、剛の銅像の前に突き立った[剛の剣]を引き抜いたところでシーンを終了し、バナナを配布する。

[アイテム:剛の剣]
<種別:武器>
剛の神の力が宿る漆黒の剣。かつて、ゴリラには尻尾があったとされるが、剛が自らの尻尾を武器としたことで失われたと伝わっている。
進化の過程で無くなったものの元はゴリラの一部、巨大な剣であるにもかかわらず不思議なほど手によく馴染む。

このアイテムを所持するゴリラは武器攻撃ゴリラスキル使用時、【ダメージ】+55 【武器命中】+3される。

この効果は武器攻撃ゴリラスキルの効果に累積する。ただし、このアイテムは他の<種別:武器>のアイテムと同時に所持することができない。

│注意事項:[アイテム:剛の剣]は[アイテム:こんぼう]と一緒に所持することができない。つまり、[こんほう]と[剛の剣]の効果を同時に受けることはできないということでもある。
不要となった[こんぼう]は捨てるか、代わりに剛の銅像の前に置いておくといいだろう。


【シーン4.荒野を行く】

■解説
ゴリーダの酒場へ戻り、ウホンダルフに剛の剣を見せて新たな新器、[羅の衣]についての情報を聞き出すシーン。
東にある猿竜王(えんりゅうおう)配下の砦にあり、判定でそちらへ向かうことに。

■描写
ゴリーダの酒場へ戻ってきた君は、ウホンダルフへ剛の剣を見せた。

ウホンダルフは驚いてココナッツ酒を吹き出してしまうが、勇者の再来を祝ってくれる。
新たなる希望に酒場のゴリゴリは沸き立つが、ウホンダルフがもたらす新たな神器の情報に、表情を曇らせていく。

[情報:羅の衣]
羅の神が自らの抜け毛を集めて作ったマント。
あらゆる毒や瘴気を払い、着用者を癒すという。

羅の衣は既に猿龍王の軍勢の手に落ちており、東にある歩いて(ゴリラの足で)3日ほどの砦に保管されているとのこと。3日後、猿龍王が派遣した精鋭部隊に引き渡されるらしい。

▼セリフ:ウホンダルフ

「ウッフォー! それは[剛の剣]!? マジウホか!?」

「みなのもの! 勇者の再来じゃ!! ここにいるのは勇者ウホの血を引く真の勇者、PGウホ!!」

「しかし、次なる神器は、実はのう――([情報:羅の衣]を開示)」

「既に猿竜王の軍勢の手に落ちておるのじゃ、ウホ」

「東の砦まで、歩いて3日じゃが、3日後には猿竜王軍最強の将”ゴリハン”が率いる精鋭部隊が[羅の衣]を受領する手はずになっておるウホ」

時間がないのになぜ黙っていたのかと聞かれた

「先にも話した通り、勇者を騙るものも多いからのう……それに、例え勇者といえども、神器を1つも持たずに猿竜王軍とやり合おうなど、無謀にすぎるウホ」

「剛の剣を得たことで、お主はようやく猿竜王軍に挑めるようになった。そう捉えて欲しいウホ、お主ならきっとできる」

「勇者ウホも、そうしたのだからウホ」

なぜわかるのかと聞かれた

「これでも賢ゴリじゃ、大地の声に耳を傾ける術は心得ているウホ。かつてのゴリラは、皆この術を身に付けておったんじゃが……ウッホッホ、その話はまた別の機会に」

残る神器について

「噂では毒の沼に囲われた場所にあるようじゃが……ワシもいまだ詳細な位置は特定できておらぬ、すまんウホウ」

猿竜王は神器をどうするつもりなのか

「猿竜王、ダークゴリラとて元を辿れば我々と同じゴリラ。破壊はしないであろウホ」

「彼奴(きゃつ)はその利用価値をよく知っておる、ゴリラなのじゃから。きっと、自らの手中におさめたことで、もはや反抗する目はないとゴリラ達を絶望させるのに使うことじゃろう」

「あるいは――剛・理・羅の3つの神器を手にする我こそが、ゴリラに相応しいと三柱の神器を御旗にして、ゴリラーム大陸統一の正統性を主張するつもりなのかもしれんウホ」

■描写2
[羅の衣]を奪還するべく酒場をPGが旅立とうとしたその時、ウホンダルフが餞別(せんべつ)にバナナをくれる。

ウホンダルフ「今回は危険じゃ、これを持っていくウホ……ワシの年金ウホ」

彼がPGへバナナを渡したのを皮切りに「俺のバナナも使ってくれ」「アタシのバナナも使いな、コイツは投資ってやつさね」「俺のも!」「私のも!」と
酒場にいたゴリラたちがPGへバナナを託してくる。

PGはここでバナナ55本を入手する。

ウホンダルフ「時間はないぞ。さあ、勇者ウホの血を継ぐ者よ、チカラを示すウホ!!」

[東の砦へ2日で辿り着け!]
【力】の能力値判定。8以上の判定値を出すことで成功する。風のごとく駆け抜けよ!
※【バナナ】を使用可能

■結末
判定後、成功時、失敗時の描写をそれぞれ行い、シーンを終了してバナナを配布しよう。

成功
群がる魔物を蹴散らしながら2日かけて東の砦へ到着する。

失敗
群がる魔物に阻まれ、思うように進めず旅立ちから3日目に東の砦へ到着。

※失敗した場合、次のシーンでの戦闘時に敵としてゴーリレムが1体追加される。



【シーン5.仲間】

■解説
東の砦に辿り着き、砦の主であるゴーリレムと戦闘。
砦の魔物が続々と現れるが、魔法[ゴルーラ]でPGを座標として瞬間移動してきたウホンダルフがゴーリレム以外の魔物を引き受ける。
戦闘後、ゴーリレムの口から残る神器の在り処を伝えられ、PGはそちらへ向かう。


■描写
東の砦を前にした君を見かけた魔物たちが銅鑼(どら)を鳴らして警戒態勢へ入る。
すると門が開いて魔物の軍勢がわらわらと立ちはだかり、それを率いる石でゴリラを模して作られた巨大な魔物、ゴーリレムが君を見下ろす。

▼セリフ:ゴーリレム

「それは剛の剣。まさか、再びこの大地に勇者があらわれるとは」

「いいだろう。この私を倒せたのならば、貴様にこの[羅の衣]はくれてやろう」

ゴーリレムは石で出来た自らの胸を扉のように開き、 収納された宝箱を見せる。

「私とて、貴様の姿を模して作られた――ゴリラだ、ウホ」

「猿竜王さまはかつての三柱のごとき神威(かむい)を持ったお方。私の存在が、それを証明している――なればこそ、約束は守る、ウホ」

「ただし――同胞たちは黙っていないだろうがな! たった一匹で乗り込んでくるとは、まさに蛮勇。ゴリラとは理性的な生き物、貴様のような野蛮な者をゴリラとは認めぬ!!」


■描写2
ゴーリレムは戦いの合図としてドラミングを行う。
石を打ち鳴らす硬い音が、火花と共に大地を揺るがす。

そこへ、温もりがこもったドラミングの音色が空を震わせた。

音と共に姿を現したのは賢ゴリ、ウホンダルフであった。

ウホンダルフ『ゴルーラ』

ウホンダルフ「ワシの魔力を込めたバナナを座標に、転移魔法を使わせてもらった。PGよ、雑魚どもはワシに任せ、お主は大将”ゴーリレム”を討つがよいウホ」

■戦闘:ゴーリレム
ゴリラレンジ内にいるゴーリレム1体と戦闘を行う。
ゴーリレムを戦闘不能にすることで戦闘は終了し、ゴーリレムは約束通り宝箱を渡してくる。
中には[アイテム:羅の衣]が入っており、これを入手できる。

│エネミーデータ

【ゴーリレム】
HP:64
筋力:5
パワー:4
力:3
野生:-(交渉不可)
防御力:2
エネミースキル
《怒りのメガトンパンチ》
《ナックルウォーキング》

▶エネミーメモ
行動値決定で《ナックルウォーキング》を使用し先手を取り、《怒りのメガトンパンチ》で素手攻撃を行うことを狙う。
ゴーリレム2体と戦う状況も想定し、[剛の剣]を使用してダメージのダイスが上振れるか、ゴリティカルさせれば一撃で倒せることを狙える程度にステータスを調整している。
石で出来た魔物という設定の為、【防御力】を設定しており、常にダメージを2減少させる。


│補足:[東の砦へ2日で辿り着け!]に失敗していた場合、猿竜王の精鋭部隊の斥候としてゴーリレム(B)がもう1体ナックルウォークで現れ、戦闘を終わらせるにはゴーリレム2体を戦闘不能にしなければならなくなる。

▼セリフ:ゴーリレム

ゴーリレム(B)「兄ちゃ〜ん」

ゴーリレム(A)「おっ、お前は……サホン! なぜここに!!」

ゴーリレム(B):改めサホン「ウホン兄ちゃんの砦から銅鑼が聞こえて、居ても立ってもいられず!」

ゴーリレム(A):改めてウホン「サホンよ、その他ゴリを思いやる心こそ、まっことゴリラぞ!!」

ウホン&サホン「さあ、このウホンとサホンが相手ウホ! 我らはただの二匹ではない、1+1などという算数は通じぬ。我らが力を合わせれば1+1で500ウホ!!」

戦闘不能時:ウホン

「なる、ほど……これが時代というものか……」

「ずっと戦い続けてきた、自らを証明するべく。野生が赴くままに……弱肉強食の理、我々はそれほど愚かではない」

「時代が求めたゴリラは、お前、ウホ」

「行け、PG。ゴーラ姫は北の洞窟に囚われている」

「そこは翼を持つ猿竜王さましか立ち入れぬ、毒の沼に囲われた不浄の地」

「お前はそこで伝説では語られぬ、ゴリラームの真実を目の当たりにすることだろう……その後、何をなすかは、お前が――」


■戦闘終了後
PGは宝箱に入っていた[アイテム:羅の衣]とバナナ50本を入手する。


[アイテム:羅の衣]
<種別:防具>
綱の神、羅の力が宿る漆黒のマント。
このアイテムを所持するゴリラの【HP】+55(上限値が上昇する)【防御力】+5、毒などのバッドステータスを無効化する。
さらにシーンの開始時に【HP】を55、【GP】を5回復する(最大値を超えることはできない)


■描写3
ゴーリレムは[上位ゴリラ魔法]によってセリフの途中で消滅させられてしまう。

その魔法は砦の上空で漆黒のマントを翻した、ゴリハンが放ったもののようだ。
それに呼応するかのように猿竜王の精鋭部隊が砦へなだれ込み、ゴリハンは禍々しい剣をPGへ向けて襲いかかってくる。

しかし、ウホンダルフがその剣を受け、PGへ北の洞窟を目指すように伝えてくる。

それを後押しするかのように、PGを追ってきたゴリラームのゴリラたち、ゴリスタンス(レジスタンス)が現れて精鋭部隊と交戦していく。

▼セリフ:ゴリハン

「旧世代に引きずられた愚かな被造物(ゴリレム)め」

「お前が猿竜王に立ち向かう勇者か――期待できそうだ」

「私を、楽しませてみせろ」

「灰色のウホンダルフ、不死猿(ふしざる)同士このまま世界の終わりまで切り結んでみるか?」


▼セリフ:ウホンダルフ

「PG、北の洞窟へ向かうのじゃ。羅の衣があればお主でも毒沼を突破できるウホ」

「良いか? 決して振り返ってはならぬウホ」

「ゴリラのナックルウォークは大地を感じ、その眼(まなこ)は未来を見るためについているのだから」

「行くのじゃ! 勇者PGよ!!」
両手をかざしたウホンダルフはゴリハンと共に結界に包まれ、眩い光と共に消えていく。

『なあに、野生に還っただけじゃ……野生と共にあらんことをウホ』


▼セリフ:ゴリスタンス

「猿竜王を倒せるのはお前しかいねえウホ!」

「けど! ここにいる魔物を倒すのは、私たちにだってできるウホ!!」

「勇者PG! ここは俺たちに任せてゴリラームを救え!ウッホーッ!!」


■結末
ウホンダルフはゴリハンと共に結界魔法で別次元へ消えていき、ゴリスタンス達はゴーラ姫と残る神器、そしてゴリラーム王国の未来を託してPGを送り出す。



【シーン6.宿業”ゴルマ”】

■解説
北の洞窟に到着したPGが洞窟内を進んでいくと、囚われたゴーラ姫と伝説の勇者ウホと対面。
勇者ウホはここに囚われている理由を語り、ゴーラ姫と最後の神器[理の盾]を賭けて戦うことになる。
クライマックスフェイズの猿竜王との戦闘はイベントが発生する為、実質としてはこの勇者ウホ戦が最後の戦闘となる。


■描写
君は、毒の沼に囲まれた北の洞窟に到着した。
羅の衣が輝き、汚染された沼がPGを避けるように割れていく。

洞窟の奥へ続く細長い道を進んでいくと、君を感知したのかひとりでに燭台へ青白い炎が灯っていき、扉へ突き当たる。

重厚な金属製の扉を開くと、洞窟には似つかわしくないほど豪奢な装飾が施された広い部屋が広がっていた。

部屋の隅に設置された巨大な牢屋にはゴーラ姫が囚われており、その傍らではソファーへ座る芦毛のゴリラが本を読んでいる。

芦毛は、君を一瞥(いちべつ)すると溜息をつき、本を閉ざす。

▼セリフ:ゴーラ姫

「あ、あなたは……一体、どうやって」

「いえ! そこのゴ方!! 早くお逃げくださいウホ!!」

「そこのゴリは、伝説の勇者――ウホ!! たった一匹で、敵う相手ではありませんウホ!! 早く、早く逃げるウホーッ!!」

「いえ……一匹? まさか、あなたこそが……ゴクリ」


▼セリフ:勇者ウホ

「ここまでやってくるとはな、末裔よ。何も知らないゴリラが、たった一匹で……」

「信じられないか? たしかに、なかなか出来ない体験だウホ。ご先祖様との対面なんてな」

「俺は、猿人王を倒したあと王国へ凱旋した」

「初めてだったぜ、文明の栄華ってやつウホか? 食ったこともないような美味いバナナ料理に、美味い酒。柔らかな寝床と、美しいメス――そこいらにいる衛兵に不覚を取るほどに、俺は堕落しちまったウホ」

「ゴリラームの野郎は俺の寝込みを襲い、神器を取り上げてこんなところへ放り込みやがったんだよ……おっと、お姫様の親父じゃねえとだけは、お嬢ちゃんを傷つけねえために付け加えさせて貰うウホ」

「外がどうなってるかなんてどうでもいいし、なんで俺がまだくたばってねえかなんてのも、どうでもいいだろウホ?」

「今ある現実は、最後の神器”理の盾”と囚われのお姫様を守るのは、この俺だってことだけだウホ」

「武から目を背けちまったこの俺が、再び武と向き合う機会に巡り会えた……感謝するウホ。最後の神器が欲しいのならば――名乗れよ、ガキィ! 戦の作法も知らねえか!?」


■戦闘:勇者ウホ
ゴリラレンジ内にいる勇者ウホを戦闘不能にすることで戦闘は終了する。


│エネミーデータ

【勇者ウホ】
HP:70
GP:5 バナナ:55本
筋力:5
パワー:4
力:5
野生:-(交渉不可)
行動順番修正値:3
エネミースキル
《ゴリライズ》
《ゴリラ刺突》
《古代ゴリラ魔法》
《ゴリシールド》
《ウホンテ》

▶エネミーメモ
GPとバナナが設定されているエネミー。GPはゴリティカルを起こす為に使用せず、《古代ゴリラ魔法》と《ゴリシールド》の為に使用しよう。
行動順番決定フェイズでGPを使用して出目を【5】にすることで先手を取り、行動フェイズで《古代ゴリラ魔法》で攻撃。
ここでPGはゴリティカルしてでも【対決】に勝利するか、サンプルゴリラを使用していれば《ゴリシールド》でダメージ軽減を狙ってくることだろう。
ついで、PGの[剛の剣]を使用した武器攻撃を《ゴリシールド》を使い、次の行動フェイズで《ゴリライズ》へ回す分のバナナだけを残してダメージを軽減する。
これでこのエネミーのGPは0となる為、あとは出目と《ゴリライズ》《ゴリラ刺突》というGCL2の武器攻撃スキルで、剣戟に興じよう。
おおよそ2〜3ラウンドで勝敗が決するように調整している。


▼イベント:勇者ウホの【HP】が0になった場合。

勇者ウホは【HP】が0になった時、エネミースキルの《ウホンテ》を使用する。

《ウホンテ》
コスト:【*生死判定】
このエネミーが【HP】0になった際、ゴリラレンジ内5体の敵を選択して【15D6+35】のダメージを与えることができる。
このダメージでは相手の防御力を無視する。

【生死判定】をコストとして支払うことで、死亡する。


だが、《ウホンテ》が宣言された瞬間に[理の盾]がひとりでに浮き上がり、PGのことを守る。

[アイテム:理の盾]
<種別:防具>
知の神、理の力が宿る漆黒の盾。自らの尻尾を叩いてこねると炎を浴びせて加工し、盾の形状になったとか。

このアイテムを所持するゴリラは、1シーンに1回だけ相手のスキルを打ち消すことができる。
また、【防御力】を+55する。この効果は累積する。

[理の盾]を取得する上記のイベント終了後、戦闘を終了する。

│補足:《ウホンテ》を打ち消されたものの勇者ウホは死亡する。コストとして【生死判定】を支払っている為。


■描写2
勇者ウホは3つの神器を手にした君の前に膝をつき、肉体を維持していた魔力が尽きたことで末端から消滅していく。
牢屋にかかっていた魔法が解けると、ゴーラ姫は自ら鉄格子を両手で捻じ曲げて脱出する。


▼セリフ:勇者ウホ

「俺はただ、ひたすらにゴリラであろうとした。かつてこの地を救ったのも、己の力を試しただけに過ぎない。そんな俺をゴリラームは疎み、猿人王を倒した力を恐れてこの地に封じた」

「救った者達に裏切られた俺は自身を呪い続けた。そして、猿竜王に契約を持ちかけられ、世界を与えられた! そうして手にしたのがこの魔物の姿よ! 勇者など、所詮ゴリゴリが作り上げた偶像にすぎん!!」

「しかし神々は今、お前を認めたのだ」

「勇者――その称号はお前にこそ相応しいウホ」

「気を付けろ。奴は、ゴリラに化けて潜んでいる。王のすぐ、傍、で――」


▼セリフ:ゴーラ姫

「ありがとうございまウホ。私の先祖がしたことは許されません……」

「罪を償うためにも、まずは猿竜王を倒します。その為なら何だってしますウホ……その後のことは、あなたに全て委ねますウホ」


■結末
[理の盾]を手に入れ、ゴーラ姫を救助し、洞窟から抜け出した頃には、既に真夜中になっていた。
旅の疲れを癒すためにも、君たちは近場の村の宿へ身を寄せることにした。



【シーン7.密林の花嫁】

■解説
ゴーラ姫と共に宿で一泊し、情報を整理するシーン。
宿代として[アイテム:5G]をここで消費する。

■描写
ゴーラ姫と共に戦火の届かぬ片田舎の村へ辿り着いた君は、宿を取った。
宿に泊まるには[アイテム:5G]が必要になる。

▼セリフ:宿屋の主

「ようこそウホ、旅の宿に」

「一晩5Gですが、お泊りになりますウホか?」

「それでは、ごゆっくりお休みくださいウホ」

もう一度話しかける

「はぁ……ようこそウホ、旅の宿に」

※どうやら接客が面倒くさいあまりこの宿の主は定型文しか喋らないようだ。


▼セリフ:ゴーラ姫

「勇者ウホは猿竜王はゴリラに化けていると言っておりました。たしかに、これで猿竜王の居所の謎も合点がいきますウホ」

「しかし、一体どなたなのでしょウホ……勇者ウホは、お父様のすぐ傍と仰っていましたが……どういう意味なのでしょウホ?」


▼イベント:推理
これまで出会ってきたゴリラ達を思い出し、PGはパワーで判定することが可能。

[情報:猿竜王の正体]
【パワー】で判定を行い、 7以上の判定値を出すことで成功する。
※バナナ使用可能。

猿竜王の正体は神官ウホバルである。
北の洞窟に幽閉された勇者ウホの情報を掴む事のできるポスト。
そして、肉体を魔物に作り変えられるほどの魔法の力を持つのは、神官ウホバルしかいない。
君の野生がそう告げてきた。

■描写2:イベント後

ゴーラ姫「まさか、ウホバルが!? 信じられませんが、たしかに情報を整理するに、こんなことをやり遂げられるのは大神官である彼しかありませんウホ……でも、お祖父様の代から仕えていたウホバルが、猿竜王だったなんて、私、怖いウホ……」

ゴーラ姫は恐怖に震える心を押さえようと胸を叩く。
しかし、鼓動はおさまらず、不安にかられるばかりだった。

そうして、君を見やったゴーラ姫は溢れんばかりの感情を委ねるかのように、君の胸に抱きついてきた。

すると、三つの神器が輝き始め、ゴーラ姫の胸からハート型の宝石が出てくる。
宝石は三つの神器と融合していき、なんと! 新たな神器へと生まれ変わった!!


[アイテム:ゴールデンバナナ]
剛の剣、理の盾、羅の衣を失う代わりにこのアイテムを取得できる。
このアイテムを取得したゴリラは即座に≪失われし禁断のゴリラ言語魔法≫とバナナ55555本を取得し、GPを5まで回復する。さらに、「行動値決定以外」のあらゆる判定の出目が[5]として扱われるようになる。
君はついに、野生の深淵へと到達したのだ。現在・過去・未来の区別なく、あらゆる知識と意識が流れ込んでくる、奇跡の力を呼び覚ます五つ目の神器。


▼セリフ:ゴーラ姫

「古き伝承です――剛・理・羅の神は世界を作り、地上を去ると三柱の神の名を冠する生物、私達ゴリラが残された」

「三つの神器と共に。力の神、剛、知の神、理、綱の神、羅。神々から作り出された神器、そして神々より生まれた――ゴリラ」

「そう……私達ゴリラはきっと、四つ目の神器だったんだウホ」

「しかし、神々の神秘の力から生じた魔物、猿竜王達もまた、我々と同じもの。五つ目の神器。しかし貴方は今、神を呼び出すことが出来る」

「全てを根源へ返す、禁断の魔法を使って」

「でもそれこそが、世界の正しい姿なのかもしれません」

「私は――貴方の選択に従いますウホ」

「世界がどんなに変わろうと、貴方への私の愛は本物だからゴリ」


■結末
翌朝、君たちはゴリラーム王国へ向かって旅立った。

宿屋の主「おはようございますウホ、昨夜はお楽しみだったようで」


クライマックスフェイズ


【シーン8.そして伝説へ】

■解説
ゴリラーム王国へゴーラ姫と共に帰還するPG
謁見の間にて、神官ウホバルと最後の戦闘を行う。
PGが《失われし禁断のゴリラ言語魔法》を使用することで、シーンは終了する。

■描写
ゴリラーム王国へゴーラ姫と共に帰還した君は、謁見の間に再び立った。
ゴーラ姫の姿を目にしたゴリラームは大いに喜ぶが、それも束の間。
神官ウホバルが猿竜王であることを突きつけると、古代のゴリラ魔法によって周囲の時が止まってしまった。

唯一、この魔法の影響化で動ける君は神官ウホバルと――否、猿竜王と対峙する。

▼セリフ:猿竜王

「私の言った通りとなったろう? 猿竜王の居場所は神器さえ手にすればわかる、と」

「よくぞ来てくれた、勇者PGよ。お主は私の期待以上の働きをしてくれた。まさか先祖を打ち倒すとは、お主こそ真のゴリラよ」

「ゴリラも魔物も神より生まれし存在。真のゴリラであるお主と、魔物の王である私が手を組めば、もはや神すら恐るるに足らんわ」

「PGよ、私の仲間になれ! 世界の半分をくれてやろう!!」

はい
いいえ

ここでは「はい」か「いいえ」で答えることができる。「いいえ」を選ぶことで猿竜王との戦闘になり、「はい」を選ぶことでバッドエンドを迎える。

「はい」を選んだ場合の猿竜王のセリフ

「今からいう復活の呪文をメモするがよい」
→「シーン.1」へ移行する。

「いいえ」を選んだ場合の猿竜王のセリフ

「ふん、魔法で生物を作り出す私こそが――神だ、*現猿神(あらざるかみ)なのだウホ!」

現世に存在するゴリラの神のこと


「神に仕える栄誉を貴様には与えてやっても良いと思ったものだが……愚か者め! 神器さえ手に入ればよい、貴様は散れい!!」

■戦闘:猿竜王
ゴリラエンゲージ内の猿竜王を戦闘不能にすることで戦闘は終了する。

│エネミーデータ
《猿竜王》
HP:555 GP:5
筋力:6
パワー:8
力:5
野生:-(交渉不可)
行動順番修正値+5
エネミースキル
《心ないゴリラ》
《ハンドスラップ》
《パーフェクトゴリラ》

▶エネミーメモ
設定上はエネミースキルを所持しているものの、《心ないゴリラ》以外を使用することは想定していない。
《心ないゴリラ》を先手をとって使用する為、GPを使って出目を【5】にしよう。
《心ないゴリラ》使用後に発生するイベントで本エネミーは行動不能となり【対決】を行えなくなる。
この戦闘は最後のイベントと捉え、PGの《失われし禁断のゴリラ言語魔法》を受けて気持ちよく倒れることを目標にしよう。


▼イベント:《心ないゴリラ》
猿竜王はエネミースキル《心ないゴリラ》を使用してPGのHPとGPを1にしてしまう。


《心ないゴリラ》
タイミング:行動フェイズ
コスト:バナナ5
回数制限:なし GCL:M
効果:ゴリラレンジ内の敵、55体までを選択し、対象のHPとGPを1に変更する。
魔力により生命を宿す禁術より編み出された、生物が持つ力を消失させる黒ゴリラ魔法。
古の時代にあらゆる傷や病を癒すために探求されたはずが、心ないダークゴリラによって悪用され力を失わせることに用いられた、黒ゴリラ魔法においてすら外法(げほう)とされる禁断魔法の一つ。


《心ないゴリラ》の発動後、[ゴールデンバナナ]が輝き出す。

すると、君の胸に暖かな光が宿り、その心に語りかけてくる声を聴く。

ウホンダルフ『勇者PGよ、聴こえるじゃろう。お主の野生に語りかけてくる声が、願いが!』

ウホンダルフのセリフ後、GPが+1される。

ゴリーダ「アンタに投資したぶん、まだ返してもらってないんだけど? ほら、しゃんと立つんだウホよ」

ゴリーダのセリフ後、GPが+1される。

ゴーラ姫「私の全て、委ねますウホ――あなたに力を」

ゴーラ姫のセリフ後、GPが+1される。

勇者ウホ「さあ、やってやるウホよ。勇者さま?」

勇者ウホのセリフ後、GPが+1される。

猿竜王「なんだ、この突出した野生は! くっ、私が、震えているだと!? 魔導を極めた魔王たるこの私が!! 生命として恐怖しているというのか!?」

猿竜王は行動不能となり、【対決】を行えなくなる(猿竜王の判定は自動で失敗となり、ゴリティカルも起きなくなる)


▼イベント:《失われし禁断のゴリラ言語魔法》を使用
周囲が光に包まれていき、猿竜王はさらさらと砂のように散っていく。
やがて光は世界を覆い尽くしていき、君の視界もまた虹色に染まってしまう。
魔力――この時代を歪めた存在が、滅びと再生を司る言葉によって、消えていく。

その被造物もまた、同じ運命を辿っていき、世界は再構築されるのだ。

全てが無へ帰する刹那、胸を叩く音が君を送っていくことだろう。

ウホンダルフ『野生に……あるべき姿へ帰るだけウホよ。ゴリラよ、野生と共にあらんことを……よくやった、勇者PGよ』

ゴリーダ『配当は平和な世界ってわけかい、フン……アタシの店にゴリラを沢山連れてきたら、良しとしてやるウホ』  

ゴーラ姫『世界が変わっても、私の想いは変わりませんウホよ……PG、必ずあなたを見つけ出します……未来で待っていてウホ!』

ゴリラーム16世『ゴリラとして、最上級の賛辞を君に――《お前がNo.1だ》ウホ!』


声が、意識が……遠ざかっていく。



――エンディングフェイズ――

【シーン0.そしてジャングルへ】

■解説
なんの変哲もない平和なジャングルで目を覚ますPG
世界は作り変えられ、GCL1へと時代は再生される。
ここから君の、ゴリライフか始まるのだ。


■描写
目を覚ますと、そこはジャングルだった。
生い茂る木々から漏れる陽の光に、君は目を覚ます。

風がそよぎ、静かに揺れる葉の音は、まるで1日の訪れを祝福するファンファーレのようであった。

昼寝をしていたらしい君のことを見やった、一匹のメスゴリラが木の上から降りてくると、声をかけてくる。

▼セリフ:メスゴリラ

「あなた、見かけないお顔ウホね? 私、ゴーラ! このジャングルのボスの娘ウホ!! ウッホン(えっへん的な)」

「ここは平和で、とってもいいジャングルウホよ。食べるものも一杯だし、近くに水場もあって、ゴリーダさんってゴリラが料理屋さんをやっているくらいなんだウホ!」

「行き先が決まってないなら、案内するウホ!道に迷ったのならきっとウホンダルフさんが知恵を貸してくれるし――」

「あっ、そうだ。まだ聞いてなかったウホね、失礼したウホ。あなたのお名前は?」


■結末
君は、ただのゴリラとしてジャングルを彷徨っていた。
しかし、ゴーラと名乗るゴリラと出会った君は末長く――ゴリラの寿命が尽きるまで、幸せに生きた。

何を成し、何を残していったのかは、誰も知らない。

何故ならば、君のゴリライフはまだ、始まったばかりなのだから!

  ゴリラTRPG【ゴリランクエスト】〜そして伝説へ〜
最終更新:2025年05月05日 01:09