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Requiem その5

戦艦フッドの艦橋では、連邦軍第六艦隊先遣隊の指揮をとるバスク少佐がどすの利いた声で部下を怒鳴りつけていた。
「奴が本当にザビ家の生き残りだというのなら生け捕りにして戦争責任者として裁くべきだ!まず空母を沈め、敵の総大将をとらえる!」
怒鳴られた作戦参謀の大尉はその剣幕に圧倒されながらも、ベーダ―卿からの命令を繰り返していた。
「我々の任務はソーラ・レイ発射の阻止です。少佐、空母の撃沈は任務に含まれてはおりません!」
しかし、バスクはより一層の大声で大尉に一喝した。
「頭さえ押さえればソーラ・レイはとまる!もういい貴様は下がれ!ここからはこの私が直接指揮をとる!」
「しかし少佐…!」
「黙れ!」
バスクはついに大尉を殴り飛ばした。
「こいつを独房へ入れておけ!作戦遂行の邪魔だ!」
何人かのクルーが殴られた大尉を引きずるようにして出ていくと、バスクは船の前方を見渡した。バスク艦隊の露払いとして先を行くのはジオン共和国政府が派遣した鎮圧部隊のドム小隊である。そしてそれを迎え討つのもまた、黒の騎士団に共鳴した公国軍のドムなのであった。ここにジオン軍はともにかつての味方を撃たねばならない局面を迎えていた。彼らはそれぞれの信じる未来のため、昨日まで味方だった者同士で戦闘を開始した。
「ふん…ジオンはジオン同士で争えばいい、スペースノイド共が何人死のうがしったものか。」
バスクは意地の悪い笑みを浮かべてそう言った。

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12/13 22:22 Windows(PC) [540]エルザス
539

「スザク、左翼の全面に出て敵を迎え撃て。そこに黒い木馬が現れた。」
ゼロからの通信を聞き、スザクは愛機であるランスロットを加速させた。居並ぶ艦船をかき分けるようにして飛び、最前線を目指す。戦闘の光が近づいてくる。
「いた!」
スザクの視線の先にはすべての火器を乱射しながら進むブラックハウスの姿があった。そしてスザクは自分の上方に敵のMSがいることに気付いた。
「ガンダムか!」
漆黒の機体、ガンダムBlackCatであった。BlackCatもスザクを発見したらしく、一直線に降下してくる。ブラックハウスへは行かせないつもりらしい。
「クルルギ隊長!ここは自分たちが引き受けます!隊長は敵の戦艦を!」
そばにいたツノつきのザクがそう言ったが、スザクは聞き入れなかった。
「ダメだ。ガンダムはザクでは倒せない。僕がやる。君たちはジムとボールに集中しろ。敵艦はこちらの艦隊に任せる!」
「了解しました。第二小隊つづけ!」
ザクの小隊が戦場を突っ切ろうとしていたボールの小部隊に向かっていった。スザクは降下してくるガンダムに向きなおった。ガンダムはビームサーベルを抜いた。スザクも剣を抜き、互いに急接近してゆく。
「はあああああっ!!」
叫びとともに剣を繰り出す。火花が視界を埋め尽くすほどにほとばしり、強い衝撃がコックピットを揺らした。お互いの太刀筋が交差し、剣は衝撃で弾き飛ばされた。
「くっ!」
そのまま敵とすれ違い、スザクは即座に振り返った。ガンダムは勢いを殺さずに遠ざかっていく。ゲルググ用のビームライフルを装備し、追撃に入る。が、突然に横合いから砲弾が飛来し、ランスロットの鼻先をかすめて行った。急制動をかけてとまり、弾丸が飛んできた方向に目を凝らす。4機のジムがマシンガンを構えて乱射しまくっていた。狙いは正確ではない。
「邪魔をするな!!」
スザクは叫び、ジムに向かってランスロットを駆った。ジムは散開し、スザクはそのうちの一機に追いすがる。追い越しざまに切りつける。火花が散り、ジムは胴体から両断された。ほかのジムは恐れをなしたのかスザクから離れていく。さらにそれらを追おうとしたランスロットの目の前で、突然に爆発が起こった。ランスロットは反射的に腕をかざして機体を守ったが、スザクは今の攻撃がどこから来たのかわからなかった。刹那、真下から接近する敵機がいることをセンサーが察知し、警報を鳴らした。
「むっ!?」
機体をひるがえしたランスロットのすぐ横をビームが駆け抜けていった。スザクはそれを発射した機体を見た。ガンダムが戻ってきていた。
「くそっ!」
スザクは負けじとビームを撃ち返す。しかしガンダムはそれを難なくよけて見せると、両手両足を広げて下腹部の巨大なバズーカの発射体勢を取った。瞬間的に危険を察知したスザクは慌てて機体を上昇させる。放たれたバズーカ弾がランスロットの足の下数メートルで炸裂し、スザクは何とか被弾せずに済んだ。
「あの機体が装備していたのは巨大なビーム砲だったはずだが?!換装できるのか!」
そう、そこには本来ならばアームストロング砲が装着されていたはずなのである。しかしBlackCatはア・バオア・クーでグラハムと戦った際にそれを犠牲にした。代わりに装着されたのがハイパー・バズーカ、通称ジャイアント・バズだったのだ。
「射撃武器がビームライフルだけのランスロットでは分が悪い…!」
自分を狙ってくるビームを避けつつ、スザクは忌々しげにつぶやいた。このままではジリ貧だ。ブラックハウスのもとへ行くことなど不可能だ。どうする…?
焦るスザクだったが、不意に聞きなれた声が彼の耳朶を打った。
「助太刀するぜ、騎士さんよぉ!」
アリー・アル・サーシェス?!」
突然アリーの乗るシャドームーンが現れ、BlackCatに向かってビームライフルを乱射し始めた。BlackCatも負けじとそれに応戦する。
「ここは俺が引き受けた!お前は敵艦隊に向かえ!」
「助かった!感謝する、アリー!!」
スザクは機体をひるがえしてブラックハウスへと向かった。ブラックハウスは押し寄せるザクやドムに向かって対空砲火を撃ちまくり、さながら活火山のようであった。
離れていくランスロットをしり目に、アリーは眼前の黒いガンダムに見入っていた。どうやら下腹部のバズーカは換装されたものらしい。意外性があってやりがいのある敵。
「いくぜぇガンダムさんよぉ!!」
白銀の機体が漆黒の機体に躍り掛かる。

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12/14 15:58 Windows(PC) [541]エルザス
540

「主砲三連射!ってえぇぇぇ!!」
クロノの叫びとともにブラックハウスの主砲レールガンが火を噴き、接近しつつあったザクが粉砕された。それと同時にカントーが新たな敵を確認し、声を張り上げる。
「1時の方向よりチベが接近してきます!その後方にドム4機!!」
「面舵!そのチベと真正面から撃ちあいます!第二連合艦隊、右一斉回頭!!」
あずにゃんが支持を下し、チベとドムの部隊に向かって十字砲火が展開された。
「艦長、直上より敵のMS近づきます!ザク2、ドム1、ゲルググ3!」
カントーが更なる敵部隊を発見した。
「直援のジムを向かわせてください!高角砲一斉撃ち方!」
頭上の敵に対しても容赦ない弾幕が展開された。ブラックハウスとその後方の第二連合艦隊各艦は次から次へと現れるジオン反乱軍部隊を蹴散らし、黒の騎士団の戦線を食い破りつつあった。
「タチバナ隊の二機が帰還します!左舷デッキに着艦!弾薬の補給を行います!」
アークがセイバーフィッシュの帰還を告げる。ブラックハウスの前足にあたる部分、カタパルトのハッチが上下に開き、着艦の受け入れ態勢に入った。
「正面のチベ撃沈!やりました艦長!!」
クロノがあずにゃんを振り返って叫んだ。チベとともにいたドム4機もすでに撃墜されていた。ブラックハウスの勢いは止まらない。
「転針します!もう一度ソーラ・レイへ向けてください!艦隊の僚艦にも打電!」
あずにゃんの指示ではジョーンズが舵を回し、はちゅねは第二連合艦隊の各艦へブラックハウスの転針を伝える。ブラックハウスは大破させたチベの横を通りかかる。ブラックハウスのデッキにはまずピクシーのセイバーフィッシュが着艦しようとしていた。少し後ろにはタチバナの機体が控えている。その時チベの下方から、一機のゲルググが忽然と現れた。ゲルググを操っているのはロロであった。彼はブラックハウスの左舷デッキが開いていることを見ると、一気に加速してそこを目指した。
「ブラックハウスは僕が沈める!兄さんのために!沈めえぇぇぇぇぇぇ!!」
ロロは声を限りに叫び、ゲルググを駆った。
「敵機急接近!ガルム2、警告!警告!」
「あのゲルググを落とせ!!」
アークとクロノが叫ぶと同時にピクシー機が急旋回した。そしてそのすぐ後ろから、対空砲火をかいくぐったゲルググが迫ってきた。
「ピクシー後ろだ!!」
タチバナの絶叫が響いた次の瞬間、ゲルググはセイバーフィッシュに飛びつくように体当たりを食らわせ、そのまま左舷デッキに飛び込んでいった。
衝撃が艦橋にまで伝わってきた。激しい振動ではちゅねがバランスを崩し、椅子から投げ出された。立っていたクロノは慣性で吹き飛ばされ、壁に背中を激しく打ち付けた。
「クロノさん!」
あずにゃんがクロノに駆け寄り、その身を抱き起した。
「艦長…指揮を取ってください…損害は…ごふっ…」
クロノは絞り出すようにそういうと、吐血してしまった。顔が真っ青だ。
「しゃべっちゃダメです。今救護班を呼びます!」
「…艦長は、指揮を取ってください…自分は大丈夫です…」
「わかったからしゃべらないでください!アークさん、救護班を!」
「ハイ!」
アークが救護班を呼び出している間、あずにゃんはクロノを抱きかかえたままで損害を確認した。
「左舷デッキは大破!整備クルーの死傷者不明!ピクシー機とゲルググはまだ格納庫内で爆発する危険があります!!」
カントーが被害を素早く報告する。あずにゃんは言葉を失った。最悪の事態だ。船体に重大なダメージを被ってしまった。MkⅡやLv.57は無事だろうか?

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12/14 15:59 Windows(PC) [542]エルザス
541

「う…ん…?」
Lv.57はゆっくりと目を開けた。かすむ視界内は火花が飛び交っていた。ここがどこだかわからない。とにかく体が重くて起き上がれない。
「なにが…起きたの…?」
呆然とつぶやくLv.57。その視界に頭から血を流すMkⅡが映った。
「生きてるねLv.57。待ってな、いま助けてやるから。」
「整備士長…なにがあったんですか…?」
まだ思考がはっきりしないLv.57は、左足のあたりに激しい痛みを感じていた。そちらを見ようにも頭が持ち上げられない。
「敵のMSが突っ込んできたのさ…ピクシーはやられちまった。」
MkⅡはそういって自分の背後を親指で示した。Lv.57は目だけでそちらを見た。
格納庫のど真ん中に、ひしゃげたセイバーフィッシュとズタボロになったゲルググが転がっていた。その周囲には焼け焦げた整備兵たちの死体が転がっていた。非現実的な光景だった。
「整備士長!助けに来ました!!」
アララギの声が聞こえて、走り寄ってくる足音がした。一人分ではない。少なくとも二人分。
「これは…レベッカさん!?」
Lv.57の視界の端にアララギの姿が映った。その後ろにはヒタギの姿もあった。
「ぼさっと見てないで手伝いな。足の上の機材をどけるんだ。」
MkⅡがアララギにぴしゃりといった。
「はい!」
アララギとヒタギはMkⅡと協力し、Lv.57の左足を押しつぶしていた巨大な機材、通称鉛筆削りをどかした。現れたLv.57の細い脚はあらぬ方向に折れ曲がってしまっていた。
「折れちまってるね。でもこれなら治る。よかったねLv.57。」
MkⅡはLv.57に優しく微笑んだ。左足の痛みが少しだけ引いたような気がした。
「彼女を医務室に運んでやってくれ。」
アララギにそう言ったMkⅡは格納庫内をぐるりと見渡した。まだほかにも生存者がいるかもしれない。助けを呼べないほどに傷ついた整備班の仲間が。
「整備士長はどうするんですか?」
ヒタギがMkⅡに訊いた。MkⅡはヒタギのほうは見ないで答える。
「あたしゃここにいるよ。まだ息のあるやつがいるかもしれない。二人はLv.57を頼む。」
「わかりました。」
Lv.57をそっと担架に乗せたアララギが返事をし、彼はヒタギと一緒にそれを持ち上げた。
「気を付けてください。まだ可燃物や爆発物があちこちに転がっています。」
ヒタギは真剣な眼差しでMkⅡを見たが、彼女は結局ヒタギと目を合わそうとはしなかった。
「行こう、センジョウガハラ。」
アララギが促し、二人はLv.57を運び出した。格納庫から出る間際、ヒタギは一度だけMkⅡを振り返った。今度は目があった。少しだけ笑みを形作った口元が印象的だった。
医務室へ向かう途中、コイズミを伴ったキョンとすれ違った。
「整備士長はどこにいる?」
キョンはすれ違いざまにアララギに訊いた。
「格納庫に残っています!」
アララギはそれだけ答えると速度を落とさずに医務室へ向かっていった。
「まずいな…艦長は格納庫の隔壁を閉めようとしてる。」
キョンはコイズミに言った。
「ゲルググが爆発する危険性を考慮すれば妥当な措置です。」
コイズミは眉を寄せながら言う。このままではMkⅡは一人格納庫に取り残され、命を落としてしまう。
「行くぞ、整備士長を連れだすんだ。」
「わかりました。」
コイズミとキョンは格納庫へと走った。途中何度か船体が急激に傾き、バランスを崩しそうになる。ブラックハウスはまだ戦場の真っただ中にいるのだ。時折急な回避運動が繰り出されるのも仕方ない。それでもキョンとコイズミは走り続け、格納庫の入り口へとやってきた。
二人はそこで血を流して倒れているMkⅡを発見した。
「整備士長?!」
叫び、駆け寄る。抱き起したMkⅡの眼はうつろだ。
「しっかりしろ!」
キョンの叫びにMkⅡはかすかに反応した。彼女は震える手でゲルググのほうを指差した。キョンがそちらを見るよりも早く、タン、という乾いた音が響いた。
「ぐぅッ…?」
コイズミが胸を押さえて倒れ込んだ。床に転がったコイズミを見たキョンは、慌ててゲルググのほうへと目をやった。
「オールハイル・ルルーシュ…」
ボロ雑巾のような姿の学徒兵が、ゲルググの前で拳銃を構えていた。学徒兵は頭から血を流し、その眼はMkⅡと同じくらいに焦点が定まっていなかったが、彼がコイズミを撃ったことは明らかだった。そして、おそらくMkⅡも。

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12/16 17:27 Windows(PC) [543]エルザス
542

「オールハイル・ルルーシュ…」
息も絶え絶えにつぶやいたロロは、あまり力の入らない腕でどうにか拳銃を支えていた。いつもはもっと軽く感じていたはずの拳銃が、どういうわけかとてつもなく重い。ぼやける視界と相まって、ろくに狙いを定められない。だがロロは最後の力を振り絞り、キョンに銃口を向けた。
「貴っ様ぁぁ!!」
キョンは怒りに任せてロロへと突進した。あっという間に距離が詰まる中、ロロは引き金を引いた。火薬のはぜる音とほぼ同時に、キョンの肩口から血が飛び散った。だがキョンは構わずロロにとびかかる。体当たりを受けたロロは拳銃を手放してしまった。それをキョンがキャッチし、組み敷いたロロの額に銃口を当てた。
「兄さん…!」
ダン、というややくぐもったような音が響き、ロロの頭部から血と脳髄が飛び散った。
首をのけぞらせるようにしてロロの体が崩れ去り、キョンは荒んだ目でその死体を見下ろした。こんな子供にまで戦争を教えて、ジオンはいったい何をしたかったのか。
一瞬そんな考えが頭をよぎったが、キョンは次の瞬間には拳銃を投げ出してMkⅡとコイズミのもとへ駆け出していた。
「この傷では僕はもう助かりません…整備士長を連れて逃げてください…」
らしからぬかすれた声でコイズミが言った。キョンはMkⅡを見た。すでにこと切れていた。
「もう死んでる。お前を連れて行く。」
その時、アークの声の艦内放送が広い格納庫に響き渡った。
「左舷格納庫の隔壁を閉じます!中にいる人はすぐに退避!!」
「…行ってください。僕を連れていては間に合わない。」
諦めた口調のコイズミにキョンは怒りを覚えた。まだあきらめるんじゃない。
「何言ってんだ!まだお前生きてんだろうが!絶対連れて…うわっ!?」
コイズミを無理やり抱き起そうとしたキョンの腕をぐいと引っ張るものがいた。キョンは半ば激怒しながら振り返る。そこに立っていたのは―――
「長門?!」
ユキ・ナガトであった。いつからいたのか、わずかに息が上がっているところからすると、急いで走ってきたらしい。いつも通りの無表情で、キョンの服の袖を強く引っ張る。
「32秒後に隔壁が閉まる。あなたまで死ぬ必要はない。」
平坦な口調でそう言うなり、有無を言わさずキョンを引っ張ってゆく。ものすごい力だ。
「待て長門!あいつを見捨てる気か!待てって!」
抵抗するキョンだが、ナガトはそんな彼をどんどんと引っ張っていった。華奢な彼女の躰のどこにそんな力があるのか、まったくもって不可解だった。キョンは必死で暴れながら、離れていくコイズミに手を伸ばす。コイズミはすでに目を閉じ、眠っているかのようだった。
「コイズミ!死ぬな!おい!!」
キョンの躰が格納庫から出た瞬間、頑丈なシャッターが彼の視界を遮った。一度閉鎖されればもう二度と開くことのない頑丈な隔壁。その向こうに、大切な仲間を置いてきてしまった。もう二度と会えない。
「くっそがあああああああああああああああああああああっ!!!」
キョンの絶叫がこだました。


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12/16 17:28 Windows(PC) [544]エルザス

† † † † †

「なんでこんな戦いを続ける!この戦いに何の意味がある!アリー・アル・サーシェス!!」
折れは敵機に向かって全力で叫んでいた。敵機、シャドームーンはBlackCatが放ったジャイアント・バズを幾度となくよけ、一方でオレもアリーの攻撃を何度をやり過ごしていた。
「意味なんてねえ!俺は殺すだけだ!戦いが俺を呼んでんだよ!」
「死神が!貴様さえいなければナンジは!!」
「死神はお前も一緒だろうが!自分が何人ひとを殺したか、わかってるのかよ!!」
「犠牲者に向き合おうともしない貴様がッ!!」
「討てば癒されるとでも?!そういうのを自己満足って言うんだよ!!」
「黙れ!!」
BlackCatとシャドームーンがぶつかりあい、つばぜりあったビームサーベルが火花を散らす。めまぐるしく点滅する光。照らし出される漆黒の機体と白銀の機体。
「人間なんてのはなぁ、所詮憎しみ合うようにできてるんだよ。人類の革新だかなんだか知らねえが、人間同士がそう簡単に分かり合えると思うな!」
「人を信じたこともない男が、知ったような口を聞くな!」
「じゃあ俺と分かり合えるってか?ニュータイプさんよ?」
「ニュータイプの力は、お前のような人間と分かり合うためにあるんじゃない!」
「分かり合えないってことだろうが?!」
「違う!ニュータイプの力は、邪悪に染まる世界を照らすためにあるんだ!お前のような闇を、打ち破るために!」
シャドームーンがBlackCatを押しやり、すかさず腕部のビームライフルを撃ちかけてくる。オレはそれを直感で読みきり、ビームをよけつつジャイアント・バズを発射する。バズーカはしかしシャドームーンには当たらず、大きく飛び上ったシャドームーンは一気に反転してBlackCatに突っ込んできた。オレはトンガリコーンで敵を切り裂く。だがBlackCatの巨大な爪は何もない空間を通り過ぎただけだった。刹那、BlackCatは真下からの激しい衝撃に突き上げられた。
「ぐぁっ!」
見ると、機体の右足の甲をシャドームーンのサーベルが貫いていた。アリーはぎりぎりのところでトンガリコーンの軌道を見切り、それをよけてオレの足元へ飛び込んだのだ。
サーベルをBlackCatの足に刺したまま、シャドームーンはオレの真正面へと飛翔した。
「俺が闇ってか?随分な言い草だな、ガンダムさんよう!俺にいわせりゃ、テメェも同類じゃねえか!自由を掲げる殺人鬼が!」
シャドームーンが普通より大ぶりのサーベルをこちらに向ける。オレは機体を操作するが、右足に受けた傷のせいで反応が悪い。回避は間に合わない―――!
「いただくぜぇ!ガンダム!!」
アリーの絶叫が聞こえ、オレは死を悟った。爆発的に加速したシャドームーンがこちらに迫ってくる。殺されるまでのほんの一瞬で、オレの頭はめまぐるしく回転した。
ナンジのところへ行くのか。こんな汚い男に負けて、いったいどんな顔をして乃人と会えばいいのだろう。悔しいにもほどがある。ジオンへの復讐も果たせていないのに。それに、まだ守りたいものがたくさんあった。フェイトやナノハやシンには、まだ保護が必要なのだ。見てみたい未来もたくさんあった。あずにゃんやハルヒがこれからどんなふうに生きていくのか、一緒に生きて見ていたかった。愛している人がいた。黒猫がオレの死を知ったら、彼女はどれだけ悲しむことだろうか。
オレが死んでもみんなはきっとたくましく生きていくだろう。オレのために泣いても、いずれは勇気を取り戻して世界のゆがみと戦うだろう。だけどそこにはオレがいない。笑いあうみんなの輪の中に、オレはいなくなってしまう。それは怖い。自分がいなくなることが怖い。怖くて怖くて耐まらない。
生きていたかった。死を目前にして、オレはまだ生きていたかった。死にたくない。まだ死にたくない。こんなところで死にたくない。オレは―――
「死にたくないっ!!」
涙とともに叫んだ瞬間、聞き覚えのある声がオレの中に響いた。
「よく言った、ガンダム!!」

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12/16 17:29 Windows(PC) [545]エルザス
544
刹那、一条のビームがシャドームーンの腕部を直撃し、BlackCatを貫かんとしていたビームサーベルはシャドームーンの腕ごと粉砕されてしまった。
「なっ…!?」
オレは息をするのも忘れて背後を振り返っていた。接近してくる見慣れた機体。幾度となく剣をまじわせ、幾度となく殺しあってきたあの機体。
フラッグ?!まさか…?!」
「あえて言わせてもらおう、グラハム・エーカーであると!!」
そう、オレの窮地を救ったその機体は、グラハム・エーカー操るフラッグⅡだったのである。
「ガンダムは私のものだ!手を出して欲しくないな!!」
グラハムは叫び、シャドームーンに向かって脚部のミサイルを撃ち放った。
「ちぃっ!援軍か!」
アリーは短く舌打ちしてミサイルをよけきると、素早く機体をひるがえして戦域を離脱していった。フラッグはBlackCatの隣で停止すると、 BlackCatの右足に刺さっていたビームサーベルを抜き取った。火花が散ったが爆発したりはしない。単に動かなくなっただけだ。そんなことより…
「お前、どうしてここに?なぜオレを助けた?」
助けてくれた礼も言わず、オレはまずそう尋ねていた。ここでまた一騎打ちなどと言われたらオレに生き残る可能性はなくなる。
「黒の騎士団の鎮圧を命じられた。連邦軍に協力して反逆者ゼロを討て、と。」
グラハムはそれがこの上ない光栄であるかのように話す。
「馬鹿な…お前は何度もゼロと一緒に戦っているはずだ。いうなればゼロの仲間だったんじゃないのか?」
「戦争は終わった。私は共和国政府の命令に従う。これ以上戦争を続けようとする公国軍兵士を止めなくてはならない。協力してほしい。」
グラハムの言葉は真剣だった。少なくとも今の彼が敵ではないことをオレは直感的に感じ取っていた。だからこそ助けてくれたのだろう。
「そうか…お前に命を救われるとはな…」
だが、礼を言おうとは思わなかった。この男はオレの恨みを買いすぎた。宿命の敵とさえ思っていた。それがいきなり味方になったところで、どうして素直になれようか。
「機体の損傷は軽微だが、母艦に戻るか?私が護衛してもいい。」
グラハムが言った。紳士的な申し出だが、冗談じゃない。
「まだ戦える。これしきの傷で引くわけにはいかない。ゼロを止めたいのはオレも同じだ。オレは進まなければならない。」
「そうか…」
グラハムは黙った。オレはBlackCatを駆り、再び最前線へと向かう。
「?」
見れば、フラッグがBlackCatについてきていた。オレと一緒に戦うつもりか?
「何をしている?お前は自分の任務を果たせ!」
突き放すようにそう言った。
「これが私が自分で選んだ責務だ。君を守る。」
「なっ…」
オレは絶句した。なぜこいつに守られなければならないのか。たしかにさっきは命を救われたが、もうこいつに借りを作るような目に合うのはごめんだ。
「ふざけるな!離れて飛べ!」
「ふざけてなどいない。私は本気だ。私は君の存在に心奪われた。守りたいと思うのは当然だ。」
今度こそオレは絶句した。もう何を言っても無駄だ。どれだけ反対したって、こいつはオレを守ろうとするだろう。ならもう好きにすればいい。
決してやつの言葉に心が揺れたわけではない。

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12/16 17:29 Windows(PC) [546]エルザス
545

† † † † †

「ロイヤル・ソヴェリン、臨界突破!沈みます!!」
オペレーターが叫んだ次の瞬間、戦艦フッドの隣を進んでいたマゼラン級、ロイヤル・ソヴェリンが推進機部分から大爆発を起こした。爆炎は瞬く間にロイヤル・ソヴェリンの巨体を呑み込み、その船体は完全に破壊されてしまった。
「ロイヤル・ソヴェリンの穴を埋めろ!リナウン、バーラムを前に出せ!」
バスクは怒り狂ったように怒鳴っていた。彼の率いる艦隊は今や黒の騎士団の戦線に深く食い込み、空母ミドロへと肉迫しつつあった。だが進めば進むほどにやってくる敵部隊の密度は上がり、抵抗も一層熾烈になってきていた。
「バスク少佐、やはりこの突撃は無茶です。我々は第二連合艦隊より前に出すぎています。彼らと共同歩調を取りませんと、我々だけが孤立してしまいます!」
戦艦リナウンの艦長が直接通信を入れてきた。バスクはその進言を一蹴する。
「儂に指図するな!まず空母を沈め、敵の防空能力をそぎ落とすのだ!ジムはまだ出すな!あれはソーラ・レイに直接攻撃するまで温存しろ!!」
通信を一方的に切り、バスクは艦橋から見える戦場に目をやった。絶え間なく瞬く爆発の光。それらはバスクの乗る戦艦フッドに迫りくるようであった。

黒の騎士団旗艦、ダモクレスでは、ゼロが戦況を分析してあらたな作戦に打って出ようとしていた。
「我々から見て右翼の敵が戦線にかなり深く食い込んでいる。それに比べて左翼の敵はスザクやジェレミアの奮戦もあり、まだそれほど侵入してきていない。」
ゼロは戦況を表すモニターを凝視しながらつぶやいた。右翼の敵とはすなわちバスク艦隊のことであり、左翼の敵はブラックハウス以下の第二連合艦隊であった。この状況下でもっとも有効な策がなんなのか、彼の頭の中ではすでに結論が出ていた。
「左翼の敵に向けている迎撃部隊を右翼の敵の背後に回せ。右翼の敵を一気に包囲殲滅し、改めて左翼の敵を迎え撃つ!」
ゼロは仰々しく作戦を宣言し、その命令が黒の騎士団の各部隊へ伝達されていく。
最前線、ブラックハウスに近い場所にいたスザクは、即座にゼロの意図を理解した。
突出するバスク艦隊と手堅く進む第二連合艦隊の間には全くと言っていいほど連携が見られない。いま自分たちがバスク艦隊へ向かったとして、第二連合艦隊がその背後から襲いかかってくれば、黒の騎士団のMS部隊は大損害を被る。しかしその可能性は極めて低い。それは連邦軍同士の連帯感がきわめて薄いからだ。二つの艦隊が別の地点でまったく異なるやり方で攻撃を仕掛けてきている。まず友軍同士で協力しようという姿勢が見られない。この作戦はいける。
スザクはそう判断し、自分と一緒に戦っていたザクの小隊に一時後退することを告げた。彼らのすぐ眼の前にいるブラックハウスはロロの特攻を受けて傷つき、いま一息で撃沈できるようにも思えたが、そううまくはいかないだろう。あの戦艦は恐ろしいまでに粘り強く、強固な船なのだ。ブラックハウス隊と何度も戦ってきたスザクにはそれがわかっていた。いまはゼロの作戦に従うべきだ。
スザクはランスロットの機体をひるがえし、バスク艦隊のいる方角へと向かった。多くの公国軍MSがそれに続く。

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12/22 23:58 Windows(PC) [547]エルザス
546

「敵MS、退却していきます!」
ブラックハウスの艦橋では、カントーが信じられないといった様子で状況を報告していた。
「どういうことでしょう?もう少しで艦隊の陣形は崩されそうだったのに…」
アークが怪訝な面持ちでつぶやく。
「なんにせよ助かりました。今のうちに陣形を組み直し、同時に本艦のダメージコントロールも徹底します。」
あずにゃんが決然と言い放ち、艦内放送のスイッチを入れた。
「艦長より達します。敵MSが後退したため、状況は一時的に小康状態となりました。しかしまったく油断はできません。各員、引き続き自らの責務にあたって奮励努力し、最後まで戦い抜いてください。以上です。」
語り終えたあずにゃんは今度は戦況の分析に専念する。一時的にではあるが、正面にいる敵の防御陣は薄くなった。敵MSの大半が引き上げていったからだが、この機に一気に進撃していいものかどうか、あずにゃんは迷っていた。彼女は今、ブラックハウスのことだけでなく第二連合艦隊全体のことも考えなくてはならないのだ。彼女を補佐するはずのクロノはすでに医務室に運ばれていた。かなりの重傷らしい。自分で判断するしかない。
「ブラックハウスはまだ動けない。対して僚艦の損害は軽微…」
あずにゃんは声に出して状況を確認していった。その方が頭が冷静でいられるからだ。
「僚艦とその前にジムを押し立てて前進。敵のMSが戻ってきたらジムとブラックハウスのMSで対処…よし、いけます。」
あずにゃんは決断した。
「僚艦に打電、敵MS撤退のこの機を逃さず突進します!艦隊の先頭はウォースパイト、さらにその前にジムを先行させて前進!艦隊は凸型突撃陣形に移行します!」
第二連合艦隊は進みながら陣形を変える。高度な技術だが実戦に熟達したこの艦隊ならば可能だ。方々に散っていたジムが次第に艦隊の周りに集まり、理想的な突撃の陣形が完成した。迎撃に出てくる敵の小型艦船は第二連合艦隊からの濃密な弾幕に絡め捕られて手も足も出ない様子だ。状況は一気に好転しつつあった。
その頃、シン、フェイト、ナノハの三人は、あずにゃん指揮下のMSの中でもっとも深く敵陣に侵入していた。彼らの右手には巨大な構造物、ソーラ・レイが威圧感たっぷりに鎮座し、真正面の遠くにはダモクレスらしき艦影が見え隠れしていた。
しかし、三人はそれより深く進めなかった。突如として現れた巨大なオレンジ色のMAが、三人の行く手を遮ったのだ。
「そのプロトタイプケンプファー、乗っているのはフェイト・テスタロッサか。」
オレンジ色のMA、ジークフリートのコックピットで敵を見定めるようにしている男、ジェレミア・ゴットバルトは言った。
「ジェレミア卿ですね?」
フェイトも相手が誰なのかすぐにわかった。この色のMAなら間違えようがない。
「ソロモンでは、しんがりの務め見事であった。」
ジェレミアは余裕たっぷりに頬に手を当て、目を細めて言う。
「君には借りがある。情がある。引け目もある。しかしこの場は…」
突然ジークフリートが加速し、三人のMSに向かって突っ込んできた。
「忠義が勝る!!」
「散開!!」
かろうじてシンがそう叫び、ディスティニー、レイジングハート、そしてバルディッシュの機体が三方向に分散した。ジェレミアはジークフリートを急停止させると、武人としての格の違いを見せつけるかのごとく叫んだ。
「受けよ、忠義の嵐!!!」
その瞬間、ジークフリートのミサイルポッドが一斉に火を噴き、無数のミサイルが三人の機体へ向かって襲い掛かった。
「くっそ!!」
シンはシールドをかざしてミサイル攻撃から身を守る。爆炎に一瞬視界が奪われるが、それを振り払って上昇する。フェイトとナノハは無事なのか?
だがそれを確認するよりも早く、シンの視界はオレンジ色の機体によって埋め尽くされていた。
「なにっ!!」
眼にもとまらぬ速さでディスティニーに接近したジークフリートは、その表面から突き出た巨大な突起物――スラッシュハーケンを射出し、ディスティニーを狙った。シンはすさまじい反射神経でこれを見切ったが、機体のほうが操縦についてこられなかった。スラッシュハーケンがディスティニーの機体をまともにとらえ、シンを強烈な振動が襲う。
「ぐわあああああああっ!!」
「シン君!!」
ナノハのレイジングハートがシンを援護するべくジークフリートを狙う。
「そこっ!!」
必中の狙いで発射されたライフル弾を、しかしジークフリートはいとも簡単にかわして見せた。
「よけた?!」
とてつもない機動力だが、それに乗るパイロットが膨大な負荷に耐えられることの方が信じがたかった。
「さがって、ナノハ!シン!」
フェイトの声がしたかとおもうと、バルディッシュがジークフリートのほぼ真上からハヤブサのように急降下してきた。バルディッシュの手にはビームスピアーが握られている。
「はああああああっ!!」

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12/23 00:00 Windows(PC) [549]エルザス
548
「甘い!!」
ジェレミアの一喝と同時に再びスラッシュハーケンが繰り出され、フェイトはそれをかいくぐるようにしてジークフリートに迫った。
「そこっ!!」
バルデシッュはスピアーをジークフリートへと突出し、その切っ先は火花を散らしながらジークフリートの装甲を切り裂いた。バルディッシュは瞬く間にジークフリートとすれ違ったが、ジークフリートはその巨体をぐるりと回して過ぎゆくバルディッシュを追尾した。
「わが忠義のための機体に、よくも傷をつけてくれた!!」
怒り狂ったかのごときジェレミアの絶叫。それと同時に数十発ものミサイルが発射され、バルディッシュの背後に迫った。
「くっ!」
あまりの数にフェイトは目を見開いた。すべてよけるのは不可能だ。そしてバルディッシュの装甲では一発の被弾が命取りになりかねない。ミサイル群はバルディッシュのすぐ後ろにまで迫った。やられる―――!
「動かないでフェイトちゃん!!」
「!?」
不意にナノハの叫び声が聞こえ、フェイトは機体を急停止させた。ミサイルがバルディッシュに到達するほんの一瞬前、まばゆいビームがバルディッシュを焦がすようにしながら駆け抜けてきた。ビームはミサイルを次から次へと消滅させ、そのままジークフリートに向かった。
「む!?」
ジェレミアは即座にビームを回避しようとしたが、機体の動作が一瞬だけ遅れた。フェイトがジークフリートに負わせた傷が原因だった。そしてその一瞬が決定的だった。
ビームはジークフリートの機体をえぐるように直撃し、その左半分を吹き飛ばした。
「あの機体、やる!!」
ジェレミアはどうにか機体を制御しながら遠くに見える白亜の機体を睨んだ。
その機体、レイジングハートは、今やバルディッシュの横に位置を占めようとしていた。
「形勢は不利か!むっ!?」
ジェレミアは上方に殺気を感じた。確認する暇もなく機体を旋回させると、シンのディスティニーがすぐそばを急降下していった。ディスティニーがかざしていたアロンダイト・ビームソードはジークフリートの機体をさらに削り取り、これ以上の戦闘はほぼ不可能となった。
「いまだ我が忠義は果たせぬか…!この勝負、預けた!!」
ジェレミアは捨て台詞をはいて離脱を図った。離れていくジークフリートに向けてシンがビームライフルを発射するが、これはあっさりかわされてしまった。
「フェイトちゃん、大丈夫?」
レイジングハートを操るナノハがフェイトに訊いた。
「うん、大丈夫。ありがとうなのは。助かった。」
「これくらいは当たり前だよ!私たち、仲間だもん!」
二人のやり取りを聞きつつ、シンは周囲を警戒していた。明らかに敵の動きが変わった。敵のMS部隊はバスク艦隊のほうに集結しているようだ。
「これでダモクレスまだはがら空きだ。行くぞ、フェイト、ナノハ!」
シンは二人を促し、先陣を切ってダモクレス目指して進んでいった。

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最終更新:2010年12月24日 02:56
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