347 名前:冬物語・情熱編(中)1/4 :2009/01/21(水) 21:18:01 ID:???
332からの続き。
メイリン「なによなによ、大きいからって、大きいからって…」ザックザック
ファ「だ、だめよ、メイリン…負けちゃ、だめ… ううっ!」ザックザック
思わず道端にしゃがみ込んで、積もった雪を掘り返す少女たち。
女の魅力は数字では
無い!と判ってはいても―――敗北感の拭えぬ二人であった。
アリー「だが! おっぱいは力だ!」
カミーユ「言い切った!」
アリー「おっぱいは正義だ! 男のロマンだ! そうだろ、坊主!!」
カミーユ「こっちを巻き込むな!」
どさっ!
カミーユ「えっ?」
フォウ「カミーユ…」
カミーユ「フォ、フォウ!」
フォウ「そうなんだ…やっぱり、カミーユも胸の大きな女の子がいいんだ…」
彼女自身、決して貧しいランクに入るわけではないのだが、
どちらかといえばファ・ユイリィと同様、脚で勝負!な所はあった。
この日もケープは下に着込んだ服のために、膨らんだ鳥の羽のようになっていたが、
明るい色のタイツはすらりとした絶妙なラインを余すことなく世に示しており、
足フェチならばぜひ踏まれてみたいと思ったことだろう。
カミーユ「フォウ、誤解しな」
フォウ「いままで、良くしてくれて、ありがとうカミーユ…」
カミーユの言葉をさえぎるように言い、落としたバッグを拾い上げたフォウは駆け出す。
カミーユ「待って、待ってくれ、フォーーーウ!!」
ちなみにこの頃…。
ばふっ!
ロザミィ「きゃっ!」
プル「タリホー! ワレ敵艦ニ命中ヲ認ム!」
ロザミィ「やったわねーー!!」エイッ!
スキーウェアに身を包んだロザミィは、プルたちと
雪合戦を満喫していた。
ルー「も、何がなんだか…」タメイキ
348 名前:冬物語・情熱編(中)2/4 :2009/01/21(水) 21:19:46 ID:???
アリー「えっーと…」
メイリン「………」←冷ややかな目
トニヤ「………」←無生物を見る目
ファ「せっかく…せっかく
お邪魔虫が居ないって思ったのに…
二人っきりで帰れるって思ったのに…」←暗い情念の込められた目
アリー「俺のせい、かな?」
メ・ル・ト「「「…」」」こっくり
アリー「いや、だってよぉ…」
性懲りも無く口の中でおっぱいおっぱいと愚痴るおっさん。
トニヤ「生足の次はおっぱい? ほんっとに判ってないわね」
アリー「ンだとぉ? そもそもあのデカチチ見ろっつったのはそっちだろーが!」
トニヤ「違うわよ!
大きな胸に悩みつつ、それでも憧れのあの人に振り向いてもらいたい…
隠したいけど隠せない、だって、女の子なんですもの!
って乙女心を見ろ!っつってんのよ!」
メ・ル「「…」」
ファ「…」ザックザック
アリー「おめぇ… 真ん中の二行、声が違ったぞ…」
トニヤ「だからなにっ!」
アリー「イエ、ナンデモゴザイマセン…」
過剰なまでの生存本能! それがこの男、
アリー・アル・サーシェスの真骨頂!
トニヤ「これだから侘び寂びが解らないガイジンは…」
その表現はどうだろう。
思っても、口には出さない賢者たちであった。
トニヤ「そんなこっちゃ、ぴーちゃんの魅力も解かってないわね…」
ファ「ぴ、ぴーちゃん?」
ルー「いや、ソーマさんってあたしらより年上なんだけど」
メイリン「ええっ!」
アリー「ナンダッテー」ボソッ
学校に通っていない(立場的には「家事手伝い」)ため、あまり認知されていないのだが。
ソーマ・ピーリス、花も恥らう18歳。
349 名前:冬物語・情熱編(中)3/4 :2009/01/21(水) 21:21:56 ID:???
トニヤ「見なさいっ!」ビシッ!
再び指差すトニヤ。
人を指差すのは止めましょう。
ともかく、フェルトとソーマ、旧知らしい二人はにこやかに――と言っても、
二人とも感情を表に出さないタイプなので、知らない人間が見れば淡々と
話をしているようにしか見えないのだが――立ち話をしている。
ソーマは軍人時代のものらしい、基本的にはごつい作りのロングコートにスラックスと、
ソールの分厚いブーツを履いていた。
『軍人は服に体を合わせる』と言われるが、しかしさすがにソーマの体形を
軍用の服に合わせるのは無理がある。
故にウエストに合わせてコートは幅を詰めているのだが、
そのせいでただでさえ華奢な体の細さが一層際立っていた。
アリー「エロい嬢ちゃんと、やせっぽちがどうかしたか?」
女性扱いすらナシですか。
トニヤ「いい? ぴーちゃんは丈とウエストに合わせてコートを詰めてるんだけど、
軍服って肩幅がまた広く作ってあるから、そこが微妙に合ってないのよ。
だから…」
と、不意に声を潜め、ソーマを凝視するトニヤ。
何事かと視線を追う一同の前で…
トニヤ「ほっとくとなで肩にそってコートの肩が落ちちゃって…」
完全に無意識な動きで、ソーマの左手がコートの右肩に伸びる。
くいっ。
トニヤ「あれよ!」
メイリン「…」
ルー「…」
ファ「…」
アリー「……なんだ? いまの『くいっ』は…」
メイリン「えっ?」
アリー「何やら、妙に心さざめくものが…」
ルー「うわぁ…」
マニアな人とノーマルな人の境界がくっきりと見えた瞬間。
350 名前:冬物語・情熱編(中)4/4 :2009/01/21(水) 21:24:58 ID:???
トニヤ「どうやら解かってきたみたいね。
軍服っていう色気もへったくれもない服を着ているからこそ!
そして、ぴーちゃんが女の子だからこそ!
あの『くいっ』は見られるのよ!
どっちかだけじゃだめなの! あのコラボがあって、初めてあれは成立するのよ!」
アリー「しかもあれは狙ってやってるもんじゃねぇ…そうだろ!」
トニヤ「ふっ… その通り!」
アリー「見せるためのものなら、それは目に見えて当然!
隠された中に、ほのかに、しかしきらりと光るからこそ、それは尊い!」
トニヤ「どうやら、もう教えることは無いようね…」
アリー「ああ! 何やら両目が開いた思いだぜ!」
盛り上がる二人。
メイリン「…」
ルー「…」
ファ「…」
ドン引きする三人。
トニヤ「ならば! 今こそ解かる筈よ! あの、奇跡の価値が!」ビシッ!
だから人を指差しちゃいけませんって。
アリー「なに… ぐおおおおっ!!」
まるで、閃光弾をまともに見てしまったかのようなリアクションのおっさん。
その視線の先には、シャベルと、細々したものをバケツに入れて運ぶ、
ティファ・アディールの姿があった。(お約束)
こちらは盟友二人と異なり、ふわふわしたファーの付いた真っ白なクローク姿。
十代の少女にこそ許される清楚な、まさに出で立ちである。
マントのように肩当も無いので、細い肩からすとんと落ちるラインが、
まるで氷細工のように繊細で美しい。
小柄なティファが小さい歩幅で歩くたび、ふわりゆらりと翻り、あたかも雪の精霊が
彼女の周りではしゃいでいるようにも見える。
アリー「お…おおお……おおおおおおお!」
トニヤ「アレこそ! ブティック『エスペランサ』(←バイト先)のオーナーが、
ガロードに買わせる為だけにあつらえた至高の逸品!
この世に一つ、そして唯一ティファの魅力を引き出すための姿よ!
ちくしょう、相変わらずかーいいぜ大統領!あたしが男だったらガロードから分捕って、
いやさいっそこのままお持ち帰りしてあんなことや
こんなこと、○○○の×××で△△の▼▼」
エニル「…」
ゴッ!
351 名前:冬物語・情熱編(中) :2009/01/21(水) 21:28:17 ID:???
ヒキが前編と似たようになってまった…
おまけに(中)だし。 orz
一応(後)は書きあがってるので、猿回避と推敲作業いれて、
深夜くらいには終わるはずです。
でわ、つづきます。
最終更新:2013年10月08日 19:47