兄弟宅、朝。玄関にて、
アムロ「それじゃ、出張の間。家の事は頼むぞ、シロー」
シロー「任せとけって(次男の役目、果たしてみせるさ)」
アムロ家を出る。

それから10分後、
ロラン「本当に僕。修学旅行に行っていいんですか?兄さん達もアルも居るのに……」
コウ「大丈夫だよ!心配しないで行っておいでよ」
ロラン「けど……、色々心配ですし……、僕、やっぱり残りますよ」
ドモン「修学旅行を楽しみにしてたんだろ?いいから、行って来い!
数日間、俺達だけでもどうとにでもなる。ほら」
ロラン「そ、そうですか……、なら……」
玄関前で、シーブック。大きなバックを持ちながら「ロラン!早くしろよ!!」
ロラン「は、はい!行きますよ!!……、じゃ、家の方、宜しく頼みますね。
あ、あとソロソロ集金も来るかもしれないんで……」
ドモン「分った。分った。いいから早くいけ!」
外から玄関を開け、ジュドー「ロラン兄さん早くいこうぜ!」とロランの腕を掴み
ロラン「わ、わぁ~~。それじゃ、行ってきますぅ~」ジュドーに引き摺られて家を出る。

コウ「やっと行ったね」
ドモン「ああ、アイツも心配性過ぎる。俺らも子供じゃないのになぁ……」玄関に立つ二人、

シロー「俺もそろそろ出る。今日は早めに帰るからな。皆が居ない分、お前等もシッカリ頼むぞ」
コウ「分ってるよ(僕は大丈夫だけど、ドモン兄さん心配だよね  ̄ー ̄)ニヤ )」
ドモン「任せておけ!(俺と違い、コウは心配だがな  ̄ー ̄)ニヤ )」出かけるシローを見送る。

アムロは会社の長期出張、
カミーユ、シーブック、キラ、ヒイロ、ガロード、ジュドー、ウッソ等は修学旅行へ、
(前スレpart5の修学旅行、修学旅行宴会ネタを参照)
家の留守はシロー、ドモン、コウ、アルが守る事に、
こうして、今日から少しの間、『シロー=ドモン=コウ=アルのお留守番』が始まります。



219 名前: シロー=ドモン=コウ=アルのお留守番 2 投稿日: 03/01/24 10:03 ID:???

兄弟宅、夕方、
アル「ただいま~~~!!」
ドモン「おう、帰ったか」
アル「あれ?……(少し違和感を憶え)あ、そっか!、今日から皆、修学旅行で居ないんだよね」
ドモン「そうだ。だから俺が家に居る」居間に寝転び、TVを見て、尻を掻きながら、
アル「え~~~~っ、ドモン兄ちゃんは何時も居るじゃん!」
ドモン「な、何だとぉ……(子供の癖に痛い処を突いて来る。試合以外はトレーニングと言っても
一日数時間だからな。案外俺が暇しているのをアルに見破られていたとは)」
一瞬にして居間に緊張感が走る(ドモンが一方的に焦っていただけ)

暫くして、コウとシローが帰宅。
コウ「ただいま~~~っ。あ、(居間のドモンとアルを見て)アル、帰ってたのか。
(鞄を居間に置き)……さぁ、シロー兄さん。これからどうするの?」
シロー「よし、いいか(他の三人を見回し)俺とコウはこれから買い物に行く。
ドモン、お前は残って風呂を沸かせ、ついでに炊飯器で飯炊きも頼む」
ドモン「分った」
アル「僕も買い物に連れていってよぉ」シローに縋りつく、
シロー「分ったよ。但し、お菓子は買わないぞ」
アル「うん!分ってる!」
コウ(シロー兄さんは口だけで、アルには甘いからな……。アルもアルで甘えるタイミングを心得てやがる)

シロー、コウ、アルの三人は近所のスーパー。カミオンへ、夕食の為の買出しへ出かけた。



220 名前: シロー=ドモン=コウ=アルのお留守番 3 投稿日: 03/01/24 10:04 ID:???

スーパー。カミオン店内、
このスーパーは契約農家から直接買い付けた有機栽培野菜を販売しているのが特色。
ウッソの所属する学園の園芸部リガミティアも、社会実習の一環として、
部室の温室で育てたハウス栽培の果物を偶に、卸す事もあり、ウッソとは顔見知りの仲。
良質の野菜を安く買えるのと、ウッソとの繋がりもあり、ロランはこの店のお徳さんだった。

オリファー店長「イラッシャイませ~~。アレ?(以外な顔)今日はロラン君じゃないの」
シロー「ええ、そうなんです。チビ共はコイツ以外(アルの頭を上から軽く押し込んで)修学旅行に出てて」
オリファー店長「そうですか。修学旅行ねぇ。ロラン君もやっぱり学生なんだなぁ…」
シロー「え?」
オリファー店長「いやぁ~~。何時も関心してたんですよ。彼の事は。独りで頑張ってる。
まるであの家のお母さんみたいだってね。本当に出来過ぎた子だなぁと思っていたんですよ」
シロー「ええ、そうですね。だから、この際、良い機会だから羽根を伸ばして欲しいと思ってます」

雑談している二人を尻目に、コウは独り、お菓子コーナーへ
コウ(最近の食玩のオマケはオマケの範疇を超えてるよなぁ……。おお、これなんか、凄い造形!
昔の貧相さが懐かしく思える位に、最近の食玩の進化は凄いなぁ)
棚に置いてる食玩を見てると、

シロー「コウ!何処に居る?手伝えよ!」
コウ「あ、やばぁ!」渋々、シローの元へ、

カートを押し、店内を回る。コウとシロー
シロー「と……、そういえば、献立決めてなかったなぁ……。何を買ったらいいやら」
コウ「人参が入ってなきゃ何でもいいよ」
シロー「コウ。お前なぁー……。(暫く考え)よし!取り敢えず、人参は買うぞ!」人参の袋を一掴み、カートに入れる
コウ「え?Σ(゚д゚;」
シロー「好き嫌いは許さん。お前もそろそろ人参嫌いから卒業しろよ。アルだって食べられるんだぞ」
コウ「に、兄さん、酷いよ……何も今日じゃなくても……」
シロー「いいや!今日は人参をタラフク使う料理に決めた!」
コウ「……。(´・ω・`) (シロー兄さん、兄弟の中でも特に俺には兄貴風吹かすんだよなぁ……)」



221 名前: シロー=ドモン=コウ=アルのお留守番 4 投稿日: 03/01/24 10:05 ID:???

兄弟宅、風呂場にて、
ドモン「ええと……、このまま、水を出し、風呂釜のスイッチを入れるんだよな……」
風呂釜の掃除を終え、水を注いでる。
(風呂釜掃除がこれ程大変だったとは……、ウチは13人兄弟だからな。
毎日洗っているロランは、さぞ大変だろう……こうやって自分でやってみると有難味が分る)

ドモン「良し!次は飯炊きだ」

台所、
ドモン「そういえば、俺、飯を炊いた事ないんだよな……、さて、どうする……」
(修行中、野宿はするが、飯盒炊飯などの洒落た事はやった事が無いのだった)
台所の棚を探すと【毎日のおかず100選】との料理本があり、ページを捲ってみるも。
基本的な料理の方法、炊飯器でのご飯の炊き方等は載っておらず……。

ドモン「………。こうなったら、イチかバチか!己の感性の赴くまま、実行するのみ!
(米びつから米を取り出し)くっ……。量が分らん!!4人分ってどの位だ?
(暫し迷い)まあ、適当でいいだろ。(炊飯釜に適当な量の米を入れ)
これで水を張るんだよな(炊飯釜に水を注ぐ)うん?水が濁る……。これでいいのか?
(ハッ!と手を打ち)あ、そういえば米は炊く前に洗うんだった!(昼の料理番組で見た、欠片の知識)
ふふ……っ。危うく失敗する処だった」一々緊張しながら台所に立つドモン



222 名前: シロー=ドモン=コウ=アルのお留守番 5 投稿日: 03/01/24 10:05 ID:???

スーパー。カミオン店内、
アルはお菓子コーナーの棚から持ってきたお菓子を抱え、店内に居るシローとコウを探す。
アル「どこに行ったんだろう?」
クリス「あら!アルじゃない!」店内でカートを押してるクリス。会社帰りに寄ったらしい。

クリス「どうしたの?今日は」
アル「(略)…で、僕は兄さん達と買い物に来たんだ」
クリス「ふぅ~~ん。大変ね。お家のお手伝い、ご苦労様」
アル「う~うん。平気だよ!(鼻息を粗く)」
クリス「まぁ、頼もしいのね(微笑)」

店内のシローとコウ、生鮮食肉コーナー、ガラスケースの前、
シロー「あとは肉でも買うか……」
コウ「兄さん、やっぱり人参は辞めようよ」
シロー「う~~ん、豚と牛。どっちがいいものやら」
コウ「兄貴ってば!」
シロー「牛は又、危ないとかニュースで聞くし、豚かな?……ねぇ、その豚バラ肉くれない?」
ストライカー(食肉コーナー店員)「ハイ!如何程包みましょう?」
シロー「そうだね。4人だから……1kgもあれば十分かな?」
ストライカー「へぇ、そんなに?、何、作るんです?」
シロー「豚バラ肉と人参の煮込み(←どんな料理だよ!)みたいなモノをね。作ろうと思ってる」
ストライカー「じゃ、4人だし、800gでも十分過ぎる程ですよ」
シロー「そうなんだ……。コッチは弟任せで馴れてないからなぁ。じゃ、ソレでいいや」
ストライカー「毎度!今、包みますね」
コウ「……。(´・ω・`) (シロー兄さん、無視ですか……あくまで人参を入れるのね)」



223 名前: シロー=ドモン=コウ=アルのお留守番 6 投稿日: 03/01/24 10:06 ID:???

コウ「アル。何処に行った?(店内を見回し)アルーーー!!、あ!……」
アル「あ!、コウ兄ちゃん、クリスも来てたんだよ」アルとクリスがこちらに来る

クリス「こんばんわ、コウ君。アルから聞いたわ。お留守番……、大変よね。ロラン君が居ないと」
コウ、顔を赤らめて「い、いやぁ……、そんな事ないですよ(何時見ても綺麗な人だな。こっちが緊張する)
僕とシロー兄さん、ドモン兄さんも残ってますしね。なんとかなりますよ」
アル「僕も居るよ!」
コウ「お前は唯、買い物に付いて来ただけだろうが」
アル「そんな事ないよ!僕だって役に立つよ!」
コウ「ああ、分ったよ、あの、クリスさん、今日は……」と、アルを手で押しのけ、クリスと会話を続ける。

アル「(子供扱いされ、イラつき)僕だって頑張ってるんだぞ!」
無視された腹いせにコウのスネを蹴り上げ、逃げるアル。

コウ「くぅ………、痛えぇえええ。畜生」その場に屈みこむ
クリス「あの……、大丈夫?」
コウ「(涙目)だ、大丈夫です……。くそぅ、アルめ……」
クリス「兄弟で仲が良いのね(微笑)」
コウ「そんな事!今だって見たでしょ……、痛てぇ…。
アルは他の兄弟の前だと猫被るくせに、僕の前だと全然可愛くないんですよ。僕、アイツに嫌われてるみたいで」

クリス「そんな事ないと思うわ。アルはコウ君に認めて貰いたかった、コウ君が好きなのよ」
コウ「……そうですか?」
クリス「そうよ。何か……、私がお邪魔しちゃった感じがするな、御免なさいね」
コウ「そんな事(レジの方を見て)あ、シロー兄さんがレジに!すいません。行かないと!それじゃ」脚を引き摺りながら去る

クリス「焼けるなぁ……、兄弟かぁ(呟くように)一人じゃ……生きていけないものね…」



224 名前: シロー=ドモン=コウ=アルのお留守番 7 投稿日: 03/01/24 10:07 ID:???

スーパー。カミオン店内、レジにて、
シロー「お、コウ。お前、何処に行ったんだよ」
コウ「御免……。兄さん(シローの隣にいるアルを睨む)」
シロー「あ、丁度良かった。このまま列に並んでてくれ。すぐ戻る」
コウ「あ、ハイって……、僕お金持ってないよ!」
シロー「すぐだからさ!」食品棚の方へ走るシロー、

レジの列に並んで待つ、コウとアル。二人共無言。
コウ(さっきのマッケンジーさん。アルが俺の事、好きだっていったよな……。アレ、どういう意味だ?
しかし、痛い…。畜生。アルめ、本気で蹴りやがった。モンシア先輩のタックル並だぜ)
アル「(コウを見上げて)サッキは………。御免ね」
コウ(なんだ?コイツから謝ってくるのは珍しいな………)
アル「痛かった?」
コウ「ああ。(何か気味悪いな)けど、俺はラグビーやってるんだぜ。これ位は全然、平気さ」
アル「なんだぁー、心配して損しちゃったよ」

前の客がレジ会計を終え、
ネス(レジ係店員)「次のお客様。どうぞ」
コウ「あ、ハイ!」
シロー駆けつけて来る「ハァハァ、ご免。待たせた」買い物籠にカレー粉を入れて、
ネス、レジ打ち「(略)…一点、ガンダムラムネ一点、…(略)…」
シロー「お前(コウを見て)又、オマケ付きの菓子を(ガンダムラムネ、食玩)……」
コウ「ち、違うよぉ!僕は入れてないよ!」
アル「それ、僕が入れたんだ」
シロー「なんだ?アルだったのか、しょうがないなぁ……。今日だけだぞ」
コウ(シロー兄さん、毎回同じ事言って、甘いなぁ……)

ネス「合計で\3487になります。」

コウは知らなかった。
先程の罪滅ぼしに、と。アルがコウの好きそうな食玩をコッソリと買い物籠へ入れた事を



225 名前: シロー=ドモン=コウ=アルのお留守番 7(番外) 投稿日: 03/01/24 10:08 ID:???

スーパー。カミオン入り口前、ガチャポンブースにて、
(コウの密かな趣味?としてガンプラ集めの他、食玩集め、
ガチャポンHGシリーズのコンプリートが在る。と、しときます、このネタ内では)
なので、ガチャポンが目につくと必ずコインを入れる習性があるコウは
買い物帰りに寄るのでした。

ガチャポンケースを開けつつ、
コウ「このVGシリーズは新入荷なんだよね。と、さてさて……(中身を見て)
をを!Vガンダムだ!!良かったぁ~『コンティオみたいなダサイ』の、じゃなくて、ガンダムが出て」

クロノクル「オイ!そこのお前!それを(Vガンダム)気軽に
ガンダムなどと言うな!ヴィクトリータイプと呼べ!!」
と、一言と言うとその場から去る。

コウ「(;゚Д゚) ハァ? 」
(何?このマスク男?……、ディープなマニアは怖いなぁ。着いて行けないや……)



226 名前: シロー=ドモン=コウ=アルのお留守番 8 投稿日: 03/01/24 10:08 ID:???

兄弟宅、
シロー、コウ、アル「ただいまぁ~」
ドモン「おう!待ってたぞ」
シロー「ドモン、風呂と飯はどうか?」
ドモン「完璧だ!」
シロー「よし、アルは先に風呂に入れ。食事は俺が作る!」

台所、
ドモン「兄貴、何を作るんだ?」
シロー「最初は【豚バラ肉と人参の煮込み】を作ろうと思ったんだが、
それじゃ、どんな味になるかワカランし、
丁度、玉葱とじゃが芋も家に余ってる、カレーを作るつもりだ。
レジに並んでる時に閃いて、カレー粉も買ってきた」
ドモン「カレーなら失敗は少ないだろうな」
シロー「ああ、但し、俺の特製!人参山盛りカレーだ!なぁ!コウ!!」
コウ「……。(´・ω・`) (シロー兄さん、無理に人参を増やさなくてもいいんですが)」

風呂場の方から
アル「わぁぁああああ!!」
兄貴三人「どうした?」
アル、真っ裸で居間まで来る「お風呂、冷たかったよ!」

シロー「ドモン!お前!風呂沸かしたんだろ?」
ドモン「そうだ!!俺はちゃんと水を入れて……(ハァ!?もしや……)」



227 名前: シロー=ドモン=コウ=アルのお留守番 9 投稿日: 03/01/24 10:09 ID:???

コウ、風呂場に行き「風呂釜のスイッチが入ってないよ!ドモン兄さん」
シロー「ドモン~~~っ、(呆れた顔付きで)お前は風呂もマトモに入れらないのか?
キングオブハートが聞いて呆れるぞ」
ドモン「……そ、そんな馬鹿なぁぁぁぁぁああああああ!!!」

確かに風呂釜のスイッチは入っていなかった…。
ドモンは風呂の用意をしながら、次に行う飯炊きの事を考えていた為、為、
すっかり、スイッチを入れる事を忘れていたのだ。
普段し慣れない事とは言え、凡ミスである。
ドモン「そんな……、俺が……、こんな凡ミスをするとは……未だ未だ修行不足と言う事か」その場で平伏す、

シロー「まぁ、いいさ……( #・∀・)
風呂が沸くまでは、先に飯にすればいい。コウは野菜の皮剥きを手伝ってくれ」
アル「僕もやる!」
コウ「いいから、お前は早く服着ろよ!何時までも裸だと風邪引くぞ」

シロー「今日は普段発揮出来ない、俺のオーバスキル!出させて貰う!!(密かに料理好き、上手くは無いが)」
コウ(シロー兄さん、目が燃えてる……。これで人参さえ入ってなかったらどれだけいいか……)



228 名前: シロー=ドモン=コウ=アルのお留守番 10 投稿日: 03/01/24 10:10 ID:???

一時間経過…、
豚肉、玉葱、じゃが芋、特に人参が山盛りに入ったカレーが完成。
シロー「出来たぞ!(ロランのに比べると数段落ちるが、まぁギリギリ合格点かな)」
アル「やっとだよ!僕、お腹ペコペコ」
コウ「……お腹は減ってるけど(´・∀・`)(…やっぱり、人参山盛りですか)」
ドモン「……。(´・ω・`) 」先程の風呂釜の件を気にしてるらしく沈み気味。

シロー「(ドモンの沈み振りを見て)ドモン。お前は何時までもクヨクヨすんな。
ホラ、飯でも食って元気だせよ!……そうそう。飯はお前が炊いたんだよな。
お、ちゃんと炊けてるじゃないか!!」
ドモン「……ああ」
シロー「見ろよ!ドモンが炊いた白いふっくらしたご飯。綺麗に泡立って……って、え!!
……臭いも………ん!?、なんだ……、こりゃ!!」電気釜を開けて中のご飯の異変に驚く。
アル「変な臭いがするよ。このご飯………、うぇぇええええっ」
コウ「飯が泡立ってる……。しかも普通と違う妙な照りも入ってるし」

シロー「ドモン!?これはどうやって炊いた?」
ドモン「……可笑しいな、ちゃんと洗ったのに……、未だ洗い足りなかったのか?」
シロー「ドモン、洗った……、って……」
ドモン「あそこにある奴で(流しを指して)丁寧に洗ったつもりだが……」
コウ「って、兄さん、ママレモンで米を洗ったのを!?」
ドモン「……ああ、そうだ。いけなかったか?」
シロー「アホかぁああああ!!!、何処の世界に、洗剤入れて米洗う馬鹿が居るんだよぉぉおおお!!!」

ドモン「………………。(し、知らなかった)....(;´Д`)」再び、平伏す、

プルプルプルプル~♪プルプルプルプル~♪。電話が鳴る。



229 名前: シロー=ドモン=コウ=アルのお留守番 11 投稿日: 03/01/24 10:10 ID:???

プルプルプルプル~♪ガチャ。
シロー「ハイ。もしもし……。を!ロランか!!」
ロラン、修学旅行先のホテルロビーの公衆電話から「シロー兄さん、どうも」
シロー「そっちは楽しくやってるのか?」
ロラン「ハ、ハイ。色々と、面白いですよ(宴会を抜けて電話してるなんて、言えないもんなぁ)」
シロー「そうか、十分、楽しんで来いよ」
ロラン「そっちはどうです?キチンとご飯食べてます?アルは歯を磨きました?」
シロー「うっ!(少し言葉に詰り)まぁ…、その…、イラン心配はするな。
これから飯を食う処だ。忙しいんでな。それじゃ」ガチャ。受話器を切った。

ツーツーツー……。ツーツーツー……。

修学旅行先ホテル、ロビーにて、
ロラン「わぁ、イキナリ切るなんて……、シロー兄さん。幾ら、長距離電話だからって
もう少し話したかったなぁ……。本当に家の方、大丈夫なんだろうか?」
受話器を置きながら暫し、家の事を心配してしまうロラン。

ソシエ、ロビーのロランを見つけ「こら!馬鹿ロラン!!途中で抜け出すとは何事よ!」
ロラン「あ、ソシエお嬢さん!」
ソシエ「アンタはウチの使用人なんだから、宴会も同席して、付き合うものでしょうが!」(顔赤い。酔ってる)
ロラン「あわわ……(先生達に見つかるとヤバイや)そ、そうですよね。
ハイ…、さ、ソシエお嬢さん。お部屋に戻りましょ」ソシエを引っ張り、
ソシエ「大体ねぇ!使用人の癖に主人を放って、何処へ電話してんのよ!」
ロラン「い、家ですよぉ~~。もう、こんなに酔っちゃて……」

酔って益々、虎になるソシエにクダを巻かれる、修学旅行先での宴会最中のロランだったのです。



230 名前: シロー=ドモン=コウ=アルのお留守番 12 投稿日: 03/01/24 10:11 ID:???

兄弟宅、
コウ「シロー兄さん、今の電話、誰?」
シロー「ロランからだ。あいつも心配性だな……。全く」
コウ「今日の事、話したの?」
シロー「話しても心配させるだけだろ(ちゃぶ台でカレーをよそり)だから、何も言わなかった。
さぁ、お前等も食べろ。飯は無いがな……」
アル「ドモン兄ちゃん、倒れ込んでるよ」
シロー「無視しとけ、暫くすれば元通りになるさ……(カレーだけ盛付て、アルに渡す)さぁ、食えよ」

居間で、黙々と食べる三人とその横で倒れ込んでるドモン。
シロー「どうだ?ロランみたいにはいかないが、中々、イケるだろ?
昔、警察宿舎で鍛えた腕だぞ(やや、自信ありげ)」
アル「う~~~~ん……。給食の人工蛋白よりはマシかな?美味しいよ」
シロー「こいつ!コウはどうだ?」
コウ「お、美味しいよ(人参以外はね。シロー兄さん)」
シロー「そうだろ。そうだろ。コウ。お前、もう少し人参足すか?」
コウ「え!?いいよ!!兄さん。もうイラナイよぉぉ!」

玄関から「ご免下さぁ~~い」

シロー「お、誰か来たみたいだ」
コウ「そうだね(助かった。これ以上人参を増やされたら堪んないよぉ)」



231 名前: シロー=ドモン=コウ=アルのお留守番 13 投稿日: 03/01/24 10:12 ID:???

シロー「どなたですか?」玄関を開けて、

クリス「マッケンジーです。こんばんわ……、今日はロラン君が居ないと聞いて、
少しお節介かな?とも思ったんですけど。これを(籠を手に)持ってきました。
夕ご飯食べちゃってたら、朝ご飯にでも……、如何です?レンジでチンすればいいだけですから」
シロー「ああ、すいません。わざわざ……、有り難く戴きます」

アル、玄関に駆け寄って「クリス!」
クリス「アル!こんばんわ」
アル「クリス聞いてよぉ!ドモン兄ちゃんがさぁ……わっ」口を手で塞がれて、
コウ、アルの口を塞ぎ「(苦笑い)こんばわ、マッケンジーさん。
(シローが貰った籠の中を見て)わぁ!グラタンですかぁ!!美味しそうだな」
クリス「ええ、マカロニのです。我が家秘伝のレシピなんですよ」
シロー「今、食事中なんで、早速ご馳走になりますよ」
クリス「そうですか?嬉しいです……。あ、食事中でしたよね?
私、お邪魔しちゃ悪いので帰ります。それじゃね。アル(手を振り)」
コウ「全然邪魔じゃないですって、本当、わざわざ有り難う御座いました」
アル「じゃあねぇ!クリス!!」
シロー「この辺は変態がウロウロしてますから
(と、言ってもロラン目当てだから普通の女性は安心な訳だが)
お気をつけて」



232 名前: シロー=ドモン=コウ=アルのお留守番 14 終 投稿日: 03/01/24 10:13 ID:???

クリス「ハイ、それじゃ。お休みなさい」
玄関を出て、一息つくと
外から家の玄関から声が漏れてくる。

コウ「アル!お前、余計な事言って我が家の恥を(ドモン)晒すような事辞めろよな!」
アル「なんだよぉ!本当の事じゃん!」
シロー「ほら、お前等、飯の途中だろが……、
マッケンジーさんから貰ったグラタン。未だ暖かいぞ。早速食うか」
コウ「美味そうだよね、これ」
シロー「俺のカレーよりも…、か?」
コウ「や、そんなは。ホラ!カレーにはカレーの。グラタンにはグラタンの美味さがあるじゃない!」
アル「コウ兄ちゃんは人参嫌いだから、シロー兄ちゃんの作ったカレーは(人参の量多め)美味しくないんだよね!」
コウ「なにを!!」

クリス、玄関外で「相変わらず……、か…。私にも兄弟が居たらあんなに仲良くなれるのかな?」


そんなこんなで『シロー=ドモン=コウ=アルのお留守番』の一日目は無事、終わりを告げます。
もしかしたら二日目以降があるかもしれませんが、それは又、別のお話しと(一旦、終了)

401 名前: シロー=ドモン=コウ=アルのお留守番 15(再開) 投稿日: 03/01/30 00:31 ID:???

シロー=ドモン=コウ=アルのお留守番1-14 の続きです >>218-232

二日目、兄弟宅、朝の食卓にて、
シロー「美味いなぁ!このベーコン、(モグモグ)それにスクランブルエッグも、(モグモグ)パンに合うよ。
コウ、お前、ヤル時はヤルもんだな、見直した(モグモグ)」
コウ「や、そ、その……(四人組のお留守番~朝食編~を参照 >>260-262 )」
ギンガナム「小生、朝からパン食は好まんのだがなぁ(モグモグ)これは美味しいよぉぉおおお!
流石、ロラン君のお兄さん(モグモグ)このサラダもイケるねぇ(モグモグ)」
コウ「は、はぁ……、てっぇ!!又、アンタは勝手にぃ!」
シロー「ま、いいじゃないか(モグモグ)今週は人も少ないしな(モグモグ)一人や二人増えても」
コウ「シ、シロー兄さんがそう言うなら……」
ドモン「……」黙々と食べてる。一日目の失敗が堪えているらしい。

コウ「なんだ?アル、食欲ないのか?」
アル、半分程、残している「うん……、熱ぽくて……」
コウ「どれどれ(アルのオデコに手を当て、自分の額の熱さと比べ)熱はそんなに無いみたいだけど」
シロー「最近、寒いからな。風邪が流行ってるらしい(モグモグ)アル、暖かい格好していけよ」
アル「分ったョ……、僕、もう、行く」玄関へ、
シロー、玄関の方を見て「アル!熱が下がらなかったら保健室行けよ!」

ギンガナム「さて、(モグモグ)アル君の残りは小生が頂こうか……。」
コウ「ギンガナム!アンタ、人の家まで来て、そこまでするのかぁ!」
ギンガナム「人の残り物を食べて何が悪い?全く、(アルの皿を掴み、自分の皿に残り物を落とす)
マナー通りに食事をしてますと言うのは(一口で放り込む)阿呆の言うことだ(モグモグ)」

シロー「(一連のヤリトリを無視して)じゃ、俺もそろそろ出るか、コウ。後片付け頼むぞ」

兄弟宅の塀の外から朝の食卓の風景を覗き込む影……、
鉄仮面「ふはははは、美味かろう、ギンガナム。これで貴様にも朝パン主義の良さが伝わった筈!!ふはははは」



402 名前: シロー=ドモン=コウ=アルのお留守番 16 投稿日: 03/01/30 00:31 ID:???

俺はドモン=カッシュ。
コロニー格闘技の覇者であり、師匠からキング・オブ・ハートの紋章も受け継いだ
ネオジャパンのGファイターだ。俺に恐れるモノなど、無い!

しかし、

昨日の家事全般の失敗……、(風呂釜のスイッチ入れ忘れ、炊飯器で飯が炊けなかった、事など)
未だ未だ、修行不足と認識した。
己の不甲斐なさを恥、今日は何時も以上に熱を入れてトレーニングをしていたら
辺りは真っ暗に、少々熱を入れすぎたか。

急いで家に帰ると、アルが熱を出して寝込んでいる。朝から調子が悪かったらしい。
シロー兄さんと、コウが看病をしていた、
唯でさえ、人の居ない時に、アルの奴……、普段からの鍛錬を怠っているからこんな事に……

よし、昨日の失敗を挽回する為にも、ここで本気を出す!!!

コウ「あ、ドモン兄さん、帰ってたの。夕飯もう直ぐだよ」アルの為に氷嚢に氷を入れながら、
ドモン「コウ、俺も手伝おうか?」
コウ「え………、( #・∀・)あ…、兄さんはいいよ。トレーニングで疲れてるでしょ?
夕飯まで居間で寛いでいてくれれば」アルの寝ている部屋へと急ぐ、

ドモン「そ、そうか……(台所に居るシローの方を向き)それじゃ、シロー兄さん!俺も何か手伝わせて貰うよ」
シロー「あ……、( #・∀・)や、その、こっちはもう、殆どやる事無いんだ。お前は……、そこでTVでも観てろ、な」
ドモン「わ、分った。しかし、何か手伝う事が有ったら言ってくれ」
シロー「ああ………、そうだな。その時は(多分無いけど)頼むよ」

何か、避けられてるような気もするが……、気のせいだろう。さて、今日の夕飯は何だろうか。



403 名前: シロー=ドモン=コウ=アルのお留守番 17 投稿日: 03/01/30 00:32 ID:???

俺はドモン=カッシュ。以下略)……、昨日は中々アルの熱が下がらなくて
シロー兄さんとコウは深夜まで看病を続けていたようだ。
俺は少し心配しながら、熟睡した。
次の日の朝。日課である朝のロードワークから戻って来たら………。

三日目、兄弟宅、早朝の台所にて、
ドモン「シ、シロー兄さん!!いったいどうしたんだ!シッカリしろぉぉおお!!」
台所で倒れてるシロー「……ああ、ドモンかぁ……、少し……、フラフラして……」
ドモン、シローを抱えて「す、凄い熱じゃないかぁ!!シロー兄さん。蒲団を敷くから、早く横になって!」
シロー「すまない…………。アルに風邪をうつされたらしい………」
ドモン「礼なんか、いいよ、兄さん。さ…」シローを部屋に運び蒲団に寝かし、

ドモン「おい!コウ!シロー兄さんが倒れたぞぉ!!」アル達の部屋を開けつつ、
コウ「あ、おはよう……ドモン兄さん。ゲホッ、ゲホッ、そうなんだ。シロー兄さんまでも。ゲホッ、ゲホッ」
夜通し看病した為、少しヤツレているコウ。

ドモン「コウ、お前も顔色悪いぞ。大丈夫なのか?」
コウ「うん…、ゲホッ、ゲホッ、僕は未だ…、ゲホッ、ゲホッ、大丈夫、ゲホッ」
ドモン「そうか……。昨日は徹夜したのか?(横で寝ているアルはグッタリしている)」
コウ「徹夜って程じゃないけどね。ゲホッ、ゲホッ、アルの熱が中々下がらなく…、ゲホッ、ゲホッ、
何回か、起きて…、ゲホッ、ゲホッ、氷嚢を取り替えた位…、ゲホッ」
ドモン「咳が酷いぞ、コウ」
コウ「ううん、大丈夫…、ゲホッ、ゲホッ、それよりも、ゲホッ、ゲホッ、アルを……、
病院に連れていかないと、ゲホッ、ゲホッ」

アルが待ちこんだ風邪に、皆ヤラレてる…………。
ま、俺が平気なのは日頃の鍛錬の成果だろうがな  ̄ー ̄)ニヤ



404 名前: シロー=ドモン=コウ=アルのお留守番 18 投稿日: 03/01/30 00:33 ID:???

兄弟宅、午前中、

コウはアルを連れて病院へと向かった。
俺(ドモン)はシロー兄さんから頼まれた洗濯モノを片付ける為に、洗濯機の前に立っているのだが…
どうにも勝手が判らない…………。

ドモン、山と堪っている洗濯モノを見て「さぁてぇ!ヤルかぁ!……、ええと、確か、
洗剤を入れ……、うん?、どの位の量入れるんだ?…………、ま、いい、適量と(素手で二掴み入れる)
で、洗濯モノを入れて……(洗濯層に洗濯モノをギュウギュウに押し込む)これでスイッチを押せば!」

洗濯機が動き出す。ブィィイィィイイイン!!!

ドモン「よおしぃ!これで完了。なんだ、簡単じゃないか。はっはははは」
俺は食べ損ねた朝食代わりとして、居間でカップラーメンを食べ、TVを観ながら寛いでいた。
が……、しかし、

シロー(か細い声で)「おい……、ドモン……、洗濯機が……、変だぞ」

廊下からシロー兄さんの声が聞こえた。んっ!?
俺は素早く廊下に脱衣所の洗濯機へと向かったが…………。
なんとぉ!!洗濯機から大量の泡が漏れて大変な事になってるじゃないかぁあああ!!!

シロー、廊下の柱にモタレかかり「ドモン……、早く…、洗濯機……、止めろ」
ドモン「ああぁぁぁぁわ……、えーと、どれが停止ボタンだ?ええと……、ア!これだぁあああ!!!」
俺の押したボタンが正しかったらしく、洗濯機から泡が吹き出るのが止まった。
なんだ?この洗濯機は…………、洗濯もマトモに出来ない代物なのか?

ドモン「兄さん、この洗濯機おかしいぞ。壊れてたんじゃないのか?」
シロー「洗濯は………、もう、いい………、( #・∀・)お前は………TVでも観てろ」



405 名前: シロー=ドモン=コウ=アルのお留守番 19 投稿日: 03/01/30 00:33 ID:???

兄弟宅、夕方、
病院から帰ってきたアルは相変わらず寝てる。
連れていったコウも同じく、熱を出して寝てしまった。
シロー兄さんは午前中よりも、益々酷くなったようだ………。

今、家でマトモに動けるのは俺(ドモン)しか居ない。
俺は風邪に打ち勝った訳だ。ま、これも日頃の鍛錬の成果だな  ̄ー ̄)ニヤ

しかし………、寝てる全員の看病を俺がしなくてはイケナイ。
これも修行と思えばキツクは無い筈………。だが、正直、参った……。
こんな時、ロランが居てくれれば……。

プルプルプルプル~♪プルプルプルプル~♪。電話が鳴る。

ドモン、受話器を取り「何か様か?」
ロラン「わぁあ!吃驚した……。ドモン兄さん、怖いですよ。その出方は」
ドモン「おお!ロランかぁ!!」
ロラン「ハイ、こっちは今、宿泊先のホテルに着いた処です」
ドモン「そうか、そっちはどうだ?」
ロラン「色々と楽しいですよ(ジュドー達は毎晩宴会してるって話しだけど)あ、あの…、シロー兄さん、居ます?」
ドモン「えっ!……シ、シロー兄さんに何か様なのか?」
ロラン「今日辺り、新聞の集金が来るからその事を…」
ドモン「(少し沈んだ声で)そ、それがなぁ……」
ロラン「ハッ!どうしたんです?ドモン兄さん何か有ったんですか?」



406 名前: シロー=ドモン=コウ=アルのお留守番 20 投稿日: 03/01/30 00:34 ID:???

俺は(ドモン)受話器を握り、迷っていた……。
ロランから電話があり、遂、「帰って来てくれ!」と口から零れだしそうだった。

ロラン「兄さん!?ドモン兄さん!?何か有ったんですか?」
ドモン「ロラン……あの、なぁ…………」

その瞬間、俺の脳裏に師匠のお言葉が浮かんだのだ!!

ドモンの脳内回想中~~~ギアナ高地。
東方不敗「だぁからお前はアホなのだぁ!
そうやって危機的状況に陥る時にお前は、何時も誰かに助けられてきた!!
シュバルツ、レイン、他、シャッフル同盟の仲間達にだぁあ!!仲間に頼るのも良い!!
しかぁし、独りで困難に立ち向かわないで何が、キングオブハートぞぉ?
足を踏ん張り、腰を入れんかぁ!!自分の道は自分で切り開く!
それこそ……流派!東方不敗は!!」
ドモン「王者の風よ!」
東方不敗「全新!」
ドモン「系列!」
東、ド「天破侠乱!!見よ! 東方は赤く燃えているぅぅっ!!!」
ドモン「し、師匠ぉぉぉおおお」
~~~脳内回想終了

ロラン「兄さん?」
ドモン「…………あ、や、何でもない。シロー兄さんは未だ帰ってきてないんだ。
集金の事は伝えておく。それじゃな」ガチャ。受話器を切る。

師匠。俺は危うく師匠のお言葉を忘れ、弟に助けを乞う処でした。お許しを……。
こうなったら、この状況、独りで乗り切ってみせます。師匠!!!



407 名前: シロー=ドモン=コウ=アルのお留守番 21 投稿日: 03/01/30 00:35 ID:???

ツーツーツー……。ツーツーツー……。

修学旅行先ホテル、お土産モノ売店売り場、横の公衆電話にて、
ロラン「……もう、シロー兄さんも、ドモン兄さんもイキナリ切るんだもんなぁ……、
集金のお金の置いてる場所も聞かないで……」
ソシエ「ロラン、何、コソコソ電話してるのさ?」
ロラン「あ、ソシエお嬢さん!あの……、家に、ですよ」
ソシエ「嘘!どーせ、ディアナ様に電話してたんでしょ!!」
ロラン「そんな訳ないでしょう。本当に家なんですよ」
ソシエ、ロランの顔を覗きこんで「本当に?」
ロラン「こんな事で嘘なんかつく訳ないじゃないですかぁ……」
ソシエ「ふ~~ん、まぁ、いいわ……(土産物売店を見て)丁度良いからロランは私の買いモノに付き合うのよ。
お父様とお母様、ジェシカに、サムに、メシェー……、一杯買うんだから」
ロラン「なんで僕がソシエお嬢さんの荷物持ちをするんです?」
ソシエ「アンタはウチの運転手なんだから、あたしの荷物を部屋まで運ぶのも仕事でしょ」
ロラン「そうでしたね」

ソシエ「(売店のキーホルダーを眺めて)うーん、鯨かぁ」
ロラン「これなんかはどうです?(舐め猫のキーホルダーを持ち)」
ソシエ「ロラン、趣味悪ぅぅぅぅぅぅ……、今時、舐め猫なんか貰って誰が喜ぶのよぉ!」
ロラン「そうですか?(ディアナ様は好きなんだけどなぁ)一口にお土産って言われても、難しいですねぇ」



408 名前: シロー=ドモン=コウ=アルのお留守番 22 投稿日: 03/01/30 00:36 ID:???

俺は(ドモン)この難局を独りで乗り切る決意をした!
まず、飯を作らないとな………病人には……お粥か?
しかし、どうやって作ったら(居間をグルグル歩き回りながら)…………そうだ!奴だぁ!!

ドモン、電話をかける「ああ、サイサイシーか、店が忙しいのにスマン。実は……
(略)…と、言う訳だ……。ん?、いいや、こっちに来なくていい。その代わり、
お粥の作り方を教えてくれ……、ふんふん……、成る程
(サイサイシーからお粥の作り方を聞き、メモを取る)ようし、大体、分った。ありがとうな!」
サイサイシー「いいって、いいって、ドモンの兄貴ぃ!けど、本当に俺が行かなくていいの?」
ドモン「ああ、俺、独りで十分だ!」

俺は台所で精神を集中させる為、座禅を組んだ……………。一時間半経過、
ドモン、クワァッ!と目を見開いて「見えた!見えたぞ!水の一滴!!!これぞ明鏡止水の極意成り!!」
スーパーモードに入る。手際こそ悪いが、サイサイシーの指示通りの手順でお粥を作っていると……

ピンポーーーーーーン!!

玄関口にて、
ルチーナ「集金ですーーーーーーーぇ!!」
ドモン(スーパーモード)「ん?何だ……」
ルチーナ「きゃ!(こ、この人、光ってる……普通じゃないよ)あ、あの新聞の集金を……」
ドモン(スーパーモード)「今、忙しい。今度にしてくれ」
ルチーナ「(目もテンパってる……ヤバそう)あ……、ハイ、じゃ、又、今度伺います」ソソクサと帰る。
ドモン(物分りの良い奴で良かった。さぁ、続けるか)



409 名前: シロー=ドモン=コウ=アルのお留守番 23 投稿日: 03/01/30 00:37 ID:???

兄弟宅、夜、居間にて、
ドモン「さぁ、兄さん、コウ、アル。俺が作ったお粥だ。食ってくれ」
シロー「………。」
コウ「………。」
アル「………。」

アル「(小声で)僕、ヤだよ…。コウ兄ちゃんから食べてよ」
コウ「(小声で)俺もご免だよ…、ゲホッ、ゲホッ、シロー兄さん」
シロー「(小声で)し、仕方ない……。死にやしない……さ
(一口、口の中にお粥を放り込んで)モグモグ……(もう一口)モグモグ……。おっ!?
こりゃ、イケる!!お前等も食べてみろ…。モグモグ」
アルとコウも恐る恐る、口に運ぶと、
アル、コウ「お、美味しい!?」

ドモン、三人が食べてるの見ながら「良かった……。サイサイシーから作り方を聞いたんだ」

コウ「この溶き玉子も、モグモグ……、美味い!モグモグ……」
シロー「少し鶏肉も入ってるな、モグモグ……、中華風か?モグモグ……」
アル「ロラン兄ちゃんのと、同じ位美味しいよ。モグモグ……」

ドモン「ホラ、未だ、お替りはある。皆、沢山食べて元気を出してくれ!!」
鍋に用意されたお粥は見事、空に。
病人三人は各自寝床へ

シロー、部屋に帰る前に「ドモン、お前のお粥。本当に美味しかったよ。ありがとう」
ドモン「に、兄さぁぁあん…… 。゚(゚´Д`゚)゚。。 」



410 名前: シロー=ドモン=コウ=アルのお留守番 24 投稿日: 03/01/30 00:37 ID:???

居間のちゃぶ台に平伏すドモン、
お粥を作る事だけに全精力を使い果たし、今では指一本動かすのスラ、やっとだった。

ドモン(普段のトレーニングでは使わない別の筋肉神経を使ったようだ……。消耗が激しい。
未だ、台所の後片付け、洗濯モノのやり直し、やる事が山のようにある……)
お粥を無事作れた達成感と、兄弟達が美味しく平らげてくれた安堵感に包まれ、
意識が薄れいくのを感じていた。

ドモン「ここで俺が倒れると…………………………チィ!もう、駄目だ……。
頼みたくは、なかったが……………」
腕時計のボタンを押した処、ドモンの意識が途切れた。

エマージェンシーコール!!!プッ!プッ!プッ!プッ!プッ!プッ!プッ!プッ!プッ!プッ!

とある場所にて、
「ドモンからのエマージェンシーコール!? 何か有ったのかしら??」



411 名前: シロー=ドモン=コウ=アルのお留守番 25 投稿日: 03/01/30 00:38 ID:???

暫くして……。

兄弟宅、玄関口、
レイン「ドモンのエマージェンシが鳴っているのは、この家の筈だけど………、
自宅でエマージェンシって……(ドアを叩く)ご免くださ~~い(シーーーーーーーン)
明かりは付いてるから、誰か、家に居る筈?よね………」
家を上がり、散策するレイン。

居間のちゃぶ台で平伏すドモンを発見、
レイン「ド、ドモン!どうしたの?しっかりして……」
ドモンの身体を揺するも反応が無い。

レイン、携帯用のメディカルチェックキットを取り出し「どうやら唯の疲労らしいわね……良かった」
(それにしても、何故?エプロンを着けたドモンが居間で寝てるのかしら?
そういえば、兄弟の多い家なのに人気が無いわ……)

ドモンをそのままに、家の散策を続けるレイン。
洗濯機の横には山と積まれた洗濯モノが貯まり、
兄弟の各部屋では風邪をひいて寝込んでいるシロー、コウ、アルを発見。

レイン「こ、これはぁ Σ(゚Д゚;) !?」



412 名前: シロー=ドモン=コウ=アルのお留守番 26 投稿日: 03/01/30 00:39 ID:???

「トントントントントントントントントントン」

ドモン「うっ…………、う~~~ん……。(陽射しを手で覆いながら)なんだ?味噌汁の臭い?
ロランが帰ってきた?や……違うな」

四日目の朝、兄弟宅、居間にて、
朝になり、居間のちゃぶ台でで目覚めたドモン。
台所を見るとエプロンをつけて朝の支度をするレインの後ろ姿が在った。

レイン「あら?ドモン、起しちゃった?」
ドモン「あ、ああ………その……、レイン?」
レイン「何?………あ、そうそう、このお粥、後は暖めるだけでいいから、
病人さん達が起きて来たら食べさせてあげてね。ドモンの分は今、作ってるから」
ドモン「………分った」

庭にて、大量の洗濯モノを干しながら
レイン「今日は天気がいいわ!洗濯物日和ね。フンフフンフン♪フフ~フン♪」
ドモン「(恥ずかしそうに)すまん、レイン。こんな事を頼んで………」
レイン「私はドモンのサポートクルーなんだから、
選手の体調管理から試合に臨む環境の整備をするのも、仕事の内よ!けど………、ね」
ドモン「(慌てて)な、なんだ?」
レイン「ううん。何でもない!(微笑み)」

他、レインの処方した薬の効果でシロー、コウ、アルの熱も下がり、翌日には回復したのだった。



413 名前: シロー=ドモン=コウ=アルのお留守番 27(終) 投稿日: 03/01/30 00:40 ID:???

五日目の夜、兄弟宅、
修学旅行組「ただいまー!!」
コウ「おかえり!」

シーブック「こいつ等(ジュドーとガロード)毎晩騒ぎしてるんだぜ!」
ガロード「そんな、バラさなくても……」
ウッソ「僕、畑、見てきます!」
ヒイロ「任務完了」
キラ「やっぱり、家が1番だね」
アル「お土産は!?」
カミーユ「ん?アルにはなぁ……」

一気に賑やかになる兄弟宅。

ロラン「何か変った事はありませんでした?」
シロー「いや(汗)何もない……よな?コウ」
コウ「う、うん!特に変った事は無かったよ(汗)」
ロラン、家を見回し「わぁ~~~凄い!掃除、完璧ですよ!埃が殆ど、落ちてない!!
(箪笥を見て)洗濯もキチンとやってくれてる!!台所周りも綺麗だぁ!!凄いです!!」
シロー「あ?そうか………、それは……、ドモンが独りで頑張ってたからな……」
(シロー達は寝込んでいた為、レインの手助けを知らず、ドモンも語らなかった)

ロラン「え!?ドモン兄さんが?
(なんだろう、この胸のムカつき……もしかして、僕、ドモン兄さんに嫉妬してる?)
い、以外ですね……。ははははっ。あ、もう靴下の畳み方が違いますよ(こんな些細な事、僕は……粗探ししてる)
あ、ドモン兄さんはどうしたんです?」
コウ「今日は後楽園ホールで試合があるんだって、未だ帰ってきてないけどね」
ロラン「そうですか……」

ロランは驚きべき家事能力がドモンに備わってると勘違いし、
嫉妬心に燃やしている自分に対して自己嫌悪に陥るのだった。(終)


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最終更新:2017年06月22日 15:24