600 名前:咆哮哀歌 11-1/4 :2010/05/22(土) 08:59:48 ID:???
594の続き
シン『ブシドー…さん…』
ブシドー「この男は私が引き受ける。 君は、君の成すべき事を為すのだ」
シン『けど!』
ブシドー「折角の逢瀬…邪魔をするような野暮はやめにして頂こう!」
シン『おう…』
逢瀬
会う機会。特に、恋愛関係にある男女が人目をしのんで会うこと。
「ひとときの―を楽しむ」
◆アクセント : おうせ1
提供元:「大辞林 第二版」
ブシドー「漆黒のRX-78…忍の中でも最強と謳われる“G”と見たが?」
リョウガ『………』
ブシドー「我が名はブシドー! 故あって剣の道を究めんとする者!
尋常なる立会いを所望する!」
刹那「………」orz
沙慈『せ、刹那?』
ニール『ん? 刹那がどうかしたのか?』
ライル『
ガンダム相手に、真っ先に飛び出しそうだって思ったけどな』
沙慈『なんか、トラウマを刺激されたみたいですけど…』
アレルヤ『かなりしつこく追い回されてたもんね、刹那…』
ティエリア『ミス・スメラギ、本当に我々は監視だけでいいのか?』
スメラギ『ええ。 ヴェーダも同意してるわ。 この件、もう一荒れくるわよ』
ティエリア『……了解した』
?????『ククク…どうやら運が回ってきたようだな…』
がらり、と瓦礫を押しのけ、第11小隊のエンブレムを付けたザクが現れる。
シンプソン『ハウエル! お前、今までどこに』
ハウエル?『逃げ回るのも、もう終わりだ。
この機会にあの野郎、ぶっ潰してくれる』
みしみしと音をたて、ザクの装甲が砕け始める。
シンプソン『お前! ハウエルじゃないな!?』
?「ハウエル~~~? 知らねぇなぁ…死んだんじゃねーのか?」
シンプソン『!!』
そこには、胴前面に鬼面の意匠を施し、
全身至る所に鋭角なブレードが突き出ている改造ザクが立っていた。
?「ククククク…」
601 名前:咆哮哀歌 11-2/4 :2010/05/22(土) 09:00:52 ID:???
Gが駆ける。
駆ける駆ける―
忍に関してもっとも驚嘆することは、そのスピードである。
ある文献によれば、一夜のうち四パーセクをも駆けたと記されている。
筆者が思うにこれなどは明らかに誇張であろうが、
忍と言う奇異な存在ゆえにこの様な伝承がなされたことは想像にカタクナイ。
ブシドー「くっ…ガンダムと言えど最初期の旧型に…」
擬似GNドライブ搭載のMSは重量・慣性制御を可能とし、単体で高速飛行すら可能であるが、
乗員の安全を度外視してチューンされたスサノオは、その中でも破格の運動性能を誇る。
しかし、その機体性能を以てしても、眼下を走る黒いガンダムを捕らえることができずにいた。
ブシドー「このスサノオがついて行くのがやっととは!」
リョウガ「振り切れない…できる相手だ」
ブシドー「これが忍…さすれば!」
厳重にロックされているスイッチのカバーを跳ね上げるブシドー。
リョウガ「気配が、変わった?」
―Please, Input Key-word.
ブシドー「 ト ラ ン ザ ム ! 」
ギィイイイイイイイン!
リョウガ「なにっ!」
ブシドー「おぉおおおおおおおお!」
リョウガ「速いっ!」
瞬時に、3倍近い速度に到達したスサノオが繰り出す斬撃を、ほとんど勘だけでかわすリョウガ。
ブシドー「まだまだぁ!」
右へ、左へと赤い粒子の光跡だけを残して飛翔するスサノオは、
とてもモニターに捕らえられるスピードではない。
リョウガ「………」
ブシドー「覚悟を決めたか!」
かつては公園だったらしい広場の中央に立ち止まるガンダム。
ブシドー「むっ!」
左手の人差し指と中指を立て、それを右手で包み込む。
ブシドー「念仏とは潔し! しからば…」
急上昇、急降下、そして…
ブシドー「その首、頂戴!」
602 名前:咆哮哀歌 11-3/4 :2010/05/22(土) 09:02:23 ID:???
― 臨 兵 闘 者 皆 陣 列 在 前 ―
リョウガ「心眼センサー開放!」
バクン!
Gの胸部装甲が開き、巨大な複合センサーが現れる。
コクピットの壁面がすべてモニターとなり全周囲を遍く映し出す。
ピピッ! ―――闘気120%→
リョウガ「見えた!」
ブシドー「なんとっ!」
ビームサーベルが、超スピードで機動するスサノオを正確に捉える。
とっさに強化サーベルのシラヌイ、ウンリュウ二刀を交差させて受けるブシドーであったが―
Gの振るいし大業物は、匠の鍛えし無二の一刀。
その銘、金剛宝虚空剣――
こ の 世 に 斬 れ ぬ も の 無 し
ブシドー「ぐああああっ!」
二刀もろとも袈裟に断ち切られ、スサノオが大地に叩き付けられる。
ブシドー「よ、よもや…我が太刀ごと斬り伏せられようとは…」
リョウガ『…』
スサノオのコクピットブロックが無事なのを確かめると、漆黒のガンダムは踵を返す。
ブシドー「フ… 我が道の頂、なおも見えず… 完敗、だ」ガクリ
刹那「
ガンダムだ!」キラキラ☆
ニール『ソウダネー、スゴイネー』
ライル『兄さん、せりふが棒読み…』
603 名前:咆哮哀歌 11-4/4 :2010/05/22(土) 09:03:56 ID:???
ズガン!
ステラ『く…うぅぅぅぅ!』
MS形態のガイアが跳ね飛ばされ、ビルの壁面に激突して動きを止める。
シン『ステラ!』
VPS装甲は理論上、エネルギーが供給されている限り物理攻撃によるダメージでは破壊されない。
だが。
エネルギーを供給するためのシステムは、無限にエネルギーを供給できるわけではない。
ダメージを相殺する毎にエネルギーは消費され、それがパワーセルの容量を超過すると、
相転移が維持できずに機能が停止する。
フェイズシフト・ダウンである。
ステラ『ガイア…』
シン「このっ!」
フラッシュエッジを投げつけるデスティニー。
リクオー「…」√ピキーン!
だが、軌道の異なる二つのブーメランを“四本足”は軽々とかわす。
シン「くそっ、いったい幾つ目があるんだよ!」
ガロード「…なぁ、ほんとに、俺たちもやらなくていいのかな?」
ヒイロ『それがシン兄さんの願いだ。 耐えて見守るのも戦いだぞ。
…ガイアの装甲が落ちた。 ガロード!』
ガロード「おう! マイクロ・ウェーブ到達まで4.03秒!
エネルギーバイパス接続、ビームランチャーに送電…開始!」
東の空に白々と輝き始めた月の送電施設からマイクロ・ウェーブが放たれ、
ダブルエックスがそのエネルギーを電力に変換、外部接続されたケーブルを通して、
ウイング・ゼロが構える大型のビームランチャーへと送り込む。
ヒイロ「デュートリオンビーム、照準…照射!」
デュートリオンビームの送信機は本来、ミネルバ級の大型艦で運用される。
それは偏にセカンド・シリーズのビーム受信機が頭部アンテナ部分と小さいため、
極めて精密な照準が必要となるからなのだが…
ヒイロ・ユイの技量と、ゼロシステムを搭載したウイング・ゼロは、
空中静止状態のMSで、それをやってのけた。
鈍いグレーの装甲版が、艶やかな色を取り戻す。
ステラ「ガイア…もうちょっと、がんばって!」
シン『ステラ、いけるか!』
ステラ「うぇい!」
最終更新:2014年08月08日 21:34