231 名前:自爆少年とツンデレ1/6 :2010/08/13(金) 15:46:19 ID:???
~
ガンダム家~
シーブック「アムロ兄さん…」
アムロ「…ああ」
ウッソ「凄いですね…」
ロラン「NTでない僕でも、解りますよ」
マイ「鈍い鈍いと言われている僕も…」
一同(ヒイロが、キレている…!!)
ウッソ「ヒイロ兄さんは、キレても無口ですね」
アムロ「あまり普段と変わらないように見えるが…異常な殺気があるよな」
ロラン「で、でもどうしてヒイロは怒っているのでしょう?」
マイ「僕の記録によると、リリーナ嬢絡みだということだけど…」
ウッソ「え?リリーナさんとケンカしたとか、ですか?」
マイ「いや。実は―――」
~回想。
ドーリアン家・玄関~
リリーナ「ヒイロ、ごめんなさい。今日から3日間程、会うのを控えて欲しいの」
ヒイロ「…どうしてだ?」
リリーナ「わたくしは、これから3日間、自分自身の任務を果たさなければならないのです」
ヒイロ「リリーナの、任務?」
リリーナ「はい。任務を終えたら、わたくしから連絡差し上げますから」
ヒイロ「しかし護衛を…」
リリーナ「ごめんなさい」
リリーナが、そそくさと玄関の扉を閉めた。だがその時、ヒイロは見逃さなかった…リリーナの後ろに、見知らぬ少年が居たのを。
ヒイロ「ゼロ…教えてくれ…。奴は一体、誰なんだ?リリーナとはどういう関係なんだ?」
232 名前:自爆少年とツンデレ2/6 :2010/08/13(金) 15:47:35 ID:???
アムロ「それでヒイロがキレているのか。若いな」
ウッソ「リリーナさんは一体、どういうつもりなんでしょうね?」
ロラン「その見知らぬ少年とは誰なんでしょう?」
マイ「少年の名前は、
ギリ・ガデューカ・アスピス。周囲の人間からは"ツンデレコック"と呼ばれているようです」
シーブック(まさかのギリ…)
ロラン「コックと呼ばれるくらい、料理が得意な少年なんですか」
アムロ「確か、リリーナ嬢の料理の腕は壊滅的だった筈。リリーナ嬢、その子から料理を教わっているんじゃないのか?」
シーブック「僕も、そんな気がする。大体、ギリがリリーナさんに手を出すとは思えないし…」
マイ「ん?シーブック、ギリ少年と知り合いなのかい?」
シーブック「あ、違う違う。リリーナさんが、ヒイロを裏切ってギリとかいう子に手を出すとは思えないし!の間違い!!」
ウッソ「でも、料理を教えるにしても、何でわざわざその人なんです?他にも、料理を教えられる人は身近にたくさん居るじゃないですか。…それこそ、ロラン兄さんとか」
アムロ「まあ、それはそうだよな」
ガロード「今日はまさにデート日和!!ロラン兄の作った美味しい朝食をたらふく食べて、午前中のうちからティファと…!!」
ヒイロ「………」
刹那「俺も朝食後に、マリナや子供達と一緒に公園に行く。天気が良いからガンダムごっこをするには最高だ」
ヒイロ「………」
シン「俺も、マユとステラと、遊園地に行ってくる。2人がさ、俺の為に弁当作って来てくれるんだ!」
ヒイロ「………」
アル「あれ?コウ兄ちゃんはー?」
キラ「昨日から、シーマさんと一緒に旅行だよ」
アル「なぁんだ。じゃ、バーニィとプラモ作ろ」
ヒイロ「………(バキッ)」
マイ「あ、ヒイロが箸折った…メモメモ」
ロラン「マイ兄さん…」
233 名前:自爆少年と
ツンデレ3/6 :2010/08/13(金) 15:48:53 ID:???
~ドーリアン家・キッチン~
ギリ「よし、これから厚焼き卵を焼く」
リリーナ「はい」
ギリ「コツさえ掴めば、僕のように立派な厚焼き卵が作れる。今から手本を見せるから、よーく見ておくんだな」
リリーナ「解りました」
ギリ「最初は弱火で。まず、油を…このくらい」
リリーナ「…はい」
ギリ「フライパン全体に馴染むようにして」
リリーナ「馴染むように」
ギリ「フライパンが温まったら、卵液を…少し垂らす」
リリーナ「卵液を少し…」
ギリ「全体に回して、膨らみは箸でつついて潰す」
リリーナ「膨らみは潰す」
ギリ「全体が半熟くらいになったら、中火にして、向こう側から手前に…こう、巻く」
リリーナ「お上手です!…ふぅ」
ギリ「うっ…!?」
リリーナ「まあ!どうしました!?卵が少し、崩れてしまいましたよ!!」
ギリ「耳に息を吹き掛けるなぁっ!!」
リリーナ「そ、そんなつもりは…」
ギリ「ま、まあいい。この程度ならば、失敗のうちには入らないからな。僕が、失敗なんかする筈がない。…よし。これで問題ない。さすがは僕だ」
リリーナ「ごめんなさい。ギリさんが、耳が弱いのを知らなくて…今度から、気を付けます。…ふぅ」
ギリ「………ふ、ざ、け、る、なぁっ!!」
リリーナ「ええっ?何故怒るのですか!?きゃあ!!厚焼き卵が!!」
パーガン(リリーナ様…)
234 名前:自爆少年とツンデレ4/6 :2010/08/13(金) 15:50:07 ID:???
~そして3日後~
リリーナ「ありがとうございます!今までで1番素晴らしい出来映えです!」
ギリ「僕から料理を教わったのだから、当然だ」
リリーナ「ご苦労様です。わたくしの為に…」
ギリ「こんなもの、僕にとっては苦労でもなんでもないね」
パーガン「お疲れ様でございます、ギリ様。お約束の報酬でございます」
ギリ「ああ。確かに」
リリーナ「ギリさん…本当に、ありがとう…」
ギリ「べっ、別にっ。僕は帰る!…その弁当、早く彼氏に渡して、喜んで貰うんだな」
リリーナ「か、彼氏だなんて…(ポッ」
パーガン(ギリ様…ナイスツンデレでございます)
~ドーリアン家・玄関~
ギリ「なっ!?何だこのMSは…」
ヒイロ「…ターゲット、確認…」
ギリ「僕を狙ってる…?」
ヒイロ「ギリ・ガデューカ・アスピスだな」
ギリ「そうだ」
ヒイロ「…お前を殺す」
ギリ「ふん。どうして、僕が殺されないといけないんだ?」
ヒイロ「………」
ギリ「優秀な僕に、嫉妬しているのか?」
ヒイロ「………」
ギリ「いいさ。相手をしてやるよ。…フェアに、MS同士でね!!」
ヒイロ「いいだろう。MSだうと、俺はお前を殺す」
235 名前:自爆少年とツンデレ5/6 :2010/08/13(金) 15:51:13 ID:???
ヒイロはウイングゼロカスタム、ギリはクァバーゼで、戦闘を開始した。最初はヒイロが押すも、ギリも負けていない。壮絶な戦闘は続いていたが、ギリが隙を突いた。
ギリ「遅いっ!スネークハンドだ!!」
ヒイロ「くっ…」
ギリ「ははは!僕とクァバーゼを甘く見すぎだ!!覚悟っ」
ヒイロ「………リリーナ………」
ギリ「えっ?」
ヒイロの呟きに、ギリは驚愕する。気付くと、リリーナが真下に居たのだ。
リリーナ「あなた達ー!!何をしているのですかー!?」
ギリ「嬢さん!?」
リリーナ「まあ!その声はギリさん!?どうしてあなたが、ヒイロと交戦しているのです?」
ヒイロ「…ギリ・ガデューカ・アスピス。一旦、引くぞ」
ギリ「………」
~ドーリアン家~
ヒイロ「
シーマ・ガラハウからの紹介?」
リリーナ「はい。実は―――」
~回想~
リリーナ「わたくし、お料理の腕を上げたいのです!」
シーマ「…はあ」
リリーナ「ですから、わたくしにお料理を教えて下さい」
シーマ「悪いけど嬢ちゃん、アタシャ、明日からコウと夏休みの旅行でねぇ。教えてあげたいのはヤマヤマなんだけど…。でも、いい人材なら紹介してあげるよ」
リリーナ「まあ!嬉しいわ、ありがとうございます!!」
シーマ「…ところでさ、何で、アタシに相談を?料理を教えられる人間なら、アタシ以外にもたくさん居るじゃないか」
リリーナ「シーマさんとわたくしが、親友だからです」
シーマ「えっ?いつから…?ま、まあいいさ。頼られるのは悪い気がしないさね。明日、例の人材を嬢ちゃんの家に向かわせるよ」
リリーナ「お願いします」
239 名前:自爆少年とツンデレ6/6 :2010/08/13(金) 16:07:32 ID:???
支援ありがとう!
ギリ「シーマの紹介で来た例の人材っていうのが、この僕だったのさ」
ヒイロ「そういうことだったのか…」
リリーナ「黙っていてごめんなさい、ヒイロ。でも、わたくし、あなたの為に頑張ったのよ。ねぇ?ギリさん?」
ギリ「まあね。それより嬢さん、さっさと弁当食べさせてあげなよ」
リリーナ「はい、そうですね!今、持って来ますから(タタタッ」
ヒイロ「………俺としたことが、誤解をしていたようだ。済まない」
ギリ「ま、誤解が解けたならいいさ。でも、少しムカついたから…お前のその仏頂面が、喜びで崩れるところを見てから、帰ろうかな」
ヒイロ「…やはりお前、殺す…!!」
~ガンダム家~
ウッソ「ヒイロ兄さんから殺気が消えてる…」
マイ「ロランやアムロ兄さん、シーブックの言っていた通り、リリーナ嬢はギリ少年から料理を教わっていただけのようです」
シーブック「だよなぁ。ギリだし…」
アムロ「今日のヒイロからは殺気どころか、幸せオーラを感じる。若いな」
ロラン「僕にも解ります」
ウッソ「見た目はいつも通りですし、無口なんですけどね」
ヒイロ(リリーナの弁当、旨かったな。これからは、マズイ弁当を食べなくて済むのか。…シーマとギリに、少しばかり感謝するか…)
最終更新:2014年09月21日 20:18