XXXX年七月1日 AM0:00
どこかの公園
女「遅いぞ。五分の遅刻だ。」
男「失礼。仕事に手間取ってしまった。」
女「物はあるのだろうな。」
男「これだ。」
男はそういうとケースから怪しげな薬品を取り出した。
女「確かに、ゼロだ。」
男「所で、金は何処にある。」
女「ここだ。」
男はトランクを持つと公園を後にした。
女「それと。」
男「なんだ、追っ手が来る、手短に話せ。」
女「あんたとはまた仕事がしたい。ギルバート・デュランダル。」
ギルバート「私もだ、テテス。所で、ゼロの件だが。何に使うのだ。」
テテス「あんたが喜びそうなことにさ」
ギルバート「そうか。」
バラバラバラバラ
ギルバート「お客が来たようだ。君も早く逃げるといい。」
テテス「分かった。あんたも気をつけてな!」
ギルバート「ああ。」
同日 AM7:00
アムロ「おはよう。ロラン、今日の朝ご飯は何だ。」
ロラン「ご飯とお味噌汁と鮭です。」
ジュドー「いいねぇ、朝はやっぱコレだね。」
シロー「おっ、ジュドー、ガロード。今日はやけに早起きだな。」
シーブック「気をつけろ、今日の天気は荒れそうだ。」
ガロード「言ってくれるぜ。」
キラ「ギンガナムさんが来る前に速く食べましょう!」
ドモン「必死だな。」
キラ「今日こそは朝ご飯を食べるんです。」
ギンガナム「ウム、この味噌汁ダシが効いて美味い。流石だ、
ロラン君。」
キラ「せっかく早起きしたのに・・・・あ゛ぁあ あ゛ぁあぁ゛ああぁぁうあ゛ぁあ゛ぁぁ」
コウ「ギンガナム!毎日毎日キラの飯を食いやがって。」
シン「キラが泣くとうるさいんだからやめてくれ。」
キラ「誰がうるさいんだよ!このDNQヤロー!」
シン「おい、やるのか!いいぜ受けてたつぜ!」
キラ「やめてよね!シンが僕に勝てるわけ無いんだから!」
カミーユ「全く。飯ぐらい静かに食わしてくれよ。なあヒイロ。」
ヒイロ「全くだ。」
ロラン「はい、アムロ兄さん。」
アムロ「ああ、新聞か。ありがとう。何々、『フラナガン製薬襲撃』・・・・
フラナガンと言えば、シャアの会社の系列だったな。ウチも気をつけないと。」
ウッソ「取り込み中で悪いんだけど、みんなもう7時40分だぞ。」
兄弟「ヤバイ!遅刻だ!」
ロラン「早く行きなさい。お弁当忘れないでね。」
兄弟「じゃあ、行ってきます。」
ロラン「行ってらっしゃーい。」
しばらくして
ロラン「やっと静かになった。じゃあ、掃除しますか。」
いつもと変わらない朝の風景である。
AM10:00
ガンダム家
ロラン「やっと家の掃除が終わった。次は買い物か、晩ご飯は何にしょうかな……………………。ハンバーグにしよう。じゃあ、誰も居ないけど、行ってきます。」
ということで、買い物に出かけたロラン。そして、ロランを追う陰が一つ………
AM11:30
近くくの商店街
ロラン「さて、買い物も終わったし、帰ってご飯食べて、昼寝って(これじゃあ完璧主婦だよ!)」
テテス「あら、ロランじゃない。」
ロラン「あっ、こんにちはテテスさん。買い物ですか。」
テテス「その帰りよ。所で、ロラン、久しぶりに会ったんだし家に来て昼食でも食べないかい?」
ロラン「(何かニオうケド)いいですよ。」
テテス「じゃあ、決まりだね。ついでだから荷物持ってもらえる?」
ロラン「はい。」
イヤな予感がしながらもテテスの家に招かれるロラン。
この後、彼は後悔する事になる。
「自分の勘に従っていれば」と。
AM11:40
テテス宅
テテス「適当に座っといて。」
ロラン「何か手伝いましょうか?」
テテス「アンタは何時も気が利くね、まあ座ってなさいよ、お茶でも入れるから。」
テテスはなれた手つきで紅茶を作り、ロランのカップに昨日ギルバートから受け取った怪しげな薬品を注いだ。
ロラン「(家の間取りをみて)綺麗にしてありますね。」
テテス「ロランの家の方が綺麗だわ。はい、紅茶。」
ロラン「ありがとうございます。コクコク、これダージリンですか?」
テテス「あら、お気に召さない?」
ロラン「違いますよ。うちは人数が多いからどうしてもインスタントなんですよ。久し振りに美味しい紅茶が……………(変だぞ、言葉がでない。しかも目眩が…)」
テテス「クックックッ、目眩がして言葉が出ないんでしょ、ロラン。」
ロラン「な、何故それを!」
テテス「知らない人の家で、確認もしないで出された物を飲み食いするなんて、お人好しすぎるわよ(ニヤニヤ)」
ロラン「(僕は、ハメられたのか)な、にをの、ませた!」
テテス「精神科医が催眠療法をするために使う補助薬よ。普通は一千倍に薄めた物を使うんだけど、貴方には原液を飲ませてあげたのよ。」
ロラン「補助薬?僕に何を…するつもり………なんです。」
テテス「貴方は、私達の計画に必要なこの薬にどれだけの作用があるか調べるためのモルモットよ。」
ロラン「もう効き目は…………分かったはずです。早く……………なんとか」
テテス「ごめんね、ロラン。今解毒剤がここに無くって。もうそろそろ何も考えられなくなってるんじゃないの?」
ロラン(なんだろ、ぼーっとしてきた。ダメだ、しっかり………………………)
ロランの目が輝きを失ったことを確認し次のステップに移るテテス。
テテス「さぁ、ロラン。これからは何でも私が言った通りにしなさい。(淡々と話す)」
ロラン「は…い。」
テテス「貴方は今からローラ・ローラという女性になります。」
ロラン「は…い。」
テテス「貴方はメイドとしてアムロ一家に仕えています。」
ロラン「は…い。」
そして5時間後。
PM6:00
テテス「ローラはこの家から出ると、私のことを忘れてしまいます。」
ローラ「はい、ご主人様。行ってきます。」
そういうとロランことローラは家路を急いだのであった。
テテス「リーダー、作戦は成功です。」
リーダー「テテス追っ手が来る前にアジトに帰ってきなさい。」
テテス「了解。」
PM6:30
ガンダム家
カミーユ「兄さんの帰りがやけに遅いですね。」
シン「たまには遅い時もあるだろ。」
ドモン「いや、あまりにも遅すぎる。アイツの帰りが遅い時は何かしら事件に巻き込まれている。」
シーブック「捕まって掘られ、おまえ達何を、ヘブッバキッ」
ジュドー「そういう場を考えない奴は!」
ガロード「たとえ兄であろうとも!」
アル「許されない!」
シーブック「分かった、分かったから、ズコッグシャ」
ジュドー「今日の所は許してやるよ。」
シーブック「……………………(悶絶)」
アムロ「ただいま、あれ、ロランはどうした。まだ帰ってないのか?」
シロー「そろそろ探しに行こうかと思っていたところです。」
アムロ「こんなに遅い時は何かあるからな。カミーユとヒイロとシーブックは商店街をジュドーとガロードとコウは団地の方を頼む。後は家に残って帰りを待つ。では、各自行動に移れ。」
ローラ「ただいま戻りました。」
キラ「兄さん帰ってきたよ。」
ローラ「すいません。遅くなりました(焦)」
アムロ「心配したぞ。まあいい、早く飯にしてくれ。」
ローラ「はい、かしこまりました。」
兄弟「えっ…………………………?」
ローラ「じゃあ着替えてきますので。」
兄弟「……………………………(唖然)」
シロー「アイツ女装なんかしてどうしたんだ。」
コウ「しかも、なんだあの言葉使い、女と言うよりメイドだぞ。」
ドモン「化粧の仕方も以前よりうまいし何より歩き方が完全に女性だ。」
ガロード「なんか、ものすごくいやな予感がするのは俺だけ?」
アムロ「いや、みんなそうだ。なあ、シン。」
シン「そうですね。(いや、俺が思っているそれと兄さん達が思っているそれは多分違う。)」
一同は帰ってきたロランの挙動に驚いていた。
そして、部屋から出てきたロランを見た一同は更に驚くことになる。
アムロ「ロ、ロランなんだその服。」
ローラ「私はローラですよ。それに私はメイドですからこれが制服ですよご主人様。(ニコッ)」
キラ「ローラ!」
ウッソ「メイド!」
ジュドー「ご主人様!」
シーブック「ついに心が逝ってしまったようだ。」
ドモン「ロラン!どうしたんだ!」
シロー「誰にやられた!変態達にか!」
ローラ「私は普通ですよ?何が(誰にやられた!)なんですか?(困)」
アムロ「はっきり、答えるんだ!誰にやられたんだ!(思わず手に力が入る。)」
ローラ「い、痛いですやめて下さい(半泣)。私は何もされてません。何か私がいけないことをしたんですか?(必死)お許し下さい、ご主人様(大泣)」
コウ「な、泣くなよ。いったいどうしたんだよ。」
シン「兄さん達、俺に任せて。」
アムロ「どうするんだシン。」
シン「まあ、任せてよ。メイドさん、泣かないで。」
ローラ「グズン、はい。」
シン「まず貴方のお名前を教えてくれます。」
ローラ「ローラ・ローラです。」
シン「ローラ・ローラね。じゃあ、緒と検査のために血を抜いても良いかな?」
ローラ「良いですけど………………痛いですか?」
シン「痛みは予防接種ぐらいだけど。」
ローラ「なら大丈夫です。」
シン「じゃあ、動かないでね。プス」
ローラ「イタッ」
シン「終わったよ。大丈夫?」
ローラ「はい、大丈夫です。」
シン「よし、じゃあローラさんは夕飯を作ってくれる?僕たちは上の僕の部屋にいるから。所で僕の部屋、どこか分かる?」
ローラ「分かりますよ。では、お食事ができましたらお呼びしますね。(ニコッ)」
シン「頼んだよ。」
ローラは台所で料理を始め、兄弟はシンの部屋に行った。
アムロ「で、これからどうするんだ!」
シロー「兄さん、落ち着くんだ!」
アムロ「これが、落ち着いていられる状況か!きっと御曹司に色々されて頭がイカれたんだ!グエンを討たなければ気が済まん!」
シン「皆さん、頭冷やして下さい。」
アムロ「五月蝿い!貴様に何が!パシーン」
ドモン「頭を冷やせ兄さん。俺たちが冷静にならなければ誰がロランを助けるんだ。」
アムロ「そうだな、悪かった。で、シン、ロランの血をどうするつもりなんだ。」
シン「兄さんの血を検査します。」
シーブック「しかし、この部屋にはお前の机しかないぞ。検査には色々な機械が必要なんだぞ。」
シン「検査機器ならここにありますよ。」
シンは机の裏にあるスイッチを押した。すると、壁から顕微鏡やら試験管棚やら薬品棚が出てきた。
シン「これで検査できる。」
ウッソ「いつのまにこんなに集めたんですか?」
シン「前からコツコツ貯金してな。」
コウ「そういえば、シンは薬剤師を目指してたな。」
アムロ「化学の成績がいつも優秀なのは家で頑張ってるからなのか?」
シン「まあ、そんな所です。(マユを落とすために媚薬作ってるなんて口が裂けても言えねぇ。)」
カミーユ「でも、ロラン兄さんの血を検査したところで現状が変わるのか?」
シン「だいぶ変わりますよ。」
ガロード「本当かよ兄さん。」
ジュドー「だって、どう考えても今のロラン兄さんに必要なのは精神科医だぜ。」
アムロ「ストレートに言うな!」
シーブック「で、シン、お前は俺達が気付いていない何かに気付いてるみたいだが?」
一同「えっ、まだ、おかしい所があったの?」
シン「はい、一つだけあります。(て、アンタ達、何年ロラン兄さんと生活しているんだよ!)」
アムロ「なんなんだそれは?」
シン「ロラン兄さんの目ですよ。」
キラ「そういえば、ロラン兄さんの目、やけに虚ろだったな。」
ドモン「確かに。焦点が合ってないような感じだったな。しかも、目が紫がかってた。」
アムロ「焦点が合ってない。目が紫がかってる。……………………………もしかして、アレか!でも、あれって…………………………。」
シン「アムロ兄さんは気付いたようですね。ほかの皆さんはどうです?」
アル「催眠術とか言わないよね。」
アムロ「近いようで近くないな。」
シロー「じゃあ、俺たちは未だにピンと
来ない。分かるように言ってくれ。」
シン「じゃあ、実際に検査してみましょう。」
シンは慣れた手つきで血を入れたシャーレを機械にセットした。
シン「もう少ししたら結果が出ます。」
機械「検査終了……………………。」
ピッ、ビーーガシャウィンウィンウィン
機械から一枚紙が出てきた。
シン「はい、検査結果です。」
コウ「なになに、赤血球、白血球、鉄…………………………ゼロ?何だゼロって。」
シン「薬の名前です。」
アル「なんの薬なの?」」
アムロ「多分、催眠療法の補助薬だろ。」
シン「正解です、アムロ兄さん」
カミーユ「何でそんな物知ってるんです。」
アムロ「ウチの会社の系列のムラサメ薬品が同じような物を作っている。ベルトーチカが担当でね。」
シロー「そういう事ね。」
アムロ「しかし、ゼロとは聞かない名前だな。」
シン「当たり前です。まだ臨床段階の薬なんです。」
キラ「シンは何でも知ってるんだな。」
シン「いや、それほどでも(キラからこんな言葉が聞けるとは………\(^_^)/)」
シーブック「で、何処の薬なんだ。」
シン「それを聞くと犯人がすぐ分かりますよ。(笑)」
ジュドー「じれったいよ兄さん、ちゃっちゃと言っちゃってよ。」
シン「フラナガン製薬です。」
シンがフラナガンの名前を出すと急にアムロが立ち上がった。
ドモン「どうした、アムロ兄さん!」
アムロ(ゴゴゴゴゴ)
カミーユ「な、なんだこのプレッシャーは!」
ジュドー「凄すぎる!」
ウッソ「いきなりどうしたの?」
シロー「そういえばフラナガンって………………………。」
キラ「ネオ・ジオン系列の会社……………………………。」
一同(アムロ以外)「犯人は
シャア・アズナブルだ!」
アムロ「シャア、今度こそ貴様をバラバラにして海に放り込んでくれる!」
今度は結果を見ていたシンが立ち上がった。
シン「シャア、アイツここまでするなんて。(種割れ)」
キラ「シンが怒った。」
コウ「どうしたんだ!」
シン「ゼロは通常使用で千倍に薄めるんです。なのにシャアのやつ原液をロラン兄さんに盛ったみたいなんです!死ななかったのが奇跡です!」
一同「なんだって!」
シロー「シャアのやつ、そこまでの鬼畜だったとは!」
シーブック「自分の欲望が満たせれば!」
ジュドー「平気で人を殺すようなことをするなんて!」
カミーユ「そんな大人修正してやる!」
ジュドー「許せねー!」
ドモン「刀の錆にしてやる!」
アル&シュウト「
ミンチだ、ミンチにしろー!」
キラ「(静かに種割れ)」
ウッソ「変態に命は危険なんです!」
アムロ「みんなの気持ちは一つになった。シャアに天罰を!」
兄弟「天罰を!」
ローラ「あ、あのー夕食ができましたゆ。」
兄弟「……………………………はい。」
アムロ「じゃあ、まずは腹ごしらえかな(笑)」
ドモン「腹が減っては戦はできんし。」
シロー「じゃあ、みんな、飯を食いにいこう。ローラ、今日何?」
ローラ「ハンバーグです。」
コウ「付け合わせは?」
ローラ「アスパラと人参です。」
コウ「人参は嫌いだけど…………………今日は食うかな。」
ガロード「なに、鼻の下伸ばしながら言ってんの。」
ジュドー「全く、
これだからチェリーは。」
アムロ「お前もだ!」
シン「さぁ、早く食べましょ。」
アムロ「じゃあ、ダイニングに出発!」
かくして、シャア抹殺の目標を見いだした兄弟は腹ごしらえをするのであった。
PM9:30
ガンダム家
夕飯を食べ終わった兄弟たちは早速行動に移った。
アムロ「よし、そろそろ行こう。各自モビルスーツをアウドムラへ!」
ガロード「∀はどうすんの兄さん。」
ドモン「あんな危ない物を誰も居ない家には残せないな。」
アムロ「しかし、パイロットがアレでは……。(頭を抱えながらロランを見る。)」
ローラ「何かお困りですか?」
カミーユ「モビルスーツのパイロットが足りないんです。」
ローラ「モビルスーツの操縦なら少し出来ます。」
アムロ「本当か!(どうやら記憶はロランのままらしい。)じゃあ、ローラ、宜しくお願いする。」
ローラ「はい、お役に立てて何よりです(ニコッ)」
アムロ「じゃあ頼んだよ。よし、みんな準備はいいな。各機搭乗!」
10分後
アウドムラのコクピット
アムロ「全員、モビルスーツを運んだようだな。では、発進準備を行う。シローとコウとキラとシンはここで発進準備を、後の者は気密チェックを!」
兄弟「了解!」
おのおの自分の仕事に取りかかる。
アムロ「しかし、ロランのあの言葉遣いと笑顔…………慣れないな。(苦笑)」
コウ「まあ、変な言い方だけど、記憶が有るだけマシか。」
シロー「そうだな。記憶までなかったら大問題だからな。」
シン「さっき、調べてみたんですけど、どうやらロラン兄さんの記憶はロラン兄さんの部分だけそっくりそのままローラ・ローラになってしまってるみたいですね。」
キラ「いつの間に催眠術まで覚えたの?」
シン「学校の友達が教えてくれた。(マユで練習してるなんて言ったら、シロー兄さんに刑務所に入れられるな。)」
アムロ「所で、シン。何でお前の部屋の薬品棚には媚薬や惚れ薬しか置いてなかったんだ?」
シン「友達から『作ってくれ』って頼まれたんだよ。(何でアレが全部媚薬だなんて分かるんだよ!)」
キラ「兄さん何で媚薬だって分かったんです?」
コウ「兄さんは〔お勤め〕で使うからだろ。」
アムロ「う、五月蝿い。子供も居るんだぞ。(墓穴を掘ったか)」
シロー「しかし、そんなも必要なのかね?」
すると盗み聞きしてたほかの兄弟達がゾロゾロとコクピットに入ってきた。
ガロード「実は兄さん〔お勤め〕が下手なんでしょ!」
ジュドー「だめだよ兄さん。チェーンさんが可哀想。」
ガロードとジュドーの言葉は兄弟達のツボに入ったらしくみんな一斉に大笑いした。(
アルとシュウトとロランとヒイロを除く。)
アムロ「黙れ、チェリーども(赤面)。さっさと離陸しろ!」
兄弟「了解!」
PM10:00
ネオ・ジオン社 社長室
兄弟達がネオ・ジオンに向かっている丁度その頃、シャアはフラナガン炎上による多
額の損失への対応に追われていた。
社員Ⅰ「社長、もうわが社はダメです!」
シャア「えぃ!まだだ、まだ終わらんよ!他のルートで何とか頼む。」
社員Ⅰ「ハイ!」
シャアは、この損失をどうにか救ってくれるスポンサーを探していた。
しかしなかなか見つからない。そんな時、1人の男が部屋に入ってきた。
ウィンド「こんばんは、社長。お困りのようで。」
シャア「ミリアルド、今日は何のようだね。私は忙しいんだ!」
ウィンド「プリペンターの任務で。」
シャア「(プリペンターと聞いて)すまんな、今にも会社が倒産しそうで・・・ま
あ、適当な所に座ってくれ。で、何の御用です。」
ウィンド「エレガント(合言葉)の調査ファイルともう1つ」
ウィンドはポケットから小切手を取り出した。
ウィンド「今回のフラナガン炎上はプリペンターの責任でもあります。コレはあれの
開発の礼金と
その他もろもろです。壊れた工場の修繕に役立ててください。」
シャア「一兆ドルか・・・・・・・・・・・・ありがとう恩に着る。所で、あれの捜
索はどうなっている。」
ウィンド「フラナガンを襲撃したのがギルバート・デュランダル一派ということと、
ギルバートは淑女同盟と手を組んでいるという事だけです。」
シャア「なんだねその淑女同盟というのは?」
ウィンド「簡単にいうと女性板仮面同盟です。我々のターゲットです。」
シャア「ということは、その同盟のメンバーを捕まえてあれを使って情報を吐かせ、
同盟を一網打尽にする予定だったのか。」
ウィンド「はい。しかし肝心のあれが奪われてしまっては・・・」
シャア「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
丁度そのとき、ガンダム家の兄弟達が凄まじいオーラを出しながら社長室に入ってきた。
※エレガントはゼロの別名です。
名前の由来はまたのちほど。
507 名前:陰謀投稿日:2005/07/28(木) 15:48:35 ID:???
すいません、プリベンターのべの字がぺになってました。
508 名前:陰謀投稿日:2005/07/28(木) 18:28:33 ID:???
ウィンド「また何かしたのか、シャア。」
シャア「ア、アムロどうしたんだこんな遅くに・・・(私は何もしてないぞ!)」
アムロ「とぼけるな、シャア!お前の会社の薬でロランがこんな姿になってしまったんだぞ!」
ローラ「私はローラですよ、ご主人様。」
シャア「おお、遂にロラン君もその気になってくれたか、って貴様達、ゲハッグキッバキッ、いきなり、バキバキボキグハッ、殴るな!」
ジュドー「ウッセーよ。しらばっくれやがって!」
ガロード「黙ってボコされてりゃいいんだよ!」
ウッソ「荒んだ心に命は危険なんだよ!」
ドモン「死んで償え!」
シャア「助けてくれ、アムロ、私は何も、ヘブッヌガッバキッ」
シン「暴力なんて使いたくなかったのに!!!!!!」
キラ「(黙って殴る)」
アル・シュウト「ミンチにしてやるよ、タコ!!!!!!」
カミーユ「何故『私がやりました』と言えんのだ!」
シャア「・・・・・・・・・・・・・・・・・(悶絶)」
コウ「あれー。死んじゃいまちたか?僕たちまだ満足してないんだけど。」
シン「気絶しているだけです。」
コウ「じゃあこの変態を起こすから、水持ってきて。」
シーブック「了解。」
ウィンド「(私は止めることが出来ない。頑張ってくれ!(ガクガクブルブル)」
ヒイロ「ゼクス、お前に話したいことがある。」
ウィンド「何だヒイロ。」
ヒイロ「仕事のことだ。こっちに来てくれ。」
ヒイロはロランとウィンドを外の通路へと連れて来た。
ウィンド「で、何だ。」
ヒイロ「(周りに誰もいないことを確認)実は盗まれたゼロはロラン兄さんに使われたみたいなんだ。」
ウィンド「ウソをつけ(ロランの顔を覗き込む)・・・・・・・・・・・まさか
こんなことが!どのくらい盛られたんだ。」
ヒイロ「原液だ。」
ウィンド「くっ、酷い事をする!」
ヒイロ「俺は工作班だから情報が入ってこない。教えてくれこれからプリベンターはどういう行動に出るんだ。」
ウィンド「私も分からん。これからの指示は指令がここに直接持ってくる。」
ヒイロ「何時だ。」
ウィンド「23時だ。」
ヒイロ「後5分か。」
ローラ「あの・・・・そろそろ皆さんを止めないとシャアさん本当に死んじゃいますよ。」
ウィンド「そうだな、すっかり忘れてた。ヒイロ、兄弟達を止めるぞ!」
ヒイロ「任務了解。」
ウィンド「止めるんだ!そのままだと本当にシャアが死んでしまう!」
アムロ「あん、なんか文句でも有んのか!」
ジュドー「アンタも火葬場行きの切符が欲しいのか?」
カミーユ「この前みたいに痛い思いがしたいのかなぁ?」
ウィンド「ヒイロ、頼むよ。彼らを説得してくれ(カミーユにボコられたのを思い出して半泣き)」
ヒイロ「兄さん達止めるんだ!俺の話を聞いてくれ!」
ガロード「へぇ、兄さんまでそんな事言うのかよ。」
シーブック「裏切り者がどうなるか分かってるよな?」
ヒイロ「貴様達いい加減にしろ!じゃないと殺す!」
キラ「ヒイロが僕に勝てるわけないだろ!」
レディ「何だ、何が起こっている。」
ウィンド「見ての通りだ」
後から来た三人は、真ん中に気絶したシャアが転がっていてそれを取り囲むように兄弟達がいる状況に驚いていた。
そして、横に立っているロランを見て更に驚く。
ブライト「ロラン君どうしたその格好!」
ローラ「皆さん何で私の事を『ロラン』って呼ぶのでしょうか?」
レディ「君の名前だからだ。」
ローラ「私はローラです。」
ナナイ「(ロランの目が紫がかっているのに気づき)レディさん、ブライトさんどうやらロラン君はゼロを飲まされたみたいですね。」
二人はロランの顔をのぞき込む。
二人「そのようだな。」
そして三人はもう一回辺りを見回して一言。
三人「なるほど。そういうわけか」
ナナイ「兄弟達が勘違いするのも分かります。」
ブライト「自業自得とはこの事だな。」
レディ「では、兄弟達には正しい情報を教えなくてはならないな。」
ブライト「しかし、指令。あの事は極秘事項なのでは。」
レディ「今更、遅い。しかも、帰れと言った所で彼らは帰らんしな。」
ブライト「やめろ、アムロ。」
アムロ「止めるなブライト!今、コイツを消さなければ俺の気が済まない!」
ブライト「では、次のボーナスが無くても良いと言うことだな?」
アムロ「(ちぃ、そう来たか!)分かった。」
ブライト「全員やめさせるんだ。」
アムロ「オイ、みんな、その位で良いだろ。」
カミーユ「この位で許すんですか?」
アムロ「ブライトが話したい事があるそうだ。」
ジュドー「何です、話って?」
ブライト「まあ取りあえず来てくれ。」
ブライトは兄弟達を隣の副社長室に連れて行った。
ナナイ「こんばんわ、皆さん。さぁ、適当に座って下さい。」
アムロ「ブライト、話ってなんだ。」
ブライト「まず、ロラン君の事について話してくれないか?」
アムロは、ロランが何時の間にかメイドのローラになっていた事や、シンの働きでロランが薬を盛られたことや、その薬がシャアの会社で作られていることが分かり、これまでのシャアの行動から、シャアが犯人だと確信しここまで来たことを話した。
ブライト「それで、ここに来て、シャアをいたぶっていたわけか。(予想通りだな。)」
アムロ「これで全部話した。次はあなた達の番だ。知っている事を話してもらいたい。」
レディ「半年前だ。私達プリベンターは淑女同盟という犯罪組織の一味を拘束した。」
ウィンド「一年間の調査の結果で得た重要な資料だった。」
レディ「しかし、そいつは、なかなか口を割らなかった。」
ウィンド「そこで、ムラサメ薬品とフラナガン製薬の二社に強力な自白剤の開発を依頼した。」
ブライト「その薬というのがロラン君が盛られた、ゼロなんだ。」
レディ「そして、後もう少しで完成しそうだったのだが。今日の0時にフラナガン製薬が襲撃され、ゼロが盗まれてしまった。おまけに奴らはゼロ解毒剤を全て焼き払った。」
ウィンド「襲撃を指揮していたのはギルバート・デュランダル。ザラ・コーポレーションの副社長で秘密結社ザフトの総帥だ。」
ヒイロ「そして、近くの公園でゼロをとりひきしている所を発見したのだが、いきなり出てきたザフトの軍勢に追撃部隊は呆気なくやられてしまった。」
ウィンド「ギルバートと取り引きしたのは淑女同盟である事は分かっている。多分奴らはロランで薬の効力を試したのだろう」
レディ「今、我々が言えるのはこれだけだ。後は潜入している捜査官の報告を待つしかない。」
アムロ「かなり凄いことに巻き込まれたらしい。」
シロー「これまでも沢山の騒動に巻き込まれたが、これまでで一番デカいな。」ドモン「で、俺達にかなりの
秘密事項を喋ったみたいだが。」
アムロ「どうするつもりだ?」
ブライト「決まっている。アムロ取締役、盗まれたゼロを取り返し且つ解毒剤に必要な素材を集めろ!これは、社長命令だ!」
ジュドー「社長命令だと、どうすんの兄さん。」
アムロ「やるしかないだろ。まあ、ロランを助けるついでだと思えばいい。」
レディ「決まったようだな。では、早速明日から作業に当たってもらいたい。今日は疲れたろう。連絡があるまで休むと良い。」
ウィンド「そんなにのんびりしていていいのか?」
レディ「捜査官からの連絡は午前四時だからな。時間は十分ある。」
アムロ「じゃあ、休ませてもらおう。」キラ「シャアさんには悪い事しちゃいましたね。」
アムロ「そうだな。謝るぐらいはしとこうか。」
兄弟達が副社長室から社長室に戻ると何時の間にかシャアが何食わぬ顔で仕事をしていた。
アムロ「済まなかったな、シャア。大丈夫か?」
シャア「もう慣れたよ。その様子だと、レディは君らにゼロのことを話したようだな。」
シロー「ああ、何もかも聞いた。明日、解毒剤の素材の回収に行く。」
シャア「そうか。少し待っててくれ。」
シャアは電話をかけ始めた。
ガチャ、ピッ、プルルルルル
シャア「私だ。」
社員「はい、いかがなさいました。」
シャア「簡易ベット15個を会議室Aへ運んでもらいたい。」
社員「分かりました。」
シャア「どのくらいかかる」
社員「10分ほどかかります。」
シャア「では、準備が出来次第電話してくれ。」
ガチャ、ツーツー
シャア「アムロ、今準備しているから、今日はここに泊まると良い。」
アムロ「いいのか、シャア?今は色々と大変じゃないのか。」
シャア「君に心配されるとはな。問題はない、ゆっくり休むと良い。」
アムロ「ありがとう。」
シャア「ん、どうやら準備ができたらしい。」
アムロ「じゃあ、みんな、お言葉に甘えよう。俺は少し用があるから後で行く。シロー後は頼んだ。」
シロー「じゃあみんな、行こうか。」
シャア「会議室Aはこの階の一つ下だ」
シロー「ありがとう、シャア。今日のアンタ、なんか良い奴だな。」
シャア「いつもバカばかりやっていてもしょうがないからな。」
兄弟達が部屋から出るとアムロが話し始めた。
アムロ「今日は、話も聞かずに殴ったりして済まなかったな。」
シャア「自業自得だ、仕方ない。」
アムロ「ロランがあんな姿だろ。かなりアツくなってしまった。」
シャア「家族があのような姿になれば誰だって怒るよ。ナナイの話だと致死量ギリギリを飲まされているのだろ?」
アムロ「そうだ。何をしたいのか知らんがこんな事は許されない。」
シャア「その怒りを明日ぶつけてやればいい。」
アムロ「どういうことだ?」
シャア「相手側が張ってるかもしれんだろ?」
アムロ「そうだな。その時はこのツケを払ってもらわないと。」
シャア「アムロ、もう遅い。寝た方が良いぞ。」
アムロ「ああ、そうさせてもらう。」
アムロが部屋から出るとシャアは仕事に戻った。
ナナイ「社長、これからの事をお話しますので、会議室Bへお越し願います。」
シャア「分かった。すぐ行く。」
会議室Bは会議室Aの二つ隣にある。
シャアが行きがけに会議室Aを覗くとロランが寝ているのをアムロが悲しげに見つめていた。そして、それを見たシャアはある決意をした。
シャア「ナナイ、悪いが用事が出来た。後を頼む。」
ナナイ「(シャアの目を見て)はい、社長。」
シャア「頼んだぞ!」
シャアはそういうとエレベーターホールへ駆けていった。
ネオ・ジオン社
地下五階 ドック
シャア「ギュネイ、レウルーラを出す。クルーを集めろ!」
ギュネイ「分かりました!(社長が久しぶりに本気になったようだ。)」
五分後
ギュネイ「準備完了です。」
シャア「レウルーラ発進、ギルバート邸に進路を取れ!(ギルバート、さすがの私も今回のお前の行為を許すわけにはいかない。待っていろ。)」
最終更新:2019年01月21日 23:36