983オールアムロVSシャア軍団VS
ガンダム兄弟2019/06/01(土) 02:39:54.82ID:zzFwSL6s0
日登町上空
キラ「ダメだね。やっぱりシロー兄さんと連絡つかないや」
キオ「家ともさっきキャプテンから来た定期連絡以降繋がんないよ」
ウッソ「やっぱりこの戦闘の影響ですかね」
キラ「というよりどっかで誰かが妨害電波でも出してるんじゃない? なんか町全体電波が繋がりにくくなってるみたいだし」
キオ「一体だれがそんなメイワクなことするのさ」
キラ「さあ? でも火事場泥棒みたいに混乱に乗じて悪だくみするヤツらなんて、この町に一杯いるんじゃない?」
ウッソ「ヨナ兄さんはどう思います? ……ヨナ兄さん?」
ヨナ「ブツブツ……俺が、俺がアムロ兄さんを抑える……!」
ウッソ「ダメだ、全然聞こえてませんね」
キオ「さっきからずーっとこの調子だよねヨナ兄ちゃん」
キラ「気負ってるんじゃない? 生まれてこの方、ヨナ兄さんってアムロ兄さんに一回も勝ったことないらしいし」
ウッソ「ヨナ兄さんはアムロ兄さんへのコンプレックスを一身に背負って成長してきたって、上の兄さんたちもよく言ってますしね」
キラ「まあしばらくほっとくしかないんじゃないでしょ。どうせアムロ兄さんたちと会ったら、イヤでも覚悟を決めて戦わなきゃならないんだし」
キオ「あ!」
ウッソ「どうしたのキオ」
キオ「そんなこと言ってたら近くで反応があったよ。これ、アムロ兄ちゃんの
ガンダムだ!」
ヨナ「ガンダム……! アムロ兄さんか!」
キラ「お、ヨナ兄さんがようやく現実に自分の世界から戻ってきた」
キオ「近くにもう一機大きい反応があったよ。これ、コウ兄ちゃんのデンドロビウムだね。もう戦闘が始まってるみたい」
キラ「あ~よりにもよってコウ兄さんか。タイマンなら、ちょっと分が悪いね」
ウッソ「兄弟の中じゃヨナ兄さんに次ぐ普通の人ですからね、コウ兄さん」
ヨナ「どうせ俺は平凡なパイロットだよ。まあいい、とにかくコウのところへ急ごう」
ウッソ「僕たちが着くまでに撃墜されてないといいですね」
キラ「う~ん、五分五分ってとこかな」
キオ「僕らが着くまでガンダムの首、狩られてないといいなあ」
キラ「その心配は絶対いらないと思うよ、キオ」
985オールアムロVSシャア軍団VSガンダム兄弟2019/06/01(土) 03:23:13.80ID:zzFwSL6s0
日登町南区
コウ・ウラキ【ガンダム試作3号機】 VS アムロ・レイ(一年戦争)【RX-78 ガンダム】
アムロ(一年戦争)「落ちろ!」
コウ「絶対落ちるぅ!!」
発射されたビームライフルを、コウはギリギリで回避した。
そのままガンダム試作3号機――ステイメンはビルの物陰に飛び込む。
アムロ(一年戦争)「ちいっ、避けられた。あのMS、バッタみたいによく動く。それともパイロットの腕か?」
コウ(ビルの物陰に隠れながら)「やばいやばいやばい! 一年戦争のアムロ兄さん半端ないって! オーキスがあっという間に撃墜された!」
コウの視線の先には巨大なMSの残骸が残されている。
試作3号機のアームドベース『オーキス』だ。
戦闘が始まってからデンドロビウムが撃墜されるまで、3分もかからなかった。
コウはなんとかオーキスを切り離し、制御ユニットのステイメンで逃げ出したのだ。
コウ「ニュータイプとしてのアムロ兄さんの最盛期は15歳の頃だって話、本当なんだな」
コウはコクピットでため息をついた。
確かに彼はガンダム兄弟の中では平凡な方だが、ここまで差を見せつけられてはさすがに落ち込む。
コウ「ええい、しっかりしろ俺! なんとか、他の兄弟が来るまで足止めしないと……! そうだ!」
アムロ(一年戦争)「出てこいガンダムのパイロット! 他のやつらが援軍に来る前に決着をつける!」
やがてビルの物陰から試作3号機が出てきた。
アムロはビームライフルを構え――すぐに下ろした。
アムロ(一年戦争)「どういうつもりだ、コクピットのハッチなんて開けて! 僕たちは戦いをやってるんだぞ!?」
コウ「ちょっと待ってくださいアムロ兄さん。一旦、落ち着いて話しませんか?」
開け放たれたコクピットハッチから、コウが両手をあげて顔を出す。
ガンダムは撃ってこない。
「白い悪魔」と呼ばれた男も、生身の人間を焼くつもりはないらしい。
コウの読み通りだ。
アムロ(一年戦争)「あなたは確かコウ……さん」
コウ「(顔を見せたら急に敬語になったな)いいですよ呼び捨てで。分裂して子供に戻っても、あなたは僕の兄さんなんですから」
アムロ(一年戦争)「なんですか、話って」
コウ「あの、周りを見てもらえばわかると思うんですけど、兄さんとシャアさんたちの戦いのせいで、町が結構酷いことになっちゃってるんです」
コウは身振り手振りを交え、アムロに町の惨状を訴えた。
曰く、このままでは何の罪もない人々の命を脅かす危険があること。
町が焼かれれば、多くの人々が住む家を失うこと。
アムロはそれを、神妙な顔で聞いている。
986オールアムロVSシャア軍団VSガンダム兄弟2019/06/01(土) 03:26:07.44ID:zzFwSL6s0
コウ「(まあ、この話8割は嘘なんだけどね。住人は
ミンチになっても復活するし、建物もほとんどはナノマシン構造だから、一晩経てば元に戻るし)」
おまけに町の住人たちはみな、ガンダム兄弟の巻き起こす騒動には慣れっこになっている。
おそらく今回も、兄弟代表としてアムロとシローが
ハロ長官に怒られるくらいで済むはずだ。
だが今は、アムロさえ騙し通せればいい。
コウ「だからアムロ兄さん! もう戦いなんてやめましょうよ!」
コウは涙ながらに訴えた。勿論これも芝居だ。
シャアと違い、根がお人好しのアムロなら情に訴えればなんとかなる。それがコウの目論見だった。
しかし。
コウ「……兄さん? アムロ兄さん、聞いてます俺の話?」
妙だ。先ほどからアムロはコウの話に反応しなくなっている。
アムロ(一年戦争)「僕が、僕が一番上手く、ガンダムを使えるんだあぁ!」
コウ「! やばい、撃ってきた!」
コウはハッチを開け放ったまま、とっさに機体を動かした。
一瞬遅れて、すぐ横をビームの重粒子が走り抜ける。
少しでも判断に迷っていれば、今頃コウの身体はミンチよりも酷い有様になっていたはずだ。
コウ「なんか
おかしいぞ!? いくら若いころだからって、アムロ兄さんがこんなに人の話をわからない人間か?」
これではまるで、システムに飲み込まれた
強化人間だ。
だが、そんな疑問を考える余裕はないほど、アムロのガンダムは的確にコウを追い詰めてゆく。
コウ「まずい……袋小路に嵌った。もう逃げ道がない!」
アムロ(一年戦争)「僕が一番上手くガンダムを……!」
ガンダムがビームライフルの照準を合わせる。
終わった。そう思った瞬間だった。
「やれやれ……なにブザマさらしてんだいコウ」
呆れたような声が頭上に投げかけられる。
仰ぎ見ると、上空には丸みを帯びた朱色の機体。
それは紛れもなくガーベラ・テトラ。
コウの愛人(?)
シーマ・ガラハウの機体だった。
987オールアムロVSシャア軍団VSガンダム兄弟2019/06/01(土) 04:51:46.99ID:zzFwSL6s0
アムロ(一年戦争)「見たことの無い機体、知らない声……あなた、コウの奥さんか!」
シーマ「おや、嬉しいこと言ってくれるじゃないのさ」
コウ「いや違いますからね!? それよりシーマさん、どうしてここに?」
シーマ「なんだか町が騒がしかったからねえ、ちょいと探ってみたら案の定ガンダム兄弟絡み。ならアンタも出てくると網を張ってたのさ」
コウ「それにしてはタイミングばっちりというか……ハッ!? まさか俺の機体に盗聴器を仕込んでたんじゃ」
シーマ「そんなことはどうだっていい!!」
コウ「ひっ!?」
コウの疑問は、シーマの逆切れめいた激昂の前にあっという間にかき消される。
シーマ「なんだいアンタ、今の情けない戦いは。いくら相手がアムロ・レイだからってそれでも男かい!?」
コウ「は、はい……すいませんでした」
アムロ(一年戦争)「コウが怒られてる……あなた、コウを手助けに来たんじゃないのか?」
シーマ「助ける? ちょいと違うねえ」
言うが早いか、ガーベラ・テトラがガンダムに向かって突撃を仕掛ける。
それをアムロは焦ることなく冷静に撃ち落とした。
だが、シーマの狙いはそこではなかった。
彼女は機体が撃墜されるより早く、コクピットから宙へ身を投げ出していたのだ。
シーマ「コウ! アタシを受け止めな!!」
コウ「え、あ、ハイ!」
コウは慌ててステイメンの両掌でシーマをキャッチする。
するとシーマは素早く身を躍らせ、開け放たれたままのステイメンのハッチから、コクピットの中へと滑り込んだ。
シーマ「いいかい。アタシはアンタを助けに来たんじゃない。気合を入れに来たのさ!」
そう宣言すると、シーマは問答無用でコウの唇を奪う!
コウ「プハッ! い、いきなり何をするんですか!?」
シーマ「だから言ったろ? 気合を入れに来たって。アンタを男にするんだよ!」
コウ「ヘ? や、やめてえええ! パイスーを脱がさないでぇぇぇ!!」
アムロ(一年戦争)「…………」
アムロは開け放たれた試作3号機のハッチから見える光景に呆然としていた。
アムロ(一年戦争)「こ、これは一体……!?」
アムロは困惑していた。
コウとの戦闘中、突然熟女が助っ人にやってきた。そこまではいい。
だがその熟女はアムロと戦うどころか、試作3号機のコクピットに潜り込み、おっぱじめているのだ。
あろうことか、アムロの眼前で!
988オールアムロVSシャア軍団VSガンダム兄弟2019/06/01(土) 04:54:41.38ID:zzFwSL6s0
コウ「いやあああ……見ないでアムロ兄さん! こんな俺を見ないでぇぇ!」
シーマ「ふっふっふ、今日もチェリーがより取り見取り……じゅるり」
アムロ(一年戦争)「あ、あんたたちは一体なにをやってるんですか!?」
シーマ「何って、見てわからないか? コウのナニをナニしてるのさ!」
コウ「アッーーーーーー!!(汚い悲鳴)」
アムロは困惑していた。現在(29歳)でこそ
エロ大名として名を馳せる彼だが、
一年戦争時は15歳。つまり、童 貞 で あ る 。
目の前でこんなものを見せられては、当然、目のやり場に困る!
シーマ「どうだいコウ? 段々気合が入ってきただろう?」
コウ「入りました! 気合ならもう十分入りましたから! だからもう勘弁してください!」
シーマ「と、口では言いつつも?」
コウ「アッーーー!(高音) せ、せめてハッチを閉めてぇぇぇぇぇ……」
アムロ(一年戦争)「ふ、ふ、ふざけるな!!」
シーマ「何だいうるさいねえ」
アムロ(一年戦争)「戦いの最中でそんなことを始めるなんて……アンタたちは僕を馬鹿にしているのか!?」
シーマ「これも一種の戦いさ。男と女のね! それに小説版ではアンタだって」
アムロ(一年戦争)「小説版の話はやめろぉぉぉぉぉぉぉ!!」
アムロの動揺が最高潮に達したその瞬間、シーマの女豹の如き目が光る。
シーマ「今がチャンスだよ! ほら、さっさとイきな!!」
コウ「あ……ウ、ウラキ少尉、突貫します!!」
バーニアが激しく火を噴き、ステイメンが全速力でガンダムに衝突する!
アムロ「! う、うわああああ!!」
がら空きになったガンダムのボディに与えられた衝撃は、そのままコクピットのアムロを襲う。
さすがのニュータイプといえどこれには耐えられず、アムロはそのまま失神した。
コウ「た、倒したのか、俺? あのアムロ兄さんを……」
シーマ「やったじゃないかコウ。さすがアタシが見込んだ男さね」
ヨナ「おい、コウ! 無事か!?」
コウ「ヨナ兄さん……遅いよ」
キラ「あれ? ガンダムが倒れてる。ひょっとしてコウ兄さんが倒したの?」
コウ「ま、まあ倒したといえば倒したかな」
シーマ「二人の愛の勝利さね」
ウッソ「本当ですか!? 大金星じゃないですかコウ兄さん!」
キオ「すごいやコウ兄ちゃん。ところで、なんでコクピットの中で裸なの?」
コウ「それは聞かないでくれ……」
キラ「あっ…(察し」
ウッソ「あっ…(察し」
ヨナ「ごほん、ともかくこれでようやく一人目だな。お疲れ、コウ。いろんな意味で」
コウ「うん。本当に何度も死ぬかと思ったよ、いろんな意味で」
989オールアムロVSシャア軍団VSガンダム兄弟2019/06/01(土) 04:56:43.64ID:zzFwSL6s0
ウッソ「じゃあ、とりあえずガンダムは僕が家まで運びますね」
キオ「ねえ、本当にガンダムの首狩っちゃダメ?」
コウ「我慢してくれキオ。戦闘中、なんだかアムロ兄さんの様子がおかしかったんだ。ひょっとしたら機体に何か仕掛けられてたのかもしれない」
キラ「家でならすぐに解析できるからね」
キオ「ちぇー」
ヨナ「じゃあ俺たちももう行くよ。他のところでもまだ皆戦ってるだろうから」
コウ「わかった。悪いけど僕はもうちょっとだけ休んでから合流するね」
ヨナ「気にするなよ。お前はもう、充分働いたからさ。……俺も負けてられないな」
ヨナはそう一人ごちると、キラ、キオを引き連れてまた飛び去って行った。
コウはシーマと並び、その背中を見送る。
コウ「今日はありがとうございました、シーマさん。なんだかんだ助かりました」
シーマ「何だい、なんだかんだって」
コウ「なんだかんだはなんだかんだですよ。ところで、これからどうするんです?」
シーマ「そうだねえ……アタシもちょいと疲れちまったからね。休んでいこうかねえ、このコクピットで!」
コウ「……へ?」
┏━━━━━━━━━━━┓ ┏━━┓
┃ ┃ ┃ ┃
┗━━━━┓ ┏━━┓ ┃ ┃ ┃
┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃
┃ ┃┏━┛ ┃ ┃ ┃
┃ ┃┃ ┃ ┏━━━━━━━━━━┓ ┃ ┃
┃ ┃┗━━━┛┏┳┓┏━┓┃ ┃ ┃ ┃
┃ ┃ ┃┃┃┃ ┃┗━━━━━━━━━━┛ ┃ ┃
┃ ┃ ┗┻┛┃ ┃ ┗━━┛
┃ ┃ ┏━━┛ ┃ ┏━━┓
┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃
┗━┛ ┗━━━━┛ ┗━━┛
日登町南区での戦闘結果
アムロ・レイ(一年戦争)……童貞の隙を突かれ失神・敗北
コウ・ウラキ……アムロに勝利するも、その後、シーマに搾り取られ再起不能
シーマ・ガラハウ……ツヤツヤ
ヨナ「(合掌)」
キラ「(合掌)」
ウッソ「(合掌)」
最終更新:2019年10月21日 18:25