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「白銀の序曲」 Guild Wiki
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心につもる白い旋律#10

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hakugin_ts

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ボルケーノコロシアム。

恐ろしく熱い。

暑いではない。熱いのだ。

そこで獲物を探す、ミント・クライスの姿があった。

ギルド内では最大火力を誇る、魔王。そしてマスターを兼ねている。

その瞳は、獲物を探す獣のようで。

彼女がみつけたのは、ヴィル・バーリー。

明らかにやる気のない様子だが、そんなことは構わない。

フェアーウィンドをかけると、大あくびをしているヴィルのもとへ走りだす。

何も言わずに、アローを撃ちだす。

「!?」

突然の襲撃に驚いた獲物は、あわてて盾を構える。

魔法を防ぎきると、大剣を持ちだして構えた。

「・・・俺は手加減しないぜ?」

鼻から上は仮面で見えないが、余裕をかましているのはよくわかる。

「その余裕が死を招く。」

ミントはそれだけ言うと数多の魔法を発動させる。

風・水・風・風・水。

不規則なリズムで風と水を打ち出す。

詠唱時間の長い無属性魔法はあまり使わない。

何もかもを切り裂く四人のアネモイ、ボレアス・ノトス・ゼピュロス・エウロスの風と

すべてを飲み込むポセイドンの海と水。

風と水、二つの精霊に認められたミントには、あらゆる風と水が味方する。

その風に触れたものは、木端微塵になり、その水にのまれたものは跡形もなくなるという。

そんなものにはうかつに近寄ることができない。

ヴィルは、手も足も出ないのだ。

逃れるだけで精一杯になってしまう。

チッと舌打ちをすると、ヴィルは仮面を剥いで地面に投げ捨てた。

「わりぃわりぃ!降参だ!敵わねーよ!」

その様子をじっと見据えると、ミントはこう吐き捨てた。

「私は、手加減したんだけれど」

そう言って、姿をくらました。





そこからさほど遠くないところ。

敦眞とユエノが火花を散らしていた。

「久しぶりね」

「ん」

「前回の続きをする準備はできていて?」

「ああ。」

そう言うと敦眞はランスを召喚させ、ユエノの頭上から降らせた。

が、ユエノの頭上にはマジックバリア。

鏡はそのランスを飲み込み、そのまま敦眞の方向へ吐き出した。

多少ダメージが減って向かってくるとはいえ、自分が放ったものが戻ってくるというのは、どうにも気に食わない。

ユエノは物理攻撃を仕掛けてくるが、ダークエレメントを張っている敦眞にはなかなかダメージが通らない。

そんな攻防戦が何分も続く。

とうとうユエノは痺れを切らし、何かを唱え始めた。

「不死とうたわれた砂漠のファラオよ、今こそ私に変化の時を―!」

何事かと盾を構えてみていると、煙に包まれたユエノの姿は一瞬にして化け猫になった。

見とれている場合ではない。

ユエノはものすごい速さでこちらへ来る。

敏捷が下がり、攻撃速度の上がったユエノにはすきがなく、自分の身を守るだけで精一杯だった。

それでも、と防御力を上昇させて耐えようとしていた。

突然、ユエノが奇声を発した。

キイイイイイイイ、という金切り声であろうか。

プリマドンナが習得できる、シャープスクリーム・・・。

まともに聞いては耳が壊れてしまう、と耳をふさぐ。

そのすきを見つけたユエノの目つきが変わり、そのまま爪を突き立てた。

「痛っ・・・」

一度懐に入られては、追い出すのも厄介で。

このままでは耳どころの騒ぎではなくなってしまう。

自分の命までもを落としかねない。

あわてて白旗を持ち出す。

白旗は降参の意。

それを見たとたんにユエノの変身は解け、座り込んでいる敦眞を見下ろしていた。

「・・・降参だ降参」

「そう。あなたの力はその程度だったのね」

嘲笑うかのようにニャアと猫の鳴きまねをして、ユエノは立ち去った。

「・・・っくそ。」

傷だらけの体は言うことをきかず、拳を地面にたたきつていることしかできなかった。




周りの様子など見えていない、とでも言うように刃をぶつける約二名。

コウは、前回と同じようにあらわれた。

同じように、いつの間にか一弥の近くにいた。

しかも、背後に。

ちょいちょい、と肩をつつかれて初めて気づいたのだ。

「あんさん、久し振りっす」

半分からのぞかせる口元からニッと白い歯が見えた。

相当鈍くなってしまったようだ、と頭をかきながら返す。

「やあ。コウさん。お久しぶりですね」

ふと、コウの両手に目が行った。

彼女の両手には剣が握られていた。

それも、片手に一振りずつ。

紅い瞳と、ピンクの髪、そしてピンクの服に似合わない、コバルトブルー。

いや、もう少し鮮やかな・・・ターコイズブルー?

色の問題ではない。

どうして彼女は二刀なんかを?

それに気づいたコウは答えた。

「こいつ、かっこいいっすよね。トルコ石の色っす」

嬉しそうに話す。

「んじゃ」

そう言うと間髪容れずに剣を振りかざした。

二刀だからと言って威力が増すわけではない。

よほどの使い手でない限り、利き手だけに力が入り逆の手は使い物にならない。

大剣で攻撃を受け流しながらコウに聞く。

「なぜ、刀を?」

ああ、とコウは答える。

「だって、こうしたら、あんさんも剣がつかえるっす!」

キラキラと顔を輝かせて言う。

「んでんで、あたいが勝ったら剣術を教えてもらうっす!」

無茶苦茶なことを言い始めた。

それならば、と一弥は提案する。

「引き分けにして、今から少し教えましょうか」

毎度おなじみ牛紳士の営業スマイル0円つけて。

コウが跳ね上がる

「まじっすか!じ、じゃあ早く教えてほしいっす!」

その場から少し離れて、二人は腰をおろした。

と、するとそこに現れたのはポプリの仮面のイチヤ。

「あー。一弥ずるい!僕ってば相手が見つからなくて退屈してるから、いーれて!」

コウはなぜかイチヤをにらんでいる。

いいや、見据えている。

そして、見据えているのはイチヤではなく、その後ろ。

「おい、そこのバケモン、あんたの相手は後ろっすよ」

バケモンじゃない、と訂正したかったがさすがに危機感を感じ振り返る。

「どーも。」

後ろにいたのはセクシークイーン。

一弥がひゅう、と声をあげる。

「なっ。ななななな。だ 誰っ」

「そんな驚かなくてもええのに~・・・

 ちとだけ、お手合せねがえます?」

変な抑揚のある言葉。

「あのー・・・はっきり喋ってくれないと・・・」

「なんや、知らんの?関西弁。親しみやすくてええよお」

「カンサイベン?」

「そや。」

「・・・。」

「・・・。」

「だあ。もおええ!はよういきまっせ!」

「わっわわっ・・・」

腕を掴まれて引きずられるイチヤ。

と、それに向かって笑顔で手を振る一弥。

「・・・にしてもあんさん、こんまいなあ。今年でいくつ?」

「せ、成人してますー!」

「そうは見えんけどなあ。んじゃあ、一戦いきまひょか・・・と言いたいところなんやけどー

 わて、日頃のうっぷんがたまりまくってんねんー

 ちょっと、愚痴に付き合ってくれへんー?」

「ぐ、愚痴?かまわないけど・・・」

「おお!ほんまに?おおきにっ。聞いてくれたら勝ちはあんさんにプレゼントしますわ。ロウさんてば何を言ってもニコニコしてはるだけやし

 同感してくれる人がおらんと困るわあー。

 ほな、さっきのところ戻りまひょ?」

今度は来た道を引きずられる。

困ったギルドバトルがあったもんだ。とイチヤはため息をつく。




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